
※本記事は英語版PlayStation®.Blogの日本語翻訳記事です。
1993年に北米でリリースされた『LUNAR』は、欧米における日本発RPGという新興市場において傑出した存在でした。『LUNAR』は細かく作り込まれたアニメ映画のようなカットシーンや、吹き替え、高品質な音楽だけでなく、何より人の心をつかむストーリーと魅力があり、印象的なキャラクターが人々の心に残る作品でした。初めてCD-ROMとして市場に登場したJRPGではなかったものの、プレイしたすべての人に強烈なインパクトを残したゲームであったことは間違いありません。
続編が1本、PlayStation®版のリメイクが2本、PSP®「プレイステーション・ポータブル」版1本などのリリースでファンを増やしてきた「LUNAR」シリーズ。シリーズ誕生から30年以上が経過した今、『LUNAR シルバースターストーリー』と『LUNAR 2 エターナルブルー』が『LUNAR リマスターコレクション』で再びPlayStation®︎で復活します。そこで「LUNAR」シリーズが持つ特別な魅力を探るべく、そして古くからのファンが持つ楽しい思い出を蘇らせるべく、ガンホー・オンライン・エンターテイメント・アメリカのプロデューサーであるMatthias Pergams氏(以下、Pergams)にお話を伺いました。

※映像は英語版です。
シルバースタンダード
Pergams:『LUNAR シルバースターストーリー』は、最初期にCD-ROM形式でリリースされたJRPGのひとつで、アニメのカットシーン、吹き替え、さらにはオープニングテーマ曲までありました。本シリーズは日本内外に熱心なファン層を生み出し、 JPRGというジャンルの先駆けとなりました。このゲームは歴史的に重要で特別な作品なのです。
オリジナルの『LUNAR シルバースターストーリー』は(比較的少数ながら『LUNAR 2 エターナルブルー』も)さまざまなプラットフォームで何度かリメイクや再リリースがされてきましたが、この2本のゲームのPlayStation向け“完全版”がなぜリマスターのベースとして選ばれたのかお聞きしてもいいですか?
Pergams:どのバージョンにも違いがあり、それぞれ良さがあるので、なかなか難しい選択でした。最終的には、このシリーズを一番よく表現していたのはどのバージョンかという点で選びました。私たちにとって、それはPlayStation版だったのです。
これは“リメイク”ではなく“リマスター”ですが、ゲームプレイもしくはストーリーにおいて、オリジナルをプレイしていた人が気づくような大きな変更点はあったのでしょうか?
Pergams:全体的なストーリーとゲームプレイはオリジナル版と同じで変更はありません。オリジナル版は現代でも通用すると感じていますし、その開発元であったゲームアーツの想いをゲームプレイに残したいと思いました。そこへゲームプレイがスムーズになるように、両ゲームにバトルスピード調整オプション、『LUNAR シルバースターストーリー』にはアイテム管理を簡単にするための切り替え可能な全キャラ共有インベントリーシステム、さらに『LUNAR シルバースターストーリー』の戦闘中に各キャラクターのAI動作をカスタマイズ可能にするなど、より快適にゲームを楽しんでもらえるような機能を追加しました。


Pergams:この『LUNAR リマスターコレクション』では、以前と同じようなドット画でプレイしたいファン向けにクラシックモードを用意しました。これはPlayStation®2の時代とほぼ同じグラフィックでプレイできる環境です。さらにこのモードにはCRTフィルターも用意しているので、ファンの方々に試してもらうのが楽しみです。
新たな輝き
今回のリマスター版の新しい点と改善された点を教えてください。
Pergams:視覚的に一番わかりやすい変更点はビジュアルのアップグレードで、グラフィック、ゲーム内の効果、UI、アニメのカットシーン、ブロマイド(ゲーム内の収集カードアイテム)などが改善されています。なかでも最大の特長は新しいアスペクト比でしょう。現代のテレビに対応できるよう、画角を拡大しました。こうした機能はすべて“リマスターモード”でお楽しみいただけます。ほかにも“クラシックモード”があり、こちらはユーザーがオリジナルのPlayStation版グラフィックでゲームをプレイできるものです。

