PlayStation®.Blogをご覧の皆さん、初めまして。『神箱 -Mythology of Cube-』プロデューサーの神崎喜多です。
このたび、8月29日(木)に発売した『神箱 -Mythology of Cube-』(以下、『神箱』)に関する初公開の開発秘話をお話しさせていただきたいと思います。また、最後には神箱のナビゲータであり主人公の相棒のような存在でもあるイリスを演じてくださっている市ノ瀬加那さんよりビデオレターもいただいておりますので、そちらもご紹介させていただきます。
『神箱 -Mythology of Cube-』ゲーム紹介
『神箱』は、崩壊した世界を修復し創造していくワールドクラフトRPGです。パズルで崩壊した土地を修復し、直した土地に村や町をクラフトしていきます。フィールドには豊かになった土地を襲いに来るモンスターがいますので、旅の途中で出会う仲間たちとともにバトルで討伐していきます。
パズルで土地を修復
修復した土地でクラフト
モンスターとのバトル
基本的にはこの3つの要素で進行していきます。
今回は、そんな『神箱』の開発秘話をお話ししたいと思います。現在の開発メンバーでも知らないような初公開の情報もありますよ!
スマートフォン向けタイトルとして開発をスタート
現行の『神箱』になるまで、実は2回の大きなブラッシュアップがありました。『神箱』は、もともとスマートフォン向けのパズルRPGとしてプロジェクトが進行していました。その際のスクリーンショットや現在にいたるまでの経緯を紹介していきたいと思います。
初期ホーム画面イメージ
開発初期は、立方体の土地の上に建物が立っていて、そこで土地開発を行なうゲームでした。見た目もスマートフォン向けゲームらしいものとなっています。しかし、議論を重ねていった結果、世界設定なども不十分であったことから、目指しているRPG足りえないのではという結論にいたりました。
そこで、まずは世界設定を構築し、それをもとにゲームに落とし込むことになりました。同時に、パズルとバトルの2面性をどのように融合するのか検討が始まりました。
世界観を落とし込んだモックアップイメージ
ワールドマップイメージ
バトル×パズルゲームのイメージ
モックアップの段階で、立方体をモチーフにした遊びのイメージはできあがりました。その反面、マネタイズの構築が課題となり、さらには世界設定の落とし込みも非常に難しくなっていきました。
試行錯誤していくなかで、膨大な世界設定をプレイヤーの皆さんに楽しんでいただくために、コンシューマータイトルとしてブラッシュアップさせることになりました。
コンシューマータイトル転換後のバトルモック作成
コンシューマータイトル転換後、最初に取り掛かったのがバトルのモック作成です。立方体をモチーフとしたバトルルールはどのようなものにしたらいいのか、パズル要素と連携をとるにはどのような見た目にしたらいいのか、そういった点がまとまっていなかったため、バトルシステムを固めていくことにしました。
その結果、できあがったものが“マナバトル”というバトルシステムです。主人公である修復者自身は戦わず、仲間にマナを付与することで普段使えないような力を与えて、仲間が必殺技を放つというシステムに行きつきました。このシステムとルックデブは、本作でディレクターをしていただいている今井秋芳さんのアイデアです。
バトルモックアップ
ご覧の通り、この時点から現在の完成形に近いことが確認できると思います。このバトルモックによって全体のクオリティラインを見極めることができました。
フィールドについて
フィールドについては、当初以下のような2Dマップで考えていました。しかし、これでは崩壊した世界が修復されることをビジュアルで確認できないことから、フィールドのブラッシュアップを実施することにしました。まずは、2Dをつかったビネット表現でモックアップを作成しています。
フィールドモックアップ(2Dマップ)
フィールドモックアップ(2Dビネット)
パズルのブラッシュアップ
最後にパズルのブラッシュアップを行ないました。パズル自身は、スマートフォン向けゲーム開発時にあった2マッチパズルを前提としていますが、爽快感やテンポ感、何度やっても疲れないようなシンプルさを追求していった結果、現在のパズルシステムになっています。ここでの試行回数にもかなり時間をかけました。
パズルモックアップ
こうしてこのゲームの3大要素を試行錯誤した結果、現在の形になっていきました。
アートワークと世界設定について
世界設定については、ざっくりとした素案を私のほうで作り、そのあと菊池たけし先生にTRPGのルールブック的なこの作品の基礎となる世界設定資料を作っていただきました。同時にコンセプトアートなども制作していきました。
コンセプトアートラフ
設定資料集と参考資料
コンセプトアート
一枚の絵で『神箱』の世界観を表現するものとして作成しました。この絵を見ていろいろと考察していただけると面白いかもしれません。ゲーム内で登場するメモ(歴史の断片)などと照らし合わせてみると何か見えるものがあるかと思います。
