【PS VR】『Paper Beast』プレイレビュー! 紙の生き物と助け合いながら神秘の世界を旅するパズルアドベンチャー

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【PS VR】『Paper Beast』プレイレビュー! 紙の生き物と助け合いながら神秘の世界を旅するパズルアドベンチャー

PlayStation®VR専用タイトル『Paper Beast(ペーパービースト)』は、フランスのインディースタジオであるPixel Reef(ピクセル・リーフ)が開発・販売するパズルアドベンチャーゲーム。クリエイティブディレクターを務めるのは、アクションアドベンチャーゲームの先駆け的存在『アウターワールド』を生み出したエリック・シャイ氏だ。

本作は「Play At Home」イニシアチブのコンテンツとして、3月26日(金)正午から4月23日(金)正午までの期間、無料でダウンロードできる。

紙や金属の動植物が生息する奇妙な世界を、手探りで探索

ゲームの冒頭、プレイヤーはコンピュータのバーチャル空間で、ある演算シミュレーションにアクセスしている。しかし、シミュレーションの正しいプロセスなのかエラーなのか定かではないが、突如として視界が暗くなり、気がつくと周囲を赤い幕に覆われた狭い空間に降り立っていた。幕を引きはがすと、そこは荒涼とした砂漠地帯にポツンと置かれた檻の中。囚われているのだろうかと考えていると、突如として檻が動き出し──紙のような材質でできた骨格だけの巨大な動物が現れた! 檻だと思っていたのは動物の足で、こちらを一瞥するとノシノシと去っていく。

……どういうこと!?

唐突な展開の連続に理解が追いつかないが、どうやら不思議世界の探索がスタートしたようだ。

なぜここにいるのか。あの奇妙な動物は何なのか。これから何をすればいいのか。説明らしい説明はない。というより、そもそも本作にはテキストやボイスによる説明がない。そのため、この奇妙な世界にひとり放り込まれた疑問や不安を感じ続けることになり、「何をすればいいのか」も明確でないから探索は常に手探り。このあたりはプレイヤーを選ぶゲームと言えるかもしれないが、非現実的な冒険の雰囲気を味わうなら最高の世界だ。

旅の途中では、ある動物が砂の上に文字を書く場面がある。示された言葉は「THIS IS NOT A SIMULATION」。演算シミュレーションをしていたはずが、よくわからない世界で「これはシミュレーションではない」と伝えられる意味とは……?

生き物たちの生態と大自然の反応で謎を解く

本作の冒険はチャプターで区切られており、プレイヤーはチャプターごとのゴールに到達することでゲームを進めていく。

操作はワイヤレスコントローラー(DUALSHOCK®4)のほか、PlayStation®Move モーションコントローラーにも対応(2本必要)。移動はいわゆるワープ方式だ。また、ポインターで指定した生き物や自然物をつかんで動かすことができ、これでゴールまでの道を見つけ出していく。ただし、大きくて重いものや一部の場面では持ち上げられない。

生態系を観察すれば進むべき道筋が見えてくる

この世界には、我々が知っている現実と似ているようで全く異なる生態系が出来上がっている。動物たちが草をついばんだり子どもを守ろうとしたり、あるいは特定の何かに引き寄せられる本能や習性のようなものも見られる。また、ほかの動物を狩って捕食する、弱肉強食の摂理もあるようだ。

言葉による説明がない代わりに、こうした生態系がゴールへ向かうためのヒントになっている。もちろん、ひと目見て正解とわかることは極めて稀なので、移動する動物のあとについていったり、風の吹く方へ進んでみたり、何かしらの動きを観察し、干渉して反応を試し、そこから想像して感じ取っていくことになる。

例えば、ある丘では動物たちがツルツルの斜面に足を取られている場面に出くわす。何度転げ落ちようと登り直そうとする彼らを助けたいという思いで周囲を見回すと、フンコロガシのように砂玉をせっせと作っている別の動物がいる。この砂玉を拝借して斜面に叩きつけると、ツルツルだった足場が砂の摩擦によって踏ん張りが利くように。これを繰り返すことで頂上にたどり着いた動物たちが、ゴールを作りだしてくれた。

また別の場面では、やはり動物たちが丘を越えようとしているが、今度は吹き荒れる強風の前に悪戦苦闘中。紙でできた軽い体は簡単に吹き飛ばされてしまい、どうしても丘を越えることができないでいる。

