日本ファルコムが贈るストーリーRPG『英雄伝説 閃の軌跡IV -THE END OF SAGA-』が、いよいよ本日9月27日(木)に発売されました!
西ゼムリア大陸を舞台に、リベール王国(『空の軌跡』3部作)、クロスベル自治州(『零の軌跡』『碧の軌跡』)、エレボニア帝国(「閃の軌跡』4部作」と、3つの国を通した激動の時代の流れを描いてきた「軌跡」シリーズ。
「閃の軌跡」の最終章にして、「軌跡」シリーズの”大きな区切り”となる『閃の軌跡IV』の発売を記念して、日本ファルコムの代表取締役社長にして、本シリーズの開発を指揮する近藤季洋社長のインタビューをお届けします。
日本ファルコム 代表取締役社長
近藤季洋氏
――いよいよ『閃の軌跡IV』が発売となりますが、今のお気持ちをお聞かせください。
「思えば遠くまで来たものだ」というところでしょうか(笑)。『閃の軌跡IV』は「閃」シリーズの完結編にあたりますし、2002年に「軌跡」シリーズ自体を立ち上げてから16年経ってようやく大きな区切りを迎えますので。一生懸命がむしゃらに作り続けて、ここまで続けさせてもらえたというのは、非常に嬉しいことだと思います。
――これまでプレイされてきたユーザーと、まだ「軌跡」シリーズをプレイされたことのないユーザーに、作品の見どころやアピールポイントを教えてください。
『空の軌跡』からプレイされてきた方からは、「本当に謎を明かす気はあるのか?」と国内でも海外でもことあるごとに質問されるんですよ(笑)。でもこの『閃の軌跡IV』では、帝国に関する謎、リィン自身の謎、オズボーンの謎といったものが、いよいよ本当に明かされることになります。
また、プレイされたことのないユーザーのみなさまには、いきなり最終章というと面を食らってしまうかもしれません。しかし”ストーリー”を魅力的に仕上げたRPGとしては、ひとつの完成形だと私たちは思っています。シリーズとして10年以上続いている長いタイトルだからこそ、味わえるものがあると考えていますので、そういったものに興味がある方は、ぜひ「閃の軌跡」シリーズからでもプレイしていただければと思います。
――「軌跡」シリーズは、今や”JRPG”の代表のひとつと言えるような作品になったと思いますが、どういった点がユーザーに受け入れられているとお考えですか?
ひとつはやはり”ストーリー”が挙げられると思います。ストーリーがいいゲームは世の中にたくさんありますが、そのなかでもひとつの世界をこれだけ緻密に謎や伏線を張り巡らせながら積み上げてきたゲームは、なかなかないと思いますから。
また、クエストやストーリーと連動して変わっていく住民のメッセージを追っていくと、彼らなりのお話がメインストーリーとは別に紡がれていくのがおもしろい、というご意見をファンの方からいただいております。ていねいに世界観を描くというのが、受け入れられている最大の特徴だと思います。
――町の住人との会話が楽しいというのも、確かに「軌跡」ならではだと思いますね。
普通は大量の文章を読むのって苦痛じゃないですか。それを、なるべく苦痛にならないように読んでいただけるように工夫しています。こういった部分は、「軌跡」シリーズの前に日本ファルコムが作ってきた「英雄伝説」シリーズから積み上げてきた20年間の蓄積が、大きいのではないかと思いますね。
――「閃」シリーズでは4作目になりますが、制作時に気を使った点をお聞かせください。
最終章なので、まずは帝国編としてのメインの物語を、納得していただける形で最後まで描かなければいけませんでした。それと並行して、「軌跡」シリーズを通じての謎や、登場人物のてん末みたいなものを、メインストーリーの周囲に流れを邪魔しないよう配置していくのが大変でしたね。
ものによりますが、登場しているキャラクターにとっては非常に重要な内容をクエストで描いていたり、「軌跡」を隅々まで知りたいユーザーにとっては見逃せない”濃い”内容となっています。
さらに、一般メッセージでもサラッと関係者のてん末が説明されたりしていますので、そこにも注目してもらいたいですね。
――以前、住人がこのタイミングではどこにいるかといったタイムテーブルを作られているというお話をお聞きしましたが、これだけ膨大になると、それを作るのが難しいのではないでしょうか?
それはありますね。デバッグのときによく起こるのが、1人のキャラクターが同じ時間帯に2カ所にいるとかいう事件です(笑)。そういったところのチェックは大変でしたね。調整を細かくやっていく段階で、資料の修正が追いつかなくなるという事態が起きまして、資料が古くて混乱したりという苦労はありました。
――ストーリーだけを追った場合と、やり込みをした場合では、クリア時間はどれくらいになりそうですか?
