ジョブとは何か
それでは最初に、「ファイナルファンタジー」シリーズに馴染みのない方々のために、ジョブとは何かをご説明します。
ジョブとは、バトルにおける役割のことです。ジョブによってバトル中に使えるアビリティ、武器、アクションが決まり、他のジョブに切り替えれば、また違った技を使うことができるようになります。
例えば、大剣士は、大剣による近接攻撃、そして黒魔道士は、遠距離攻撃に使用できる魔法を詠唱できます。
ゲーム内にはどのようなジョブがあるのでしょうか?
それではゲーム内で使えるジョブのいくつかを見てみましょう。
ヴォイドナイト
https://gfycat.com/greenblaringdromaeosaur
ヴォイドナイトは、敵の魔法攻撃を防いだ上で、それを利用するジョブです。この魔法攻撃をかわす能力は、全てのジョブの中でも最も優れたものです。魔法攻撃を吸収してMPに変えることも、自分の攻撃に変えてしまうこともできます。
賢者
https://gfycat.com/slowwellmadecub
賢者は比較的どのジョブとも相性のいいジョブです。賢者は、白魔法と黒魔法を切り替えられるので、戦い方の幅が広くなります。 また一定の条件を満たすと、究極魔法のアルテマの発動が可能となります。
タイラント
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有利な立場で戦闘を始めたい場合は、タイラントが一番です。このジョブは、あなたの武器に属性効果を付与でき、通常攻撃で敵の弱点を突き、耐性低下も引き起こします。
暗黒騎士
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HPを犠牲にして強力な攻撃を行うことができるジョブです。HPが低くなるとダメージが増加するアビリティがあり、攻撃力の面では全ジョブでも最上位です。効果的なHP管理ができる上級者向けの、ハイリスク・ハイリターンのジョブです。
パラディン
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戦いながらHPを回復できるジョブです。MPを消費しますが、攻撃がヒットするたびにHPを回復できる固有アクションがあります。HP最大時に、追加ダメージが発生するので、HPを高く保っておきましょう。
シーフ
https://gfycat.com/enchantingopulentgiantschnauzer
シーフは敵からインスタントアビリティを盗むことができるので、強力なアビリティを盗めば非常に有利になります。このジョブを育成することで、アイテムのドロップ率もアップし、さらに多くの武器や防具を入手することができます。
忍者
https://gfycat.com/enchantingopulentgiantschnauzer
忍者は、忍具を使うことでMPを消費することなく、相手を苦しめることができます。忍具の数は限られていますが、キューブで補充することができます。
ブレイカー
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今回、『STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN』で新しく登場し、これまでの「ファイナルファンタジー」シリーズにはなかったジョブもあります。ブレイカーがまさにその例です。
このジョブは「斬鉄剣」を使うことができます。これまでの「ファイナルファンタジー」シリーズの中で召喚獣のオーディンが持っていた刀です。ブレイカーの固有アクションでは、斬鉄剣を召喚して、敵をブレイクし、一撃必殺を狙います。
ジョブの中ではやや奇抜で、使い方が難しいこともありますが、非常に強力で、とても面白いジョブです。
ジョブはどのように選択されたか
我々がどのようにジョブや装備の選択を行ったのか、疑問に思う方もいるかもしれません。各ジョブに関する個々のアイディアはさまざまな機会、色々な方々から得られたものですが、出発点はどれも同じでした。それは武器です。
開発当初、このゲームに含めたい武器がどういうものか定義しました。そして、今度はその定義から、さまざまなタイプの武器をサポートするためにどのようなジョブやアクションを加えればよいかを決めていったのです。
例えば、まず槍があって、それからこの槍という武器を使ったジョブを考えたというわけです。「ファイナルファンタジー」で槍を使う者といったら、「FF」シリーズをご存知の方は竜騎士を想像するのではないかと思いますが、そこから、竜騎士はどんな技を持っているか、どのような動作が必要かなどを決めていきました。全体のコンセプトをしっかりと押さえられたら、「FF」シリーズを見渡して、本格的な「ファイナルファンタジー」感を出すために、このゲームのなかに組み込めるアクションやアビリティを探していきました。
