『いけにえと雪のセツナ』の魅力に迫る連載企画! 旅の仲間たちの紹介に加え、ディレクター&プロデューサーへのインタビューも掲載【特集第2回/電撃PS】

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『いけにえと雪のセツナ』の魅力に迫る連載企画! 旅の仲間たちの紹介に加え、ディレクター&プロデューサーへのインタビューも掲載【特集第2回/電撃PS】

スクウェア・エニックスが2016年2月18日にリリースするPlayStation®4/PlayStation®Vita用RPG『いけにえと雪のセツナ』は、”とりもどそう、ボクたちのRPG”をスローガンに開発された最新RPG。

特集第1回では、具体的なゲームの概要を紹介するとともに、スクウェア・エニックス代表取締役社長 松田洋祐氏と、Tokyo RPG Factory 『いけにえと雪のセツナ』プロデューサーの内堀建吾氏、同じくTokyo RPG Factory 『いけにえと雪のセツナ』ディレクターの橋本厚志氏の3人に、電撃ゲームメディア総編集長 江口 聡がインタビューを実施。

まず最初に企画を立ち上げ、”この指止まれ”の方式で人が集められたという本プロジェクト立ち上げの経緯から、記憶に残るかつてのRPGを最新技術で……という理念に至った理由、そして”RPG”に対する思いなどを聞かせてもらった。

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前回の特集記事はこちら

『いけにえと雪のセツナ』の魅力に迫る連載企画! スクウェア・エニックス社長の松田氏をはじめ、開発のキーマンへのインタビューも掲載【特集第1回/電撃PS】

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特集第2回となる今回は、切なさをクローズアップした物語を盛り立ててくれる個性的なキャラクターたちに焦点を当て、それぞれのプロフィールや、戦闘での性能、基本的な戦い方などをあらためて解説。

そしてインタビューでは、そんな登場人物が織りなす物語や、タイトルに込められた意味、さらにはキャラクターデザインに関する秘密など、ゲームの内容に踏み込んだ内容をピックアップしていこう。

■いけにえの少女と、旅をする仲間たち

物語は、10年に1度いけにえを捧げて魔物を鎮めるという風習が残る世界の、小さな島の、小さな村から始まる。

例年にない魔物の急増に、急遽新たないけにえとして選ばれた少女、セツナ。彼女は自分がいけにえになり、人々を救うという使命を全うすることを信念に、儀式が行なわれる最果ての地へ向かう。そんな彼女を最果ての地まで守るのが護衛隊。

主人公はある事件をきっかけにこの護衛隊に加わり、旅のなかで多くの仲間たちと出会いながら、セツナが命を捧ぐそのときまで、彼女を守っていくことになる。

ここでは、旅の仲間となる6人に加え、護衛隊の前に幾度となく立ちはだかるという大鎌の男を加えた7人のキャラクターの魅力と、物語を通しての見どころを紹介。なお、主人公の名前はデフォルトではエンドとなっているが、プレイヤーが自由に名付けることができる。同様に、ほかの仲間の名前も変更が可能だ。

●主人公(エンド)

ある依頼で、セツナの村を訪れた腕利きの傭兵。このときの出会いをきっかけに護衛隊に加わることになる。彼の本来の目的は別なところにあるようで、最初はほかのメンバーとの関係はあまりうまくいってない。しかし、やがてこの旅が、彼にとっての天命となっていく。

・戦闘では――?
扱いやすい通常攻撃に加え、攻撃、回復、味方のサポートまで、多彩な魔法を使いこなせるのが魅力。また、得意属性がない反面、全属性に対して少しずつ耐性があり、どんな敵との戦いでも安定した活躍が見込める。

●セツナ

いけにえとして選ばれた、高い魔力を持つ少女。性格は素直で純粋。いけにえになる自分のことより、他人を心配するお人好し。自分の命を狙う者に対してすらも、危機が迫っていれば救おうとするほど。また、芯が強く、人々のために己の命を奉げることを自分に与えられた使命だと考えている。