短くしようと思えばどんどん短縮できると思うのですが、初プレイでメインストーリーだけを追った場合は60~70時間くらいだと思います。イベントを全部飛ばしたら、もっと縮みますけどね。逆にキチッと住民のメッセージを読んで、クエストもやり込みも全部やってとなると……100時間以上は確実に遊べると思います。
――最近はRPGでもアクション要素を取り入れているゲームが多くなっていると思うのですが、コマンド式にこだわってますよね。コマンド式RPGの魅力はどのあたりにと考えてらっしゃいますか?
それはシミュレーションRPGにも言えることですが、じっくりと戦略を練って遊べるとか、自分のペースで遊べるという点ですね。コマンドRPGはまだ発展の余地もあるし、残していく価値のあるものだと思っています。とくに「軌跡」の場合はストーリーが非常に濃厚なゲームなので、ゲーム全体のテンポみたいな要素もあるんですよ。
じつは「軌跡」をアクションのように試作したこともありました。でも当時出した答えとしては、「忙しくてついていけない」という結論だったんです。日本国内ではそう感じるゲーマーも多いと思いますし、弊社の場合は『イース』というアクションRPGがすでにあるので、「軌跡」をリアルタイムにしなくてもという声が出たんです。コマンドタイプの戦闘で、じっくり遊べるものを目指そうということになりました。
ちなみに、『閃の軌跡IV』では、クエストの戦闘などでわりと最初から殺しにかかる戦闘を用意しています(笑)。そこで負けたら、「次はもうちょっと戦略を練ってみてね」という部分でもありますね。例えばモモイロヒツジンという魔獣と戦うバトルは衝撃的ですよ。この敵は、こちらを睡眠など状態異常にしてくる攻撃をしてくるんです。それが50匹くらい、出てくるクエストがあるんです。準備をしていないと、まず勝てる気がしないという(笑)。こういう部分も、楽しんでいただきたいですね。
――「軌跡」といえばAT(アクションタイム)バトルですが、これはどのように生まれたのでしょうか?
初期のころはタクティカルな面が強くて、戦闘で非常に時間が必要だったんですね。何もせずに見ている時間が長いという意見があり、ATバトルは段々と改善されていきました。ATバーで行動順を可視化することで、敵が動いている間に次はどうしようかとプレイヤーが頭の中で考えますよね。それで遊んでいる密度が増すと考えたんです。また、『閃の軌跡』で登場したリンクアタックによって、それまで以上にスピード感が出るようになりました。単にじっくり遊ぶだけではなく、スピーディに気持ちよく遊べるコマンドバトルを実現できたのかなと思います。
――リンクアタックは仲間と戦っている感といいますか、臨場感もアップした気がします。
元々はシナリオ側で「リンクアタックをARCUSでやりたい」という話があって、その話を聞いたときに生まれたものです。最初は4人でやろうと思ったんですが、いろいろと厳しかったのでツーマンセルで行動させるようにしました。アイコンタクトで互いに連携しているような感じを、プレイを通じて味わってもらえるといいなと思います。
――今回はオートバトルが実装されましたが、ゲームのテンポを考えて入れられたのでしょうか。
角川ゲームスさんから発売されている、『空の軌跡』をリメイクした「Evolution」シリーズというのがあるのですが、そこでオートバトルは実装されていたんですね。それが好評で、本家もいつまでもオートバトルなしでいいのかな? という思いがありまして、『閃の軌跡IV』でようやく、最初からそういったものをつけることになりました。
――キャラクターの育成要素である戦術オーブメントのカスタマイズ面の注目ポイントや新要素を教えてください。
大きくシステム面での変更はありませんが、今回はアーツが強いです。と言うより、物理耐性の高い敵が多い感じですね。アーツが得意なキャラクターは、アーツを使いやすくしてあげるのが大事になります。それと豊富なブレイブオーダーもポイントとなります。上級者なら、ブレイクしてから攻めるとか、オーダーを前提としたカスタマイズを楽しんでいただけると、プレイの幅も広がりますね。
――幅があると初心者にとっては複雑に感じるかもしれません。初心者はまず、どう考えてオーブメントを組んでいったらいいでしょうか?
最初に与えられるマスタークオーツは、それぞれのキャラクター特性に合ったものが手に入るので、それに合わせてください。また、オーブメントを開くとそのキャラの特徴がわかるようになっているんです。水属性が得意なキャラクターは、水のクオーツが必須になっていたりしますし。ちょっと慣れてくるといろいろ見えてくると思います。
アーツが得意なキャラクターはアーツを強化する方向でセッティングしてもらって、物理攻撃が得意なキャラクターには物理攻撃を強化してもらう、という方針から始めてもらうのが、初心者にはいいのかなと思います。まずはオーブメントの”LINE”をよく見てもらうのが大事ですね。慣れてくると、本当にセッティングの幅は広いですよ。最強のアーツを撃つより、弱いアーツを連続で撃つほうが有利な場合もありますし。いろいろと試してみてください。
――「軌跡」シリーズにはサブクエストや書物といったコレクター要素、釣りやVMのようなミニゲームも豊富に用意されています。こういったやり込み要素へのこだわりはありますでしょうか?
