
PlayStation®5用ソフトウェアとして10月2日(木)発売予定の『Ghost of Yōtei』(ゴースト・オブ・ヨウテイ)は、Sucker Punch Productionsが手掛ける新たなオープンワールド時代劇アクションアドベンチャー。好評を博した『Ghost of Tsushima』から約300年後となる1603年の蝦夷地を舞台に、孤独な武芸者・篤(あつ)の復讐の旅路を描く。
9月25日(木)から28日(日)にかけて開催中の「東京ゲームショウ2025」では、プレイステーション®ブースにて本作の試遊出展が行なわれており、進化した剣戟アクションや広大な蝦夷地の探索を体験することができる。今回はその試遊レビューをお届けしよう。





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蝦夷地の広大なオープンワールドを自由に駆ける
ゲームをスタートしてプレイヤーの操作が可能になると、そこは篤の生家があった場所。家族と暮らしていた名残はほとんどないが、タッチパッドを長押しすると回想に入り、幼少期の篤として周辺を探索することができる。父の謙吾、母のよね、弟の十兵衛との会話は、穏やかな日常そのものであり、”怨霊”と噂されるほど復讐に囚われた現在の篤と比べると、そのギャップに物悲しさを感じずにはいられない。


生家の跡を離れると、羊蹄山周辺の広大なオープンワールドを自由に駆けることができる。マップ画面で設定した目的地に向かう際は、タッチパッドを上にスワイプして「風を呼ぶ」ことができ、吹きすさぶ風が目的地の方角を示す。また、篤を誘うように飛んでいる鳥を追いかけると、温泉などの探索スポットが見つかる。ミニマップやコンパス表示といったゲーム的なユーザーインターフェースに頼らず、自然そのものが移動をサポートするシステムは前作から継承されており、篤として蝦夷地を旅している没入感を高めてくれる。さらに本作では、馬に乗っているときに花が咲いている場所を通るとスピードアップするシステムを導入。花の道をなぞるように走ると、最短距離で一直線に走るよりも早く目的地に着くこともある。野生の馬や鹿と並走したり、鳥の群れが一斉に飛び立ったりと、生き生きとした大自然の中を疾走するのも爽快だ。

旅の目的地は、マップ上の任意の場所を行き先に設定するほか、旅の道中で知り得た情報や噂が探索スポットとして表示される。試遊版の探索スポットは「篤の道」と「賞金首」というカテゴリに分かれていることが確認できた。「篤の道」は、おそらくはメインストーリーに関わるクエスト。「賞金首」は、手配書が出回っている賞金首を倒すという内容で、こちらはサブクエスト的な位置づけになるだろう。各カテゴリには、それぞれふたつのクエストが表示されていたが、新たな情報を得てクエストが追加されたり、移動の途中で偶発的に別のクエストが発生したりと、次々と攻略候補が増えていった。本作の舞台は広大でありつつ、探索スポットの密度は前作に増して濃く感じる。攻略する行き先を自由に選びながら、思わぬ発見にも出会えるのは、オープンワールドゲームの醍醐味だ。
新要素「野営」ではリアルな火起こしも体験!
「野営」は、本作から導入されたフィールドの新要素だ。さまざまな場所で野営して体を休めたり、料理をしたり三味線を弾いたり、立ち寄った商人や侍などのNPCと交流することができる。そんな野営が、自らの操作で焚火の火を起こすところから始めるのには驚かされた。枯草に向かって火打石を構え、左スティックで狙いながらタッチパッドをスワイプして火花を飛ばす。枯草に火が移ったら、今度はR2を押して息を吹きかけ、火を大きくしていく。R2はただ押すだけではダメだ。静かに長く息を吐くイメージで、ゆっくりと押し込むことで火が大きくなる。「割愛する」を選ぶと、この工程はスキップできるようだが、現代人には縁のない不便さをあえて体験することで、江戸時代初期の世界観により浸れるというものだ。
複数の武器を使い分ける、進化した剣戟アクション
『Ghost of Tsushima』のメイン武器は刀だったが、本作はさまざまな武器種を使い分けて戦うことができる。試遊版では刀、槍、鎖鎌を最初から装備していた。二刀と大太刀に関する情報もあったことから、進め方しだいでは武器をさらに増やすこともできそうだ。
基本的な戦闘アクションは『Ghost of Tsushima』を踏襲しており、□ボタンの速打と△ボタンの強打で攻撃する。武器種の切り替えはメニュー画面に移ることなく、R2と△〇□ボタンの組み合わせで瞬時に持ち替えることが可能だ。今回の試遊では、最初は『Ghost of Tsushima』で使い慣れた刀で戦っていたが、ほかの武器も試してみようと持ち替えてみると、スピードと間合いが異なるのはもちろん、敵タイプとの相性によって戦いやすさがガラリと変わった。速打と強打のバランスが取れた刀、リーチの長さで間合いを制する槍、振り回して範囲攻撃も可能な鎖鎌と、それぞれに長所がある。愛用の得物にこだわるのもよし、敵との相性を重視して賢く使い分けるのもよし。今作はプレイヤーの好みに応じた強みを表現できる、奥深く進化した剣戟アクションになっているようだ。


