『FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster』がPS Nowで配信中! プロデューサー北瀬佳範氏がふたつのタイトルについて、開発段階の思い出を振り返ります!

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『FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster』がPS Nowで配信中! プロデューサー北瀬佳範氏がふたつのタイトルについて、開発段階の思い出を振り返ります!

『ファイナルファンタジーX』(以下:『FFX』)は「新しいことづくめ」のタイトルとなりました。

「FF」シリーズでは初めてフル3Dで構築したゲームでしたし、いくつか新たな種類の見せ方を採用し、バトルシステムも新しくしたり…対象機種も新しいハードでしたしね。そして、『ファイナルファンタジーX-2』(以下:『FFX-2』)という、ナンバリングタイトルでは初めての続編も生まれました。

『FFX-2』も『FFX』と同様に斬新さがあり、スタイル、トーン、構造などの点で「FF」シリーズの他の作品とは大きく異なっていました。

私は、『FFX』と、その続編でプロデューサーを務めました。HDリマスター版の『FFX』と『FFX-2』とがともにPlayStation™Nowでプレイできるということで、私にとって特別な存在であるこのふたつのタイトルを開発していた頃の思い出話をしようと思ったのです。

『ファイナルファンタジーX』

『FFX』は、PlayStation®2向けタイトルとしては、「FF」シリーズで初めてボイスを実装したタイトルでした。新しいハードで開発する際には、必ず困難がつきまとい、難しい決断をくだすことになりますが、『FFX』の場合もそうでした。

PS2

新しいグラフィックスを表現するために色数をとるか、解像度をとるか判断しなければなりませんでした。PS2といえどもスペックの限界があり、どちらかを選択しなければならないのです。

我々は鮮やかなスピラの世界を表現するために、当初は色数のメリットを選択しました。

しかしながら開発中に発売される他社のゲームなどの動向をみるに、次世代のゲームはより高解像度をファンが望むようだということが徐々にわかってきました。

結果的にマスター締め切りの半年前に、色数よりも高解像度に判断を変更しました。

それまでに作ったプログラムを大改造しなくてはならず、スケジュールのリスクがありましたが、優秀なプログラマとデザイナーが素晴らしい仕事をしてくれました。

結果的には高解像度の『FFX』が誕生し、次世代マシンらしい高精細なグラフィックが実現しました。

スピラの素晴らしい世界

新しいビジュアルスタイルもまた、困難だったことのひとつです。『FFX』では、「FF」シリーズで初めてワールドマップが実装されませんでした。その理由は、フル3Dで構築された世界であり、開発が高くついたからです。

ゲーム制作者はときとして肥大化する制作コストとゲームデザインのバランスを考え決断をしなければなりません。フル3Dとなった『FFX』にとって、ワールドマップを省いたあの形が一番現実的な解だったのです。

それまでの『FINAL FANTASY VII』や『FINAL FANTASY VIII』ではSFやスチームパンクの要素を色濃く出していたのでその反動もあり、アートディレクターの直良有祐氏は世界観にアジアンなテイストを入れるコンセプトを立てていました。それがスピラを作り出すインスピレーションとなったのです。

新しいバトルのプラン

『FFX』において従来の手法から脱却したのは、それだけではありません。バトルシステムも作り変えました。

その前の数作では、現実の時間でゲージがいっぱいになったら行動をとることができるというアクティブタイムバトル(ATB)が採用されていました。『FFX』を開発する際、我々は、それまでなかったほど戦略的な奥行きのあるバトルを生み出したいと考えました。

バトルのゲームデザイナーがフロントミッションのデザイナーと同じでストラテジーゲームを得意としていました。よって、より戦略性の高いバトルを追求した結果ターン制のバトルに戻ることになりました

また、キャラクター成長のシステムも変更し、スフィア盤を採用しました。スフィア盤で、次にどのアップグレードを行うか選択することにより、キャラクターの能力を手動で高めることができます。私自身が古くからのボードゲームの愛好者であり、ボードの上の駒を動かして埋めていくというアナログな感覚を再現したかったのです

声を聞かせること

新しい要素のなかで、私が個人的に思い入れの深かったのがボイスの実装でした。私が携わったひとつ前の作品が『FINAL FANTASY VIII』でしたが、前回のブログでもお話したように、『FINAL FANTASY VIII』はリアルなヴィジュアルとサウンドを実現しましたが唯一ボイスがないことが不満でした。このシーンにボイスが入っていたらさぞ感動するシーンになっただろうという思いが『FINAL FANTASY X』へボイスを導入するきっかけでした

もちろん、ボイスの収録は我々も初めての経験だったので、演出を作り上げていく過程が大変でした。今では各キャストが一人ひとり別々に録音ブースに入り、別々に収録するのが当たり前なのですが、当時は複数のキャストが一緒にスタジオに入り実際に掛け合いをすることで会話シーンをつくっていきました。