原点をみつめて
竜騎士はほんの一例に過ぎませんが、ジョブの選択にあたってはふたつのアプローチを取りました。
まず、すでに「ファイナルファンタジー」シリーズに存在するジョブを選んで、それをよりアクション主体のものに作り変えました。例えば、「忍者」の場合、『ファイナルファンタジーIII』を見ながら、どの技がリアルタイムのアクションに変えられるかを考えたのです。シーフの場合は、全シリーズにまたがって登場するクラシックなジョブなので、その雰囲気を醸しながら、本作にもフィットするような技は何かを考えました。
できるだけそのジョブが登場したこれまでのタイトルの精神を受け継ごうとしましたが、やはりすべてを含めることはできませんでした。例えば、「侍」は『ファイナルファンタジーV』に登場するジョブで、刀を使って攻撃します。それ自体は本作にぴったり当てはまると思います。しかし同時に、『ファイナルファンタジーV』では、「銭投げ」という非常に独特な攻撃も持っています。侍というジョブを本作にいれることを考えたとき、プレイヤーが「銭投げ」をすることができなかったら、そもそもそれは「侍」と言えるのかについて開発内でも長い議論をしました。
最終的には、「銭投げ」はこのゲームの文脈には合致しませんでした。お金というのは、このゲームの要素のひとつとは言えないからです。ではどのように実装すればよいのかといろいろと検討しましたが、この技をアクションゲームにうまく組み入れることは非常に難しいことがわかり、断念しました。
なので、お分かりのように、往年のジョブのなかにはどうしてもうまく置き換えられなかったものもありますが、「ファイナルファンタジー」シリーズのなかのさまざまなジョブの精神と手法は出来る限り尊重したつもりです。
新しいもの
ジョブへのふたつ目のアプローチは、先ず特定のプレイスタイルを念頭に置き、そのコンセプトに結び付けられるのはどのジョブかを探るというものでした。
例えば、これまでの「ファイナルファンタジー」作品にあった召喚獣のオーディンにヒントを得て、一撃で敵をブレイクして倒すことができるというアイディアを考え付きました。
これをどう実現するかを考えた結果、ブレイカーという全く新しいジョブを一から作ることになりました。
お気に入りのジョブ
『STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN』には27種類という豊富なジョブがあるだけでなく、それぞれに独自のプレイスタイルとアビリティがあり、それらをマスターしなければなりません。これらのジョブを楽しく、しかも技術的にも充実したものにするのは大変でしたが、満足感いくものになったと思います。
制作が最も難しかったのは、ジャックの最初のジョブ「大剣士」だったと思います。これはプレイヤーが最初に使うジョブで、かつ全てのプレイヤーが使うものであるため、その動きから基本的な攻撃やアビリティにいたるまで、全てを徹底的に突き詰める必要があると考えていました。
実際のところ、昨年、体験版第1弾が配信される直前まで、常に調整を続けてきました。それでも、我々が間違っていないかどうか不安でしたが、ジャックとその仲間、アッシュとジェドが、それぞれ違った戦闘スタイルで戦っているのを見ると、自分たちがやろうとしていたことが達成できたなと感じました。私自信も使うのが本当に楽しく、チームのなかにもこのジョブが気に入っているメンバーが沢山います。
面白かったのは、Team NINJAの皆さんがどれを気に入っているかをきいたときのことです。最も人気があった武器は刀、そしてジョブは刀に紐づいている侍と忍者でした。まさしく、このTeam NINJAの皆さんらしい結果となりました!
また、開発チームのなかには、アクションゲームの経験がそれほどないメンバーもいます。そういう人は黒魔道士になって、前線での戦闘はNPCのパーティメンバーに任せています。
ゲームが発売されたら皆さんそれぞれお気に入りのジョブが見つかると思いますが、開発内でも幅広い意見があるので、選択肢の範囲と種類がいかに多いかがわかると思います。
『STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN』のジョブ解説をお楽しみいただけましたでしょうか。ゲーム本編には27のジョブがあります。その全てに、開発チームの努力が詰まっています(欲をいえば、もっと数を増やしたかったのですが、遅かれ、早かれ、どこかでゲームを発売しなければなりませんから!)
2022年3月18日(金)にこのゲームが発売されたら、全てのジョブを実際に体験いただけます。皆さんがそれをどのように使ってプレイされるのか、開発チームともども、私も楽しみにしております。
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