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PlayStation®5/PlayStation®4用ソフトウェア『龍が如く7外伝 名を消した男』(以下『龍が如く7外伝』)が、11月9日(木)、ついに発売を迎える。本作は、桐生一馬の視点から『龍が如く6 命の詩。』(以下『龍が如く6』)以降の空白の物語を描く完全新作だ。クリア後には、2024年1月26日(金)発売予定の『龍が如く8』オリジナル体験版もプレイできる。
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特集第1回では、PS5版のプレイレビューをお届けする。エージェントとして生きる桐生の物語、ふたつのバトルスタイル、「キャッスル」のプレイスポットについて紹介しよう。
桐生一馬の空白を埋め、現在につながる物語
『龍が如く7外伝』は、『龍が如く6』から『龍が如く7 光と闇の行方』(以下『龍が如く7』)までの空白を埋める物語だ。かつては伝説の極道としてその名を轟かせた桐生一馬は、2019年現在、日本のフィクサーとして暗躍した組織「大道寺一派」に身を寄せている。愛する者たちを守るため、自分の死を偽装し、コードネーム「浄龍」として任務をこなす毎日。組織に飼い殺しにされ、自由も奪われた状態だ。ゲーム中、『龍が如く6』の顛末はさらっと語られる程度だが、『龍が如く7』からシリーズを始めたユーザーも、上記の事情さえ把握していれば問題なくストーリーについてこられるはずだ。
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すっかり人生を諦めたように見える桐生だが、このエージェント姿がなかなか格好いい。スーツを着こなし、薄く色の入ったサングラスをかけ、耳元に手を当てながらイヤホンマイクで組織と連絡を取る。その姿が実にスマートで、これまでのワイルドな桐生とはまた違った色気にあふれている。
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そんな中、金塊密輸の警護のため、横浜港へ駆り出された桐生と彼の管理者である花輪は、謎の一団に襲われる。それは、桐生の死を疑う近江連合が仕組んだ襲撃だった。さらに鶴野、獅子堂というふたりの男が現われ、桐生は裏社会の渦中にまたも飲み込まれることになる。
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赤目の依頼を解決し、桐生の能力を強化
ここから舞台は大阪・蒼天堀に移り、なんでも屋の赤目と行動を共にすることになる。赤目はホームレスを束ねて「赤目ネットワーク」を築き、彼らから集めた情報をもとにさまざまな依頼を請け負っている。桐生も成り行き上、彼女の仕事を手伝うことになる。
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こうした依頼を解決すると、「赤目ポイント」とお金が溜まり、そのポイントを使って能力強化や買い物ができる。また、赤目ポイントが一定以上溜まると「赤目ネットワークレベル」が上がり、新たな依頼が舞い込んだり、赤目とのイベントが発生したりする。つまり、街の人々の困り事を解決したり、赤目の依頼を請けたりすることで、桐生がどんどん強くなっていくわけだ。
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街の人々の困りごとは、「お好み焼きが食べたい」「写真を撮ってきてほしい」といったシンプルなお使いがメイン。赤目からの依頼はもう少し難度が高く、強敵と戦ったり、複数の場所を行き来したりしながらサブストーリーを進めることになる。「闘技場」で一緒に戦ってくれる仲間も、サブストーリーを通して増えていく。また、依頼を通して、ビリヤードやダーツなどの遊びに触れることもできる。
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過去のシリーズ作品と同じように、中には笑ってしまうようなサブストーリーも用意されている。対話型AIを使って恋の告白を試みる若者の姿に時代を感じたり、シリーズの名物おばちゃん・悦子に翻弄されたりと、おかしなイベントが目白押し。かと思えば、「龍が如くスタジオ」が制作する「JUDGE EYES」シリーズのキャラクター・海藤正治が登場するエピソードもあり、両シリーズの世界観が地続きであることを感じさせてくれる。こうして蒼天堀を駆け回って依頼解決を行なううちに、あっという間に時間が過ぎていくはずだ。
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桐生の人生を総決算。春日一番との接点も
メインストーリーでは、『龍が如く6』後、桐生が何をしていたのかが語られるが、全体を通して見ると桐生の人生の集大成のような雰囲気も感じられる。これまで桐生の周囲で命を落としてきた人々を思い出し、「いつかあの世でその人たちに会った時、恥ずかしくねぇようにしときてぇ」と語る背中からは、人生を諦めながらも矜持を捨てない桐生の生きざまが伝わってくる。
さらに、闘技場で歴代の強敵たちを模したファイターと拳を交えたり、サブストーリーで『龍が如く2』に登場した郷田龍司の偽物を退治したりするのも、過去の総決算のようだ。CMなどでは「桐生一馬 単独主人公最終作」と銘打たれているが、随所からその気配を感じ取れる。
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もちろん、『龍が如く7』『龍が如く8』とのつながりも感じられる。桐生が横浜・伊勢佐木異人町を訪れた際、銃で撃たれた春日一番とニアミスしていた事実など、「え、その時、こんなことが!?」と意外な接点がわかるのも面白い。シリーズファンにとっても新たな発見のあるストーリーになっている。
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「応龍」と「エージェント」──ふたつのスタイルを使い分ける白熱バトル
春日一番と仲間たちの戦いを描いた『龍が如く7』はRPGだったが、今回は桐生が主人公とあってアクションアドベンチャーに回帰している。バトルでは、進化した喧嘩アクション「応龍」とガジェットを使う「エージェント」、ふたつのスタイルを切り替えて戦うことに。おなじみの必殺奥義「ヒートアクション」、闘気ゲージが一定以上溜まると発動できる「アルティメットヒートモード」も、それぞれのバトルスタイルに用意されている。
