『初音ミク -Project DIVA- X』収録曲30曲を音楽ライターが完全解説!【特集第2回】

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『初音ミク -Project DIVA- X』収録曲30曲を音楽ライターが完全解説!【特集第2回】

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前回までの特集記事はこちら

遊んで、集めて、攻略!『初音ミク -Project DIVA- X』で初音ミクたちのライブをプロデュース!!【特集第1回】

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電子の歌姫・初音ミクが主演する「Project DIVA」シリーズから、最新作が登場! 『初音ミク -Project DIVA- X』は、「歌うようにプレイする」というシリーズならではの操作感はそのままに、ライブ&プロデュースがコンセプトのリズムゲーム。PlayStation®Vita版は3月24日(木)、PlayStation®4版は今秋の発売を予定している。

今回のメインモードは、新たに加わった「ライブクエスト」。5つのエレメント(属性)が司るエリアをめぐり、初音ミクたちとともにクエスト(リズムゲーム)に挑戦していく。リズムゲームで「ボルテージ」を獲得し、一定以上貯まると新たな展開が……。クエストが指定したエレメントに合ったモジュール(コスチューム)を選ぶとボルテージが貯まりやすくなったり、モジュールごとに設定されたスキルを使って難しい楽曲をクリアしたりと、高い戦略性も楽しめる。コーディネートを考えながら、つい夢中になってプレイしてしまうはずだ。

他にも、理想のライブを演出することができる「ライブエディット」、従来の「Project DIVA」とほぼ同じルールで楽しめる「フリープレイ」、ミクたちの写真を撮影する「ポートレート」など、さまざまなモードが用意されている。今回は「ライブクエスト」や「フリープレイ」で楽しめる本作の収録曲全30曲を紹介していこう。

書き下ろし3曲を含む全30曲を収録! 音楽ライターが聴きどころを解説!!

収録楽曲は、書き下ろし3曲、メドレー6曲を含む全30曲! 各曲の魅力、アーティストの個性について、音楽ライターの視点での全曲レビューをお届けしよう。

なお「ライブクエスト」モードでは、各曲がニュートラル、キュート、クール、ビューティ、カオスという5つのエレメントが司るエリアに配置されている。今回の解説も、エレメント別にお伝えしていこう。

<ニュートラル>

◆「罪の名前」 【書きおろし曲】
アーティスト:ryo(supercell)

「メルト」で脚光を浴びたsupercell氏が、本作のために書き下ろしたオープニングテーマ。ストーリー性の高い楽曲で、ハーフテンポとスピーディに展開するパートで緩急を巧みに使い分け、物語の世界観にグイグイ引き込んでいく。白眉は2コーラスのサビ、1曲を通して盛り上げていく壮大な構成は見事!

◆「愛の詩」
アーティスト:ラマーズP

「うーぱぱうぱぱ」と脳が溶けるようなスキャットに始まり、『初音ミク V3』を活かした滑らかで優しい歌声やコーラスがかわいらしい。一方サウンド的にはリズムから間奏のギターソロまで00年代の電波ソングらしい作法に則っており、ミクと電波ソングへの愛を感じる楽曲だ。

◆「ハジメテノオト」
アーティスト:malo

2007年発表、初音ミクブームの最初期を飾る名曲。優しいメロディの直球なバラードに仕上がっている。バージョンの仕様も含めて今聴くとどこか固さの残った声に聴こえるが、その訥々とした歌い方によって、電子の歌姫の気持ちを歌う歌詞が心に深く刺さる。

◆「Satisfaction」 【書きおろし曲】
アーティスト:livetune

ご存じ「Packaged」のkz氏(livetune)が書きおろした最新作! クラブミュージックの作法に則ったキメキメの構成と、上質な低音のサウンド。それらの上にひたすらポップなさすがのメロディーセンスが重なり、思わず踊り出したくなる極上の1曲になっている。アンセム間違いなし。

◆「はじまりのメドレー ~プライマリーカラーズ~」
収録曲:恋スルVOC@LOID / Dreaming Leaf -ユメミルコトノハ- / フキゲンワルツ /
    ミラクルペイント(アーティスト:OSTER project)
メドレーアレンジ:OSTER project

OSTER project氏によるシリーズ1作目『初音ミク -Project_DIVA-』収録曲のメドレー。伝説の1曲「恋スルVOC@LOID」は音色から調声まで一新され、ラストを飾る「ミラクルペイント」は全員の合唱・スキャットを盛り込んだ特別バージョンになるなど、耳に心地いい贅沢なメドレーに。

