No.1野球ゲームとして名高い｢パワフルプロ野球｣シリーズ。対戦プレイやオリジナル選手育成など、さまざまなアプローチで野球を楽しめる多彩なゲームモードがそろっていることは、間違いなく｢パワプロ｣人気を支える理由のひとつだ。

7月9日(木)に発売されるシリーズ最新作『eBASEBALLパワフルプロ野球2020』もその例に漏れず、多種多様なゲームモードを搭載。ユーザーはそのなかから、自分の好みに合ったゲームモードをチョイスして、とことん野球を楽しめる。

特集第2回では、本作の主要なゲームモードを総まとめ。そのなかでもとくにユーザー人気の高い｢サクセス｣と｢栄冠ナイン｣について、電撃PS編集部が詳しく解説していく。

本作に収録されているゲームモードは、以下の写真を見てわかるとおり、非常にバラエティに富んだラインナップになっている。まずは主要12モードの概要から説明しよう。

[マイライフ]

ひとりのプロ野球選手となり、練習や試合はもちろん、趣味や人付き合い、結婚生活など、その人生のすべてを味わい尽くすモード。初期能力を設定した新人選手でプレイする｢プロ野球人生編｣、実在のプロ野球選手を選んでプレイする｢憧れ現役選手編｣、ほかの選手育成モードで育て上げたオリジナル選手でプレイする｢オリジナル選手編｣が選択できる。プレイの最大年数は30年。VRモード対応。

[ペナント]

プロ野球12球団や、所属選手をアレンジしたオリジナルチームで、長いペナントレースを戦っていくモード。試合は自分で操作もできるが、スキップして結果を見守ることもできる。選手やコーチ陣の編成、新戦力の獲得など、球団経営的な楽しみ方も可能だ。プレイ年数は最大30年。VRモード対応。

[対戦]

プロ野球12球団や、所属選手をアレンジしたオリジナルチームで、COMやほかのプレイヤーを相手にした試合に挑む。最大4人での協力対戦が可能な｢みんなで｣に加え、ひとりの選手の攻守のみ操作する｢なりきり｣プレイや、選手に指示を出して戦う｢監督試合｣、COM同士の試合の｢観戦｣も可能だ。VRモード対応。

[東京2020オリンピック]

日本代表チームを率いて、世界の強豪国のナショナルチームを相手にした大会に挑む新モード。日本代表チーム全体を操作する｢チームチャレンジ｣、選手ひとりとなってプレイする｢選手チャレンジ｣のどちらかを選び、最大4人で協力して挑戦できる。

[チャンピオンシップ]

ネットワークに接続して、全国のプレイヤーを相手にしたオンライン対戦に挑む。公式大会も定期的に開催される予定。

[LIVEシナリオ]

今年のプロ野球ペナントレースで催される全試合の、ターニングポイントとなった場面をシナリオ化。プレイヤーはそのシチュエーションをゲームで体験できる。勝敗がどちらに傾くかは、プレイヤーの腕しだいだ。シナリオは試合が終了した数時間後に配信される。

[栄冠ナイン]

高校野球部の監督となって、1チームまるごと育成していくモード。詳細は後述。

[サクセス]

ストーリーを楽しみながら、オリジナル選手を育てていくモード。詳細は後述。

[パワフェス]

歴代｢サクセス｣に登場したキャラクターやチームが一堂に会して、トーナメント戦に挑む。試合に勝つごとに、相手チームの選手やマネージャーを仲間にして、チームの底上げが可能。また、自チームの主人公は試合で得られるポイントを消費して能力を強化でき、オリジナル選手としても登録できる。

[大会]

最大8人が参加できる大会を開催する。リーグ戦、トーナメント戦、東京2020オリンピックの3つから大会の形式を選択可能。オフライン専用なので、大勢の友達と一緒に遊ぶときにピッタリだ。

[ホームランアタック]

打撃の飛距離によるスコアで勝敗を競うモード。ひとり用なら｢スコアアタック｣、ふたり以上なら｢ホームランバトル｣で勝負しよう。｢スコアアタック｣では、全国のプレイヤーとオンラインランキングで腕比べすることもできる。VR対応。

[パワアリーナ]

各モードのプレイ状況の確認に加えて、条件達成による報酬を獲得できる。オンライン用の｢パワアリーナランキング｣では、各モードを題材にしたイベントが期間限定で開催され、その期間中の成果に応じた報酬が獲得可能。｢チャレンジ｣では、積み重ねてきたプレイ状況に応じた報酬が得られる。

