『SILENT HILL f』インタビュー! 1960年代の日本を舞台にした新たなサイコロジカルホラーの幕開け

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『SILENT HILL f』インタビュー! 1960年代の日本を舞台にした新たなサイコロジカルホラーの幕開け

9月25日(木)に発売予定のPlayStation®5用ソフトウェア『SILENT HILL f』。本作は、恐怖と狂気のサイコロジカルホラー「SILENT HILL」シリーズ最新作だ。1960年代の日本を舞台に、寂れた田舎町「戎ヶ丘(えびすがおか)」に住む高校生「深水雛子(しみずひなこ)」の物語が描かれる。彼女の平凡な日常は、町を覆う霧とその中をうごめく怪異によって崩れ去るのだった──。

『SILENT HILL f 』最新映像はこちら

この記事では、本作を世界最速で試遊できたメディア向けイベント「『SILENT HILL f』 Tokyo Media Premiere」で行なわれた、豪華クリエイター陣のコメントを交えたゲーム紹介とインタビューの内容をお伝えする。試遊レビューについては以下の記事をご覧いただきたい。

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美しいがゆえに、おぞましい。──『SILENT HILL f』の特徴となる10のポイント

本イベントは、シリーズ最新作として注目を集める本作がどのようなゲームであるかを、あらためて紹介するところからスタート。コナミデジタルエンタテインメントの岡本基氏(「SILENT HILL」シリーズプロデューサー)、これまでにシリーズの楽曲を手掛けてきた山岡晃氏(作曲家)、『ひぐらしのなく頃に』などを手掛け本作のシナリオを担当した竜騎士07氏(ストーリー担当)、そして本作の開発を務めた台湾のデベロッパーであるNeoBards EntertainmentのAl Yang氏(ゲームディレクター)とAlbert Lee氏(ゲームプロデューサー)の5人が登壇し、本作を特徴づける10のポイントが語られた。

岡本 基

コナミデジタルエンタテインメント
「SILENT HILL」シリーズプロデューサー

山岡 晃

作曲家

竜騎士07

ストーリー担当

Al Yang

NeoBards Entertainment
ゲームディレクター

Albert Lee

NeoBards Entertainment
ゲームプロデューサー

①4Kで描かれる古き日本

岡本:日本の原風景とも言える1960年代の日本を、4Kの美麗なグラフィックで再現しています。自然と人々の生活が窮屈に絡み合った、ありきたりな”古さ”とはどこか異なる、狭くも複雑な町並みを描きました。PS5の美しいグラフィックで、ぜひこの町を体験していただければと思います。

②緊張の途切れない探索エリア

岡本:建造物による死角が多いうえに霧や闇によって視界が制限されるため、どこに危険が潜んでいるかわからない緊張感を味わえます。序盤のエリアは岐阜県の飛騨地方において「筋骨」と呼ばれる複雑なつくりになっており、迷路のような構造でプレイヤーを惑わせます。

③美と醜が入り混じる画作り

岡本:本作のグラフィックは”美しいがゆえに、おぞましい。”というキャッチコピーの通り、グロテスクで不気味にも関わらず美しいことが特徴です。相反する要素ではありますが、それらが混然一体となって溶け込んでいるのが、本作の魅力のひとつです。

④”心”に迫る不可思議な謎解き

岡本:難しいパズル要素は「SILENT HILL」シリーズの大きな特徴であり、本作のパズルは作風に合わせて和風のデザインを取り入れました。また、本シリーズらしく、登場人物の内面描写に踏み込むような内容のパズルになっています。パズルに関するテキストは、すべて竜騎士07先生に書いていただきました。

竜騎士07:「SILENT HILL」における謎解きは、意味のないただのパズルではなく、物語や登場人物の心に関連するものでなければならないと教えていただきました。私なりに頭を捻りながら謎解きのテキストを作りましたので、お楽しみいただけるとうれしいです。

⑤近接に特化した戦闘アクション

岡本:本作で手に入る武器はすべて近距離用の武器になっており、バケモノ(クリーチャー)との戦闘は近接戦に特化しています。敵の動きを慎重に見極めて「回避」や「攻撃」の強弱を使い分ける、臨機応変な立ち回りが求められます。

