『バイオハザード RE:4』発売直前インタビュー! 原作の"核"を大切にして目指した懐かしくも新しい体験【特集第3回】

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『バイオハザード RE:4』発売直前インタビュー! 原作の"核"を大切にして目指した懐かしくも新しい体験【特集第3回】

いよいよ明日3月24日(金)に発売を迎える、PlayStation®5/PlayStation®4用ソフトウェア『バイオハザード RE:4』。本作は、2005年に登場した『バイオハザード4』のリメイク作品だ。

特集第3回では、本作を手掛けたカプコンの平林良章プロデューサーにインタビュー。原作である『バイオハザード4』の”核”とは何か、そしてリメイクにあたって意識されたさまざまなポイントなどを交えながら、本作の魅力について語っていただいた。

カプコン『バイオハザード RE:4』プロデューサー
平林 良章
(ひらばやし よしあき)

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現代的な再構築を目指しながらも、多くのゲームファンが愛した原作のフィーリングを再現

──いよいよ『バイオハザード RE:4』が発売を迎えます。今の率直な心境をお聞かせください。

とてもありがたい話なのですが、皆さんに本作を待ち望んでいただけているということを、肌で感じています。皆さんの期待に添えるタイトルになっていると思いますので、楽しんでいただけたら幸いです。

──本作は原作である『バイオハザード4』の”核”が何なのかを大切にしながらリメイクされたとのことですが、その”核”とは何か、あらためて教えてください。

本作を発表した際に、あえて”核”という形でふんわりと言わせていただいたことには理由がありました。原作はとても多くの方々にプレイしていただいたタイトルで、かつ愛されているという認識を持っています。皆さんが原作の「ここが好きだった」という部分こそが、まさにその”核”だと思っているのですが、やはりそれはプレイヤーによって違うと思います。

印象に残っている部分は人それぞれなので、どれかひとつを取り上げて「原作のここを大切にしています」とは言いづらかった。では、そういったことをシンプルに伝えられる言葉とは何だろう……と考え、原作のいいところを包括するという意味で”核”と言わせていただいたんです。

“核”というものはいくつもあるという前提で、ひとつの例として具体的なことをお伝えするならば、ゲーム中に取ることができる戦略の幅広さです。原作はプレイヤーによって異なるそれぞれの戦い方や楽しみ方が許容されるゲームデザインになっていました。それが原作における”核”のひとつだと考えています。

ストーリーを楽しむ方やアクションを楽しむ方、もちろんサバイバルホラー要素を楽しむ方もいるでしょう。そしてひとつの戦闘をとっても、ハンドガンをメインの武器としたり、ショットガンやスナイパーライフルを駆使したり、近接戦闘のメレーを狙ったり、ナイフを駆使して立ち回ったりなど、さまざまな戦略が可能です。原作はとても懐の深いゲームだったと思っています。

──リメイクにあたってまず目を奪われるのは、やはりグラフィックの進化です。キャラクターや舞台となる閑村、クリーチャーなどの描写について、意識されたり苦労されたポイントをお聞かせください。

原作が登場したのは2005年で、18年も前の作品となります。それからハード自体の性能が上がっていますし、本作ではPS5という最新ハードへの対応を前提としていました。そのため、昔と比較して表現できることの幅がとても広がっています。

では、表現の幅が広がったことをどのように活かしていくのか? ディレクターやアートディレクターを中心に検討していく中であがってきたのは、全体を通した空気感でした。光と影というような部分を本作の強みとして、プラスできるのではないかと考えたんです。

空気感はもちろん、光や影の表現には、マシンスペックが大切になってきます。やはりPS5のパワーによって広がった表現の幅は、本作のグラフィックをより魅力的に見せることの一助となっています。舞台となるヨーロッパの閑村の描写においては、原作のコンセプトをさらに強めていくことを目指しました。

キャラクターやクリーチャーは、いずれも原作の魅力のひとつでした。原作が持っていたキャラクターそれぞれの特徴的なニュアンスを残しながらも、最新のゲーム体験として納得していただけるよう、ナラティブなデザインに改良することを意識しています。また、作中の季節は秋なので、秋ならではの温度感というものも、なんとなく感じていただけるように苦心しました。

クリーチャーにおいては、その地でどのような生活を行なっていたのかという背景への意識が、ナラティブな方向性のデザインの一助になっています。また、それぞれのクリーチャーが持つ魅力やディテールなどの表現を、進化したマシンスペックによってどのように加えていくのか苦心しました。

──ストーリーの再構成にあたっては、どのようなポイントを意識されたのでしょうか。

まず、本作では原作のストーリーの大枠は、そのまま引き継いでいます。ただし、安保(康弘)ディレクターが改めて原作のストーリーを見直し、昨今のゲーム体験として、キャラクター同士の関係性や背景といった部分を原作以上に表現できるのではないか、という想いに駆られたんです。

レオン、アシュリー、ルイスをはじめとしたキャラクターの関係性はどうなっているのか。そしてどのように変わっていくのかを、より深く感じていただけるようにするのが、ストーリーにおける再構成のコンセプトでした。皆さんに直接プレイしていただき体験してほしいという想いがあるため、具体的に「ここが見どころです!」とは言えないのですが、どのような形で描かれているのか、ぜひご期待ください。