◆「終極のメドレー ~超絶技巧暴走組曲~」
収録曲:初音ミクの消失(アーティスト:cosMo@暴走P) / 裏表ラバーズ(アーティスト:wowaka) /
    Sadistic.Music∞Factory(アーティスト:cosMo@暴走P) /
    二次元ドリームフィーバー(アーティスト:PolyphonicBranch) /
    初音ミクの激唱(アーティスト:cosMo@暴走P)
メドレーアレンジ:cosMo@暴走P

高速ボーカル曲を集めたメドレー。最初の「初音ミクの消失」からクライマックスのようなスピードだが、続く「裏表ラバーズ」でも徐々に加速していき……ボーカロイドならではの”早口ボーカル”、その極限に挑むようなノンストップメドレーだ。

<キュート>

◆「恋愛裁判」
アーティスト:40mP

40mP氏初のミリオン曲「トリノコシティ」などに見られるファンキーな流れを推し進めつつ、明るくポップに仕上げた1曲。ピアノにブラス、スラップベースにカッティングギターと個々の主張が楽しいBメロまでから、全楽器が一堂に会すサビへの展開が耳を楽しませる。

◆「ツギハギスタッカート」
アーティスト:とあ

ピアノを主体に、シロフォンから時計の針や電話のベルといった生活音まで小気味よく挿入され、明るくかわいらしい曲調。一方で切ないメロディでギャップを生み、息遣いを感じるような(咳払いまで再現!)調声の妙が、不思議な空気感を演出している。

◆「ウミユリ海底譚」
アーティスト:n-buna

印象的なメロディラインのリフが耳に残るバンドサウンドの楽曲。その真価は、本曲で驚異的に変化した調声の巧みさにある。ハイトーンかつウィスパーな声をたっぷり聞かせるABメロに、リフに合わせて早口でリズムをノりこなすサビと、存分に聴かせてくれる。

◆「クノイチでも恋がしたい」
アーティスト:みきとP

「いーあるふぁんくらぶ」でお馴染み、みきとP氏によるエキゾチックな曲調のシリーズ。サーフィン・ホットロードのような時代がかった情熱的なギターサウンドが、”クノイチ”というこれまた時代がかった曲のテーマとマッチして、逆に新しい感触のラブソングに。

◆「LOL -lots of laugh-」
アーティスト:mikumix

完成度の高いテクノポップ。キラキラした音色でどこか懐かしいメロディを奏でる上モノに、重めの歪みで流れる低音。今やEDMの文脈では定番の組み合わせだが、本曲においてこの二面性は歌詞とリンクして甘美な現実逃避を表現していて面白い。

◆「キュートメドレー ~アイドルサウンズ~」
収録曲:イージーデンス / FREELY TOMORROW / ビバハピ / アゲアゲアゲイン
    / アイドルを咲かせ (アーティスト:Mitchie M)
メドレーアレンジ:Mitchie M

「Ready?」の掛け声からスタートする、Mitchie M氏による極上の四つ打ちメドレー。早めの「イージーデンス」のラップから「FREELY TOMORROW」のBメロへ行くなど、全体的にシームレスにつなぐことに特化。神調教によるキュートな世界観に浸れる構成になっている。

<クール>

◆「ラズベリー*モンスター」
アーティスト:HoneyWorks

“青春系”ロックを得意とするHoneyWorks氏ならではの破壊衝動を満たすへヴィーなサウンドとは対照的に、電子の歌姫らしい綺麗なシャウトがポップな色を添えている。また動画演出を意識したAメロのコールなどは、映像も手掛ける彼ららしい仕掛けだ。

◆「Strangers」
アーティスト:Heavenz

3/4拍子から始まる不安定なイントロから音の洪水のように目まぐるしいピアノ・ドラムへ、Heavenz氏が得意とする緻密な打ち込みが光る1曲。それでいて疾走感を失わず、Bメロで音が収束してロングトーンのボーカルに至るサビの爆発力が美しい。

◆「ロストワンの号哭」
アーティスト:Neru

高音で鮮烈に響くギターリフに、ひたすら裏でハイハットを刻む高速ダンスビート。邦ロックの流れを汲むひたすら気持ちいいダンスロックだ。Neru氏の得意とする疾走感のある曲調と暗い歌詞に、ABメロの低音を歌うリンのやさぐれた雰囲気の調声がマッチしている。

◆「Calc.」
アーティスト:ジミーサムP

多作にして多様な作風で知られるが、中でもバンドサウンドで多くのフォロワーを生み出したジミーサムP氏。本曲はそのひとつの集大成だ。クリーンなギターとシンプルな曲構成、余計なものがないからこそ、優しい調声の質感が歌詞を胸に届ける。