Pergams:今作のために岩垂氏に新曲の作曲を依頼しました。「Looking up at TERRA」という曲です。ゲームの選択画面で使用されているので、ファンの方にはぜひ聞いていただきたいです。
有名なカットシーンにも手が加えられています──
Pergams:シリーズの大きな特徴のひとつはアニメのカットシーンですので、リマスターの作業のなかでもかなりの注意を払いました。オリジナルのシーンは現代でも通用するものなので、リマスターをするにあたっては中身そのものを変更するのではなく、主に現代のプレイヤー向けに品質を向上させることを目標としました。この変化をぜひ実際のゲームで体験していただきたいです!
これらの改善点や変更点はすべて、オリジナル版のスタッフのサポートと監督のもとで行なわれました──
Pergams:開発中は、オリジナル版を開発したスタジオであるゲームアーツに頻繁に意見を求め、そのフィードバックを取り入れました。さらにオリジナル版の作曲家、脚本家、キャラクターデザイナーといったほかの開発スタッフにも意見を求めました。彼らから聞くことができた意見は、リマスターの作業において、オリジナル版の魅力を保つためにとても重要な要素でした。
今回のリマスターで「LUNAR」シリーズに再び携わったスタッフのなかには、有名なキャラクターデザイナーである窪岡俊之氏もいました。開発チームは当初、窪岡氏が協力してくれるか確信が持てませんでした──
Pergams:とても多忙な方ですし、初めてご連絡した際は引き受けていただけるかわかりませんでした! しかし親切なことに、本作のために新しいアートを1点どころか、なんと3点も描いてくださいました。



Pergams氏はさらに、窪岡氏からファンへのメッセージも伝えてくれました──
窪岡:久しぶりの依頼で驚きましたが、また彼らを描くチャンスがもらえてとても嬉しかったです。懐かしい人たちに会ったような気分で当時のことを思い出しながら楽しく描かせていただきました。作業が予想より難航してしまいガンホーアメリカの方々には大変ご迷惑をお掛けしましたが、とても誠実かつ協力的に対応していただいて感謝しております。
新境地
「LUNAR」シリーズは北米と日本で人気を博しましたが、前述のPSP版のリリースを除いては、ヨーロッパではほぼ無名の存在でした。『LUNAR シルバースターストーリー』と『LUNAR 2 エターナルブルー』の完全版を初めてヨーロッパでリリースすることについて、また、初めてこれらのゲームをプレイしてみようと考えているプレイヤーへのメッセージはありますか?
Pergams:まず最初に、「LUNAR」シリーズに興味を持っていただきありがとうございます! 本シリーズの核となるものをひと言で表現するなら、それは“冒険”だと思います。「LUNAR」シリーズは、未知の世界へと出発し、信頼を置ける仲間と出会い、悪を倒し、真の愛を見つけるという昔ながらの冒険要素をよく捉えています。どんな冒険にも意味があり、価値があるものですが、「LUNAR」シリーズの冒険にはノスタルジックで忘れがたい魅了があるのです。

最後に、新規プレイヤー向けにアドバイスをお願いします!
Pergams:積極的にアイテムを使用してください! 多くのゲームでは、苦労して得たお金を武器などの恒久的なアップグレードではなく一時的なアイテムに消費するのはもったいないと感じるかもしれません。しかしアイテム、特に回復アイテムは、ボスとの厳しい戦いで大いに役立つことがあります。さらに、ゲームのオートバトルシステムと新しいバトルスピードオプションもぜひ駆使して快適な冒険をお楽しみください。どのような遊び方でも、『LUNAR リマスターコレクション』を楽しんでいただければ幸いです!
LUNAR リマスターコレクション
・メーカー:GUNGHO ONLINE ENTERTAINMENT AMERICA
・フォーマット:PlayStation®4
・ジャンル:RPG
・発売日:未定
・価格:未定
・プレイ人数:1人
・レーティング:IARC 12+(12才以上対象)
※ IARC (the International Age Rating Coalition) は、世界のゲーム評価機関により管理される国際年齢評価連合です。
※本記事で紹介している画像は英語版です。
LUNAR SILVER STAR STORY
©1992 GAME ARTS
©1996 KADOKAWA/GAME ARTS/JAM ©1998 KADOKAWA/GAME ARTS
1998 version game developed by ALFA SYSTEM
LUNAR2 ETERNAL BLUE
©1994 GAME ARTS
©1998,1999 KADOKAWA/GAME ARTS
1999 version game developed by VANGUARD
Remastered ©2025 GungHo Online Entertainment America, Inc., GungHo Online Entertainment, Inc.
Character design TOSHIYUKI KUBOOKA
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