Yang:近距離戦闘のみであっても自然に感じられるような調整をしており、大味な体験にはならないよう、丁寧に開発しています。本作ならではの戦闘を、ぜひお楽しみください。

⑥窮地を凌ぐ攻防一体の技「見切り」

岡本:戦闘では、窮地に追い込まれることもあるでしょう。しかし、「見切り」を駆使すれば活路を見いだすことができます。敵の攻撃をギリギリで回避すると発動する「見切り回避」は、発動すると「持久力」を瞬時に回復でき、体勢を立て直して次の一手へつなげることが可能です。また、敵の”隙”を突いて攻撃する「見切り反撃」も使用できます。

Yang:見切り回避というシステムがあるとアクションを重視したように感じるかもしれませんが、ただアクションへ傾倒するのではなく、本作の世界観や雰囲気に合わせて仕様を構築しました。敵に追い詰められて緊張感が高まり、アドレナリンが噴出している雛子の心情を反映するようなシステムになっています。

⑦生死が交錯する戦闘

岡本:「体力」だけでなく「持久力」「精神力」「武器の耐久度」などのリソース管理にも意識を割く必要があります。さまざまなリソースの消費を考えながら立ち回ることで、戦略性や駆け引きが生まれます。

⑧束の間の休息と成長要素

岡本:セーブポイントの「祠(ほこら)」に「お供え物」を奉納すると、「功徳」というポイントを貯めることができ、さまざまな恩恵を得られます。功徳を消費すると、ステータスの強化や、特殊効果のついた装備アイテム「お守り」を入手できます。これらの強化要素は周回プレイ時に引き継がれるので、繰り返しプレイすることで雛子をさらに強くすることが可能です。

⑨マルチエンディング

岡本:シリーズならではの「UFOエンド」を含めて、本作には5つのエンディングが存在します。1周目の結末は同じなのですが、2周目以降のプレイでは、複数の異なるエンディングに辿り着くことができます。2周目からは雛子の行動や選択によって物語が変化し、最後に登場するボスや展開が異なるエンディングを迎えられます。

竜騎士07:複数のエンディングをつくるにあたって心がけたのは、そのどれもが雛子の選択における結末を示しているだけであり、グッドエンドやバッドエンドという単純な区別をつけないことでした。どのエンディングにも解釈の余地があるため、より幸せそうなエンディングがどれだと思うかは、プレイヤーによって異なるかもしれません。

⑩感性を刺激するサウンド

岡本:物陰の小さな音や背後からのささやきを感じさせる3D音響がプレイヤーを取り囲み、高い没入感や臨場感をもたらします。

山岡:本作の舞台は1960年代の日本ですが、単純に古典的なサウンドにするのではなく、本作ならではのものをサウンドとして表現しようと思いました。日本には、時間が経過して古くなってもそれを美しいとする”わびさび”という概念がありますが、それを盛り込んだことによって新しい「SILENT HILL」の独創的な価値を感じてもらえると思います。

【インタビュー】タイトルに複数の意味が込められたシリーズ最新作

──本作のタイトルは、なぜ『SILENT HILL f』になったのでしょう。「f」というワードには、どのような意味が込められていますか?

岡本:タイトルの「f」というワードに関しては、多くの方がインターネット上で考察してくださっています。そのため、こちらから答えを明かしてしまうと面白くなくなってしまうと思い、われわれとしてはあえて秘密にしておきたいと考えています(笑)。ただ、複数の意味を込めて「f」の一文字を選びました。「f」というワードは、複数の単語が省略されてできたものと思っていただいて結構です。

──2024年に発売されたリメイク版『SILENT HILL 2』は、アクションの気持ちよさをあえて排除したゲームデザインにしていると感じました。逆に本作ではアクションの気持ちよさを取り入れていると感じましたが、いかがでしょう?