◆「独りんぼエンヴィー」
アーティスト:koyori(電ポルP)

気だるげなテンポで展開される奇妙なリフとカッティングギター。癖のあるロックサウンドを得意とするkoyori氏による、一度聴いたら忘れられない耳馴染みのいいダウナーなロック。低めのメロディを囁くように歌う調声も見事でクセになる。

◆「クールメドレー ~サイバーロックジャム~」
収録曲:アンハッピーリフレイン (アーティスト:wowaka) /
    マイリスダメー!(アーティスト:ライブP) / 天樂 (アーティスト:ゆうゆ) /
    Palette (アーティスト:ゆよゆっぺ) /
    このふざけた素晴らしき世界は、僕の為にある(アーティスト:n.k)
メドレーアレンジ:DIVELA
マニピュレート:攻 (おさむ)

若きリミックス職人DIVELA氏のバンドサウンドメドレー。「アンハッピーリフレイン」や「天樂」などのシンセメロ、「Palette」の重低音など、元の作曲者がバラバラな中、デジタルサウンドのテイストを盛り込むことでメドレーに一貫性を持たせている。

<ビューティ>

◆「脳内革命ガール」
アーティスト:MARETU

不協和音一歩手前のメロディにドタドタと崩れそうな危ういリズム、と書くと悪口のようだが、絶妙なバランスでダークメルヘンな雰囲気を構築している。それらアバンギャルドな要素を下支えするのが、ラフに歌いながらリズムに不思議とハマる譜割りだ。

◆「Amazing Dolce」 【書きおろし曲】
アーティスト:ひとしずく×やま△

ひとしずく×やま△氏による書きおろし曲。魔女をイメージしたメルヘンチックな三拍子のアカペラから一転、得意のブラス華やかなりし高速ポップファンクへと展開! 大人っぽく、セクシーで情熱的なだけではなく、めまぐるしいボーカルの掛け合いがコミカルにパーティ感を演出する。

◆「聖槍爆裂ボーイ」
アーティスト:れるりり・もじゃ

速いダンスビートに乗ってレンの赤裸々なマシンガントークが展開される本曲は、「脳漿炸裂ガール」の流れを汲んだれるりり・もじゃ氏のシリーズ作。男性目線のわりと最低な告白にクールめな調声がマッチして、ロングトーンを聴かせるサビとラップの緩急がカッコいい。

◆「紅一葉」
アーティスト:黒うさP(WhiteFlame)

「千本桜」の黒うさP氏によるスローバラード。ピアノとストリングスを伴奏にしっかりしたシンセドラムがリズムを刻み、和風音階のメロディを柔らかい調声でしっとりと聴かせる。高すぎず低すぎないナチュラルな音程も、温かみがあって心に響く。

◆「愛Dee」
アーティスト:Mitchie M

自然な英語ラップに自然なロングトーンの処理、一体どうやってるんだと度肝を抜かれるMitchie M氏の調声は必聴。一方、楽曲としてもハイクオリティなサウンドで、手の込んだEQ(イコライザー)ワークが楽しいファンキー・ディスコチューンに仕上がっている。

◆「ビューティ・メドレー ~Glossy Mixture~」
収録曲:Dependence Intension(アーティスト:Treow(ELECTROCUTICA))
     / Sweet Devil(アーティスト:八王子P) / Nebula(アーティスト:Tripshots)
     / Chaining Intention(アーティスト:Treow(ELECTROCUTICA))
メドレーアレンジ:Treow(ELECTROCUTICA)

ELECTROCUTICAのTreow氏による艶のあるダンスチューンメドレー。驚くほど滑らかな「Sweet Devil」冒頭の英語パートや、Treow氏らしい緊張感のあるリズムなど、自作他作問わず細やかなリミックスを盛り込んで、独特の世界観をメドレーに落とし込んだ力作。

<カオス>

◆「Mrs.Pumpkinの滑稽な夢」
アーティスト:ハチ

本名の米津玄師名義でアーティスト活動も行なうハチ氏の5曲目のミリオン再生達成曲。ポルカのようなリズムを自在に跳ねさせて、幻想的なメロディを駆動する実にハロウィンらしい1曲。ロックのイメージが強いハチ氏だが、一貫した不穏な雰囲気は彼らしいセンスだ。

◆「ストリーミングハート」
アーティスト:DECO*27

静謐なところから爆音へと加速していくDECO*27氏得意のバンドサウンドだが、本曲は非常にテクニカル。早いバスの連打からハーフテンポに、速く、遅く、サビで再び速くとテンポチェンジを繰り返し、聴きどころを盛り上げる。この緩急が驚異的な中毒性を生み出す。

