
舞台となるスコットランドや古いガジェットなどの描写に対するこだわり、複数の選択肢が用意された探索や戦闘、独自の要素となる「CRTV」など、本作が目指したポイントを開発陣が語る。
9月24日(木)に発売されるPlayStation®5用ソフトウェア『SILENT HILL: Townfall(サイレントヒル タウンフォール)』。サイコロジカルホラー「SILENT HILL」シリーズの最新作だ。新たな舞台は、スコットランドの冷たい海に浮かぶ孤島「セントアメリア」。深い霧と静寂に包まれたこの町では、かつて存在した人々の気配や断片的な記憶が、現実と虚構の境界を曖昧にしていく。迫り来る脅威から身を潜める緊張感、死と隣り合わせの戦闘、そして物語に密接に絡みつくパズルが主人公のサイモンとプレイヤーを待ち受ける。


この記事では、本作を世界最速で試遊できたメディア向けイベント「『SILENT HILL: Townfall』 Media Premiere」で行なわれた、コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)の岡本基氏(「SILENT HILL」シリーズプロデューサー)と開発を担当したスコットランドのデベロッパー「Screen Burn」のライター&ディレクターであるJon McKellan(ジョン・マケラン)氏へのインタビューのほか、PS Blog独占インタビューの模様もあわせてお伝えする。
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岡本 基
コナミデジタルエンタテインメント
「SILENT HILL」シリーズプロデューサー

Jon McKellan(ジョン・マケラン)
Screen Burn
ライター&ディレクター
一人称視点で描かれる新たな霧の町──開発会社Screen Burnの集大成

──本作の開発にScreen Burnを選んだ理由を教えてください。
岡本:本作の共同パブリッシャー「Annapurna Interactive」にScreen Burnを紹介していただきました。Annapurna Interactiveはインディーゲームにおいてアートとナラティブで成功されているので、その目利きは信用しています。私も『Observation』や『Stories Untold』といったScreen Burnの作品を遊んだことがあり、どちらも素晴らしい作品だったのでお任せできると思いました。
──ジョンさんは「SILENT HILL」シリーズに何か思い出はありますか。また、実際に自分がシリーズ作品を手掛けることになった際はどのように感じましたか?
ジョン:私が17歳か18歳の頃に初代『SILENT HILL』が発売されたのですが、それから「SILENT HILL」シリーズの虜になってしまいました。ナラティブに関することはもちろん、物語やキャラクターなど、あらゆる要素が魅力的であり、そのすべてが現在にいたるまで、私のゲーム開発に影響していると思っています。現在、自分が「SILENT HILL」に関わっているとは夢のようです。いちファンとして愛していたシリーズにこうして自分が貢献できるようになったのは、とても不思議で得がたい体験だと考えています。

──ジョンさんに本作のシナリオをお願いする際に、「SILENT HILL」としてこうしてほしい、といった要望はあったのでしょうか?
岡本:KONAMI側にもバイブルというかストーリーガイドラインみたいなものはありますが、やはりデベロッパーさんやライターさん自身が「SILENT HILL」シリーズを分析し、自分のためのバイブルを作るプロセスが大事だと思っています。こちらから分厚いマニュアルのようなものを渡しても、おそらく腹落ちしないと思うので、どの開発チームにもお願いしています。

──Screen Burnは本作で何を目指したのでしょうか?
ジョン:われわれは10年以上ゲーム開発を行なってきましたが、本作はその歩みの集大成だと考えています。「SILENT HILL」シリーズに貢献できるだけでも非常に名誉なことですが、自分たちはこういう作品を作れるんだ、自分たちが「SILENT HILL」を作ったらこうなるんだということを、本作を通してプレイヤーの皆さんに納得していただけるような作品を目指しました。
──Screen Burnはこれまで中小規模のゲームを手掛けてきたと思いますが、その知見やノウハウが「SILENT HILL」という世界的なIPにもたらした視点や影響などがあれば教えてください。
ジョン:われわれが手掛けた『Stories Untold』という作品は、物語とゲーム性の融合を強く意識したタイトルであり、本作に最も影響を与えたタイトルだと考えています。ただゲームを進行するための仕掛けや進行上の障害といった単純なものはなく、ゲーム内で描かれているものや演出のすべてがナラティブに直結しているという構造を心がけました。
──本作の開発において、初期から大きく変わった点などがあれば教えてください。
ジョン:開発当初に提案した内容から、大きな変更はありません。どのような作品を作ろうとしていたか、どういった物語にしようとしていたかという指標は、つねにとどめていました。できあがっていく作品を見ながらも、開発初期にKONAMIと共有した内容から大きく逸脱していないかは注視していました。
霧深いスコットランドの町並みをリアルに描く
──スコットランドを本作の舞台としたことについては、どのようにお考えですか?
ジョン:スコットランドはわれわれの生まれ育った土地であり、自分たちにとって最もなじみ深く、最も描きやすい環境です。より緻密かつ説得力のある舞台設定を作るには、やはり自分たちが最も慣れ親しんでいて熟知している環境を作ることが大事だと考え、スコットランドという環境を選ばせていただきました。また、スコットランドはもともと霧が深い土地なので、「SILENT HILL」に適していると思います。実際に外で写真を撮ると「今われわれはサイレントヒルにいる……」という気持ちになったこともありました。

