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6月24日(木)に発売を迎えたPlayStation®5/PlayStation®4用ソフトウェア『SCARLET NEXUS(スカーレットネクサス)』。脳の力を引き出し超常的な力を操る超脳力者のひとりとして、仲間とともに世界をめぐる戦いに挑むブレインパンク・アクションRPGだ。
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本作の大きな特徴のひとつが、ダブル主人公システム。幼い頃に「怪異討伐軍(通称:怪伐軍)」の一員に命を救われ、志願兵となったユイト・スメラギと、訓練学校でもつねに首席のエリートで、スカウト入隊のカサネ・ランドールという、ふたりの主人公がプレイアブルキャラとして存在する。どちらの主人公からプレイするかはプレイヤー次第だ。
特集第3回では製品版をレビュー、ユイト編とカサネ編における序盤の展開をもとに、それぞれの物語の違いや、ふたつの視点があることで楽しめる面白さなどを紹介していく。物語の本質に関わる重要なネタバレには触れていないので、これからプレイしようと考えている人も安心してほしい。
これまでの特集記事や無料体験版の配信時に行なった超脳力アクションについてのレビューもチェック!
ユイト編とカサネ編をそれぞれプレイ! 序盤の展開からわかる物語の違いや発見とは?
ユイトとカサネ、ふたりの視点からドラマティックなストーリーが展開する本作。特集第1回のインタビューでは、世界で起こっている事象にひとつの大きな流れはありつつも、ユイト編とカサネ編とで描かれる物語は異なるということが、開発スタッフより語られた。
ひとつの事件をそれぞれの視点から見ることができるので、物語をより深く理解できるとのことだが、実際にはどのような違いや発見があるのだろうか?
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物語の始まりは共通となり、ユイトとカサネが怪伐軍に入隊したところからスタート。基本操作のチュートリアルを兼ねた、入隊適性試験が行なわれる。しかし、ユイトは志願入隊でカサネはスカウト入隊という違いがあるためか、違う時間帯……もしくは異なる場所で実施されており、ふたりが顔を会わせることはなかった。
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入隊適性試験後、ユイト編では親友のナギ・カーマンとともに、スメラギ家の墓所であり観光地にもなっているスメラギ陵に足を運ぶ。その際に「あそこにいた二人組、可愛かったなぁ……」という、ナギの何気ないセリフがあるのだが、すぐに話題が変わったこともあり、特に気にしていなかった。
しかし、カサネ編をプレイすると、そのセリフの意味が明らかに。実はカサネも入隊適性試験後に姉のナオミ・ランドールと一緒にスメラギ陵へ行っており、ユイトは気づいていなかったが、カサネたちとすれ違っていたことが判明する。ナギの言っていた「可愛かった二人組」とは、カサネとナオミだったというわけだ。怪異にまつわる事件とは関係のない些細なことではあるものの、ふたつの物語をプレイすることでこういった発見もあるのが面白い。
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メンバーやステージも異なる物語が展開! 時にはふたりが交錯するシーンも
スメラギ陵をあとにしたユイトとカサネは、怪異の襲来に巻き込まれたことがきっかけで邂逅を果たす。その後、ふたりは無料体験版でもプレイできた初任務へと赴くのだが、別々の隊に配属されたため、ユイトの任務先は廃棄された街の「キクチバ」、カサネの任務先は「ミヅハ川新都市開発特区」と、全く違うステージとなっていた。
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初任務後も、同じ時系列でありながらユイト編とカサネ編とで異なる物語が展開。とはいえ、物語の大きな流れは共通なので、同じような状況になることも。しかし、同行してくれるメンバーやステージが異なるため、新鮮な気持ちでプレイできるのはうれしい。
ユイトとカサネの隊で行なう合同訓練や、任務先で互いの隊が合流するというシチュエーションもあり、ふたりの物語は密接にリンクしていることもうかがえる。ふたりが交錯するこういったシーンでは、それぞれの物語をプレイすることで互いがどう思っていたのかわかるのも、ダブル主人公ならではのポイントだ。
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例えば、序盤に発生するユイト編の「カサネ絆エピソード」とカサネ編の「ユイト絆エピソード」は、内容自体は共通。カサネはユイトに「好きな人はいるの?」「ランドール重工の仕事を継ぐ意志はあるかしら」といった、恋愛や結婚を匂わせるような質問を投げかける。
これがカサネ編だと、ユイトのことが気になっている姉のナオミのため、彼が姉にふさわしいか見極めようとしているだけだということはわかっているのだが、ユイトは予想もしていなかった質問にドギマギ。ユイト編ではカサネが何を考えてその質問をしているのか不明のため、もしかして自分に気があるのかも? と誤解してしまうのも仕方ないところだ。しかし、自分はこの絆エピソードをカサネ編で先にプレイしていたため、ユイト編でのプレイ時に彼が勘違いしているとすぐに理解できたので、思わず同情してしまう(笑)。
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ふたつの物語でボリューム満点! 二周目も遊びたい!!
