『スターオーシャン 6 THE DIVINE FORCE』インタビュー! 進化を遂げたシリーズ最新作の魅力とは?【特集第2回】

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『スターオーシャン 6 THE DIVINE FORCE』インタビュー! 進化を遂げたシリーズ最新作の魅力とは?【特集第2回】

10月27日(木)の発売が目前に迫った、PlayStation®5/PlayStation®4用ソフトウェア『スターオーシャン 6 THE DIVINE FORCE』(以下『SO6』)。本作はスクウェア・エニックスとトライエースが手掛けるRPG「スターオーシャン」シリーズの最新作であり、シリーズの25周年記念作品だ。

先進文明(SF)と未開惑星(ファンタジー)、それぞれの主人公の目線で、壮大な星の海の物語が描かれる。広大なフィールドを自由自在に飛び回り、立体的な移動と探索が可能。縦横無尽のプレイ体験はバトルも進化させている。天地を自在に飛び回りながら、爽快で歯ごたえのあるバトルを楽しもう。

特集第2回では、本作に注目しているプレイヤーに向けて、開発スタッフの生の声をお届けする。トライエースの向峠慎吾プロデューサーと荒川健太郎ディレクターに、開発の経緯や見どころなどをうかがった。

『スターオーシャン 6 THE DIVINE FORCE』プロデューサー
トライエース 向峠 慎吾

『スターオーシャン 6 THE DIVINE FORCE』ディレクター
トライエース 荒川 健太郎

特集第1回はこちら!

『スターオーシャン 6 THE DIVINE FORCE』発売直前! 銀河を揺るがす大冒険を総まとめ!【特集第1回】

経験者はもちろん新規ファンも満足できるバトルやボリュームを目指した、新たな「スターオーシャン」

──『SO6』の企画は、いつ、どのような経緯で立ち上がったのでしょうか?

向峠:『スターオーシャン5』(以下『SO5』)の発売後に、スマートフォンで『スターオーシャン:アナムネシス』(以下『アナムネシス』)というタイトルを配信したのがきっかけです。『アナムネシス』はバトルのアクション性を重視したタイトルだったのですが、これがシリーズのファンだけでなく、新規のユーザー、そしてスマートフォンの市場で受け入れられたんです。

『アナムネシス』のバトルのいいところを家庭用向けに導入すれば、シリーズファンと『アナムネシス』によって新たにファンとなっていただいた方の両方に受け入れられる”進化したスターオーシャン”を生み出すことができるのでは? と思いました。現在サービスは終了していますが、『アナムネシス』の成功によって新作である『SO6』の開発にはずみがついた感じです。

──『SO6』のコンセプトやテーマについてお聞かせください。

向峠:ナンバリングにおける前作『SO5』は「スターオーシャン」シリーズのリブートという側面が強く、どちらかというと伝統的なつくりを意識したものでした。今回の『SO6』については『SO5』とは異なり、”全く新しいスターオーシャン”をつくることを目標に開発がスタートしています。もちろん、シリーズのお約束やSFとファンタジーの融合といったベーシックな世界観は壊さずに、今の若い人たちにも受け入れてもらえるアクション性やボリューム感を目指して、開発を進めました。

──本作の世界を創造する際に注力したポイントはありますか?

荒川:『SO6』には先進惑星と中世っぽい雰囲気の未開惑星が登場しますが、その差を大きく表現することです。ただし、シリーズに共通した設定として「紋章術」がありますので、それらを織り混ぜつつも、ちゃんと先進惑星と未開惑星の世界観を明確に分けることにこだわりました。そのうえで銀河連邦やその他の組織など、勢力ごとのコンセプトを崩さないように世界観を構築しています。

──『SO6』の舞台は、宇宙暦583年となっています。これまでのシリーズ作品とのつながりや、シリーズ作品をプレイしていた人がニヤリとするような要素はありますか?

向峠:過去のシリーズをプレイしたことがある人に向けては「あ、これは…!」とか「このキャラのことか!」といったように楽しめるシーンがあります。もちろん物語は独立しているので、『SO6』で「スターオーシャン」シリーズに初めて触れる人でも違和感なく楽しめると思います。

開発当初、レティシアは主人公のひとりではなかった

──ふたりのキャラクターから主人公を選択して遊べる、ダブルヒーローシステムが復活した経緯を教えてください。

向峠:『スターオーシャン2』で好評を博したシステムだから、という側面はあるのですが、クリア後にもう一度遊びたくなるような仕掛けにもなるため、スクウェア・エニックスさんからもぜひやりたいとの希望があったんです。実際につくるとなると大変でしたが採用しました。

──レイモンドとレティシア、選択した主人公によって具体的にどのような違いがあるのでしょう?

