本日12月10日(木)に発売となったオープンワールドRPG『サイバーパンク2077』。プレイヤーをストーリーにひき込む、重厚な物語演出を得意とするCD PROJEKT REDの最新作として、世界中から大きな期待を向けられています。
特集第1回では、本作の世界観や登場キャラクターといった、物語&設定面を中心に取り上げました。第2回では、よりゲーム内容にフォーカスして、本作の魅力を解説していきます。数多の“選択”によって生まれる、プレイヤーごとに異なる展開やプレイスタイル。それを実現するために用意された、さまざまな要素に迫ります。
能力値、スキル、パークの選択が、Vの得手不得手を決定づける!
プレイヤーごとに異なる体験ができる豊富なカスタマイズ要素こそ『サイバーパンク2077』の特徴であり、醍醐味。そしてそのカスタマイズ性は、キャラクターメイキングの時点からすでに始まっています。
キャラクターメイキングでは、主人公であるV(ヴィー)の性別や外見、前回紹介した「ライフパス」の選択などを行なうことができます。しかし、ゲームにもっとも関連するのは「能力値」の決定です。5つの能力値にポイントを割り振ることで、自分のVの長所や短所を定めていくことができます。
能力値の一覧
肉体
物理的な力 (体力、スタミナ、集弾性、肉弾戦におけるダメージに影響)
反応
敏捷さ (クリティカル率、攻撃速度、回避力に影響)
知力
知性や記憶力 (ハッキングの難易度、プログラムのアップロード時間、メモリ容量に影響)
技術
技術的な適正 (防御力、クラフトに必要な素材の収集力に影響)
意志
自制心や意志力 (ステルス能力、クリティカル時のダメージ、耐性に影響)
ポイントは、どれかに特化するも、バランスよく割り振るもプレイヤーの自由。自らの分身であるVはいったいどのような存在なのか……? 遊びたいプレイスタイルを考えて役立ちそうな能力値を上げたり、Vの人となりを空想してイメージに合った能力値を上げたり、どんなアプローチでも構いません。
Vは、戦闘や仕事で経験値を得ることでレベルが上昇していきます。レベルが上がるごとに能力値ポイントを獲得でき、能力値をさらに伸ばしていくことが可能となります。初期状態からさらに長所を伸ばすのか、短所を補うような能力値に育て上げるのか。Vの育成方針でも、プレイヤーによる差が生まれるでしょう。
また、能力値は上記の行動だけでなく、「スキル」や「パーク」といった要素にも関連していきます。スキルは特定の行動における習熟度を表しており、例えばカタナを用いた近接戦闘を行なうことで「ブレード」のスキルレベルが上昇していく……といったように、対応する行動をとることによってレベルが上昇していきます。スキルレベルが上がるごとに報酬が用意されていますが、紐づいた能力値の値までしか上昇しません。つまり、カタナのスキルレベル10の報酬が欲しければ、紐づいた能力値である「反応」の値が10以上必要になる、ということです。
パークは、スキルカテゴリーごとに用意された特殊能力のことで、レベルアップ時に獲得できるパークポイントを消費して習得していきます。ツリー形式になっているため、強力なパークは前提条件として別のパークを先に習得しておかねばならなかったり、習得に必要な能力値が高く設定されていたりするものもあります。どのパークを習得するかによってVが得意とするプレイスタイルがガラッと変わるため、悩みがいのある要素です。
なお、Vのレベルは上限なしに上がり続けるわけではなく、レベル50が最大値となります。つまり、能力値ポイントもパークポイントも有限だということ。すべての能力値を最大まで上げ、全パークを習得した完全無欠のVは作れません。本作において、プレイヤーそれぞれに独自の体験を与えるための“選択の重要性”は、キャラクターを作成や育成の面にも表れていると言えるでしょう。
Vの戦闘スタイルは? 理想の闘いかたを求めて装備品をチョイスせよ!