岡本:「SILENT HILL」は世界各地の開発会社と組むことが多いのですが、それによってさまざまな地域の文化やカルチャーが混じり合った、新しいホラー体験を提供できると思っています。
──霧が濃いこと以外にも、スコットランドらしさを感じられるポイントはありますか?
ジョン:さまざまな要素が散りばめられており、Screen Burnでも若いメンバーにはピンと来ないような要素もいくつかあります。例えば、序盤の謎解きで登場するチャージ式の電力カードがそうです。それ以外にも、家屋の様子や台所などのレイアウトやデザイン、家具の大きさなど、さまざまな部分も含めてスコットランドだからこその光景を再現しています。

古いガジェットや環境などを徹底的に再現する、執念に近いこだわり
──本作は「SILENT HILL」シリーズの長編作品では初の一人称視点を採用していますが、2024年配信の短編作品『SILENT HILL: The Short Message』も一人称視点の作品でした。開発会社は異なりますが、本作への影響はありましたか?
岡本:開発会社だけでなく開発時期も違うので、直接的なノウハウのやり取りなどはありませんでした。本作と『SILENT HILL: The Short Message』が同じ一人称視点になったのは偶然です。
ジョン:接点はなかったため、『SILENT HILL: The Short Message』は弊社スタッフ一同、新鮮な気持ちでプレイさせていただきました。本作では一人称視点が不可欠な要素として、「CRTV」というデバイスによるゲーム性を盛り込んでいます。このCRTVに関しては、一人称視点でなければ実現し得ない要素だと思っています。一人称視点のため従来のシリーズ作品とはさまざまな違いがありながらも、「SILENT HILL」らしい雰囲気や演出などを心がけました。

──シリーズおなじみのラジオからCRTVに変えた狙いや、きっかけなどを教えてください。
ジョン:ラジオをCRTVに変更する構想は、開発初期からありました。最初期は通常のラジオだったのですが、ラジオを受動的なものではなく、より積極的に活用できるものにするにはどうすればいいのか、という課題を掲げていたんです。ラジオを音だけでなく映像を見られる視覚的なデバイスにすることにより、ストーリーにおける演出での使い方や、ナラティブ、ステルスといったゲーム性への組み込み方など、さまざまな可能性が爆発的に増えたと実感しています。加えて、Screen Burnの過去作品からも垣間見えると思いますが、こういった少し古いアナログ技術をどのように扱うかを考えるのは、われわれの性に合っていました。
──CRTVでないと絶対に成立しなかったシーンはありますか?
ジョン:本作の演出やゲーム性は、CRTVを前提に作成している個所がかなり多いです。そのため、CRTVでなければ成立しないというより、どのように使用すればこのデバイスが活きるか、という視点で開発していたことが多かったですね。

──古いガジェットや環境などを徹底的に再現するこだわりについてお聞かせください。また、それが「SILENT HILL」でどのような効果を生むと考えていますか?
ジョン:われわれにとって、古めのアナログガジェットや技術はかなり大事であり、思い入れがあるものです。こういったノスタルジーなものは、私だけでなく皆さんも触れてきたはずなので、懐かしい気持ちが芽生えると思います。その気持ちをあえて逆手に取るような演出も心がけました。このようなアナログ技術は現在の感覚では少し不安定であり、いまいち信用しきれない、ちょっと頼りないという印象があると思います。でもゲーム中はそれを頼りにするしかないのですが、それにすがることはできない、という状況を作ろうとも考えました。
環境に関するこだわりについては、もはや執念に近いと自負しています。その場所が実際に存在する土地であるとプレイヤーに信じ込ませることによって、その場所のことを本気で気にかけてもらえるようにすることが、何より大事だと考えています。
──本作では赤と黒が印象的に使われていますが、その意図を教えてください。
ジョン:その2色が一番いい色だからという理由もありますが、ゲームを進めていくと主人公のサイモンにとって、この2色がかなり象徴的であり、重要であるということが判明していくようになっています。

