スクウェア・エニックスの完全新作アクションRPG『FORSPOKEN(フォースポークン)』が、いよいよ明日1月24日(火)にPlayStation®5で発売される。異世界アーシアに飛ばされた若きニューヨーカー「フレイ」の旅を描いており、魔法の力を利用した爽快なパルクールから、多彩な魔法による戦略的なバトルまで、魔法に特化したアクションが特徴のオープンワールドゲームだ。発売前にゲームをプレイすることができたので、特集第2回ではレビュー記事を通して本作の魅力を紹介していこう。
特集第1回はこちら!
主人公フレイのヒューマンドラマを繊細に描くストーリー
本作の主人公は現実世界のニューヨークに住む女性、フレイ・ホーランド。フレイはある日突然、謎の現象に巻き込まれて異世界アーシアに飛ばされてしまう。そしてその腕には意思を持つ魔法のブレスレット「カフ」が巻かれていた。カフの助けを借り、フレイは故郷であるニューヨークへ帰る方法を探して広大なアーシアでの旅を始める……というのが本作のストーリーだ。
ゲーム冒頭のチャプター1では、フレイのニューヨークでの暮らしとアーシアに飛ばされるまでが描かれる。当然、アーシアの冒険がメインになるのでニューヨーク時代はプロローグ的な位置付けになるのだが、フレイというキャラクターがどんな人物なのか、しっかりと時間をかけて見せてくれる。孤児として育ったこと、猫とスニーカーをこよなく愛していること、そして警察や裁判所の世話になるどん底の生活から抜け出す計画を立てていることなどが、ゲームプレイを通してわかってくる。また、この時点でパルクールアクションの身のこなしも披露されていることで、のちにアーシアで魔法パルクールを華麗に駆使する素地があったことの説得力にもつながっている。
アーシアに飛ばされたフレイは魔法に目覚め、遭遇した怪物やドラゴンをその力で撃退する。やがてシパールという町にたどり着くが、そこで待っていたのはフレイを悪魔と呼び、処刑しようとする裁判だった。アーシアは「ブレイク」と呼ばれる瘴気に覆われ、ブレイクに触れた生物は死滅するか異形の怪物になり果ててしまう。高地にあるシパールの人々は難を逃れたものの、アーシアは滅亡寸前だ。そんな世界を無傷で歩いてきたフレイを、人々が恐れるのも無理はない。
特別な力を持ったフレイを救世主として見る人々もいたが、彼女は利用されるのはまっぴら御免とばかりに警戒し、ニューヨークに戻ることだけを考えている。自分勝手ともいえるフレイの振る舞いは、正義のヒーローではなく、どこにでもいる普通の女性らしい人間味が感じられた。しかし、アーシアの人々との交流や衝突を重ね、フレイは少しずつ変わっていくことになる。
こうしたフレイの成長とヒューマンドラマを描くストーリーは、チャプター2以降も非常にていねいな作り込みがされている。カットシーンもふんだんに使われており、オープンワールドのアクションRPGらしからぬボリューム感だ。また、フレイとカフは、いつでもどこでもよく喋る。冗談や皮肉を言い合うだけでなく、ストーリーや世界感に関する会話が頻繁に交わされるため、広大なオープンワールドを探索しているあいだでも、ストーリーへの没入感はつねに高いままだった。
本作の面白さは、魔法アクションやオープンワールドの探索だけじゃない。プレイすれば、フレイという魅力的なキャラクターを中心にしたストーリーがゲームのベースにあることはすぐにわかり、どんどん引き込まれていくはずだ。
爽快な魔法パルクールでフィールド移動がつねに楽しい!
魔法パルクールは、本作の特徴的なアクションシステムのひとつだ。フレイは現実世界にいたころからパルクールの動きを駆使していたが、魔法の力によってダッシュの速度やジャンプの距離がアップ。広大なオープンワールドを高速移動することができる。○ボタンを押し続けることで発動し、魔法パルクール中は木々を自動的にすり抜け、ちょっとした高低差も自動で駆け上がる。また、錐もみ状に飛んだり宙返りしたりといったスタイリッシュな動きも自動で行なわれるため、フィールドを移動しているだけでもつねに楽しい。
パルクール用の魔法を新たに習得することで、魔法パルクールの性能はどんどん拡張されていく。壁を蹴って高い場所に登れるようになったり、魔法のワイヤーを飛ばして自分の体を引き上げたり、サーフィンのように水上を滑走することもできるようになる。魔法パルクール中はスタミナ(画面左下に表示される菱形のゲージ)を消費する使用制限が設けられているが、ジャンプ後の着地時にタイミングよく再度ジャンプすることで、スタミナ消費がなくなる魔法もある。
このように、魔法パルクールの性能を拡張することで新たなエリアに行けるようにもなる。性能が拡張されていけば、○ボタンを押しっ放しの自動アクションというわけにはいかず、操作やタイミングの精度、適切なルート設定とスタミナ管理が求められる。今回のプレイでも当初は目的の足場を飛び越してしまったり、ワイヤーのターゲットが定まらなかったりして崖の下まで落ちてしまい、元の場所まで時間をかけて戻るようなこともあった。しかし、慣れてくると複数の魔法パルクールをつなぐ移動の爽快感がクセになり、いかにスピードを落とさずパルクール移動を続けられるかを楽しむようにさえなっていた。こうなるともはや、オープンワールドのフィールド全体が巨大なアスレチックのようなものだ。
バトル中も魔法パルクールで華麗に回避!