ユイトとカサネはともに新兵のため、これまでに紹介したように序盤の展開は似たようなシチュエーションがあるのもまた事実。しかし、「物語を進めていくと、それぞれが違った状況に置かれていくので、ぜひ体験してほしい」という開発スタッフの言葉通り、ゲームを進めるとふたりの立場に大きな変化が訪れる。ネタバレを避けるために詳細は伏せるが、衝撃と怒濤の展開によって物語にグイグイと引き込まれ、夢中になってプレイしてしまった。
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今回は展開の違いやふたつの視点があることによる面白さを確認するために、それぞれの物語を交互にプレイしてみたが、多くの人はどちらかひとりの物語をクリアしてから、二周目としてもうひとりの物語をプレイするはず。本作には二周目が遊びやすくなる引き継ぎ要素が用意されているそうなので、そうしたほうがいいだろう。
ふたりが使う超脳力は同じ念力ではあるものの、武器攻撃が異なるのもポイント。ユイトは刀による近接攻撃で、攻撃範囲こそ狭いものの素早い攻撃で敵を圧倒でき、カサネはクナイのような「小型刃」を投げつける攻撃で、敵との間合いを取れるうえに広範囲を巻き込める。ユイト編とカサネ編とで、違ったバトルアクションを楽しめるというわけだ。
また、レベルアップで獲得したポイントを割り振り、脳力を拡張できる「ブレインマップ」の構成も、ユイトとカサネとで異なる。どのパラメータから上昇させるか? どのバトルアクションから拡張していくか? といった成長要素をふたりぶん楽しめるのも、ダブル主人公システムの魅力だ。
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二周目も楽しめる内容でボリューム満点なのはもちろん、バトルや成長要素もたっぷりと楽しめる『SCARLET NEXUS』。ぜひユイト編とカサネ編の両方をプレイして物語を深く理解し、本作の「ブレインパンク」な世界観を満喫してほしい!
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死のリスクを伴う大技「脳内空間(ブレインフィールド)」が熱い!
無料体験版には収録されていなかった、超脳力者の切り札的な技となる「脳内空間」についても触れておこう。
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脳内空間とは、脳が外界に作用する力を極限まで高めた結果、使用者の周囲に展開される特殊な空間で、ゲームを進めると使用可能に。身体能力と超脳力を強化する「脳駆動(ドライヴ)」を一定時間発動することで、展開準備が整う。脳駆動が終了しても展開準備は維持されるため、任意のタイミングで展開可能だ。
展開した脳内空間内では念力をゲージなしで使用できるうえ、攻撃自体も強力なものに変化! コンボの種類も増え、念力だけでも怪異を圧倒できるのがたまらない。
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しかし、限界を超えた力にはリスクが伴うもの。長時間展開していると使用者は脳にダメージを受け、制限時間が過ぎるとプレイヤーは力尽き、ゲームオーバーとなってしまう。これを避けるためには脳内空間を自分で収束させなければならないのだが、「まだいける!」と調子に乗っていたら、制限時間の確認を怠り、気づいたら倒れていたことも……。
とはいえ、一度準備が整えば任意のタイミングで展開できるため、強力な怪異がたくさん現われるポイントや強大なボス戦などの前に準備を整えておくことで、バトルを有利に進めることができた。制限時間はブレインマップでポイントを割り振れば延ばすこともでき、死という大きなリスクもあるものの、使い方次第で強力な武器となるのは間違いない。危険な力を使いこなすスリルと快感を味わえるので、ぜひお試しあれ!
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SCARLET NEXUS (スカーレットネクサス)
・発売元:バンダイナムコエンターテインメント
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:ブレインパンク・アクションRPG
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 希望小売価格 9,020円(税込)
ダウンロード版 販売価格 通常版 9,020円(税込)
ダウンロード版 販売価格 DELUXE EDITION 10,560円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:D(17才以上対象)
SCARLET NEXUS™ & ©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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