『ホグワーツ・レガシー』インプレッション! 「ハリー・ポッター」世界への濃密すぎる没入感【特集第1回】

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『ホグワーツ・レガシー』インプレッション! 「ハリー・ポッター」世界への濃密すぎる没入感【特集第1回】

ファンタジー作品「ハリー・ポッター」の世界を舞台とするオープンワールド・アクションRPG『ホグワーツ・レガシー』。PlayStation®5版は2月10日(金)に発売され、パッケージ版/ダウンロード版『デラックス・エディション』を予約購入していると本日2月7日(火)より早期アクセスでプレイ可能だ。なお、PlayStation®4版は4月4日(火)に発売が予定されている。

特集第1回では、PS5製品版のプレイインプレッションを紹介する。ストーリーについてはネタバレがないよう留意しているが、気になる方は注意してほしい。

舞台は1800年代のホグワーツ、主人公はプレイヤー自身!

『ホグワーツ・レガシー』は小説・映画の「ハリー・ポッター」シリーズに登場する魔法ワールドを舞台としているが、時代設定は原作よりはるか以前の1800年代となっており、ハリーもロンもハーマイオニーも、原作キャラクターのほとんどはゲームに登場しない。プレイヤーのアバターであるオリジナルキャラクターを主人公に、ゲームオリジナルストーリーが展開される作品だ。正直に言うと最初は“ハリーがいない「ハリー・ポッター」ゲームって面白いの?”と思っていたが、実際にプレイするとそんな不安が吹き飛んでしまうほど楽しかった。時代は違っても魔法ワールドの再現度はケチのつけようがなく、ハリーに会えない寂しさよりも、ひとりの魔法使いとしてその世界観に没入できる楽しさが大きく上回っていたからだ。

プレイヤーの分身となる主人公は、ホグワーツ魔法魔術学校の新5年生として編入する魔法使い。入学当日のホグワーツへ向かう道中、古代魔法にまつわる大きなトラブルに見舞われるが難を逃れ、以降は魔法使いとして成長しつつ古代魔法をめぐる戦いに身を投じていくことになる。1年生ではなく5年生から入学するところといい、特別な能力を持ち強大な敵との戦いに挑むところといい、主人公にはハリーを彷彿とさせるものを感じる。また、冒頭のトラブルを切り抜けたあとのタイトルコールの場面で見られる、耳なじみのあるBGMとともに雄大なホグワーツ城が現れる演出は鳥肌もの。「ハリー・ポッター」の世界にいるという感覚を、きっと味わえるはずだ。

組分けの儀式で入寮先を選べる

初めてホグワーツに着いた主人公を待っていたのは組分けの儀式。組分け帽子を被らされ、グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリンのどれかに入寮先が決まる、原作でもおなじみの光景だ。本作では「勇気」「好奇心」「忠誠心」「野心」という4つの選択肢によって入寮先が選ばれる。どのキーワードがどの寮を意味しているか、原作ファンならすぐにわかると思うが、もしも意中の寮と違う結果になったとして、最終確認で変更することも可能だ。ちなみにミーハーな私は、ハリーと同じ勇敢なるグリフィンドールを選ぶことにした。

組分けの儀式というイベントを体験できることもうれしいが、その会場となる大広間の造形や雰囲気が映画で見たままに再現されていることもポイントが高い。また、この時代の校長先生はフィニアス・ナイジェラス・ブラックといい、原作で登場したシリウス・ブラックの祖先にあたるという。副校長はマチルダ・ウィーズリーで、こちらはハリーの親友であるロン・ウィーズリーの祖先なのだろう。ブラック家もウィーズリー家も由緒ある家柄であり、原作の時代へ続く歴史の中にいると感じて、思わずニヤニヤしてしまう。

リアルに再現された魔法ワールド

本作はオープンワールドゲームであり、すべての場所が地続きでつながっている。それは巨大で複雑な構造のホグワーツ城も同じで、大広間や中庭、自室や寮の談話室、各授業が行なわれる教室、そして秘密の部屋や抜け道まで、すべてがシームレスにつながり行き来できる。小説や映画ではわからなかった各施設の接続を自分の足で確かめられるのは、純粋に感動する。また、喋る絵画や動く甲冑、歩みに合わせて現れる階段、自動的にせっせと働く羽根ペンやジョウロなど、魔法学校ならではの描写は徹底して芸が細かく、開発チームの深い原作愛を感じずにはいられない。

オープンワールドで再現されているのはホグワーツ城だけでなく、禁じられた森やホグズミード村、さらにはその先の地域まで広大な世界が広がっている。その距離感はじつにリアルで、ストーリー序盤でホグズミード村へ赴くクエストで実感できた。本作では箒や魔法生物に乗って空を飛べるが、この時点ではどちらも手に入れていないため、徒歩での移動に。ホグズミード村は世界全体で見ればホグワーツ城の近隣に位置しているものの、城を出てすぐに着くほど近くもない。禁じられた森の入口を過ぎ、曲がりくねった坂道を進んだ先に、村の入り口がようやく見えてくる。この、歩けるけれど少し遠い距離感が、世界のスケールをリアルに感じさせてくれるのだ。