それによって初めてにもかかわらず自然な演技を引き出すことができたと思っています。

最後に

はっきり言って、『FFX』における達成については私も誇りを感じています。シナリオ、グラフィック、カメラワーク、サウンド、ボイス、モーションキャプチャーなど、「FINAL FANTASY」が目指してきたシネマティックな要素が理想形に達した記念碑的な作品だと考えています。

ここで完成されたスタイルがその後の「FF」の表現を決定づけたと思います。

そうしたタイトルのひとつが『FFX-2』です。

『FFX-2』

『FFX』ではスピラという異世界の構築に成功しました。その後、それら世界観とあのキャラクター達を1作で終わらせることなくもう少し広げたい、活躍させたいと思うようになりました。

そういうわけで、『FFX-2』という、ナンバリングタイトルでは初めての正統な続編が誕生したのです。「FINAL FANTASY」としては初めて「前作で平和になった後の世界」を描く物語となったので、いかに明るく軽快に描くのかがテーマとなりました。

前作との対比で、男女とか、親子とかの関係が関わらない、明るく軽快な物語にしたいと思いました。

カモメ団の3人

この軽快な雰囲気というのは、『FFX-2』の操作キャラクターにも表れています。「FF」シリーズのそれまでのタイトルとは異なり、『FFX-2』は女性だけのパーティーが登場します。ユウナ、リュック、そして、新登場のパインです。

「FINAL FANTASY」に限らず当時は多くのゲームが男性キャラクターが主人公になることが多かったので、より多くのプレイヤーに共感を得てもらうために力強い女性キャラクターとしてユウナが活躍する物語にしたかったのです。

そのトーンは、あのタイトルの構成によってさらに強まります。『FFX』がリニアなドラマの構成だったのとは異なり、『FFX-2』のクエストは好きな順序でプレイすることができます。そのバラエティさを増すために、タイトル内で遊べるミニゲームの数も増やしました。

開発するのが大変だった想い出があるのはスフィアブレイク、戦略的に深みのあるコインゲームです。あるゲームデザイナーが、プログラムも含めて、ひとりですべて完成させたのです。

強い印象を与えるドレス

バトルの話に戻りますが、『FFX-2』ではATBシステムの新しいバージョンに移行しました。

攻撃のタイミングをプレイヤーが決め、連続技や効果の大きい攻撃をくり出すことができます。前作のシステムをどうして変更したのか…と思われるかもしれません。それは、バトルのゲームデザイナーが替わったからです。

『FFX』のアシスタントゲームデザイナーが担当になり、前作とは違うシステムでやりたいということになりました。

新しいシステムで大きな要素となったのがドレスフィアでした。バトル中、パーティーメンバーがシームレスなかたちで役割を入れ替えることができます。例えば、破壊力のあるガンナーから回復能力のある白魔導士に変わったり、シーフになったりするなど、バトルの最中でもいろいろなオプションがあります。そのひとつひとつに華やかなドレスアップが用意されています。

このようなシステムには、前作である『FFX』のストーリーの結果生まれた部分もあります。『FFX-2』では前作で召喚獣がこの世界からいなくなってしまった設定だったので、あのドレスアップというのは、プレイヤーが期待するダイナミックな演出を、召喚獣に代わる派手なVFX演出として実現するための方法だったのです。

ドレスフィアのアニメーションについては、日本では昔から子ども向けの番組で変身ヒーロー(ヒロイン)というジャンルのTV番組がありましたので、それを参考にしました。放送されるごとに、衣装がダイナミックな演出で変化するというのが醍醐味であったので、それらにインスピレーションを得ました。

タイトルの意味

意外に思われるかもしれませんが、『FFX-2』を開発する上で最も困難だったのは、どのようなタイトルにするかでした。ナンバリングのタイトルに続編があるというのが前代未聞だったので、「X-2」を提案した時は、「『FINAL FANTASY XII』と間違われてしまう」と、最初は会社に却下されたものです。もちろん、今では定着しています。

結局、『FFX-2』は、他の「FF」タイトルよりも多様性の高い作品であることが分かりました。軽快でポップな演出が「FF」シリーズのなかではかなり異質だった面があるかもしれません。

でも、私はそのような既成概念を壊すチャレンジが「FF」の魅力だと思っています。『FFX-2』は、そのことの良い例だと言えるでしょう。


『FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster』は、PS Nowでダウンロード可能です。


FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster

・発売元:スクウェア・エニックス
・フォーマット:PlayStation®4
・ジャンル:RPG
・配信期間:2021年12月7日(火) ~ 終了日未定
・プレイ人数:1人
・CERO:C(15才以上対象)

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