・戦闘では――?
回復魔法とサポート魔法を使いこなす、支援役向きの能力。ケアルガなどの強力な全体回復魔法も使用できるので、守りの要となってくれる。一方で、サンダーやサンダガなどの天属性の魔法攻撃も使用でき、高い魔力も相まって強力。円月輪を投げて攻撃する通常攻撃は複数の敵を巻き込みやすいものの、威力はやや低め。

●クオン

セツナがいけにえに選ばれる前に村を訪れていた旅人。今では村長からの厚い信頼を得ており、セツナからも姉のように慕われている。護衛隊として旅に対する思いは強く、絶対に失敗できないという使命感を持つ。そのためか、寡黙で何を考えているかわからない主人公に対してきつくあたることも多い。

・戦闘では――?
ATBのゲージがたまりやすく、行動回数が多くなりやすいのが特徴。味方のATBゲージが短時間でたまるようになる「ヘイスト」や、敵の行動を止める「ストップ」など、ATBの行動順を操作できる魔法を使いこなす。ほかにも行動後すぐにATBがたまる攻撃”天衣無縫”などもあり、補助と攻撃を両立させやすいキャラクターといえる。

●ヨミ

かつていけにえの旅を成功させたとされる老練の剣士。今ではふらふらと遊びまわっているようで、人々からは腑抜けになったと思われている。しかし護衛隊に加わってからは、過去の経験から的確なアドバイスで一行を引っ張ってくれることも。

・戦闘では――?
高い攻撃力と防御力を備えており、”竜巻斬り”など豊富な物理攻撃を持つ。”挑発”で自分に攻撃を向けさせたうえで、敵の物理攻撃を無効化しつつ反撃が可能なカウンターも使えたりと、敵の攻撃を一手に引き受ける盾役として優秀。また、道具の効果を強化できるので、アイテムを使っての回復役もこなせる。

●キール

人里離れた山奥に隠れ住む、謎多き一族の少年。天真爛漫な性格で、どんな状況でも明るく振る舞うムードメーカー。一族が暮らす里で何不自由なく暮らしていたが、外の世界への憧れが高じて、家出同然で村を出ていた。そして、セツナたち一行に出会った彼は、ある決断を通じて、大きく成長していくことになる。

・戦闘では――?
非常に高い魔力を持つ、火属性魔法の使い手。加えて「リジェネ」で味方のHPをじょじょに回復するなど、サポート魔法も使える。最終的にはパーティでも随一の火力を引き出せるが、そのぶん打たれ弱いのが難点となる。

●ジュリオン

旧王家一族の血筋に連なるという、頑固で一途な性格の女性騎士。1つのことに執着し、自分の考えを決して曲げようとはしない頑固さもあるが、その品位と高潔さから、家臣には慕われている。どこか謎めいた雰囲気もあるが、その理由は……。

・戦闘では――?
物理攻撃と、水属性の魔法攻撃を使いこなすマルチアタッカー。どちらからといえば物理攻撃がメインで、天高く飛翔し一時的に無敵となり、その後落下しながら攻撃する「ジャンプ」などを使いこなす。また、味方の攻撃に追撃する魔法も使えるため、ATBゲージに関係なく、攻撃の手数を増やすことも可能。

●大鎌の男

自分の身長ほどの大鎌を振りかざし、獲物を追いつめていく謎めいた男。本名も、素性もわからないまま、セツナたちは幾度となく刃を交えることになる。彼の目的はただ1つ、”いけにえの抹殺”であるというが……。

■『いけにえと雪のセツナ』インタビュー
――電撃ゲームメディア総編集長が、本作のプロデューサー&ディレクターにキャラクターと物語について尋ねる

第1回に引き続き、ここからは内堀建吾プロデューサーと橋本厚志ディレクターの2人に、ゲーム内容に踏み込んだ内容を尋ねていく。

内堀建吾氏(Tokyo RPG Factory 『いけにえと雪のセツナ』プロデューサー)

橋本厚志氏(Tokyo RPG Factory 『いけにえと雪のセツナ』ディレクター)

江口 聡 電撃ゲームメディア総編集長

◆タイトルに込めた意味と「切なさ」の共有

電撃ゲームメディア総編集長 江口 (以下、江口):E3のときに最初にプロジェクト名が出て、その後、『いけにえと雪のセツナ』ってタイトルが公開されたとき「おおっ」と思ったんです。結構グッと来るタイトルだなと感じたのですが、このタイトルにした狙いはなんなのでしょう?

