12月13日(火)発売予定のPlayStation®5/PlayStation®4用ソフトウェア『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION(クライシス コア -ファイナルファンタジーVII- リユニオン)』。2007年にPSP®「プレイステーション・ポータブル」で発売された『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII–』がHDリマスター化され、『FINAL FANTASY VII』へとつながる物語が、時を超えて圧倒的なクオリティでよみがえる。
今回は、いち早くプレイすることができた本作の製品版をレビュー。オリジナル版からの進化ポイントや作品の魅力を紹介していこう。なお、ネタバレのないよう配慮しているが、気になる方は注意してほしい。
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グラフィックのHD化やフルボイス対応により没入感が進化!
ゲームを始めてひと目でわかるのがグラフィックの進化。高精細なHD画質になったことに加え、登場キャラクターから背景やUIまで、すべての3Dモデルが作り直され一新している。PSPで発売されたオリジナル版も携帯機とは思えないほどの美しさが評判だったが、あれから15年経った現代の技術で進化したグラフィックのすごさは一目瞭然だ。
『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』発売日発表トレーラーはこちら
主人公・ザックスをはじめとするキャラクターの肌やコスチュームなどの質感がきめ細かく描かれ、表情まで豊かになった印象を受ける。ミッドガルの都会的な街並みやスラムの武骨さ、山村や雪山といったフィールドの情景も精細に表現されており、リアルで自然な美しさは見ているだけでワクワクしてくる。また、バトル中の見せ場となる召喚獣の演出もパワーアップ。神秘的で荒々しい攻撃はさらに迫力を増した。
サウンド面では、オリジナル版でボイスがなかったシーンも新規収録され、全編フルボイスで楽しめるようになった。名もない街の住人たちのセリフまでボイスがつき、シリアスな雰囲気が多い物語の中で悪ノリしたようなシーンもフルボイスで聴けるのは楽しい。
個人的なお気に入りは、マテリアルームの研究員がマテリアを生成するシーン。研究員たちが迫真のボイスでマテリアを完成させていく様子はコントのような勢いがあり、クスッとさせられる。このシーンを見ない選択肢もあるのだが、なんだかクセになって何回も見てしまった。
こうしたグラフィックとサウンドの進化によって、作品世界がリアルに感じられるようになっている。オリジナル版を遊んだ方が今作をあらためてプレイしても、より深い没入感を味わえるはずだ。
爽快なバトルアクションとテンポの良い遊びやすさが進化!
本作の戦闘は、直感的なアクションと「FF」シリーズおなじみのコマンドシステムを融合させたバトル。プレイヤーはザックスを操作し、剣による直接攻撃や、セットしたマテリアに応じた魔法やアビリティを使用することができる。その基本はオリジナル版を踏襲しているが、スピーディで爽快なアクション性と遊びやすさが進化した。
まず、右スティックでカメラを操作できるようになった。敵との位置関係を広い視野で捉えやすくなり、視点によるストレスはほとんどない。左スティックでキャラクター移動、右スティックでカメラワークという操作というスタイルは、アクションゲームで広く使われているためスムーズに扱えるだろう。
また、剣の攻撃はリズミカルなコンボが可能に。ボタン連打で流れるように連撃を繰り出すことができ、アクションのスピード感と爽快感はオリジナル版よりもかなり向上している。
バトルシステムの新要素
バトルの新要素も追加されており、「スキルパワーゲージ」はそのひとつ。ボスなどの強敵が必殺技を使う際、準備状態としてスキルパワーゲージが表示される。ここで攻撃を加えてゲージを削ると、発動されたときの威力を下げることができ、ゲージを完全に削り切れば技の発動そのものを阻止できる。オリジナル版は発動を止める手立てがなく、耐える準備をしておくことが大切だったところを、威力の低下や発動阻止を狙って攻めるという戦略が増えたことになる。
もうひとつの新要素「構え」は、ストーリーを進めてザックスがバスターソードを入手したあとに使えるようになる。「構え」中はその場から移動しないかわりに、通常攻撃がパワフルな「強撃」に変化してアビリティの威力も大幅にアップ。「強撃」の間は敵の攻撃を受けても怯まずに攻撃を続けられる。バスターソード入手後のザックスは、ストーリー的にも成長した姿となっており、「構え」の重厚感あるスタイルはとてもよく似合う。
スキップ機能によるテンポ感の向上
また、「D.M.W(デジタル マインド ウェーブ)」にも改良が加えられている。「D.M.W」とは、スロットのリールが自動的に回転し、そろった絵柄や数字に応じた恩恵が受けられるという、バトルにランダム要素を取り入れた独自のシステム。絵柄がそろった場合、絵柄のキャラクターや召喚獣に対応したリミット技を、迫力の演出ムービーとともに発動できる。
