『FINAL FANTASY XVI(ファイナルファンタジー16)』プロデューサー吉田直樹氏にインタビュー!

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『FINAL FANTASY XVI(ファイナルファンタジー16)』プロデューサー吉田直樹氏にインタビュー!

期待のシリーズ最新作『FINAL FANTASY XVI(ファイナルファンタジー16)』について、さらに詳しく知りたいと思っている方には朗報です。

2020年の初報以来、私たちと同様に、あらゆる文章、あらゆるスクリーンショット、あらゆるトレーラーを見逃すことなく、『FINAL FANTASY XVI』を追いかけてきた方も多いのではないでしょうか。PlayStation®.Blogでは、初報以降も、世界観やキャラクターについて、最近では、ゲームプレイや発売日についての記事をプロデューサー吉田直樹氏の協力のもとで公開しています。

そして今回、『FINAL FANTASY XVI』における開発の裏側を、吉田氏にお聞きする機会を得ることができました。「FINAL FANTASY」シリーズ最新作への意気込み、PlayStation®5に向けた開発、そしてお気に入りの召喚獣についてなど、吉田氏ならではの視点で語っていただきました。

『FINAL FANTASY XVI』プロデューサー吉田直樹氏

PS Blog:「FINAL FANTASY」シリーズ作品の核となる信条には、どのようなものがあるとお考えですか? 『FINAL FANTASY XVI』を制作するにあたり、開発チームは過去のシリーズ作品にガイダンスやインスピレーションを求め、参考にされましたか?

吉田氏:「奥深いストーリー体験」「濃いゲーム体験」「最高のグラフィックス」「最高のゲームサウンド」、そして「チョコボ」がいて「モーグリ」がいる…。「FINAL FANTASY」シリーズは35年の歴史を持ちますが、「その時のディレクターが考えた、最高のゲームを作るのが「FINAL FANTASY」だ」というポリシーもあり、「FINAL FANTASY」は毎作世界観もキャラクターも、バトルシステムさえも変化してきたフランチャイズです。そのため、ファンの皆さん、ゲーマーの皆さんのなかに、さまざまな「FINAL FANTASY」への期待があります。だからこそ、冒頭に記した要素の集合体こそが、ファイナルファンタジーなのだと思っています。今回は尖ったゲームデザインになっており、『FINAL FANTASY』(一作目)をプレイしたときに感じた、「まるで映画をプレイしているかのようなRPG体験」を現代のテクノロジーで表現してみました。ディレクターの髙井を筆頭に、開発チームは一丸となって制作を進めていますので、ぜひご期待ください。

PS Blog:『FINAL FANTASY XVI 』のプロジェクト初期を振り返ると、ナンバリング最新作を制作して欲しいと依頼されたとき、どのような会話が交わされたか覚えていらっしゃいますか? 吉田さんの最初の反応はいかがでしたか?

吉田氏:「ありがたいお話ですが、『FINAL FANTASY XIV』をしっかり運営していく必要があります。まずは検討させてください」と話しました。「FINAL FANTASY」シリーズ最新作を第三開発事業本部で、という依頼は、部門としても開発者としても、とても光栄なことだと思っていますし、そう感じました。ですが、僕は『FINAL FANTASY XIV』のプロデューサー兼ディレクターです。『FINAL FANTASY XVI』のディレクターまで担当するのは、双方のお客様に失礼に当たると考えました。その後、『FINAL FANTASY XIV』の開発と運営に影響が出ないよう、極少人数のコアスタッフを決め、そのコアスタッフも年単位で『FINAL FANTASY XIV』からの引継ぎを行ない、細く長く制作を続けて今に至ります。

PS Blog:『FINAL FANTASY XVI』の開発チームを構成するメンバ―は、どのように決定されていったのでしょうか?

吉田氏:「FINAL FANTASY」シリーズのディレクターを担当するのは、皆さんが思っている以上にキツイ仕事です。ファンの皆さんの期待や、メディアの皆さんからの期待もありますが、開発チームからのプレッシャーも強く、まずはディレクターを担える人間が、「やりたい、頑張りたい!」と思ってもらえるかどうかが重要です。そこで、長年一緒に仕事をしてきて、最も信頼しているスタッフのひとりでもあり、大先輩でもある髙井に話をしたところ、「自分で良ければ引き受けるよ」と言ってくれたので、そこからスタートしています。初期は僕を入れて4人の少人数でコアコンセプトや世界観、伝えたいテーマなどを決め、ストーリーの執筆に取り掛かっています。その後、バトルシステムやグラフィックスを担当する少人数のチームを作り、ビルドアンドクラッシュを経て、徐々に大規模開発へ移行してきました。常に念頭にあったのは、「『FINAL FANTASY XIV』に影響がでないようにする」というもので、ようやくここまで至れてホッとしています。(笑)

PS Blog:(ナラティブの詳細ではなく)ストーリーを執筆するプロセスについて具体的に伺いますが、複数年、複数回にわたる拡張をまたぐストーリー・アークから、自己完結する単体で独立した物語への切り替えは、どのように感じられましたか?