◆「すろぉもぉしょん」
アーティスト:ピノキオピー

和をイメージしたメロディや合いの手が楽しいハレな1曲。最初のドラムロールやギターの入り方はバンド的だが、四つ打ちやピコピコした上モノなどサウンド的にはダンスミュージック的。「ありふれたせかいせいふく」などで見られる、ピノキオピー氏の得意とするラインだ。

◆「バビロン」
アーティスト:トーマ

気持ちよく韻を踏んでリズムを刻んでいく歌詞のチョイスが最高。時折三拍子や6/8拍子になる変拍子も、リズムを崩さず中毒性を増す引っかかりになっている。イラスト・PVまで含めてコーディネートする独特な世界観を持つトーマ氏ならではの唯一無二な1曲。

◆「卑怯戦隊うろたんだー」
アーティスト:シンP

威勢のいいシンセリフに古臭いシンセドラム、それっぽい歌詞。80~90年代のOVAロボットアニメにとことん寄せたサウンドの、ボカロ黎明期を飾るカオスな作品。Bメロの女性ボーカルの入り方などもいかにもそれっぽいが、単にパロディに堕さずなかなか聴かせる。

◆「カオス・メドレー ~ギガリミックス~」
収録曲:ぴんこすてぃっくLuv / ギガンティックO.T.N /
    おこちゃま戦争(アーティスト:ギガP / れをる) /
    いーあるふぁんくらぶ(アーティスト:みきとP)
メドレーアレンジ:ギガP

ギガP氏楽曲と、彼による有名なリミックス「いーあるふぁんくらぶ」のメドレー。全体的に「ギガンティックO.T.N」並のテンポで、「おこちゃま戦争」はDメロの”悪口合戦”をフィーチャーして、リン・レンのカオスな早口ラップを浴びるように聞ける構成になっている。

■初音ミクがキャビンアテンダント姿に! PS Vita版初回封入特典&予約特典

PS Vita版の初回封入特典は、航空会社AIRDOとのコラボレーションでつくられた『AIRDOコラボモジュール「CAスタイル A」プロダクトコード』! AIRDOのキャビンアテンダントが実際に着用している制服をモチーフとした、初音ミク専用モジュールとなっている。もちろんダウンロード版にも付与されるので、パッケージ版とダウンロード版、好きなほうを選ぼう!

【注意事項】
※初回封入特典の有効期限は2017年3月23日(木)までです。
※本特典は、ダウンロード版にも付与される特典です。(2016年3月31日(木)購入分まで)
※プロダクトコードの利用にはネットワーク環境が必要になります。
※初回封入特典の有無につきましては、各店舗にご確認ください。

これまで紹介しているように、PS Vita版のパッケージ予約購入特典は、人気イラストレーターKEI氏描き下ろしのPS Vita版メインビジュアルを使用した「アーケードにもAimeきて!カード」。「Aime(アイミー)カード」は、対応するアーケードゲームのプレイデータを一元管理できる優れもの。カードを筐体にかざすだけで、手軽にゲームをプレイできる。もちろんアーケード版『初音ミク Project DIVA Arcade Future Tone』にも対応しているので、ぜひこのカードを使ってプレイしてほしい。

「アーケードにもAimeきて!カード」

Illustration by KEI

※予告なく内容・デザインを変更する場合があります。あらかじめご了承ください。
※数に限りがあります。無くなり次第終了ですので、早めにご予約ください。
※特典は、予約いただいた店舗にて商品引き渡し時にお渡しとなります。

ゲームファンはもちろん、音楽ファンからも高い注目を集める『初音ミク -Project DIVA- X』。特集第3回では、新たなメインモード「ライブクエスト」にスポットを当て、ゲームプレイの流れや楽しみ方を紹介する予定だ。お楽しみに!

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初音ミク -Project DIVA- X

・発売元:セガゲームス
・フォーマット:PlayStation®Vita
・ジャンル:リズムアクション
・発売日:2016年3月24日(木)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 6,990円+税
    ダウンロード版 販売価格 7,549円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:B(12才以上対象)

※PS4®版も2016年秋発売予定

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『初音ミク -Project DIVA- X』公式サイトはこちら

© SEGA
© Crypton Future Media, INC. www.piapro.net 
記載の商品名および社名は各社の登録商標です。

※使用している画面写真はすべてPlayStation®Vitaの開発中のものです。
本作のキャラクター設定は SEGA feat. HATSUNE MIKU Projectが
本作のために設定したものであり、公式設定とは異なります。

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