『Horizon Forbidden West』の水中パートに迫る! 1000年後のラスベガスを描いたクエスト「砂の海」について開発チームの裏話をお届け!

0 0
『Horizon Forbidden West』の水中パートに迫る! 1000年後のラスベガスを描いたクエスト「砂の海」について開発チームの裏話をお届け!

※本記事は英語版PlayStation®.Blogの日本語翻訳記事です。

主人公「アーロイ」の新たな冒険を描く、PlayStation®5/PlayStation®4用ソフトウェア『Horizon Forbidden West(ホライゾン フォービドゥン ウエスト)』。地球のテラフォーミングシステムを復旧して、生物圏のバランスを回復し、生命を救うため、アーロイは「ガイア」の副次機能を求めて危険かつ過酷な環境を旅することになります。

物語の舞台となるのは1000年後の世界。そこには、現実世界でも存在する印象的な場所が数多く存在します。プレイヤーは冒険を通して、そういった場所を発見することができるようになっています。

注意:本記事には、『Horizon Forbidden West』のストーリーやゲームプレイに関するネタバレが含まれます。本記事を読む前にクエスト「砂の海」をクリアすることを推奨します。

クエスト「砂の海」では、ガイアの副次機能のひとつ、「ポセイドン」を求め、「静かなる砂」と呼ばれる不毛の砂漠を訪れます。一見するとそこは荒涼とした砂漠ですが、砂の下にはかつてラスベガスと呼ばれた水没した遺跡、「虚空の砂丘」が隠されています。

「スタンリー・チェン」という実業家が1000年前に残したデータの欠片をつなぎ合わせ、遙か昔に忘れ去られた繁華街の水道システムを再起動して、ポセイドンにアクセスできるかどうかは、アーロイにかかっています。

ラスベガス遺跡の創造

「砂の海」は、ゲリラのクエストデザイナーSamantha Schoonenが開発の指揮をとりました。このクエストをより面白いものにするため、Samanthaは象徴的なラスベガスの商業地区のリサーチに多くの時間を費やしました。

「私たちはカジノについて調べ、未来のラスベガスにあるクレイジーな建物のアイデアを出し合いました」とSamanthaは説明します。「コンセプトアートからもかなりのインスピレーションをもらいました――例えば、壊れたローラーコースターのエリア、海賊船の残骸、屋上プールなどが思いついたアイデアの一例です。実際のビジュアルを制作するにあたり、アート部門とたくさんの話し合いを行ないました。もちろん、すべてが最終的にゲームに組み込まれたわけではありません」

この壮大なクエストのデザインは、多くの反復と協力に満ちた長い道のりであったとSamanthaは言います。「メインクエストをデザインする場合、私たちは、まずストーリーチームから提供される物語の概要をもとに取りかかります。その概要に基づいて、ストーリーの展開やクエストの目的、クエストの流れとロケーションをまとめたエリアマップ、エリアの詳細な説明など、あらゆる情報の含まれたデザインドキュメントを作成します」

「そこから空間を大まかに描き出します。レベルデザインと空間そのものの概要についてのアイデアを得るために、ゲーム内の参考画像を使います。しかし、平面だけではエリアの規模感を掴むのは難しいので、できる限り早く私たちのDecimaエンジンで3Dのレイアウトを作ります。そこからまたクエストの流れとレベルデザインについて、全員が納得するまで検討と実装を繰り返します」

地中への挑戦

「水を使ったクエストを作るのはいつも至難の業です」とSchoonenは語ります。「『Horizon Zero Dawn: 凍てついた大地』において、「浸水の地」のクエストを作るのはとても難しかったのですが、ラスベガスは「浸水の地」よりずっと大きいのです! 水中のクエストで意図したとおりにゲームが機能するように、技術やビジュアルエフェクト、照明などのチームと緊密に連携しながら作業を進めました。どこに水があり、どこに空気があるのかをコントロールし、視界も調整できるようにしなければなりませんでした」

「泳ぎのゲームシステムを担当したコアデザイナーとも緊密に連携をしました。「砂の海」のクエストは、これまでプレイヤーが到達できなかった深さの水中まで潜ることができる、最初のクエストとなりますからね」

コアシステムデザイナーのLennart Hotingは、さまざまな移動システムの要素を担当しており、『Horizon Forbidden West』で新たに追加された水中を泳ぐ動作の実装にも携わっています。「私たちはこれまでにない”高さ”と”深さ”を探求し、新しい自然美を表現したいと考えていました」とLennartは言います。「水中世界はもとから魅力的で神秘的なものなので、ラスベガスのような長く忘れ去られていた未知の世界を旅するのは、自然な流れだと思いました。水中でのゲームプレイにありがちな圧迫感を意識的に排除し、素早く機敏な移動に焦点を当て、敵との遭遇はステルスを中心とした緊張感のあるものにしました」