キャンパスライフを楽しみながら主人公を育てる｢サクセス｣

本作の｢サクセス｣は、大学野球を舞台にした3本のシナリオが用意されている。どのシナリオでも、主人公はプロ入りを夢見る大学野球部員。基本的には練習や試合で経験点と呼ばれるポイントを稼ぎ、それを使って主人公を育てていく。

システムのベースは前作『実況パワフルプロ野球2018』のものを踏襲。ただし、タウンマップから移動場所を選んでイベントを起こす｢おでかけ｣はなくなり、アルバイトとデート用のコマンドになった。どちらもシナリオの早い段階から選択できる。

｢おでかけ｣コマンドからアルバイトをしてお金を稼げば、ショップで育成に役立つアイテムが購入可能。彼女候補の女の子とデートに行けば、やる気や体力が回復したり、特殊能力を覚えられることも！　名選手を育てるには、キャンパスライフの充実も重要だ。

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ちなみに彼女候補は、明るく切り替えの早い稲穂亜希(いなほ あき)、クールビューティーな新体操選手のカリーナ・スリムスカヤ、中二病風ミイラのラミィ、引っ込み思案なアイドルオタクの越垣玲(こえがき れい)など。彼女たちのイベントにも注目したい。

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チームメイトをはじめとするキャラクターたちとの交流も重要な要素。チームメイトと一緒に練習すれば経験点が大量に獲得できるだけでなく、相手も成長して、チームの強さを底上げできる。特殊能力や経験点がもらえるイベントも豊富だ。

ときには世界的名医(？)のダイジョーブ博士に遭遇し、ハイリスクハイリターンな手術を受けることも……。しかし、結果はすべて、プレイヤーの選択しだい。名選手を育てられるかどうかは、“運”に左右されることもままある。

また｢サクセス｣のシナリオは、3本ごとに特徴的なストーリーやチームメイト、育成システムが用意されている。以下では各シナリオの詳細に迫ろう。

自然豊かな環境がカギをにぎるパワフル農業大学

緑の山々に囲まれたパワフル農業大学は、景色も校風も牧歌的。野球部員たちもマイペースに野球を楽しんでいたが、プロ入りを目指す主人公は｢もっと上手くなりたい！｣と努力を重ね、チームメイトにも真剣になってほしいと願っていた。

野球部の女性監督・織河(おがわ)めぐるは、校風そのままのマイペース主義。面倒見はいいが優柔不断な和良比春紀(わらび はるき)、老け顔で言葉遣いも古風な木枯華吹(こがらし かぶき)、遊びたい盛りの子どもそのままな玉根夏喜(たまね なつき)といったチームメイトも、実力はあるものの、野球への熱意は普通のようだ。

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そんな状況に苦労する主人公の助けとなるのが、このシナリオならではの期間限定練習。春夏秋冬の時期ごとに出現するこの練習は、ほかの練習よりも獲得経験点が多めで、育成に大いに役立つ。

もうひとつのシステムが、作物の育成と収穫。主要キャラクターが作物の種を持っているときに一緒に練習をすると、練習メニューの畑に自動で種をまく。その練習メニューを再度行なえば、自動で水やりをして作物が育ち、ある程度の期間が経ったら収穫可能となる。

収穫の際は、経験点獲得や体力回復など、作物の種類に応じた効果が得られる。ただし、作物には収穫できる季節が決まっており、その季節を過ぎると枯れてしまうため、注意が必要だ。

スポンサーへのアピールが重要となる提供国際大学

第2シナリオの提供国際大学編は、数多くのスポンサーがバックにおり、野球部にも多額の資金が注ぎ込まれている大学。だが、その恵まれた環境ゆえ、部員たちはハングリー精神に欠け、野球に真剣に打ち込めない者ばかりだった。そこに実力主義を主張する新監督が現れ、部内の競争が激化するのだった。

新監督のアンドレ・カネダシアは、野球の実力がある者にのみ、スポンサーのサポートを受けさせると宣言。この主張をすんなり受け入れたのは、海外からの留学生で実力も高い3人だった。強気な倹約家の王大買(わん だーまい)、強面で堂々としているがピンチに弱いバーリス・ロセオ、オタク趣味で石油王の息子のジューユ・アル・タマール。彼らは野球部の激しい競争のなかで頭角を現していく。

アンドレ監督は、部員の実力を図るために、定期的に1打席勝負を開催。そこで好成績を上げればスポンサーがつき、練習器材の強化などのメリットが得られる。また、試合にもスポンサーが見学に来訪。彼らの前で活躍できれば、育成効率はさらに上がる。野球アクションの腕に自信があるなら、このシステムを利用しない手はないだろう。

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エジプト大学ではピラミッド建造と古代の魔術で野球が上達!?