敵の攻撃は、L1ボタンの防御と〇ボタンの回避で防ぐ。敵の攻撃を引き付けてタイミングよく防御すると「受け流し」が発生して即座に反撃できるが、赤く光る防御不可の攻撃は確実に回避するなど、『Ghost of Tsushima』同様に戦闘アクションでは守りがとても重要だ。また、青く光る通常の攻撃、赤く光る防御不可の攻撃のほか、本作では黄色く光る攻撃が追加されている。篤がこの攻撃を受けると武器を落としてしまい、一時的にその武器を使えなくなってしまう。ただし、△ボタン長押しの居合をタイミングよく当てると、敵の武器を落とすことができる。回避に専念してやり過ごすこともできるが、リスクを背負ってカウンターを決めれば、敵が武器を落とした隙に攻め立てるチャンスが生まれるのだ。


飛び道具も搦め手も、暗殺も駆使する幅広い戦術
篤は刀や槍などの近接武器を駆使できるのはもちろん、弓矢や鉄砲で遠距離から敵を倒すこともできる。こうした武士らしい戦いの一方で、苦無(くない)で牽制したり目潰し粉で視界を奪ったりする搦め手を交えることで、強敵や複数の敵を相手にしても幅広い戦術で立ち回ることが可能だ。本作では倒した敵が落とした武器を拾い、強力な投擲武器として使うこともできるようになった。近接武器の立ち回りを極めて華麗に戦うのもいいが、搦め手を交えた異なる方法で敵を倒していくのも面白い。ちなみに、敵の攻撃を受けないまま連続して倒していくと、「怨霊の叫び」が発動可能になる。「怨霊の叫び」はL3とR3の同時押しで発動でき、敵の集団をまとめて怯ませ、一方的に倒すことができる。


敵の拠点など大勢と戦う場面では、真正面から斬り合うだけでなく、暗殺で排除していくことも有効だ。敵の背後から静かに忍び寄り、あるいは草むらや高所の死角から飛び掛かり、気づかれることなく息の根を止める。少し離れた敵を鎖鎌で引き寄せてから仕留めるなど、暗殺のバリエーションも増えている。誉れなき外道の業と言われようとも、慎重さと大胆さが必要なステルスキルは、スリリングで極めがいのある戦術だ。

さらに本作では、篤の頼れる仲間として狼が戦いに加わってくれる。前作は野生動物の狐や猫、鹿、猿を愛でることができたが、本作の狼は可愛いだけではない、勇ましく戦うバディだ。敵に飛び掛かって攻撃の隙を作ってくれたり、酒瓶を当てた敵に追撃してくれたり、篤が力尽きたときは「助太刀」のスキルによって助けてくれたりもする。狼専用のスキルは、ほかにも習得できるようだ。製品版では篤と狼がどのようなコンビネーションを見せてくれるかが楽しみだ。


今回の試遊版は、オープンワールドの蝦夷地を駆けめぐって探索スポットを探すこともできるし、「篤の道」と「賞金首」のクエストで一騎打ちや集団戦に挑むこともできる。本作の自由度の高さが感じられる内容となっているのだが、試遊時間の制限があり、そのすべてを体験するのは難しい。進め方によって、全く異なる体験になるはずだ。これから試遊に臨むうえで、篤の復讐譚を垣間見たいのであれば「篤の道」の「古宿」を、新しい剣戟アクションを試したいのであれば「賞金首」の「鴉の源蔵」と「火薬の一平」を、それぞれ最初の目的地に設定してプレイすることをおすすめする。
Ghost of Yōtei(ゴースト・オブ・ヨウテイ)
・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation 5
・ジャンル:オープンワールド時代劇アクションアドベンチャー
・発売日:2025年10月2日(木)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 通常版 8,980円(税込)
パッケージ版 希望小売価格 コレクターズエディション 31,980円(税込)※
ダウンロード版 販売価格 スタンダードエディション 8,980円(税込)
ダウンロード版 販売価格 デジタルデラックスエディション 9,980円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:Z(18才以上のみ対象)
※『Ghost of Yōtei』ゲーム本編(ダウンロード)およびデジタルアイテムのプロダクトコードが封入されています。早期購入特典が含まれます。
PS Blogの『Ghost of Yōtei』記事はこちら
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©2025 Sony Interactive Entertainment LLC.Developed by Sucker Punch Productions.Ghost of Yōtei is a trademark of Sony Interactive Entertainment LLC.
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