その一方で、強風をものともせず丘の頂上を歩く虫の親子がいる。彼らの体は重い金属でできているので、強風に耐えられるようだ。さらに、近くに生えている植物を引っこ抜くと、ロープのように使えそうだ。軽い動物と重い虫をロープでつなげてやると、強風にあおられながらも吹き飛ばされることはなくなった。

ただ、このままでは虫の巣穴に連れていかれるだけで、動物たちの行きたい場所にはたどりつけない。そこで虫の子どもを持ち上げて親から離してみると、子どもを守ろうとする本能が働くのか、虫の進路が変わって子どもを追いかけようとする。あとは風が当たらない場所まで誘導してから、ロープを外せばいい。

パズルゲームとは呼びたくない、神秘的な旅の体験

ふたつの例からもわかるように、自然環境と生き物たちの生態を組み合わせてゴールに到達することが、本作のゲームプレイとしての基本となる。こう聞くと「なるほど、自然と動物がギミックのパズルゲームか」と思うかもしれないし、本作のジャンルは「パズルアドベンチャー」と呼ばれている。しかし、この世界を旅した個人的な思いとしては、パズルやギミックという言葉は使いたくない。

その理由のひとつは、生き物たちの反応があまりに本能的で自然だったから。紙の動物がひたすらに坂の向こうへ行きたかったのも、子どもを取り上げられた親虫が追いかけたのも、それは生態や本能に従ったからであり、彼らにとってパズルの正解に付き合ったつもりはないだろう。私自身もこの世界を旅するうちに、「ゴールを探す」というよりも「どうすれば彼らを手助けできるか」という気持ちに変わっていった。

生き物たちはいつだってマイペースで、パズルゲームらしからぬ反応を見せる。こちらが正解の手順を踏んでいたとして、急にスピードを上げたり喜んだりすることはない。滑る斜面に砂をまいたときも、風にあおられながらも重い虫に引っ張られているときも、ゆっくりと少しずつ進んでいく様子を見守るだけだ。もちろん、一般的なパズルゲームでよく見かける、爽快感を促すようなエフェクトもない。

ゴールに到達する達成感はあるけれど、パズルに正解した気持ち良さより、自然の神秘を見届けられたという思いのほうが強い。

動物たちの生き生きとした動きやダイナミックな自然の変化に目を奪われる

本作を語るうえで、物理エンジンによる動きの表現も欠かせない。生き物の動きには物理シミュレーションが適用されており、機械的なぎこちなさがなく、実際に筋肉や骨で動いているように見える。骨格だけの風変わりな姿で表情も読み取ることはできないが、その動きはとても自然で愛情がわいてくるから不思議だ。

また、水が流れる表現にはぜひ注目してほしい。旅の途中では砂を積んで水の流れを変える場面がいくつかあるが、ダムのように堰を作り大量の水が流れる様子は圧巻! あまりのダイナミックさに、過剰に大きなダムを作りたくなってしまうほどだ。

サンドボックスモードで神のように世界を創造

本作にはアドベンチャーモードのほかにサンドボックスモードがあり、地形や生き物を配置して自分だけの世界を創造することができる。巨大なダムを作って水の動きを眺めるのも、サンドボックスモードなら簡単で自由だ。

配置可能な動植物の種類はアドベンチャーモードを進めることで増えていき、なかにはアドベンチャーモード内で隠しアイテムを発見してアンロックするものもある。

なお、動植物や特定の効果のある自然物はエンティティ(実体)と呼ばれ、サンドボックスモードではエンティティの名前や特徴をテキストで確認できる。アドベンチャーモードで初めて見て、いろいろと試したことでなんとなく理解したつもりでいたが、紹介テキストでようやくわかる習性があるのも面白い。

THIS IS NOT A SIMULATION──これはシミュレーションではなく、まさに体験だ。

『Paper Beast』プレイ動画
※記事内のプレイ動画に追加シーンを加えたものです。


Paper Beast

・発売元:PIXEL REEF
・フォーマット:PlayStation®4
・ジャンル:パズルアドベンチャーゲーム
・発売日:好評発売中
・価格:ダウンロード版 販売価格 3,080円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:A(全年齢対象)

※PlayStation VR専用
※PlayStation Move モーションコントローラー対応(2本必要)
※ダウンロード専用タイトル


PS.Blogの『Paper Beast』記事はこちら


『Paper Beast』公式サイトはこちら(海外サイト)

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