第3シナリオのエジプト大学編では、古代エジプトの王とその配下が現代にタイムスリップ！　彼らがもとの時代に戻るには、タイムスリップで壊れたピラミッドを再建する必要があるという。主人公たちは古代エジプトの魔術で野球の腕を上げてもらう代わりに、彼らのピラミッド建造に手を貸すのだった。

古代エジプトのファラオ(王)・ホールスアン4世と、その配下であるネコっぽいニャプテトと巨漢のヌウビス、さらには魔術師のセティーヌが現代に出現。彼らは野球に興味を持ち、ピラミッド再建に努力するかたわら、チームメイトとして練習や試合に出てくれる。

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このシナリオでは、練習がピラミッド建造にまるまる置き換わっている。獲得経験点の配分も、通常の練習メニューと少々違っているので注意したい。また、建造を行なった際は、“建造度”というパラメータが上昇。これを100％にすることも、シナリオのクリア条件になっている。

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1カ月ごとにセティーヌが魔術を使い、獲得経験点に影響を及ぼすのもこのシナリオの特徴。魔術効果はプラスに働く場合もあれば、その逆もある。ピラミッドの建造度が上昇すれば、より効果の高い魔術を使ってくれる可能性も高くなるようだ。

各シナリオの育成システムは、まさに三者三様。どれも上手に利用すれば、名選手育成に役立つことは間違いなしだ。好みのシナリオをプレイして、自分の理想とするオリジナル選手を育て上げよう。ちなみに、一度見たイベントが記録されるアルバム機能もあり。アルバムのコンプリートを目指すのも｢サクセス｣の楽しみといえる。

より快適なプレイを実現した｢栄冠ナイン｣

｢サクセス｣と並ぶ人気を誇る｢栄冠ナイン｣。このモードでは、高校野球部の監督となり、練習や試合の指示を出すことで選手たちを育てていく。野球アクションの腕はまったく必要なく、育成の手腕と監督としての采配が重要になる、高校野球シミュレーションとして好評を博している。

｢栄冠ナイン｣では、数字と全体練習メニューなどが書かれた進行アイコンを選び、日程を進めていく。それに加えて、選手の個別練習のメニューや試合でのオーダー、選手起用の方針など、さまざまなことが設定可能だ。

このモードのプレイ年数に制限はなく、夏の大会で敗北すれば3年生は引退するが、次の4月には新1年生が加入。最初は弱小野球部でも、何年も年月を重ねていくことで、甲子園にも出場可能な名門野球部への下地を作っていける。また、各世代の活躍の記録はスクラップブックに残されていくので、それを見返すのも楽しみのひとつだ。なお、新入部員は入部前に調査し、スカウトすることも可能。この方法で優秀な人材を部に迎え入れよう。

試合は基本的にオートで進行するが、ピンチやチャンスのタイミングでは、戦術アイコンを選んで選手に指示を出す。守備時には伝令を送って、投手やチームの能力を強化することも可能だ。結果は選手たちの能力にもよるが、最適な戦術を選べるかで監督としての手腕が問われる。

本作からは、戦術アイコンの効果や影響する能力をリストで確認できるように。戦術アイコンは、レベルを示す数字が大きいほど効果も高まるが、とくに強力な“6”以上を出すための条件もリストで見られる。戦術を選ぶ際の参考にしたい。

もともと評価の高かった｢栄冠ナイン｣だが、戦術アイコンの解説リストの追加など、全体的にかゆいところに手が届く仕様に改善されている。｢栄冠ナイン｣ファンはもちろん、未プレイの人でも快適にプレイできること間違いなしだ。

以上、本作の主要モードについて解説した。発売日当日に配信予定となる第3回は、担当ライターによるインプレッションを掲載予定。本作の購入を迷っているという人は、ぜひ読んで参考にしてほしい！

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