Tokyo RPG Factory 『いけにえと雪のセツナ』プロデューサー 内堀建吾氏(以下、敬称略):最初に「10年経っても色褪せないエンターテインメントを目指す」というコンセプトがあったので、タイトルを見ただけでどんなゲームなんだろうってワクワクしたり、興味をもってもらえるものを……という想いでタイトルになる単語を選びました。「いけにえ」は、世界中にその風習があるので、あらゆる地域で馴染みやすい1つのテーマかな、ということでシナリオのキーワードになってます。「雪」も、このゲームではビジュアル的に強く残る印象を持っていますね。

Tokyo RPG Factory いけにえと雪のセツナ』ディレクター 橋本厚志氏(以下、敬称略)じつはこのゲームをあとで思い返すとき、「雪のRPGだった」といって欲しいという狙いもあったんです。

内堀:あとは「切なさ」というのは個人的に日本人にしか出せないメイドインジャパン的な印象が強いので、その3つのワードを絡めてタイトルにしました。

江口:なるほど。タイトルをそういったイメージで付けられているということを踏まえて……なのですが、RPGの作り方として、物語をまず作ってからシステムを練る方法と、システムをある程度決めてからそれにそうようにイベントシーンなど物語を作るやり方があるように思います。本作はどうだったのでしょう?

内堀:どちらかというとシナリオありきですね。やはりRPGなので、しっかりとしたシナリオを体験してほしいですから。なので企画段階だと、どんなゲームシステムにするかはざっくりと簡略でした。『クロノ・トリガー』のようなシステムを目指す、と(笑)。

江口:システムのベースになった作品ですね。なぜ『クロノ・トリガー』をベースに選んだのでしょうか?

内堀:もちろん『クロノ・トリガー』をそのまま作ろうという意図でははないのですが、作品として『クロノ・トリガー』と肩を並べることができれば、という思いはありました。僕にとっても想い出に残る作品の1つですが、もっというと世界中の人たちが『クロノ・トリガー』に対して思い出をもっていると思うんです。『いけにえと雪のセツナ』も、世界の人たちに遊んで欲しいので、あえて見たことのある、馴染みがある、リスペクトしているそのシステムを踏襲して、そのままではなくそれを超えるシステムにデザインできたら、それが1つのゴールなのかなと思っています。

江口:それを実際どう料理したのか、というところに非常に期待できます。

橋本:「シナリオ」と「システム」はゲームの両輪ですからね。一番大事にしたいと思っていたのは、ゲームの没入感です。ストーリーを楽しむにも没入感は大事ですし。もともと『クロノ・トリガー』の戦闘は当時から画面転換を挟まないシームレスなもので、非常に没入感の高いシステムでした。そこはちゃんと踏襲しつつ、この作品ならではの新システムを加えることで、昔遊んでくれた方もそうでない方も、どちらも楽しんでもらえるようなゲームシステムになるよう、構築していった感じですね。

江口:“没入感”についてですが……本作は公式HPもゲーム中も非常に雪を強調していて、そこに根付く世界のバックボーンや情緒的な雰囲気を出していると思うのですが……シナリオが根幹にあるなかで、そういったイメージ作りにおいて「ここに特に注意しなきゃ」「ここは譲れない」などといった部分はありましたか?