「開発の初期段階で、私たちはどのようにすれば、”水”を使ってゲームプレイ上の面白いチャレンジを生み出し、そのうえ没入感を高められるかを調査しました。すぐに思い浮かんだのは水流を使うアイデアでした。アーロイは時折、強い水流にぶつかり、目的地から遠ざかってしまいます。全速力で抜けようとすることもできますが、そこを突破する一番いい方法は、水中の特定のオブジェクトを足掛かりにして、勢いをつけることです。アーロイがオブジェクトを使用することで少しの間泳ぐスピードが増し、水流に逆らって進むことができます」

狭い区域での緊張感の演出

「潜水マスク」を手に入れ、水中での呼吸が可能になったアーロイは、ラスベガスの遺跡へと深く潜っていきます。「最初に考えたルートはあまりにも長すぎました。そのため、エレベーターシャフトひとつで昇り降りできるようにしました」とSamanthaが説明します。「このシャフトは、地上のビジュアルの都合上あまり大きくするわけにはいきませんでした。しかし、プレイヤーが中を動きまわれ、クエストをクリア後にも機能するように、あまり小さくするわけにもいきませんでした」

「アーロイがエレベーターの下に潜っていくと、カジノスペースに入り、やがてロビーに到着します。その空間の大きさに気づくより先に、プレイヤーには、「タイドリッパー」の登場に不意を突かれて欲しいと思いました。クエストの開幕を派手に演出したかったのです」

「バロワー」や「スナップモウ」、巨大なタイドリッパーなど『Horizon Forbidden West』では、水中にも危険な機械獣が潜んでいます。「アーロイは水泳中の攻撃手段がありません。そのため、見つからないよう賢く立ち回りながら、敵を避ける必要があります」とLennartは言います。「敵の視界に入らないためには、煙玉を使うか、海草に隠れるのが有効です。海草は密に生い茂っているため、こちらに気付いていない機械たちから隠れることができますし、こちらは隠れたまま外を窺うことができます。これにより非常に戦術的な”追いつ追われつ”の瞬間が生まれるのです」

地下エリアについて、Samanthaが続けます――「地下ドームは機械獣で満ちあふれた危険な場所なので、プレイヤーが次々と隠れながら移動できる構造物を追加しました。機械獣はノードが有効化されない限り決まった経路を巡回しますが、これらの機械獣をプレイヤーの進むルートの近くに配置することで、つねに脅威と隣り合わせになるようにしています」

「エントランスやノード、目的地は、視界に入らないようにしつつも見つけられるようにする必要があったため、多くのエリアを何度も作り直しました。また、現実世界のラスベガスは、ネバダ州のフーバーダムから水の供給を受けており、プレイヤーがクエストの序盤で見つけることになるホログラムのマップでも、似たようなものが映るようにしたいと考えました」

「私たちは、ラスベガスから非常にインスピレーションを受けており、やりがいのあるクエストを作りたいと思いました。追跡や戦闘、ステルス、そして移動を介した謎解きなど、複数の要素を入れることで、ゲームプレイにバリエーションが生まれ、プレイヤーは新鮮さを感じることができるはずです。物理処理に依存するような戦闘や謎解きに頼ることなく十分な要素を組み込むのはかなりの難題でした。そのため、プレイヤーが移動しながら環境に働きかけることができる空間を用意しました」

タイドリッパーの試練

スナップモウがはびこる水中を無事通り抜け、スタンリー・チェンの古代の水管理システムを起動させた後、街から水が排出されます。そこで突如、ドームやその中の建物の大きさが明らかになるのです。息を呑むような戦闘が待つ大きなアリーナとなったドーム内で、アーロイはようやく登ったり、グライディングしたり、走ったりして、地上と同じような移動方法で進むことになります。

先ほどSamanthaがタイドリッパーについて言及していたことを思い出してみましょう。「虚空の砂丘」からほとんどの水が引いていった後でも、アーロイはポセイドンに辿り着くまでに、あの巨大な機械獣と対峙しなければならないのです。

Samanthaは、このアリーナがどのように作られたのか説明します――「この空間が機能するためには、いくつかの要素が必要なため、私たちはコンバットチームと協力しました。タイドリッパーが出現するような水場が必要だったため、呼水サックを水で満たすことができる岸辺を作りました。また、ステージからプレイヤーが偶然出て行くことがないよう、かなり深みのあるものにする必要がありました。最後に、タイドリッパーが動くための平らな空間が必要でしたし、もちろんアーロイが素早く攻撃をよけられるようにグラップリングポイントも用意しました。ただし、その内のいくつかはよりゲームプレイを面白いものにするために、壊れるようになっています!」