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さらに、敵の必殺技を回避して、強烈な返し技を叩き込む「アルティメットカウンター」も新たに導入されている。敵によって必殺技を放つタイミングが異なるため、失敗するとまともに攻撃を食らってしまうが、うまく反撃が決まれば一気にダメージを与えることができる。相手の動きを読み切った時の爽快感も抜群だ。
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ガジェットを駆使した「エージェント」が新鮮で楽しい
ふたつのバトルスタイルのうち、「応龍」は一撃が重いパワー系。ボタン長押しで、強力なタメ攻撃を放つこともできる。1対1で強敵と戦う時には、このスタイルに切り替えるとタイマン勝負のヒリヒリするような緊迫感を味わえる。
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もうひとつのバトルスタイル「エージェント」は、スピーディな動きが持ち味。一撃の威力は比較的軽いが、きびきびと小気味よく動ける。最大の特徴は、4つのガジェットを駆使したトリッキーなバトルアクションだ。ゲームを進めるとさまざまなガジェットを入手でき、バトルで自由に使えるようになる。各ガジェットに対応するボタンを長押しすると、それぞれの効果が発動する。大勢の敵と戦う場面では、スピード感あふれる格闘術とユニークなガジェットが役に立つはずだ。
「蜘蛛」は、ワイヤーで敵を捕縛して放り投げるガジェット。敵を一網打尽にしてブン投げるのが爽快なうえ、路上に落ちているものや相手の武器まで引き寄せることもできる。遠くにいる敵をワイヤーで絡めとって引き寄せ、ヒートアクションを叩き込むといった戦い方もでき、4つのガジェットの中でもっとも使い勝手が良いように感じられた。
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さらに、このガジェットはアドベンチャーパートでも役に立つ。手の届かない場所にあるアイテムも、「蜘蛛」があればスルッと手元に引き寄せることができる。
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「蛇」は、小型のジェット機構を備えたシューズ。敵めがけて高速移動すれば、相手を吹っ飛ばすことができる。大勢の敵を相手にした際に、大きな力を発揮する。
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「蛍」は、タバコの形状を模した小型爆弾。一定時間が経過すると爆発するのだが、爆弾の位置まで敵を誘導しなければならず、爆破に巻き込まれれば桐生自身もダメージを受けてしまう。少々クセの強いガジェットだが、集団になった敵と戦う時に役立ってくれる。
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小型ドローン「蜂」は、敵をかく乱するのに便利なガジェットだ。威力は低いものの、蜂のように敵の頭上を飛び回り、足止めを食らわすことができる。敵からすれば、煩わしいことこのうえないだろう。
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これらのガジェットを試行錯誤しながら使いこなしていくため、飽きることなくバトルを楽しめる。能力を強化すれば、重たいものまでワイヤーで引き寄せられるようになったり、一度に飛ばせるドローンの数が増えたりと、バトルはさらに奥深くなっていく。ボタン連打でも強敵をギリギリ倒せるバランスだが、ガジェットの導入により高い戦術性も味わえるようになっている。
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プレイスポットや闘技場も遊びごたえ十分
「龍が如く」シリーズと言えば、つい寄り道したくなるプレイスポットも見どころのひとつ。今回もカラオケやポケットサーキット、ゲームセンターなどバラエティに富んだ遊び場が用意されている。
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中でも注目したいのが、キャバクラだ。今回は実写の女性と会話を楽しめるのだが、「生キャバ」と称するだけあって、これが何とも言えず生々しい。「これまでCGだったキャラが実写になっただけでは?」と思うかもしれないが、不思議な艶めかしさが生まれ、会話のドキドキ感が大いに増している。相手の好感度が上がり、こちらに身を乗り出してきた時には、ドギマギして目のやり場に困ったほど。ちょっとした変化だが、ここまで印象が変わるのかと驚きを感じた。
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もうひとつの見どころは闘技場。桐生が大会に出場できるのはもちろん、チームバトルに挑んだり、桐生以外のキャラを操作して戦ったりできる。身のこなしが軽い忍者から重量級のプロレスラーまで、さまざまなキャラが用意され、桐生とはまったく違う戦い方を楽しめる。
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赤目の依頼を受けて仲間になってくれるキャラを集めたり、バトルや会話によってメンバーを鍛えたりと、チームを編成・育成する楽しみも味わえる。戦う相手に応じてメンバーを入れ換えつつ、最強チームをコツコツ作り上げていくのに没頭してしまった。
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ほかにも、さまざまな遊びが用意され、とにかくサービス精神が旺盛。「外伝」とはいえ、「龍が如く」シリーズらしさが凝縮されたゲームになっている。クリア後には『龍が如く8』体験版もプレイでき、発売がますます楽しみになるはずだ。
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龍が如く7外伝 名を消した男
・発売元:セガ
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:アクションアドベンチャー
・発売日:2023年11月9日(木)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 5,940円(税込)
ダウンロード版 販売価格 5,940円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:D(17才以上対象)
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