──それでは、プレイフィールの現代化についてはいかがでしょうか。

まず、『バイオハザード RE:2』と『バイオハザード RE:3』、そして最新のナンバリングタイトルである『バイオハザード ヴィレッジ』のプレイフィールを土台とし、最新の「バイオハザード」を楽しんでいる皆さんに違和感なく遊んでいただけるように意識しています。

原作との比較では、ナイフを使ったパリィやしゃがむという動作が増えています。また、ナイフアクションも、パリィだけでなく緊急回避や追撃、背後からのステルスキルなど、可能なアクション自体が原作よりも増加しています。銃を構えたまま動くことができるようにもなっています。

“原作ではできたのに本作ではできない”という部分は、ほぼないです。とはいえ、ただ足していくことをよしとしたわけではありません。最初にお伝えした原作の魅力である戦略の幅をさらに広げたいという想いから、本作のプレイフィールは生まれました。

──レビュー記事の制作で本作を先行体験させていただきましたが、意外な攻撃をパリィできたり、しゃがむことで回避できたりして驚きました。

通常の操作で、さまざまな攻略が可能なようにしています。例えば、敵が投げてきた斧は状況がそろえばしゃがんで避けることができます。ただし”しゃがむという行為=攻撃の回避”というわけではないんです。通常の歩き動作やダッシュよりも静かに行動できるので、音に敏感な敵と対峙した際にしゃがみながら歩けば、気づかれずに移動することもできます。

特殊な状況下でしゃがみやパリィなどのボタンが表示される演出もありますが、それはパリィやしゃがみで対応できることを知るのが少し難しい部分に対し、わかりやすい形で気づきをうながす意図で入れています。ボタン演出が表示されない攻撃の中にも、しゃがんだりパリィをしたりすることで回避できる攻撃はあるので、攻略の糸口を掴むひとつのピースとして理解していただければと思います。

原作のプレイフィールは、当時プレイされた皆さんに愛されている大切な”核”のひとつだと思っています。新しい要素をただ足していくのが本作の目的ではありません。新しい要素が入っているにも関わらず、原作の印象をちゃんと守っているということこそが、今回のリメイクの大切な部分だとお伝えしたいです。

『バイオハザード RE:2』では、オリジナル版『バイオハザード2』の固定カメラからビハインドビューへとシステム自体を変更しているため、体験としてはかなり変化しています。しかし、本作の原作である『バイオハザード4』は、もともとビハインドビューでした。「自分たちが愛した『バイオハザード4』のプレイフィールは『バイオハザード RE:4』でどうなっているの?」と心配されている方もいると思いますが、安心してください。操作自体は現代的に変えていますが、皆さんが好きだった感覚に近づけたうえで、さらに拡張しています。

──原作未体験のプレイヤーや本作で初めてシリーズに触れるプレイヤーに「こうやれば生き残れます」といったアドバイスはありますか?

「バイオハザード」シリーズは、サバイバルホラーという体験を大切にしています。そのため、弾薬や回復アイテムといったリソースの管理を意識してもらえると、バトルがとても楽しくなると思っています。

また、本作では銃で狙い撃つことで、敵をさまざまな状態にすることができるんです、例えば脚を狙って撃つことで膝をつきます。体勢を崩したときに訪れるチャンスをメレー(近接戦闘)によって活かしてください。そして銃で狙い撃つという行為とメレーやナイフアクションなどを組み合わせながら、自分なりのプレイスタイルを構築することで、とても幅の広い体験が楽しめると思います。

──先行体験では主にヘッドホンをつけてプレイしていたのですが、臨場感抜群のサウンドもさらなる恐怖を演出していると感じました。

PS5版は3Dオーディオに対応しており、さらに臨場感と没入感のある体験が可能ですので、対応している環境でプレイしていただけると、迫力のあるゲーム体験になると思います。PS5のDualSense™ ワイヤレスコントローラーにおいても、ハプティックフィードバックやアダプティブトリガーといった機能がさまざまな形で対応しているので、その手触りも没入感を高める一助となっています。

──本作の制作における裏話や苦労話などはありますか?

配信中の体験版でもプレイできますが、本作の象徴とも言える最初の”あの広場”における戦闘までの流れは、何度も作り直しました。ほぼ完成までいってもすべてをリセットして作り直すという行為を、何度も繰り返しています。これには、本作のエグゼクティブプロデューサーである竹内(潤)からの大きな方針も寄与しており、われわれが目指すべき懐かしさと新しさのバランスを、最初に感じてもらえる部分はここだと考えたからです。

苦労はしましたが、このステージへの取組みで手に入れたノウハウや手応えを、他のステージにも活かすことができました。今回のリメイクにあたっての大きな指針となり得たのかな、という感じです。

──最後に、本作に注目しているユーザーに向けてメッセージをお願いします。

原作をプレイした方の思い出や、作品愛としっかり向き合いながら、チーム一同開発を進めてきました。皆さんの期待に沿えるものになっていると思いますので、ぜひプレイしてみてください。

本作で初めて「バイオハザード」シリーズに触れる方にも、本作のストーリーを理解いただきやすい導入を用意しています。現代的なプレイフィールの最新サバイバルホラーとして楽しめるものになっているので、ぜひお試しください。

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バイオハザード RE:4

・発売元:カプコン
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:サバイバルホラー
・発売日:2023年3月24日(金)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 通常版 8,789円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 通常版 7,990円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 デラックス エディション 8,990円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:Z(18才以上のみ対象)


PS Blogの『バイオハザード RE:4』記事はこちら


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