移動を快適にしながらも世界観を損なわない機能

オープンワールドで再現された魔法ワールドは、歩いているだけでも楽しい。しかし、できることと行ける場所が増えてきたとき、徒歩移動だけというのはストレスだ。また、複雑な構造のホグワーツ城内で、目的地まで迷わず到着するのも相当難しいことだ。そんな移動ストレスを解消するための数々の機能が、原作の世界観を損なわずにうまく取り入れられている。

まずは、箒や魔法生物といった空飛ぶ移動手段。徒歩では迂回が必要な山や川を越え、敵との遭遇も避けながら、目的地まで一直線に飛んでいける。高速で飛び回り、上空から地上の様子を眺めるのも気持ちいい。

マップ画面から指定した場所へ瞬時に移動することもできる。単純なファストトラベル機能では味気ないが、原作に登場した「煙突飛行粉の炎」の設定を使っているのはうまいところ。飛び先となる場所に一度は直接行って、炎を有効にしておく必要があるものの、ホグワーツ城内から外部の各所まで多くの炎が用意されており、移動網を開拓しておけば探索やクエスト攻略が格段にラクになる。

移動のガイド機能も優秀で使いやすい。ホグワーツの生徒には「魔法使いのフィールドガイド」という本が渡され、これはゲームシステム的に言えばメニュー画面に相当する。クエストやマップを確認しつつ、クエストでは向かうべき目的地、マップでは任意の場所をマークしておくと、本から飛び出した魔法の光が移動ルートを先導してくれる。とくに構造が複雑なホグワーツ城内で、光を追っていけば目的地に迷わず着けることは非常にありがたい。

授業と冒険を楽しむ魔法ワールドの生活

主人公は学校の授業に出て学び、古代魔法をめぐる冒険をこなしていく。これらの多くはクエストとして発生し、クリアすることでメインストーリーが進んでいく。また、先生たちからの課題、友人たちからの頼みごとなどのサイドクエストも次々と舞い込み、魔法ワールドの生活はなかなか忙しい。

学校の授業は「呪文学」「闇の魔術に対する防衛術」「薬草学」「魔法薬学」などがあり、新しい呪文やアイテムの作成方法を習得することができる。呪文の「ルーモア」や「エクスペリアームス」、魔法植物の「マンドラゴラ」といった原作に登場したものがどんどん出てくるのは楽しく、それらを学び、使えるようになっていくことで成長を実感できる。

魔法を駆使した謎解きギミック

勝手な先入観として、習得した呪文はバトルで使うものと思い込んでいたが、探索や謎解きでも呪文を使う場面は多い。

たとえば「ルーモア」は暗闇を照らしてくれる呪文だが、魔法の蛾を呼び寄せてギミックまで誘導する際も利用する。物体を引き寄せる呪文「アクシオ」は足場を作るために使えるし、衝撃で弾き飛ばす呪文「デパルソ」は脆い扉を壊したり重いスイッチを操作したりできる。吊り橋が壊れて渡れないときは修復の呪文「レパロ」を唱える。炎の攻撃呪文「インセンディオ」や「コンフリンゴ」は、行く手を遮るクモの巣を燃やすことにも使える……。

こうした謎解きギミックは頻繁に登場し、難易度も高い。ギミックのルールを見抜き、どの呪文をどうやって使うか、発想力が試される。しかし、最初のひらめきでつまずくと、見当違いな思考錯誤を繰り返すことになる。じつは、本作で最も手を焼いたのは、強力なボスとのバトルではなく、謎解きギミックの数々だった。バトルならアクションを磨くことで対処できるが、謎解きは新しいパターンが出るたびに時間をかけまくることに。主人公は学問も戦闘も優秀な生徒という設定なのに、プレイヤーである自分がポンコツすぎて悔しい。

呪文「レベリオ」が有能すぎる!

そんな発想力に難がある私をサポートしてくれたのが、出現呪文「レベリオ」だ。多くの呪文がR2ボタンと△○×□ボタンの組み合わせで発動するなか、方向キーの左に割り当てられている特別な呪文。発動すると主人公の周囲に隠された”何か”を見つけ出し、呪文に何らかの反応を示したりインタラクトできたりするものをハイライト表示してくれる。謎解きの正解を教えてくれるわけではないが、考えるきっかけを与えてくれるだけでも大いに助かる。この呪文がなかったら、きっと謎解きのどこかで詰んでいたことだろう。また、「レベリオ」は宝箱や素材アイテム、敵もハイライト表示してくれる。あまりに有能な呪文なので、困ったら「レベリオ」、困っていなくても少し進んだら「レベリオ」というように、絶対に手放せなくなってしまった。

バトルアクションはスピーディで本格的!