壮麗な景色

タイドリッパーを倒してポセイドンを得ると、ラスベガスがよみがえります。魅惑的なホログラムは、遥か昔に崩れ落ちた建物の輪郭を写し出し、忘れ去られた街の記憶がよみがえるのです。

「ラスベガスをがその姿を取り戻すことは、このクエストで掲げていたストーリーにおける目標の一部でした」とSamanthaは語ります。「ポセイドンがラスベガスの水と、ホログラムに接続されていた電力を奪っていたのです。アーロイがポセイドンと戦った後、システムは完全に復旧し、元のホログラムが夜空を照らすようになります。クエストのエンディングはさまざまなチームの協力によって実現しました。コンセプトアート、ムービー、環境アート、ビジュアルエフェクト、ライティングのチームすべてが協力してこの美しい瞬間を作り上げたのです。私はただそれらを適切な場所に組み込んで、適切なタイミングで見せるようにしただけです」

「私たちは全員、このエリアを作るために大きな愛情を注ぎました。このクエストへの好意的な反響の大きさには驚かされていますし、コミュニティーの皆さんがこの水中世界を楽しんでくださっていると聞いて嬉しい限りです!」

Samanthaには、お気に入りの瞬間を選ぶのは難しいと言います――「デザイナーにとって、ゲームに終わりはありません! 開発中にかなりの回数をプレイしましたので、客観的な意見を述べるにはあと10年必要でしょうね。どちらかというと、このクエストを作る過程すべてが私のお気に入りです」

また、Lennartはこう語ってくれました――「たくさんのプレイヤーがゲームの水中パートを楽しんでくださり、なかには水中パートが一番好きだったと言ってくれる方がいて本当に嬉しい限りです! クエスト「砂の海」の反応と、「モーランド」などの途中で会うユニークなキャラクターに対する反響はとても大きかったようです。私にとってもお気に入りのクエストのひとつです。潜るゲームプレイに不安を感じている方もいらっしゃいましたが、潜水マスクのおかげで、楽しい体験へと変えることもできたようです。恐怖心を克服してダイビングを楽しめるようになったというのは、素晴らしいことだと思います」

「砂の海」クリア後も、ラスベガス内外には、さまざまな要素があります。「神秘の幻石」と呼ばれる居留地が実装されており、モーランドとの特別なクエストのためにラスベガスに戻ることをおすすめします。僻地キャンプにいる「ポルガフ」と話したり、「ステマー」にオーナメントを届けたりすると何かが起きるかもしれません…。ぜひ隅々までお楽しみください。

ラスベガスの遺跡に関する開発秘話にさらに興味がある方は、こちらから最近のSamanthaとのライブ配信(英語)を見直すことができます! また、ライブ配信(英語)は毎週木曜日23時から、www.twitch.tv/guerrillaで行なっています。


Horizon Forbidden West (ホライゾン フォービドゥン ウエスト)

・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation®5 / PlayStation®4
・ジャンル:オープンワールド・アクションRPG
・発売日:好評発売中
・価格:PS5/PS4 パッケージ版 希望小売価格 コレクターズエディション 24,200円(税込)
        パッケージ版 希望小売価格 レガーラエディション 31,350円(税込)
        ダウンロード版 販売価格 デジタルデラックスエディション 9,790円(税込)
    PS5 パッケージ版 希望小売価格 スタンダードエディション 8,690円(税込)
      パッケージ版 希望小売価格 スペシャルエディション 9,790円(税込)
      ダウンロード版 販売価格 スタンダードエディション 8,690円(税込)
    PS4 パッケージ版 希望小売価格 スタンダードエディション 7,590円(税込)
      パッケージ版 希望小売価格 スペシャルエディション 8,690円(税込)
      ダウンロード版 販売価格 スタンダードエディション 7,590円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:D(17才以上対象)

※PS4版を購入した方は、追加料金なしでPS5ダウンロード版へアップグレードすることができます。
※PS4パッケージ版をお持ちの方は、PS5ダウンロード版をダウンロードしたりプレイしたりするには、その都度ディスクをPS5本体に挿入する必要があります。PS4パッケージ版をお持ちの方でも、ディスクドライブを搭載していないPS5デジタル・エディションの場合はPS5ダウンロード版を入手することはできません。


PS Blogの『Horizon Forbidden West』記事はこちら


『Horizon Forbidden West』公式サイトはこちら

『Horizon Forbidden West』をPS Storeで購入する

©2022 Sony Interactive Entertainment Europe. Developed by Guerrilla. Horizon Forbidden West is a registered trademark or trademark of Sony Interactive Entertainment LLC.

コメントの受付は終了しました。

お客様の生年月日を入力してください。

Date of birth fields