Vの強さを決定づけるのは能力値だけではありません。ゲームを通して手に入る武器や防具はもちろん、肉体に置き換えて使用する「サイバーウェア」や、ハッキングに関わる「クイックハック」など、さまざまな装備品が傭兵としての能力に影響します。
武器ひとつとっても無数の種類が存在しますが、大きく「パワー」「スマート」「テック」、そして「近接武器」の4つに分けることができます。単純に使うだけであればどんな育て方をしたVでも問題なく使用できるものの、相応の能力値やパーク、サイバーウェアによってバックアップすることで、より効果的に扱うことができるようになります。
武器の種類
パワー
火薬によって弾を射出する従来の武器。シンプルで信頼性が高く、安価なことが多い。
スマート
推進機構を備えた弾を射出できるタイプの銃で、いわば超小型のミサイルランチャー。スマートリンクにより自動的に目標をロックオンするため、エイムの必要がない。弾自身に推進機構が備わっているため、銃身を長く取る必要がなく、放熱管理も容易。
テック
銃身の周りに磁石を配置し、電磁力を使って弾を高速で射出する携行兵器。防具や防壁を貫通する。テック弾の薬莢は三角柱で、銃身から射出されると焼失する。またホロサイトが標準装備されている。
近接武器
カタナやハンマーなど、接近戦用の武器。当然、攻撃するには敵に近づかなければならないが、サイバーウェアなどで強化された際の一撃は、弾丸にも引けは取らない。
サイバーパンク2077 — [日本語吹替版] 破壊の道具
武器は店から買ったり、敵が落としたものを拾ったりと、入手方法もいくつか存在。同じ名前の武器であっても性能が異なるほか、カスタマイズパーツを装着して、より手に馴染ませることもできます。いらない武器は解体して素材にし、新たな武器を自力で組み上げることも可能。数多に存在する武器から、自分に合ったものを見つけ出すこともまた、本作における“選択”と言えます。
ちなみに、防具にも性能は存在します。大きく外見に影響する要素でもあるため、性能を取るか見た目を取るかはなかなかに悩みどころ。衣服の種類もかなり豊富なので、外見を重視するプレイヤーにとっては、さらに頭を悩ませるかもしれません。
肉体を機械に置き換えるサイバーウェアは、まさにサイバーパンク世界ならではのカスタマイズ要素。筋肉や骨、臓器を機械化することで能力を向上させたりできるほか、腕に武器を仕込んだり、脚を改造してより高く跳躍できるようにしたりと、さまざまな部分を強化可能です。
サイバーウェアに換装できる部分には限りがあるほか、手には手のサイバーウェア、脚には脚のサイバーウェアというように装備できるものは決まっているため、ここでも必然的に装着するサイバーウェアを取捨選択することになります。サイバーウェアは、リパードクと呼ばれるサイバーウェア専門の医者のもとへ行けば交換が可能。仕事に応じて付け替えたり、試してみて合わなければ変更したりすることもできます。
ハッキングを駆使して進めたいプレイヤーにとっては、クイックハックも重要な要素。行なえるハッキングの種類は「サイバーデッキ」と呼ばれるハッキング用のスロットにセットしたクイックハック(ハッキングの効果を決める装備品)によって決まります。
使用するサイバーデッキの性能によって、セットできるクイックハックの数や、同時に行なえるハッキングの数も変化するため、ハッキングを多用したいプレイヤーにとっては重視したい項目。一方で、ハッキングをあまり行なわないのであれば、サイバーデッキの代わりに身体能力を向上させるインプラントをセットするという選択肢もあり、ここでもプレイヤーの個性を反映させることが可能となっています。
どのように攻略するか、依頼達成までの道筋はプレイヤー自身が導き出せ!
ナイトシティで生きる傭兵が請け負う仕事のほとんどは危険なもの。ですがどうやって目標を達成するかはプレイヤーに委ねられています。基本的には目標の達成手段は複数用意されており、情報を集めることでよりラクに、場合によっては交渉で解決できるかもしれません。相手のスキを縫うように行動して人知れずに目標を達成したり、強引に力でねじ伏せたりもできます。
選べるのは手段だけではありません。例えば建物への侵入が必要な際、どこから入り込むのか。見張りをその場から排除したいとき、後ろから迫って殺害または気絶させるのか、クイックハックを使って別の場所に誘導するのか、方法は多彩です。
クイックハックによるハッキングは、戦闘にもステルスにも役立ちます。サイバーデッキやセットしたクイックハックに応じて使えるハッキング内容は変化しますが、機械を誤作動させたり、監視カメラを停止させたりといった基本的な機能は備えているものが多く、特に隠密性を重視するプレイでは役に立つ場面は多いでしょう。
敵の銃を弾詰まりさせたり、ウイルスを流し込んだりサイバーウェアを発熱させたりして直接ダメージを与えるクイックハックも存在します。なかには敵を自爆させるような強力なものもありますが、効果の高いクイックハックは相応のサイバーデッキ容量や使用条件を持っているため、うまく扱うにはそれ用に“身体を調整”する必要があるかもしれません。
なお、クイックハックは無制限に連続で行なえるものではなく、「RAM」と呼ばれる数値を消費して行ないます。RAMは時間ごとに回復していきますが、その回復速度やRAMの大きさはサイバーデッキやパークなどによって変動するため、性能のよいサイバーデッキを装備しているほうが、より多くのクイックハックを同時に展開できることになります。
サイバーデッキの性能と、そこに装備するクイックハックの種類によってプレイスタイルは大きく変わります。もちろん、パークの習得によってさらにクイックハックの性能や使いやすさも向上させられるため、ほぼすべてをハッキングで突破できる傭兵“ネットランナー”になりきってプレイするのも面白いかもしれません。
何を選び、何を得るのか。先行きがわからないからこそ楽しめる選択の妙!