オリジナル版はリミット技が即時かつ自動的に発動し、演出ムービーをスキップすることができなかった。そのため、ザコ敵が相手であと一撃というところまで追い詰めているのに、絵柄がそろったらリミット技が終わるまで待たなければならず、バトルのテンポを悪くする面もあった。しかし、今作では絵柄がそろったらリミット技をいったんストックし、そのバトル中にプレイヤーの好きなタイミングで発動でき、演出ムービーをスキップすることも可能になった。リミット技を使わずに倒してもいいし、発動後に素早くスキップしてもいい。演出ムービーまで堪能するのも自由だ。「D.M.W」のリミット技が強力で効果的であるという位置付けは変わらず、バトルのテンポはとてもよくなっている。
もとより『クライシス コア』のバトルは、マテリアの強化と組み合わせを絡めた高い戦略性を楽しめるものだ。今作はアクションの爽快感と遊びやすさがさらに向上し、まさに言うことなし。グラフィックやサウンドが強化されたことと同じくらい、アクションシステムの改良も物語への没入感を深める要因になっていると思う。
『FINAL FANTASY VII』の前日譚──ザックスの波乱に満ちた物語を見届けろ
ここからはオリジナル版を遊んだことがない方に向けて、今回のプレイであらためて感じた作品の魅力をお伝えしていきたい。
本作で描かれるのは、『FINAL FANTASY VII』の前日譚にあたる物語だ。主人公は、ソルジャー・クラス2ndのザックス・フェア。先輩のソルジャー・クラス1stのアンジール、英雄としてその名を世界にとどろかせていたセフィロスとともに「ソルジャー大量失踪事件」を調査する任務に就く。
ザックスはお調子者の面はあるが、夢と誇りを抱いて正義を貫き、友のために戦い、友のために涙を流せる男。明るく前向きで誰からも慕われる姿は、クラウドとはまた違う……むしろクラウドよりもわかりやすく主人公然とした主人公だといえる。ザックスが元気いっぱいなら物語に勢いが出て、暗く沈んでいたら物事の重大さが伝わってくる。プレイヤーの感情を重ねやすい魅力的なキャラクターであり、シリーズファンからの人気が高いのも納得だ。
ザックスは物語の中で、クラウドやセフィロス、エアリス、タークスの面々といった『FINAL FANTASY VII』の登場人物と出会う。前日譚なのだから、つながりのあるキャラクターが登場するのは当然だが、それでも初登場シーンはテンションが上がるし、オリジナル版で味わったこの感動は今作でも変わらなかった。
時系列としては『FINAL FANTASY VII』の物語の7年前を描いており、クラウドはまだ神羅カンパニーの一般兵、セフィロスも英雄として活躍するソルジャーという状態。ふたりは『FINAL FANTASY VII』で星の運命をめぐって争うことになるわけだが、なぜそうなったのかがザックスの現場視点で紐解かれていくのが本作の大きな見どころだ。正直、その過程では衝撃的な出来事が数多く起こり、終盤の雰囲気は重い。とても重いのだけれど、それに抗うザックスの姿は感動的。名作と呼ばれる物語を、ぜひ見届けてほしい。
また、巨悪の象徴となっていくセフィロスも、本作の序盤はその気配を感じさせない。ザックスを認めて信頼し、友を思いやって命令に背く場面もあるなど、完全無欠の英雄として描かれている。悪意を持たないセフィロスはこんなにもカッコイイのかと驚いたし、臨場感が増した今作でもあらためて惚れ惚れとしてしまった。
マテリアを使った戦略性も楽しめるバトル
前述の進化ポイントでも触れているように、今作のバトルはアクションの爽快感が向上している。とはいえ、ボタン連打のコンボだけで押し切れるほど容易いわけではなく、装備したマテリアの魔法やアビリティを使いこなしながら敵を倒すことがバトルの醍醐味だ。
わかりやすいところでいえば、敵の弱点を突く属性魔法でダメージを上げたり、効果範囲の広いアビリティで複数の敵を巻き込んだり、あるいは防御効果を高める魔法で致命傷を防いだり。マテリアによる戦略を練ることで、ザコ敵を手早く処理でき、ボスのような強敵相手でも勝ちやすくなる。
マテリアの種類はかなり多く、同じマテリアでも装備し続けるとレベルアップして威力・効果が増す。さらに、ふたつのマテリアを合成したり、合成の際にアイテムを追加したりして、より強いマテリアを生み出す「マテリア合成」というシステムもある。やり込みプレイヤーにとって、この「マテリア合成」は楽しい沼要素だ。ベースとなるマテリアをマスターレベルまで育て上げ、追加するアイテムを大量に用意するなど準備は大変だが、その労力に見合う効果のマテリアを完成させることが嬉しくて、ついつい時間を忘れてしまう。
こうしてマテリアの準備を整え、敵の特徴に合わせて使い分けられるようになると、バトルがもっと楽しくなる。回避やガード、コンボ攻撃を交えて動き回り、機を見た魔法やアビリティで大ダメージを与えれば、自分のスタイリッシュさに気持ちよくなれる。アクションが苦手であっても、マテリアの力がプレイヤースキルを補ってくれるはずだ。また、魔法はMP、アビリティはAPを消費して発動するが、「D.M.W」で数字がそろって「MP消費0」や「AP消費0」の効果を引けば一定時間放ち放題。ランダムな運の要素を味方につけて勝つのは痛快だ。
