PlayStation®4用ソフトウェア『Behind the Frame 〜とっておきの景色を〜』は、ストーリー重視の謎解きゲーム。夢にひたむきな画家の女性が作品を完成させるまでの物語を綴った、ショートムービーのような作品だ。プレイヤーは画家の女性となり、直接筆をとって絵を完成させていく。部屋に飾られた絵が関係するさまざまな仕掛けを解き、どこかに置き忘れてしまった絵の具を探しながら作品づくりを進めよう。色とりどりの思い出はやがてひとつにつながり、キャンバスの向こう側にある懐かしい記憶を呼び覚ます。
キャンバスに秘められた思い出の欠片をつなぎ合わせて、人生という名の画廊をさかのぼる
【Prologue】
暖かな朝日に、軽やかな鳥のさえずり。
画家の彼女は今日も筆を手に、目の前のキャンバスに向き直る。
たまに休憩で筆を置く時も、窓の外の景色に目を向けるくらい。
そんないつもどおりの日々に訪れた小さなきっかけが、やがて波紋を広げていく。
迷子の猫、向かいに住む画家の老人、色褪せたメモ……。
それらは何の関係もないようで、それでいてどこか懐かしくて……。
CHECK POINT①
温もりを感じさせるセル画風アニメの世界を360度のパノラマで再現
本作をプレイして最初に感じたのは、セル画風アニメーションで描かれた世界の美しさ。プレイヤーとなる画家の女性が住む部屋は画家が筆で描いたようなタッチで表現されており、写実的なCGグラフィックスとは違った温もりを感じさせてくれる。
まさに一枚のアートのような風景ではあるものの、風になびくカーテンや窓の外に降り注ぐ雨などによって世界が息づいていることを表現。鳥のさえずりや雨音などの心地よい環境音も没入感を高めてくれるので、ヘッドホンをしてプレイすると、この美しい世界にどっぷりとひたることができるだろう。そしてこの部屋は立っている場所を中心に、360度自由に見渡すことができるのだ。
セル画時代におけるアニメの背景のようなグラフィックが、どこを見てもつなぎ目を感じさせずに広がっている様子はなんだか新鮮。周囲を見渡すと、キッチンやベッド、タンスや棚、古いラジカセやノートパソコンなどがあって生活感を感じさせるとともに、あちこちに飾られた絵や散乱した画具が画家の部屋であることを実感させてくれる。
もちろんオブジェクトを調べると、それに対するさまざまな反応を楽しむことができる。そうして触れ合うひとつひとつの作品から、キャンバスの向こう側に秘められた物語が少しずつ紐解かれていくことに。
女性はコンクールに出す作品を完成させるべく、缶詰作業を行なう覚悟を決めており、よほどのことがない限り部屋を出るつもりはない。そのため、物語は女性が住む部屋を中心に展開。ときにはコーヒーや軽食でひと息つくこともあるのだが、それらの用意はプレイヤー自らが実際に行なう必要がある。
フライパンで卵を焼き、食パンをトースターへ。そしてできあがったご飯をもぐもぐと食べ、コーヒーを淹れてキャンバスへと向かう。こうした何気ないルーティンを実際に行なうことも、この世界と物語への没入感を高めてくれるエッセンスとなっていた。
CHECK POINT②
隠された仕掛けを解いて絵の具を探し、筆をとって絵を仕上げよう
部屋にある絵や気になるものを調べると、女性はそこからアイデアがひらめくことがある。そうしたインスピレーションは、コンテストに出品するために制作している絵だけでなく、それまでに描いてきた絵に対しておよぶことも。プレイヤーは、スケッチや着色、描き足しなどを実際に行なって、さまざまな絵を完成させていく。
“実際に行なう”といっても、操作はとてもシンプル。スケッチは鉛筆を左アナログスティックやタッチパッドで動かして、スケッチブックをなぞるだけ。着色や描き足しも、筆に絵の具を付けて塗りたい場所をなぞるだけでOKだ。正しい色を正しい場所に塗る必要はあるものの、そのヒントはスケッチや飾られた絵などに記されている。絵心には自信がないという人も物語を進めることができるので、安心してほしい。
しかし、女性はさまざまな色の絵の具を、部屋のどこかに置き忘れている模様……。それらを見つけるためには、あちらこちらに配置された仕掛けを解かなくてはならない。
時間制限があるような忙しい仕掛けや、失敗したら取り返しがつかなくなるような仕掛けはないので、難易度は高くない印象だ。本作に流れるゆったりとした雰囲気にひたりながら、思考をめぐらせてみるのもまた楽しい。もちろん、仕掛けを解くためのヒントは部屋のどこかに隠されているので、じっくりと探してみよう。
CHECK POINT③
夢を目指す画家の物語を追体験。絵が呼び起こす秘められた記憶とは──
プレイヤーである画家の女性の目的は、コンクールに出品する作品を仕上げること。しかし、その過程で目にしたり完成させたりした絵にまつわる情報やエピソードが随所に挿入されると同時に、とある男女が出会い、そして仲よくなっていく様子が描かれる。
どうしてそんな情報が部屋にあるのかと、とまどいながらも女性はキャンバスに向かい合う。もちろんこれらに関してはプレイヤーにとっても最初は謎なのだが、物語を進めるにつれて少しずつ、そして丁寧に明かされていく。その過程にひきこまれること間違いなしだ。
隣に住む老人とその飼い猫。部屋に仕掛けられたたくさんの仕掛け。そして完成させた絵とそこに秘められた思い出……。さまざまな事象がひとつにつながり、物語を紡いでいく。
本作は冒頭で紹介したように、ショートムービーのようなストーリー重視の謎解きゲーム。プレイ時間もさほど長くなく、映画を見るような感覚で手軽に楽しめるのも魅力のひとつ。ぜひ実際にプレイして、キャンバスの向こう側に秘められた優しい物語の結末を見届けてほしい。
『Behind the Frame 〜とっておきの景色を〜』プレイ動画
Behind the Frame 〜とっておきの景色を〜
・発売元:AKUPARA GAMES
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:アドベンチャー
・配信日:好評配信中
・価格:ダウンロード版 販売価格 1,320円(税込)
・プレイ人数:1人
・レーティング:IARC 3+(3才以上対象)
※レーティングはIARC(the International Age Rating Coalition/国際年齢評価連合)の評価による年齢区分を表示しています。
※ダウンロード専用タイトル
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