魔法パルクールは、バトル中の回避アクションとしても利用する。○ボタンを短く押せばステップ回避、○ボタンを押し続けていれば敵の攻撃を自動的に回避することが可能。自動回避なら敵の連続する攻撃も空中をクルクルと舞って華麗に回避してくれる。○ボタンを押しているだけなのに、スタイリッシュなスーパープレイを魅せつけているようでテンションが上がる。ただし、敵の攻撃には回避不能なものもあり、その場合はダッシュで逃げるか遮蔽物を利用するほかない。
膨大な種類の魔法を使い分けて戦略的に立ち回る!
敵との戦闘において、フレイは攻撃魔法、支援魔法、チャージ魔法を使って戦う。攻撃魔法はR2ボタンで発動し、習得済みの攻撃魔法はR1ボタンで呼び出せるリングメニューを操作して切り替える。序盤のフレイは岩の塊を生成して撃ち出す魔弾を操り、マシンガンのような「連射の魔弾」、グレネードのような「爆裂の魔弾」、盾として展開しつつショットガンのように飛び散る「盾の魔弾」を使い分けることが可能だ。
支援魔法はL2ボタンで発動し、リングメニューはL1ボタンで呼び出す。支援魔法の効果は、じつに多彩だ。フレイが序盤から習得できるものでも、魔弾を自動射撃する植物を配置する、敵が踏むと爆発する岩盤を設置するといったダメージを与えられる魔法もあれば、敵に草を絡ませて動きを止める魔法、毒の状態異常を解除する魔法や防御力を上げる魔法などもある。フレイの戦いをサポートする有用な魔法ばかりだが、再発動にはクールタイムを必要とすることが特徴だ。
そしてチャージ魔法は、R2ボタンとL2ボタンの同時押しで発動する。フレイが序盤から使える「巨木創世」は、地中から鋭い木が飛び出して前方広範囲の敵を貫くというもの。強力な必殺魔法だが、画面右下の魔法ゲージが最大までチャージされた状態でしか発動できない。
ここまで例に挙げたのは「フレイの魔法」と呼ばれる系統の魔法だが、ストーリーを進めてタンタという強敵たちを倒すことで新たな系統の魔法を覚えられるようになる。タンタとは、かつて強大な力と深い慈悲をもってアーシアを統治し、今では正気を失って人々を虐げている女性たちのこと。アーシアではタンタの力が魔法の根源となっており、彼女たちを倒せばフレイがその力を継承できるという。
炎を操る「サイラの魔法」や、水を操る「プラーヴの魔法」を習得すると、「フレイの魔法」から系統を切り替えてさらに多彩な魔法を使えるようになる。それぞれの系統で攻撃魔法、支援魔法、チャージ魔法の種類がごっそりと変わるため、戦闘スタイルもまるで異なる。また、炎や水など系統ごとに特徴的な属性を持ち、敵の弱点属性を突くような使い分けも有効だ。
スムーズな魔法切り替えができると楽しさ倍増!
たくさんの種類の魔法を習得できて、敵の特徴に合わせてそれらを使い分けると賢く戦えるのだが、今回のプレイでは、ここで壁にぶち当たった。たくさんの種類の中から、お目当ての魔法への切り替えがスムーズにいかないのだ。「敵は炎に弱いから、まずはサイラの魔法に切り替えて、攻撃魔法は拳のラッシュ攻撃にしよう。でもそのまえにフレイの支援魔法で敵の動きを止めておこうか……」というようなプランを立てても、瞬時に切り替えられないのがもどかしい。しかし、すべてを網羅するのはいったん諦め、いくつかのスタイルに絞ってみると、少しずつ切り替え操作に慣れてくる。そして流れるように魔法を切り替えながら攻撃を叩き込んでいくのは、最高に気持ちいい! 扱えるバリエーションを増やせば、戦闘がもっと楽しくなるのは間違いないだろう。
なお、初期設定では魔法切り替えメニューの表示中は時間の流れがスローになり、切り替えやすさを助ける仕様となっているが、時間の流れを止める設定に変更することもできる。反対に、もっとハードなバトルを楽しみたい方は、時間の流れをリアルタイムのままにしておく設定も可能だ。
世界を探索するほどフレイは強くなる!
