『バットボーイ』プレイレビュー！魔王に捕らわれた仲間をバット片手に救い出す8bit風爽快2Dアクション

PlayStation®5/PlayStation®4用ソフトウェア『バットボーイ』は、大阪を拠点とする新鋭スタジオSonzai Gamesによる爽快2Dアクションゲームだ。魔王ヴィシャスによって洗脳され、異次元へと連れ去られた仲間たちを助けるため、プレイヤーは野球が得意なスポーツヒーロー・バットボーイとなって、起伏にとんだいくつものステージを攻略していく。

8bit風のグラフィックと、ノリのいいチップチューンのBGMに彩られた世界での爽快な冒険を描く本作。野球をモチーフにしたアクションを使いこなし、さまざまな敵とギミックに満ちたステージを攻略して待ち受けるボスたちと対決していく、爽快なプレイを楽しめる。

CHECK POINT①
異次元から来た魔王に連れ去られた仲間たちを解放せよ！

本作の主人公のバットボーイことリョウスケは、友人とともに部活動に汗を流す日々を送る高校生。彼と仲間たちは、夜になると戦隊もの風のスーツを身にまとい、スポーツで身につけたスキルで悪と戦うヒーローとして活躍していた。そんなある日の真夜中、彼らが異次元から来た魔王ヴィシャスと名乗る人物と遭遇する。

魔王の目的は若く優秀なスポーツマンである彼らを洗脳し、極悪非道のスポーツイベント「闇の試練」に参加させることだった。魔王の攻撃で次々と仲間が洗脳される中、バットボーイだけがとっさにその力を跳ね返すことに成功する。仲間を引き連れ姿を消した魔王を追い、バットボーイは友人たちを解放し、「闇の試練」を阻止すべく異次元へと乗り込む。

最初に目を引くのはやはりドット絵風のグラフィックで、プレイ画面はもちろんデモシーンまで8bitゲーム機時代の名作アクションを思わせる雰囲気にあふれている。しかし、滑らかなキャラクターの動作や軽快な操作感、遊びやすさなど、実際の触り心地は現代のクオリティにマッチした丁寧な内容。Evader Musicが手掛けるチップチューンのBGMも、どこか懐かしくも新しく大いに気分を盛り上げてくれる。

CHECK POINT②
個性的な敵とギミックに満ちたステージを攻略しよう！

プラットフォームアクションとも呼ばれるステージクリア型2Dアクションの本作。基本的には、全体マップから各ステージに入り、バットボーイが背負うバットでの攻撃とジャンプを使って先へと進んで、最後にいるボスを倒せばステージクリアというわかりやすいシステムだ。ステージクリア後は全体マップに戻り、新たな行き先を選んでゲームを進めていくことになる。

敵はピギーズと呼ばれる豚のようなキャラクターをはじめ、とてもバラエティ豊か。単純に殴り掛かってくるもの、スケボーに乗ってぶつかってくるもの、水中を泳いでいるものなど、ピギーズにもさまざまな種類がおり、攻撃方法もやっかいなものばかりだ。ただし、敵の攻撃を受けても一撃でやられることはなく、再スタートできるチェックポイントも多めに用意されているので、繰り返し挑戦し、敵の位置を覚えて対処していけば必ず先に進める難易度だ。

敵と同様にステージのギミックも豊富で、動く床や、回転する鎖付きの鉄球、トゲの床、攻撃で作動するスイッチなど定番の仕掛けから、バットを活用するジャンプ台やスピン攻撃で開く扉まで、さまざまなギミックが行く手を阻んでくる。壊せる壁で隠された隠し通路や宝箱のようなちょっとした探索要素も用意されているので、それらを発見するために繰り返し遊ぶのも楽しい。

リーチが短そうに見えるバット攻撃だが、実際に遊んでみるとそうでもなく、落ち着いてプレイすればしっかり敵にヒットさせることが可能だ。また、空中の敵などにジャンプ攻撃をヒットさせると反動で少し飛び上がり、これを利用して通常のジャンプでは届かない足場に移動したり、連続してジャンプ攻撃を繰り出したりもできる。また、スピン攻撃はバットを投げて離れた場所で回転させるというもの。こちらは数少ない遠距離攻撃として活用できる。

さらに、タイミングよくバットを振ることで敵の飛び道具を打ち返せるのも、本作の特徴的なアクションのひとつだ。ピッチャー姿や忍者姿のピギーズが投げるボールや手裏剣など、やっかいな飛び道具を打ち返して敵を倒せるとかなり気持ちがいい。ただし、敵の中にバットボーイが打ち返した弾をさらに打ち返してくるピギーズもおり、お互いに打ち返しあいになる落とし穴も……。打ち返しでスイッチを入れるギミックもあるので、注意深くフィールドを見てみよう。

CHECK POINT③
洗脳された仲間がボスに!? 無事に助けて新アクションをゲット！

魔王やその配下以外に、ストーリー冒頭で連れ去られた仲間たちも各ステージのボスとして登場する。洗脳された彼らを助けるには戦って倒す必要がある。バットボーイが野球を得意としているように、彼らもまた特定のスポーツをモチーフにした技でこちらを攻撃してくる。剣道、新体操、アメフト、水泳など、それぞれの種目の特徴を生かした攻撃はいずれも強力で、攻略には敵の攻撃パターンを知り、それに合わせたとっさの判断が重要になってくる。

ボスの多くは突進技など正面方向に強い攻撃を持ち、かなりの強敵ぞろい。有効なのがジャンプ攻撃で、前述のとおりヒットすると反動で再度ジャンプできるため、反撃を喰らいにくい。また、落ちる位置をうまく調整すれば、立ち止まったボスにもう一度ジャンプ攻撃をヒットさせられることもある。ボスの猛攻に苦しんでいるときは、ぜひジャンプ攻撃を活用してヒット＆アウェイを狙ってみよう。また、ボスの飛び道具も打ち返せるものがあるので、距離があるときは挑戦してみよう。

ボスとなった仲間の洗脳が解けると、各スポーツをモチーフにした新たなアクションをバットボーイに教えてくれる。これらの特殊なアクションは使うためにスタミナが必要になるが、その効果はとても強力。例えば、剣道家のシナイ・ガイのスラッシュバッシュは空中でも出せる突進技、スイマーのアクアリアは水中の呼吸を助け、地形ダメージを無効化できるバブルシールドを教えてくれる。自分なりにそれぞれの特殊アクションの活用法を見つけて、攻略に役立てるのも楽しい。

なお、バットボーイのライフと特殊アクションを使うためのスタミナは初期状態だと3個ずつしかないが、全体マップにある薬屋でポーションを作ることで数を増やせる。ライフやスタミナの追加には赤・緑・黄金の実が必要だが、ステージに隠されているものは繰り返しプレイしていると怪しい場所になんとなく気が付くはず。ボス戦でライフ不足に苦労したら、クリア済みのステージでそれぞれの実を探し、バットボーイを強化して再挑戦しよう。

懐かしい見た目やBGMだけでなく、2Dアクションとしての完成度の高さも魅力の『バットボーイ』。内容はシンプルだが、敵の攻撃法やギミックの位置をしっかり把握し、タイミングのいい確実な操作でステージを攻略していく2Dアクションの醍醐味をしっかり味わえる作品だ。ボスから入手する追加アクションの活用の幅も広く、自分なりのステージ攻略法を見つけるタイムアタック的なプレイも楽しめる。アクションゲームファンはぜひ一度プレイしてみてほしい。