新聞や小説は、「軌跡」より前の「英雄伝説」シリーズのころからある要素なんですね。ゲームとしてはコレクションアイテムという側面もありますし、ストーリー面から見れば世界観を補強したり、彩るものとなります。
「軌跡」シリーズとしては、もうやらないといけない物みたいになってきていますね(笑)。なくてもRPGとしては成立するんですけれども、必要ないからと言って盆栽の枝を次々と斬り落としていったら、つまらない物になってしまいますよね。やはり盆栽で言う”枝ぶり”とかに通じるのが、やり込み要素だったりオマケ要素だったりするのかなと思っていますので、こういったものもちゃんと盛り込んでいます。
例えば、釣りなら《釣公師団》や《釣皇倶楽部》と言ったギルドのようなものが出てくるのですが、ミニゲームとしてただ採用するだけでなく、ストーリーの世界観のひとつとしてミニゲームを取り込むように気を使っていますね。
――今回はメインストーリーがどんどん動きますが、新聞などで世界観がフォローされているのがよかったです。
はい、やっぱりメインストーリーの裏側や詳細は、本編で言ってしまうとごちゃごちゃしてしまい、読み味がクドいものになってしまうと思うんです。そこまで興味ない人にまで説明してしまうと、文章を読まなくなってしまったりして。そういった事態を避けるためにも、まず本編ではスッキリ説明してあげて、知りたいという人向けに帝国時報などで詳細がわかるようにしています。
――DLCについてアピールポイントをお願いします。
衣装は毎回楽しみにしていただいている方も多いので、今回は数も種類も多く用意しております。まず男性キャラクターには軍服を用意しています。帝国正規軍の軍服を、それぞれがカスタマイズしたものですね。もともと『閃の軌跡』の主人公は軍人の予定でしたし、士官学院の生徒だったので、本来着るはずだった服ということで楽しんでいただければと思います。まぁ、リィンたちは正規軍とは反対方向に舵を切ってしまいましたが(笑)。
また、女性陣は個性に合わせたオリジナルな水着を用意しています。前回は旧《VII組》の水着が無かったのですが、今回は着せてあげることができますよ。
――まじかる☆アリサの衣装もあると聞きました。
ウェブで配信している月刊ファルコムマガジンで掲載していた漫画をベースにした各キャラクターの衣装となります。一応「まじかる☆アリサR」というもので、第二期らしいです。それがあったとして、こんな衣装だったらいいなというものを用意しています。アレを並べていると、何のゲームだろうとビックリしますよ(笑)。
――オズボーンのかぶり物も、インパクトが強烈でした(笑)。
アレを着けると、いろいろと台無しですよね(笑)。あとは体に付けるぬいぐるみ的なものだったり、配信向けの自己主張パネルだったり、前回好評だったものは新しいものを用意しました。
それから前作『閃の軌跡III』のPlayStation™Storeで配信していた有料アイテムが90種類くらいあるんですけれど、それを『閃の軌跡IV』でご利用いただけるDLCパックとして、3週間に分けて無料配信します! 前作で買っていなかった人も、これをダウンロードしておけば自由に使えます。すごくお得ですので、有料になるまでに(10月中)落としておいてくださいね。期間後は有料になりますから。あとは定番のアイテム系もあります。武器強化に使えるUマテリアルや、経験値を大量にもらえるシャイニングポムの系列など、いろいろご用意していますので、お楽しみにしていただければ。
――では最後に、シリーズファンはもちろん、シリーズに触れたことのないPS.Blogの読者の皆さんにメッセージをお願いします。
シリーズファンの方には、ここまでお付き合いいただいて本当にありがとうございます。この最終章で、今まで明かされなかったストーリー上の謎がほとんど明かされることになります。なかには、次へ向けての謎も出たりもするのですが……。それから『空の軌跡』のころから追いかけてきてくださった方たちには、非常になつかしいと思いますし、いろいろと持ちこしてきた謎も驚きとともに明かされると思います。そういった「閃の軌跡」シリーズの完結編でありながら、「軌跡」シリーズ全体の大きな区切りを迎えるタイトルとして、本作を楽しんでいただければなと思います。
それからシリーズに触れたことのない方たちには、本作はRPGとして14年間磨き続けてきたやり応えのあるものだと考えています。重厚なストーリーも雰囲気みたいなものは垣間見えると思いますし、そこにもし興味を持ってもらえたなら、「閃の軌跡」は『I』~『IV』までPlayStation®4で全部遊べますので、ぜひそちらも楽しんでいただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。
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英雄伝説 閃の軌跡IV -THE END OF SAGA-
・発売元:日本ファルコム
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:ストーリーRPG
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 通常版 希望小売価格 7,800円+税
パッケージ版 永久保存版 希望小売価格 11,800円+税
ダウンロード版 通常版 販売価格 7,200円(税込)
ダウンロード版 デジタルデラックス版 販売価格 10,800円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:C(15才以上対象)
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