ナイトシティならではの危険さや、アンダーグラウンドな雰囲気は、会話シーンであってもヒリつくような空気をプレイヤーに感じさせます。そんな世界観に裏打ちされた重厚な会話が無数に楽しめるのも、本作の魅力のひとつ。そして会話は単純に物語を進めるだけのシーンではありません。プレイヤーに選択を迫ることも多く、そこでどんな返答をしたか、あるいはどのような行動を取ったかによって、その後の展開が変化していきます。
なお会話の選択肢は、選んだライフパスやVの能力値によって増えることがあります。例えば、ライフパスでストリートキッドを選んでいた場合、ギャングに関する話題が持ち上がったときに独自の答えを選べるかもしれません。これは、ナイトシティの路地で育ったVが、これまでの生活でギャングたちの事情に詳しくなっていることを表現しています。また「肉体」の能力値が高ければ、相手から情報を引き出そうとする際に、腕力で無理やり口を割らせることができるかもしれません。
こういったライフパスや能力値を生かした選択肢があることで、自分のVの個性がより強調され、そのプレイヤー個人の物語として形作られていきます。
そして会話には、まれに選択肢を選ぶための制限時間が設けられているものも。この場合は“答えない”ということもひとつの選択になり得ます。咄嗟に物事を判断しなければならないため、もっともよいと思われる選択を行なえないこともあるかもしれません。しかしその緊張感も、自分だけの体験を物語ることにひと役買っていると言えるでしょう。
プレイヤーの行動しだいで無数に展開が様変わりする本作において、選んだ選択肢の先に何が待ち受けているのかはわかりません。だからこそ、自分の答えを自分で選び、その後の展開を受け入れていく……そんな遊びかたができるのも、本作の魅力なのです。
他人の記憶にダイブし、情報収集を行なうブレインダンス
退廃極まるナイトシティにおいて新たな娯楽となっているのが、「ブレインダンス(BD)」というエンターテインメント。他人の記憶を読み込むことで、まるで自分がその物事を体験しているかのように味わえるメディアです。闇市場では、裏BDと呼ばれる“過激な体験”が売買されており、その体験を作るために殺人や誘拐、拷問などを行なう集団がいるほど。プレイヤーは一般人と同じようにBDを楽しむことはできませんが、仕事の調査のためにBDを使って情報を集めるシーンが登場します。
BDとして記録された映像を俯瞰視点で見ることによって、その瞬間、その場にあった物や音から情報を収集することができます。調べられるのはBDの記録者の視界内にあるものや、聞こえる範囲の音などに限られるため、映像を進めたり戻したりしながら周囲を探索していくことになります。
アングルや再生速度を変更しつつ情報収集していく過程はパズルゲーム的で面白く、かつ重要な情報以外にもフレーバー的な話を聞けることもあり、世界観の把握には重要な要素です。
プレイヤーが選択した行動がしっかり反映されるように、膨大なパターンの物語展開を作り上げている。これが『サイバーパンク2077』最大の特徴であり、魅力です。そして、心をつかんで離さないようなストーリーや演出は、まるで自分がVを通してこの世界に降り立ったかのような錯覚を覚えるほど。選択の多様性と究極の没入感の相互作用が本作を唯一無二の“ロールプレイング”作品に仕上げているといっても過言ではありません。ぜひ、その身でナイトシティの空気を味わってください。
サイバーパンク2077
・発売元:スパイク・チュンソフト/CD PROJEKT RED
・フォーマット:PlayStation 4 / PlayStation 5
・ジャンル:オープンワールドRPG
・発売日:PS4 好評発売中
PS5 未定
・価格:PS4 パッケージ版 通常版 希望小売価格 7,980円+税
PS4 ダウンロード版 販売価格 8,778円(税込)
PS5 未定
・プレイ人数:1人
・CERO:Z(18才以上のみ対象)
※ダウンロード版ご購入の際のご注意
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スパイク・チュンソフトの『サイバーパンク2077』公式サイトはこちら
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