──これまでのシリーズ作品以上にクリーチャーが手強いと感じたのですが、敵を倒していくよりもステルス重視のゲームバランスになっているのでしょうか?
ジョン:本作にはプレイヤーが取ることのできる選択肢が複数用意されています。さまざまな選択肢の中から、その状況に最も適している、最も効果的だと感じる手段を模索し、どうすればその局面をうまく切り抜けられるか、いろいろと試していただければと考えています。
──マルチエンディングに対する考え方についてお聞かせください。
ジョン:本作のエンディングは単純な二択では決まらず、プレイヤーの行動の積み重ねによって、どのエンディングに到達するかが決まります。プレイヤーが辿ってきたゲーム体験にふさわしいエンディングになるような自由度を設けています。
岡本:3つのメインエンディングに関しては、1周目からでもそのすべてに到達可能ですが、隠しエンディングは一度クリアしたあとで到達できるようになっています。初代『SILENT HILL』や『SILENT HILL 2』に近い構造になっており、メインのエンディングを3つすべて見るために、2周も3周もしなければならないというわけではありません。

PS5ならではの機能と体験について
──ハプティックフィードバックやアダプティブトリガーなど、PS5ならではの機能を用いた演出や表現について教えてください。
ジョン:DualSense® ワイヤレスコントローラーのアダプティブトリガーによる銃の重さだけでなく、ハプティックフィードバックによって一部の敵の足音を手で直接感じられるという体験が得られます。またジャイロ機能によって、銃のエイムを直感的に操作できます。開発初期はどこまでうまく活用できるのかと、ジャイロ機能に懐疑的な部分もあったのですが、実際にゲーム中で使ってみると、通常の操作に戻れなくなるほど直感的な操作を実現できました。
ジャイロ機能によって地図を実際に手に取るように扱うこともできます。また、一部の謎解きではCRTVを手で傾けるという操作があります。これは、携帯電話をかざして電波を拾おうとする動きを再現する形となっていて、こういったところでもジャイロ機能で楽しむことができます。

──PS5のアダプティブトリガーやハプティックフィードバックについて、開発者としてどのように感じていますか?
ジョン:アダプティブトリガーやハプティックフィードバックといった機能に対応させることにより、ゲームを遊ぶうえで新しい感覚を追加できているという実感があります。これまで以上に具体的かつ没入感の高い体験が実現できると思っています。こういった機能をどのような形で実装できるのか、こういった機能を使って何ができるかを模索するのは、開発者としてとても楽しいです。
岡本:「SILENT HILL」はビジュアルとサウンドで評価されてきたシリーズなのですが、PS5では、触覚すらも恐怖演出に取り入れられるようになったことが、とても大きな進化だと思っています。

──3Dオーディオによる臨場感あふれるサウンドも、最新の恐怖演出を目指すうえで欠かせない要素だと思います。本作ではさらなる恐怖をサウンドで演出するために、どのような工夫をしているのでしょうか。
ジョン:本作は一人称視点ということもあって視界が限定されるため、サウンドに頼ることが増えています。視覚では捉えきれないものを認識するために、物音に注力する状況を盛り込みました。
──PlayStation®5 Proでプレイした際はどのような体験が得られますか?
ジョン:大きなポイントとしては、スペクトルスーパーレゾリューション(PSSR)への対応により、グラフィックを向上しつつ高いフレームレートを維持できます。ビジュアルとパフォーマンスが両立した体験をお楽しみください。

──発売を楽しみに待っているファンに向けてメッセージをお願いします。
岡本:2022年の発表から4年もお待たせしてしまいましたが、かけた時間の分だけ細部まで作り込むことができました。スコットランドに行ったことがない人でも実際に行った気分になれる、素晴らしい町ができあがったと思うので、ぜひ楽しんでいただければと思います。
ジョン:プレイヤーの皆さんが実際にサイモンの立場に置かれたらどうするのか、どのように思うのかを、ぜひ考えながら遊んでいただければと思います。本作の舞台である新しい町や新しい世界を、早く皆さんにお届けしたいです。新しい舞台設定、新しいゲーム性、新しい演出など、すべてにこだわって作っていますので、発売を楽しみにしてください。

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SILENT HILL: Townfall
・発売元:KONAMI
・フォーマット:PlayStation 5
・ジャンル:サイコロジカルホラー
・発売日:2026年9月24日(木)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 7,480円(税込)
ダウンロード版 販売価格 Standard Edition 7,480円(税込)
ダウンロード版 販売価格 Deluxe Edition 8,580円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:D(17才以上対象)
PS Blogの『SILENT HILL: Townfall』記事はこちら
『SILENT HILL: Townfall』公式サイトはこちら
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©Konami Digital Entertainment
©2026 Annapurna Games, LLC
©2026 Screen Burn Interactive Ltd. “Screen Burn” is a registered trademark of Screen Burn Interactive Ltd.
※映像・画面は開発中のものです。











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