荒川:それぞれの主人公によって物語や展開が共通しているシーンはあるのですが、物語の進行上、途中で別行動をとるシーンもあります。その際に、選ばなかった主人公にどんな展開があったかは、あまり神視点では語っていないんです。そのため、もう片方の主人公に具体的に何が起きたかについては、もうひとりの主人公でプレイしないとわかりません。

向峠:パーティーがふたつに分かれる際は、仲間になるキャラも主人公によって違いますね。

荒川:分かれる前は嫌なヤツだと思っていたキャラが、合流したらなぜか素直なヤツになっていた……なんてこともあります。別行動の際に何が起きていたのか、もう片方の主人公でプレイすると見えてくるんです。

──選んだ主人公によってバトルのBGMが変化することにも、こだわりを感じました。

荒川:よく耳にするバトルのBGMに関しては主人公ごとにテーマを決めて、SFとファンタジー、それぞれの曲調や使う楽器などを選んでいます。

──主人公のほかにも魅力的なキャラが多数登場する『SO6』ですが、プレイアブルキャラそれぞれのデザインや個性、スキルなどを決める際に気を使われた箇所はありますか?

荒川:プレイアブルキャラについては、決定するまでに大きく分けて3つのパターンがありました。ひとつ目は、初期構想時から決まっていてラフなども用意されていたキャラ。ふたつ目は、ストーリーを展開するうえで必要となったキャラ。そして3つ目は、ゲームとしての遊びの部分やシリーズとして必要だろうと思われるキャラです。デザインに関しては、そのキャラクター性や立ち位置、戦闘方法などを考慮しながら決めていきました。プレイアブルキャラを何人にするかは、最初からある程度決まっていましたね。まあ、もともとレティシアは主人公ではなかったのですが……。

──そうなんですか? では、レティシアはどのような経緯で主人公となったのでしょうか?

荒川:『SO6』のシナリオのテーマが”銀河連邦の腐敗”だったので、まず”銀河連邦に所属していない先進惑星のキャラ”であるレイモンドが、今までのシリーズにいない設定のキャラとして、主人公のひとりに決まっていました。そしてもうひとりの主人公はレティシアではなく、現在はプレイアブルキャラとして公開している銀河連邦所属のマリエルだったんです。ですが、それでは物語が動かしづらくて……。

向峠:銀河連邦側にいる主人公でそのテーマを描くと、物語の最初からネタバレばかりになってしまうんです。そうなるとシナリオだけでなく、ゲーム自体が成立しなくなってしまうので、SFの先進惑星側であるレイモンドと、ファンタジーの未開惑星側であるレティシアの視点でそのテーマと物語を描くという方向に転換しました。

荒川:そちらの方が物語を描きやすいというか、SFとファンタジーという世界観で、より差をつけることができたので、結果としてはわかりやすくなったかなと思います。

──ゲームシステムに大きな関わりを持つ機械のような生命体DUMA(デュマ)も、キャラクターに近い立ち位置だと思います。DUMAの登場はどのように決まったのでしょうか?

荒川:DUMAは最初の企画書の段階から、シナリオ的にもシステム的にも重要なキャラとして設定されていました。

向峠:最初からシナリオとシステム、両方の主軸という位置付けでしたので、どちらの側面が先で産まれたということはありませんでしたね。

プレイヤーの期待に応える気持ちのいい探索を

──探索における見どころや、特に注力した箇所があれば教えてください。

荒川:探索においては、今までのシリーズではジャンプすら存在しなかった「スターオーシャン」シリーズですが、『SO6』ではジャンプを遙かにしのぐ「ヴァンガード・アサルト(VA)」という、DUMAを用いた空中移動システムが搭載されています。そのため、マップをつくる際には3D空間を意識した構成に注力しましたし、苦労もありました。もちろん気持ちよく移動してほしいですし、プレイヤーが「あそこにいってみたい」「あそこは行けるんじゃないか」と思う場所には、可能な限り行けるようにしています。そしてそういった場所には、アイテムやDUMAを成長させるために必要な晶紋石(しょうもんせき)などを配置することも、注意したポイントです。

──DUMAによって周囲の宝箱やギミックを探すことができる「フィールドスキャン」は、立体的かつ複雑になったマップでアイテムを探す苦労を考慮して実装されたのでしょうか?