岡本:リメイク版『SILENT HILL 2』のゲームデザインに関しては、オリジナル版の味付けに基づいていました。本作に関しては、初期の段階からアクションの楽しさというか快感というものを盛り込みたいと思っていたんです。”「SILENT HILL」はアクションが楽しいゲームではない”というイメージが強いと思いますが、そこにあえてアクションの楽しさを取り入れたらどうなるのかと思い、アクションゲームの開発を得意とするNeoBards Entertainmentさんを本作の開発に選びました。歯ごたえのあるアクションゲームを求める、新しいユーザーを獲得したいという狙いもあります。

Yang:リメイク版『SILENT HILL 2』のクローンを作りたくない、という想いもありました。そうすると、アクション要素を増やすか減らすかの二択になります。そこで、アクションを重視するゲームデザインに決まりました。

──竜騎士07先生は、日本ならではのホラーをどのように定義されていますか?

竜騎士07:私ごときがジャパニーズホラーを定義していいのかわかりませんが、ホラーにはふたつの方向性があると思っています。ひとつは、命の危険。危機が迫ると恐怖という感情が沸き上がって体が活性化し、生き残るために逃げよう、または戦おうという状況です。もうひとつは、現在の状況がわからないことによる居心地の悪さですね。ここはどこだろう? 今は安全なのだろうか? などと、現状を計りかねている状態です。私はこのふたつが人間の感じるホラーの原点だと思っており、ジャパニーズホラーはその後者だと考えています。

──1960年代の日本が舞台ということで、参考にした伝承や歴史的な事件はありますか?

竜騎士07:もちろんあります。本作で描きたいテーマや時代設定を考えて、1960年代という数字が出てきた際に、その時代の日本で起こっていた事件や参考になりそうな出来事を調べました。本作をプレイすると、物語の中でその一部を垣間見ることができると思います。

──本作のクリーチャーの印象は、これまでのシリーズとはかなり異なると思います。デザインの方向性などがあれば教えてください。

岡本:この場にはいらっしゃいませんが、keraさんという才能豊かなイラストレーターが、一体ずつ丁寧に描いてくれました。「SILENT HILL」のクリーチャーデザインは、主人公のトラウマなどを反映するのがシリーズの伝統です。ただし、竜騎士07先生のコンセプトや、NeoBards Entertainmentさんによるゲームプレイのアイデアなどによって矛盾が生じることもありますし、意見が衝突したりもします。そういったたくさんの混沌とした意見をkeraさんがうまく吸収し、デザインに落とし込んでくれました。

ただし、花や内臓といった、美しいものとおぞましいものが共存するという方向性は初期からありました。今回の試遊でも登場した巨大なクリーチャーの「アラアバレ」のように、開発初期に作成したクリーチャーほど、その傾向が強いと思います。

──お店の看板や学校に置いてある教科書などがとてもリアルでした。オブジェクトのディテールに関するこだわりがあれば教えてください。

岡本:まず本作の開発に関しては、弊社のチームとNeoBards Entertainmentさんとが密接に協力していたという背景があります。また、本作のトレーラーは有名な映像制作会社の「白組」さんが手掛けているのですが、トレーラー制作時に集めた1960年代の日本に関する資料をNeoBards Entertainmentさんにも共有してもらっています。弊社、白組さん、NeoBards Entertainmentさんという3社の努力が結集し、これだけのディテールが完成したと思います。

──最初の1周目をクリアするまでにかかる時間はどれくらいですか? 2周目以降に変化するゲームプレイについても詳しくお聞かせください。

Yang:アクションが得意か不得意かということや、プレイスタイルなどによって異なると思いますが、1周目はクリアまでに8~15時間はかかると思います。周回要素としては、ステータスの強化や手に入れたお守りを引き継げることに加えて、プレイを重ねることで得た知見によって見えてくるものが変化していくということもあります。

岡本:初めてプレイする人であれば、12~13時間くらいで1周目をクリアできる想定です。

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SILENT HILL f(サイレントヒル f)

・発売元:KONAMI
・フォーマット:PlayStation 5
・ジャンル:サイコロジカルホラー
・発売日:2025年9月25日(木)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 8,580円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 スタンダードエディション 8,580円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 デラックスエディション 9,790円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:Z(18才以上のみ対象)


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