内堀:「切なさ」という言葉が重要なテーマの1つなので、「雪」というビジュアルイメージもあわせて、その部分はブレないように気をつけました。とはいえ「切ない」という感覚は人それぞれの解釈がありますので、今回はその「切なさ」に対する開発メンバーの共通認識をあわせるために、時間を多く設けましたね。結局、最後まで言葉で説明はできなかったんですが……。「切ないってなんですか」って聞かれたとき、やはり明確に言葉にするのは難しい。でも、感覚ではなんとなく共通している……。そういうところこそがもしかしたら日本人ならではの「切なさ」の感覚なのかもしれませんね。思い描いているゴールのビジョンがみんな一緒だったのと同じように、言葉ではなく感覚で、チーム全員が「切なさ」の共有ができたと思ってます。

◆ピンポイントで依頼したキャラクターデザイン

江口:今回キャラクターデザインで、toi8(といはち)さんを起用していますが、その決め手となったのはどこなのでしょうか?

内堀:そこもやはり「切なさ」を印象づける狙いがありました。正直言いますと、toi8さん以外の選択肢はなかったんです。プロジェクトの初期段階で、さて、どう連絡をとって、どう声をかけようか、みたいなところからスタートしています。

江口:今の若い人たちにも人気はあるのですが、いわゆるキャラクター萌え的な部分とも違うところがあって、そこがすごくマッチしていると感じましたね。

内堀:toi8さんのイラストって、我々の「切なさ」の解釈にピッタリと当てはまっていたんです。哀愁とか悲壮感のなかに、力強さや、運命を受け入れる覚悟というものが感じられて。それにキャラクターたちに躍動感がありますし。世界観を完成させる重要なピースの1つとして、まさしくピンポイントでお願いさせてもらいました。結果的には、有り難いことにすぐにOKをもらえまして。……toi8さんも含めた他の方々もそうなのですが、今回は運がよかったというか、「この人と一緒にゲームが作りたい!」という方々に集まってもらえたので、本当に感謝の想いが強いです。

◆ストーリーに漂う「切なさ」の原点

江口:今回のキーワードの1つに「いけにえ」がありますが、自分がいけにえになるために旅をするって、ある意味王道で、それこそ日本人らしいとはいえるんですが、お話的には特殊ですよね。「死に向かう」このテーマを選んだのは、どういったところからだったのでしょうか。

内堀:僕らが原体験した90年代のRPGって、ゲームは楽しいんだけど、どこか切なさを感じたり、哀しさが感じられたと思うんです。それに対するオマージュって意味が強いですね。あと、システムだけでなく、物語的にも、既視感というか、安心感を残しておきたかったんです。昔遊んでいた人が、「そうそう、こういう感じだったよね」と思えるような。

橋本:ただ、安心感ばかりでも駄目なので、そのバランスってすごく難しくて……。シナリオだけでなく、ゲームシステムも、バランスをいかにとるかでこだわりましたね。

江口:その安心感と一緒にバランスをとったのは、独特感というかオリジナリティの部分だと思いますが、システム的には新システムを入れるとして、ストーリーでオリジナリティを出すのに気を付けたことはありますか?

橋本:一番工夫したのが、言葉使いです。セリフ1つ1つに対し、プレイヤーがどう感じるかに徹底的にこだわりました。わかりやすい例でいうと、物語中にカタカナ用語はできるだけ使わない、「モンスター」を「魔物」と統一するとかですね。もちろんシステムでは横文字も使っているんですけど、物語のうえではカタカナを極力減らして独自の雰囲気を作っています。そうした細かいこだわりの積み重ねが、このゲームならではの世界観に繋がっていくのではないかと。あと、これまでの話でお分かりの通り、背景が「雪」景色ばかりなんですが、そのアートの強さが、カタカナを極力減らしたことで生まれた雰囲気にピッタリはまって、より機能したのではないかと、個人的には思ってます。


インタビューの続きは【第3回】以降にも掲載。次回は、従来のATB(アクティブタイムバトル)システムに新たな息吹を吹き込んだ本作のバトルと育成を深く掘り下げていく。

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いけにえと雪のセツナ

発売元:スクウェア・エニックス
プラットフォーム:PlayStation®4/PlayStation®Vita
ジャンル:RPG
発売日:2016年2月18日(木)予定
希望小売価格:
 PS4®版 販売価格:4,800円+税
 PS Vita版 販売価格:4,800円+税
CERO:B(12才以上対象)

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© 2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Developed by Tokyo RPG Factory

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