荒川:実はそうではなく、バトルの最中に使用できる「ヘイトレーダー」がフィールドスキャンのもとになりました。ヘイトレーダーは周囲のどの方向にプレイヤーを狙う敵がいるかを知ることができるシステムなのですが、このシステムをマップの探索時も使えるようにしようと考えたんです。とても便利ですし、VAによる移動だけでなく、ときにはフィールドスキャンで周囲を捜索することによって、探索に緩急をつけることができました。

──取り逃したアイテムは、ゲームを進めてもあとから回収できるのでしょうか。晶紋石が足りなくて、最終的にDUMAを成長させることができない、といったことはありますか?

荒川:特定のタイミングによって世界を自由に回れるようになるので、その際に回収することができます。晶紋石に関しては、簡単ではないですが特定の条件を満たすと増やすこともできますよ。

「スターオーシャン」はバトルが面白くなくてはいけない

──”シリーズ最速、最強アクション”と銘打たれた本作におけるバトルの見どころは?

荒川:基本的にはDUMAに関する能力を駆使したバトルが『SO6』のメインとなっています。VAによる高速の突進はもちろん、敵の視界から外れる「ブラインドサイド」や、敵の攻撃を無効化する「VAシールド」、どの方向にプレイヤーを狙う敵がいるかがわかるヘイトレーダーといったバトルの軸に関しては、開発初期から長い時間をかけて進化していきました。何度も検討を重ねて実装し、テストを繰り返しています。バトルにおいては一番時間を費やした箇所ですね。

向峠:テストに結構な時間をかけてバトルシステムをつくり込みました。例えば、バトル中のVAは基本的に敵へ突進するものであり、敵をターゲットにするのですが、回復役であるニーナのVAは味方がターゲットなんです。キャラを切り替えた瞬間にターゲットが敵から味方へ移るので、プレイヤーが混乱するのでは? という意見がありました。企画の仕様書レベルの段階では「操作感が違いすぎるから駄目だろう」とカットするケースも多かったのですが、実際にゲームに組み込んでテストを重ねたところ、面白いから残すという決断ができたのはよかったと思っています。バトルのバリエーションを増やすこともできました。

──具体的にどれくらいの期間をかけて、バトルシステムを練っていったのでしょうか?

荒川:もう、開発初期から最後まで、ずっとさまざまな調整をかけていました(笑)。

向峠:VAやブラインドサイドなどに関してはずっと調整していました。ベースの部分だけでも、半年から1年以上はやっていました。

──それだけバトルが本作において重要だ、と考えていたということですよね。コンセプトの際にうかがった、新しさやボリュームにもつながる話だと思います。

荒川:「スターオーシャン」はバトルが面白くなくてはいけないんです。……まあ、どのゲームでも当たり前なのですが、そのなかでも「スターオーシャンといえばバトルだよね!」と言われるくらいの気概を持って取り組みました。もちろん、他の部分をおろそかにしていいという意味ではありませんが。

──体験版をプレイした際に、バトルではブラインドサイドが重要だとわかったのですが、慣れないと難しいなと感じました。本作に触れるプレイヤーに何かアドバイスはありますか?

荒川:慣れは重要ですが、一番簡単なのはコンボに組み込んでしまうことですね。敵を一発殴った瞬間にVAを使って急激に方向転換をすれば、その敵に対しては簡単にブラインドサイドを決めることができます。また、複数の敵の注目を集めておけば、どれか一体の敵にはブラインドサイドを発生させることができるでしょう。難しいと思ったら、そういうテクニックも試してみるといいかなと思います。

──敵がプレイアブルキャラを注目する仕組みはどのようになっているのでしょう?

荒川:敵を攻撃したり、仲間にアイテムを使ってあげたりなど、さまざまな行動でヘイトは上がっていきます。ですが、やはり一番簡単なのは敵を殴ることですね。あと、バトルの最初に自分の操作キャラが突っ込んでいくことで、注目を集めるのも重要です。奇襲による「サプライズアタック」も狙えますし。

──探索やバトル以外にも、ここに注目してほしいというポイントがありましたらお聞かせください。

荒川:『SO6』では、一度のゲームプレイを通して遊び続けることができるミニゲームを用意したいと、最初から考えていました。「ソーア」(*)というミニゲームを盛り込むことができたので、寄り道をする際はぜひ遊んでください。

*盤上に駒(ポーン)を置き、置いてある駒の総攻撃力で相手のライフをゼロにすることを目指すミニゲーム。銀河で大流行中なので、対戦相手はフィールドのいたるところに存在する。どんどん戦って、自分の段位を上げていこう。