設定資料と参考文献
菊池たけし先生に制作していただいた150ページにも及ぶ設定資料と、それらを補う参考文献、大小あわせると30冊程も参考にしつつ、『神箱』の世界を構築しております。
神話の時代
九姉妹の設定画
キービジュアル案
神話の時代
『神箱』の世界でも神の時代がありました。それらをイメージしたアートです。ここにもすごく意味をこめて作成しましたので、じっくり見ていただけたら嬉しいです。
九姉妹の設定画
神話の時代に出てくる九姉妹の設定画になります。衣装の確認などにつかいました。
PlayStation®でリリースできた理由
X(旧Twitter)より切り抜き
『神箱』をコンシューマータイトルに転換すると決まったとき、当初はPC版のみの展開を予定していました。その際、大きな転換期が訪れます。それは、2022年9月の東京ゲームショウにグラビティゲームアライズが出展したときのお話です。『神箱』の試遊展示をしていたところ、ひとりの方がブースに立ち寄り、『神箱』について質問をしてくださいました。その方こそが、SIEの吉田修平さんだったのです。
当時のやり取り
吉田さん「なんでPlayStationで出さないの?」
神崎「この作品がはじめてのコンシューマータイトルなのでPlayStationで出すノウハウがないんです」
吉田さん「あ、そうか。だったら担当を紹介するから連絡してみて」
そのあと、吉田さんのご紹介で担当の方に色々とサポートをしていただき今にいたっています。このときに吉田さんが声をかけてくださらなかったら、『神箱』はPlayStationでリリースされることはなかったと思います。すべては、ここからはじまったといっても過言ではありません。
吉田さんはじめ、サポートくださっている担当の皆さんに心より感謝しております。皆さんのサポートあって無事リリースすることができました。ありがとうございます!
世界設定と今後について
今回リリースしたゲーム内容は、作成した世界設定資料のすべてを世に出すことができませんでした。本来はすべてを入れ込む予定でしたが、実装ボリュームを考慮した上で、現在のスケールに落とし込むことになりました。
今後の続編開発が叶えば、今回公開できなかった残りの地域を冒険していただきたいと考えております。
メインキャラクター”イリス”役の市ノ瀬加那さんからのビデオレター
『神箱』のナビゲータであり主人公の相棒のような存在でもあるイリスですが、ずっとそばにいてくれるキャラクターですので、一緒に冒険していて元気で楽しい存在であってほしいと考え、市ノ瀬さんにオファーさせていただきました。イメージ通りかわいらしく元気のあるキャラクターを演じていただくことができました。この度、市ノ瀬加那さんよりビデオレターをいただきましたのでぜひご覧ください!
最後に
振り返ると色々ありましたが、本作がコンシューマータイトルとして大きく転換したのは吉田修平さんから声をかけていただいたことだと思っています。
ゲームについては、今井秋芳さんのバトル演出やフィールドの表現などのおかげで、3つの要素で成り立つ新しい体験ができる作品になったのではないかと考えています。そして、この濃厚な世界観を作り出してくださった菊池たけし先生のおかげでRPGとしての深みも増しました。
弊社のアシスタントディレクターである石井、開発スタッフ、関係者全員の頑張りとこだわりが詰まったことで『神箱』はできあがりました。
まだまだ粗削りなところもありますし、プレイヤーの皆さんにもご迷惑をおかけしているところもあります。もしよろしければ、ご感想やご意見をいただけますとスタッフ一同、大変励みになりますのでぜひよろしくお願いいたします。そして、『神箱』の続編も皆さんと一緒に作っていけたらいいなと思っていますので、できるだけ多くのプレイヤーの皆さんに遊んでいただけることを心から願っております。
プロデューサー 神崎 喜多
『神箱 -Mythology of Cube-』をPS Storeで購入する
神箱 -Mythology of Cube-
・発売元:GRAVITY GAME ARISE Co., Ltd.
・フォーマット:PlayStation®5 / PlayStation®4
・ジャンル:ワールドクラフトRPG
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 希望小売価格 6,380円(税込)
ダウンロード版 販売価格 6,380円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:A(全年齢対象)
『神箱 -Mythology of Cube-』公式サイトはこちら
© Gravity Co., Ltd. & © GRAVITY GAME ARISE Co., Ltd. All rights reserved
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