本作はRPGの要素として、フレイを育成・強化できる。敵を倒したりイベントを進めたりして得られる経験値によるレベルアップのほか、魔法の習得と強化、装備品であるマントとネックレス、ネイルといったところが主な強化要素だ。
魔法の習得や強化には、レベルアップ時にもらえたり各地で拾えたりする「マナ」を使う。魔法のツリーメニューでマナを消費して新しい魔法を習得できることに加え、習得済みの魔法は「魔法強化」クエストを達成することで性能を強化できる。例えばフレイの「連射の魔弾」ひとつをとっても、「連射の魔弾 Lv.1」から「連射の魔弾 Lv.3」まで3種類の魔法があり、それぞれを「魔法強化」クエストで強化可能だ。
魔法はツリーメニューから習得する以外に、各地に点在する「祝福の泉」で発見するものがある。本作には100種類もの魔法が登場するとされ、すべての習得・強化をコンプリートするのは大変そうだが、ぜひ挑戦したいところだ。
マントとネックレスは装備することでフレイのステータスが上がり、またセーフハウスである「巡礼者の宿」の作業台でグレードアップやパッシブスキルの付与が可能だ。作業台でのクラフト要素には素材アイテムが必要で、倒した敵からのドロップ、宝箱の中身や落ちているものを拾って集めていく。
ネイルもパッシブスキルを付与できる要素のひとつではあるが、装備アイテムではなく、フレイの爪に模様を描くことで効果が発揮されるというユニークなもの。模様のレシピを発見していることと、描くための素材が必要となる。
マントやネックレス、ネイルは、キャラクターのステータスをアップさせる防具としての役割を担いつつ、オシャレな見た目に妥協しない装飾品のイメージが強い。実際、センスあふれるものが多くあり、フレイの見た目にも反映されるので、ファッションにこだわりたいプレイヤーにもうれしい要素だろう。
探索ポイントが次々と現われて、寄り道がはかどりまくり!
マップを開くと、洞窟や迷宮、強敵の生息地など、たくさんの探索ポイントが示されている。これらの多くには敵の殲滅や最深部への到達といったクリア条件があり、達成することでステータスアップやアイテムの入手といった報酬を得られる。フレイの強化を考えれば、ちょっと寄り道してでも探索を広げたくなってしまう。
探索ポイントは絶妙な距離感で配置されており、「せっかくだから、この先の探索ポイントもまわっておくか」となっていく。いつの間にかメインストーリーの目的地から離れているのはオープンワールドゲームの”あるある”だが、本作はロケーションの発見前からマップで場所と報酬がわかるため、確信を持って寄り道を進められる。マップにマーカーを設置したり、カフのスキャン能力で周辺情報を分析できたりと、ガイド機能がしっかりと整っていることも心強い。問題はフレイが習得している魔法パルクールの能力で越えられない場所があるかどうか。もっとも、立ち往生してしまってもファストトラベルで最寄りの拠点にすぐ戻れるので、これも安心だ。
個人的には、オープンワールドゲームを遊ぶときは世界をくまなく歩きたいほうなので、本作でも積極的に探索してまわった。美しく変化に富んだフィールドを、魔法パルクールのアクションで駆け抜けるのは楽しいし、広範囲の移動も全く苦にならなかった。ただし、探索に時間をかけたのは、各地の探索ポイントで得られる強化報酬も大きな理由だ。
難易度「デフォルト」でプレイしていて、バトルにはかなり歯応えがあると感じた。ストーリーボスや、変異種と呼ばれる強敵に何度も負けている。キャラクターや物語をていねいに描いている作品だからといって、アクションがぬるいとはかぎらない。ストーリーを重視しながらも、アクションゲームとしてしっかりと向き合えるバランスになっているのだ。ゲーマーとしては血わき肉躍り、腕が鳴りまくるところだ。
一方で、さまざまなプレイヤーに向けたカスタム機能が充実している。難易度そのものの変更に加え、照準アシストやダメージ補正、自動回避設定など、難易度に関わる要素を細かくカスタマイズできる。アクションゲームが苦手なら易しく、コアゲーマーならさらなる歯応えを求めて。自分のプレイスキルに合わせて楽しむことができるのだ。
待ちに待った『FORSPOKEN』は、いよいよ明日1月24日(火)発売!
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FORSPOKEN(フォースポークン)
・発売元:スクウェア・エニックス
・フォーマット:PlayStation 5
・ジャンル:アクションRPG
・発売日:2023年1月24日(火)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 通常版 9,680円(税込)
パッケージ版 希望小売価格 Limited Edition 22,000円(税込)
ダウンロード版 販売価格 通常版 9,680円(税込)
ダウンロード版 販売価格 Digital Deluxe Edition 14,080円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:C(15才以上対象)
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