吉田氏:僕はもともと、MMORPGしか開発していないわけではありませんので、特に感じたことはありません。『FINAL FANTASY XIV』の拡張パッケージにしても、それ単体でRPG一本分以上のストーリー体験を、と考えているため、大きな違いはないからです。伏線の張り方がショートタームである、という違いしか感じないのです。(笑)

PS Blog:「FINAL FANTASY」シリーズのロゴは毎回、何らかの形で作品の中心的なテーマを伝えています。『FINAL FANTASY XVI』のロゴは、それをどのように実現していますか?

もちろん、天野喜孝先生にデザインしていただいた今回のロゴにも大きな意味があります。対になっている2体の召喚獣ですが、意味はまだ秘密にさせてください。

PS Blog:「State of Play」で公開された『FINAL FANTASY XVI』の最新トレーラー「DOMINANCE」を通して、発売時期がやっと明らかになりました! 発売までの最後の1年間、開発チームはどこに注力していく予定ですか?

吉田氏:現在、オープニングからエンディングまで、ゲーム本編は既に繋がっていますが、対応言語数も多いため、膨大なテキストのボイス収録作業が山場として進行中です。また、今回はアクションに力を入れていることもあり、ここから通しプレイを重ねて、難易度の調整や、カットシーンの演出調整などを行ないつつ、大規模デバッグを実施します。とはいえ、1年はあっという間ですので、気を引き締めてかかります。

PS Blog:『FINAL FANTASY XIV』の開発メンバーも数名(吉田氏も含め!)『FINAL FANTASY XVI』の開発に参加していることが確認されましたが、トーンの異なる2作品にわたって、チーム(そして吉田氏ご自身)が疲弊せずに最大限力を発揮でるよう、何らかの具体的なシステムやプロセスを導入されていますか? 『FFXIV:暁月のフィナーレ』のラストスパートと時を同じくして『FINAL FANTASY XVI』の作業も多く発生していたのではないかと想像しますが…。

吉田氏:システムというほどのものではないですが、双方のチームのプロジェクトマネージャーや、アシスタントプロデューサーなどが連携をして、僕のスケジュールに関しては、同時期に山場が重ならないよう、上手く調整してくれています。ですので、僕自身は自分のスケジュールをまったくわかっていません! (笑)

また、部門運営に関わるような判断は、出来る限り第三開発事業本部のマネージャーたちに委ね、プロデューサー/ディレクターとしての業務を優先させてくれています。このあたりは、長年培ってきたチームワークですので、システムやプロセスとはまた違いますね。祖堅のスケジュールについても、サウンド部側で専任の担当者をつけ、スケジュール管理しています。

召喚獣の「ガルーダ」と「タイタン」、そしてその「ドミナント」の「ベネディクタ・ハーマン」と「フーゴ・クプカ」

PS Blog:「FINAL FANTASY」シリーズ全体で、繰り返し登場する召喚獣のなかでお気に入りは何ですか? 『FINAL FANTASY XVI』に登場する召喚獣でお気に入りなものは何ですか? それぞれの理由もあわせてお答えください。

吉田氏:やはり最も印象に残っているのは「バハムート」です。敵を倒すというよりは、足場や惑星すら破壊しそうな演出に、めちゃくちゃシビれたことが思い出に残っています。『FINAL FANTASY XIV』で大きくフィーチャーしたのも、そういう理由からです。『FINAL FANTASY XVI』に登場する召喚獣のお気に入りはもちろんいますが、色々憶測を呼びそうなので、今はまだ伏せておきます。でも、どれもメチャクチャかっこいいですよ!

PS Blog:新トレーラー「DOMINANCE」では、本作の音楽が公開されました。祖堅正慶氏が『FINAL FANTASY XVI』のコンポーザーであることが明かされたところで、トレーラーの音楽に対する見識など何かしら共有いただけますか? トレーラーを通して聴くことのできた音楽は、今回のビートのためだけに制作されたのでしょうか? または、本編中で聴くことになる音楽のテーマやライトモチーフなどを含むのでしょうか?

吉田氏:まだすべての楽曲が完成したわけではありませんが、祖堅はいつもトレーラーのなかのフレーズを、とても大切にインゲームのサウンドにも生かそうとするコンポーザーです。ですので、きっとテーマもモチーフも、今回のトレーラーの楽曲に含まれていると思います。ぜひ祖堅にインタビューしてみてください。あ、もちろん、制作が落ち着いてからにしてくださいね。(笑)

PS Blog:前世代機では実現できなかったであろうことで、PS5だからこそもたらされたものはありますか?

性能アップによるグラフィックス表現のリッチさはもちろんですが、それ以上に超高速ローディングの仕組みは本当に素晴らしいと感じています。これにより、『FINAL FANTASY XVI』ではストーリーと演出、そしてリアルタイムバトルが、一切ロードナシに繋がり、圧倒的な速度でゲームが進行していきます。このジェットコースターのようなゲーム体験は、PS5の性能によって実現しています。

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