ミッションやミニゲームなどやり込み要素が充実
ミッションは、メインストーリーとは別に神羅カンパニーや街の住人から依頼される特別任務。ストーリーを進めるほか、特定の条件を満たすと新しいミッションが解放され、ゲーム進行とは関係なくセーブポイントのメニューからいつでも挑戦できる。クリアするとマテリアやアクセサリなどを獲得でき、ミッションでしか手に入らない特別な報酬もある。つまりミッションは、ザックスを強化するために最適なやり込み要素というわけだ。
メインストーリーの攻略が難しく感じてきたときの修行場として、マテリアのレベルアップや材料・資金の稼ぎ場として、やり込みプレイヤーにとって御用達の場所。ミッションの種類も非常に多いので、完全クリアを目指すのも面白い。
また、ユニークなミニゲームもたくさんある。スクワットの回数を競い合ったり、スパイを探し出すためにミッドガル中を駆け回ったり、通行人のうち子どもが何人いるか予想したり。メインストーリー進行中に1回だけ挑戦できるものもあれば、自由に探索できるタイミングで気の済むまで挑戦可能なものもある。成果に応じてもらえる報酬が激レアアイテムでもないのに再挑戦を繰り返してしまうのは、シンプルなゲームで気分転換にちょうどいいというだけでなく、きっとザックスのリアクションの違いを見たいから。あるものすべてを確認したいゲーマー魂に火がつくと、こちらもなかなかの時間泥棒だ。
クラウドとセフィロスの過去を紐解き、愛すべき主人公ザックスの壮大な旅を描く物語が、格段に進化して帰ってきた。オリジナル版をプレイした方でも、新鮮な気持ちで感動を味わえるはずだ。また、『FINAL FANTASY VII』はプレイしたが『クライシス コア』に触れていない方や、『FINAL FANTASY VII REMAKE』で興味を持った方は、この機会にぜひプレイしてほしい。
ダウンロード版『DIGITAL DELUXE EDITION』にはアートブックとサントラのデジタルコンテンツが付属
ダウンロード版『DIGITAL DELUXE EDITION』は、オリジナルアートブックとオリジナルミニサウンドトラックのデジタルコンテンツが付属するセット商品だ。アートブックは今作のためにリファインしたイラストやCGアートに加え、オリジナル版の設定画を厳選して収録。ミニサウンドトラックは石元丈晴氏がアレンジした楽曲の中から、同氏が厳選した6曲を楽しめる。
<価格>
10,120円(税込)
<内容>
■『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』
■アプリケーション「CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION Digital Contents」
オリジナルミニサウンドトラック「CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION MINI SOUNDTRACK」、オリジナルアートブック「HEROES Past and Present The Art of CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII–」の内容が閲覧可能なデジタル版アプリとなります。
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※画像はイメージです。実物とは異なる場合がございます。
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CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION
(クライシス コア -ファイナルファンタジーVII- リユニオン)
・発売元:スクウェア・エニックス
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:アクションRPG
・発売日:2022年12月13日(火)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 6,820円(税込)
ダウンロード版 販売価格 通常版 6,820円(税込)
ダウンロード版 販売価格 DIGITAL DELUXE EDITION 10,120円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:C(15才以上対象)
PS Blogの『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』記事はこちら
『CRISIS CORE –FINAL FANTASY VII– REUNION』公式サイトはこちら
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