向峠:収集要素としても楽しんでほしいですね。キャラクターの駒も面白いですし。

荒川:手に入れた駒はアクセサリーとして装備することもできるので、ミニゲームをプレイしていれば強力な装備がどんどん手に入る、というメリットがあります。また、シリーズ伝統の会話イベント「プライベート・アクション」も、キャラクターの新たな一面を見ることができ、シナリオや世界観に深みが増すと思っています。エンディング後に発生するキャラ同士のちょっとした掛け合いにも影響があるので、ぜひ確かめてください。

開発メンバーの「スターオーシャン」への想いが凝縮された作品に

──「東京ゲームショウ2022」に出展された試遊版や配信中の体験版をプレイした人からは、どのような反応がありましたか?

向峠:おおむね好評をいただいておりまして、とてもありがたいと思っています。また、体験版にはマッドマンというかなり強い敵を配置していたのですが、その敵をノーダメージで倒している人がいて驚きました(笑)。想定以上にやり込んでいただいたのはうれしいですし、その動画を拝見できたのも楽しかったです。

──体験版の配信は9月20日(火)からでした。スケジュール的には難しいかと思うのですが、そこから調整が加えられた要素はありますか?

向峠:体験版を配信してからも、最適化は進めていました。体験版をプレイされた中にはフレームレートについて気にされている人もいましたが、製品版ではさらに改善されています。また、体験版におけるアイテムの配置は体験版用のもので製品版とは異なるので、製品版では新たな気持ちで探索を楽しんでください。

──発売目前の今だからこそ語れる制作秘話や苦労話などはありますか?

向峠:“ロボ侍”のJJ(ジェイジェイ)についてですね(笑)。プレイアブルキャラ公開時の皆さんの反応は、JJのときがものすごくよかったんですよ。「カッコいい!」という意見もあって、入れてよかったなと思います。実はJJについては、荒川のゴリ押しなんです(笑)。内部資料の”追加したいキャラ”のリストにはさまざまなキャラがいて、カットしたり変更したりするキャラもいたのですが、”ロボ侍”だけはずっと残っていたんです。シナリオ的には優先度が低かったので、なかなか決まりませんでしたが、JJは最後に参戦が決定したプレイアブルキャラとなりました。

荒川:JJ以外のプレイアブルキャラって、ほぼ普通のヒューマンなんですよね。でも「スターオーシャン」シリーズって、人間以外のキャラも求められているはずなんです。亜人的なキャラは何体か入れたいと思っていたのですが、その中でもSF要素の強いキャラを入れたいと感じていました。また、もともと予定していた日本刀を使うキャラが、それまでのプレイアブルキャラにいなかったこともあります。「日本刀ってみんな好きでしょ?」という個人的な想いもあって、”ロボ侍”をリストに残し続けました。企画のメンバーと「絶対に入れたいよね」といった話はしていたので、プレイアブルキャラとして採用されたときは「よっしゃー!」と喜びましたよ(笑)。

──向峠さんが「スターオーシャン」のナンバリングタイトルに携わられたのは初めてですが、プレッシャーもあったのではないでしょうか?

向峠:正直、プレッシャーはあったんですけどね。それを感じてしまうと駄目なので、自然体でいるように心がけました。これまでのシリーズに関わってきたわけではないので、”僕なりのスターオーシャン”みたいなことをやり出すと全然違うものになってしまいます。「スターオーシャン」シリーズで守るべきところはちゃんと守り、新しくチャレンジする箇所については、私からは変な口出しをしないようにするという方針で開発を進め、最終的にいいものができたと思っています。

──最後に、『SO6』に注目しているユーザーに向けてメッセージをお願いします。

荒川:本作のバトルはスピーディで爽快感のある、シリーズ屈指の出来映えになったと感じています。スキルについても自由度が高いので、皆さんの好きなように組み合わせて遊んでもらえるとうれしいです。もちろんバトル以外にも力を入れていますので、ストーリーも含めて本作のすべてを楽しんでください。

向峠:いよいよ発売だと思うと感慨深いですね(笑)。本作はトライエースのメンバーの「スターオーシャン」に対する想いが凝縮された作品ですので、ぜひ隅々までプレイしていただければと思います。

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スターオーシャン 6 THE DIVINE FORCE

・発売元:スクウェア・エニックス
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:RPG
・発売日:2022年10月27日(木)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 通常版 8,778円(税込)
    パッケージ版 希望小売価格 LIMITED EDITION 18,000円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 通常版 8,778円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 DIGITAL DELUXE EDITION 11,858円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:B(12才以上対象)


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