本作のバトルでは、主人公に殴ったり蹴ったりする物理攻撃はなく、魔法使いならではの呪文に特化したアクションが展開される。R2ボタンの基礎呪文で射撃するほか、R2ボタンと△○×□ボタンの組み合わせで、あらかじめセットしておいた呪文を発動する。敵の攻撃は△ボタンの「プロテゴ」で防ぎ、そのままカウンターで痺れの呪文「ステューピファイ」につなぎ、反撃に転じることができる。ただし、敵が防御不能の攻撃を仕掛けてきたときは、○ボタンのローリングなどで回避しなければならない。

開発スタッフが「長距離のフェンシング」と称する本作のバトルは、距離を取りながらも攻防が目まぐるしく移り変わる、スピーディで本格的なアクションだ。

バトルをさらに面白くしているのが、特性の異なる呪文を使い分け、さまざまなスタイルで戦えることだ。△○×□ボタンにセットする呪文は、火力の高い攻撃呪文をそろえるだけが正解ではない。探索でも活躍していたような補助呪文もバトルで有効に使えることがある。

たとえば「レヴィオーソ」は物体を浮遊させる呪文だが、相手が展開しているシールドを消し、動きを封じることができる。そこへ基礎呪文のコンボを叩き込み、さらに呼び寄せの呪文「アクシオ」で浮いた敵を近づけて、威力は高いが射程の短い炎の呪文「インセンディオ」で締める、といった連携につなぐと、結果的にダメージを多く与え、かつ敵に反撃させずに攻めることが可能。そして、流れるような連続攻撃がカッコイイというのも重要だろう。

もちろん、敵の弱点を突く呪文などを用意することも大切であり、敵や戦況に合わせた呪文セットを駆使する楽しさもある。つねにクレバーに振る舞ってこそ、魔法使いらしい戦いというものだ。

「才能」の伸ばし方でステルス戦も可能に!

ストーリーが進むと、主人公の「才能」を伸ばせるようになる。才能とはアビリティのようなもので、レベルアップで獲得したポイントを振り、任意の能力を追加・強調することが可能だ。

才能の種類には、基本的なバトルアクションやアイテム効果を高めるもの、特定の呪文の威力や効果を高めるもの、ステルス効果を高めるもの、あるいはマイルーム要素である「必要の部屋」の機能を解放するものなどさまざまだ。その中からどれを伸ばすかはプレイヤー自身が決めるので、自分だけの魔法使いとしての特長を際立たせることができる。

試してみてプレイスタイルが劇的に変わったのは、ステルス系の才能を伸ばしたとき。姿を隠す「目くらまし術」を使った際に敵から発見されにくくなり、敵陣を大胆に進んだり、背後から一撃で行動不能にしたりと、ステルス戦術が効果を発揮するようになった。それまでは、とにかく先制攻撃と高火力で攻めることが当たり前だったが、ステルス戦の気持ちよさを知ってからは、いかに敵に攻撃させず戦いを終わらせるかを考えるように。もちろんボス戦ではそこまで有効ではないが、戦闘スタイルの幅は確実に広がった。こうしたバトルの多様性も本作の楽しさだ。

「ハリー・ポッター」の世界観を再現し、そこでの生活や冒険を満喫できることは本作の大きな魅力。原作ファンはその没入感をじっくりと楽しむことができるはずだ。その一方で、オープンワールドゲームとして、アクションゲームとしての完成度も非常に高い。「ハリー・ポッター」はよくわからないけれど、オープンワールドゲームやアクションゲームが好みという方にもオススメしたい1本だ。

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ホグワーツ・レガシー

・発売元:WB Games
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:オープンワールド・アクションRPG
・発売日:PS5 2023年2月10日(金)予定(※)
     PS4 2023年4月4日(火)予定
・価格:PS5 パッケージ版 希望小売価格 9,878円(税込)
      パッケージ版 希望小売価格 デラックス・エディション 10,978円(税込)
      ダウンロード版 販売価格 通常版 9,878円(税込)
      ダウンロード版 販売価格 デラックス・エディション 10,978円(税込)
    PS4 パッケージ版 希望小売価格 通常版 8,778円(税込)
      パッケージ版 希望小売価格 デラックス・エディション 9,878円(税込)
      ダウンロード版 販売価格 通常版 8,778円(税込)
      ダウンロード版 販売価格 デラックス・エディション 10,978円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:C(15才以上対象)

※PS5『デラックス・エディション』は本日2月7日(火)よりプレイすることができます。


PS Blogの『ホグワーツ・レガシー』記事はこちら


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