いま絶対遊びたい! インディーズゲーム セレクション【第3回】──クリエイターの独創性が光る個性派ゲーム!

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いま絶対遊びたい! インディーズゲーム セレクション【第3回】──クリエイターの独創性が光る個性派ゲーム!

「インディーズゲームは数が多すぎて、どれを選んでいいかわからない」「実際にプレイした感想を知りたい」──そんなあなたのために、いま絶対に遊んでおきたいゲームを厳選レビュー! 2019年~2020年5月までに発売されたPlayStation®4のインディーズゲームの中から、オススメのゲーム15本をテーマ別にレビュー! (全3回連載)

【第3回】クリエイター魂が炸裂! 強烈な個性を放つゲームをプレイしよう!

第3回のテーマは「個性派インディーズゲーム」。そもそもインディーズゲームは、クリエイターの尖った個性がそのまま形になった作品が多い。その中でも、特に発想がユニークなゲーム、エッジの効いたゲームはこれだ!

どこを切り取ってもフォトジェニックなアクションアドベンチャー『GRIS』に目を奪われ、クリエイター・高橋慶太氏が手掛ける『Wattam [ワッタン]』では、童心に返って思わず笑顔に。新聞記事を作って世論を誘導する『ヘッドライナー:ノヴィニュース』、怪しげなSFミステリー・テレビシリーズを彷彿とさせる『Trüberbrook (トルバーブルック)』、クリエイターの趣味嗜好が色濃く反映された高難度アクションRPG『Kings of Lorn: イブリスの滅亡』も、独創性にあふれている。“濃い”タイトルがそろっているので、ひとたびハマればもう抜け出せない!


GRIS

ドレスをはためかせ、幻想美あふれる色鮮やかな世界へ

辛い経験から逃れるため、自分自身の世界に迷い込んでしまったGris。深い悲しみの中、彼女は不思議なドレスをまとい、幻想的な世界を旅していく──。『GRIS』は、全6章の物語をアクションと謎解きによって進めるアドベンチャーゲーム。モノトーンだった世界は、章が進むにつれて赤、緑、青と少しずつ色を取り戻していく。セリフは一切ないが、鮮烈なビジュアルや詩情豊かな音楽により、ドラマティックな体験を味わうことができる。

最初は移動とジャンプしかできないGrisだが、ステージが進むにつれてアクションのバリエーションも増えていく。上空からドスンと飛び降りて岩を砕けるようになったり、二段ジャンプを習得したりできるうえ、時にはかわいい相棒の力を借りて旅を進めることも。複数のアクションを組み合わせ、ステージ上の仕掛けを解く楽しみも味わえる。指示やヒントはないが、その場にあるものをじっくり見れば解ける難易度なので、ゲーム初心者でもエンディングにたどりつけるはずだ。その一方で、ステージ上に隠された光を集めるやり込み要素もあり、ちょっとした歯ごたえを感じさせてくれる。

どのシーンを切り取っても”映える”芸術性の高いアートワーク

スクリーンショットを見てのとおり、このゲーム最大の特長はアートワーク。朽ちた塔、鬱蒼とした森など水彩画のようなグラフィックはどこを切り取ってもため息が出るほど美しく、つい手を休めて見入ってしまうほど。平面的な横スクロールアクションだが、時にはGrisに寄り、時にはグッと引いて背景を際立たせるなど、カメラワークも冴えている。しかも、高所から落ちてもGrisが命を落とすことはなく、敵にやられることもない。何をしてもゲームオーバーにならないため、没入感が途切れることなく幻想的な世界にじっくり浸ることができる。

クリアまで4、5時間とコンパクトなボリュームだが、ステージが変わるごとにまったく異なる景色を楽しめるため、知らない世界を旅したような充足感を味わえるのもうれしい。マントをはためかせて色鮮やかな世界を駆けまわっていると、ほんのひと時現実を忘れ、心が遠くへ羽ばたいていく。異国を旅するような新鮮な驚き、短編映画を観たような余韻を味わえる、満足度の高い作品だ。

【こんな人におすすめ!】

●アーティスティックな幻想世界に触れたい人
●どこか遠くへ旅に出たい人

・発売元:GHI Media LLC,(Devolver Digital)
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:アクション
・発売日:好評配信中 (2019年12月12日)
・価格:ダウンロード版 販売価格 1,780円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:A(全年齢対象)

『GRIS』について詳しくはこちら

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Wattam [ワッタン]

ひとりぼっちの世界に友達がどんどん増えていく異色のアドベンチャー

『塊魂』や『のびのびBOY』を生み出した高橋慶太氏の新作は、笑いと驚きにあふれたアドベンチャーゲーム。タイトルは、日本語の「輪」「和」(wa)と、タミル語の「丸」や「円」(vattam)を合わせた造語。その名のとおり、みんなで手をつないで輪になり、つながる喜びやそれぞれの個性を楽しむゲームになっている。

始まりは、町長がひとりで寂しくたたずむシーンから。悲しみに暮れる彼は、ふと石や岩の存在に気づく。彼らと仲良くなると、今度は花やどんぐりが現われ、どんぐりを植えると大きな木に育ち……と、どんどん友達が増えていくことに。かと思えば口が現れ、肉やリンゴを食べてうんちを出し、そのうんちを流すためにトイレがやってきて……というシュールな展開も。町長が帽子を取るとマジックボムがドカンと爆発し、草木もうんちもキャッキャと大笑い! プレイヤーも、気づけば笑顔になっているはずだ。

走って、笑って、うんちになって。童心に返って駆け回ろう

次に何をすれば良いのか目的は示されるものの、遊び方は自由。ストーリーを進めずにうんちを量産するもよし、友達の上によじのぼってタワーを作るもよし、どれだけ多くの友達と輪になれるかチャレンジするもよし。気の向くまま遊んだほうが、新たな発見や驚きに出会えるだろう。

次から次へと新しいキャラクターが登場するが、彼ら全員を操作できるのもうれしいポイントだ。町長がマジックボムを使えるのと同じように、独自の特技を持つキャラクターも存在する。しかも草花やフォーク、電話、目や鼻にいたるまで全員に名前があり、それぞれ性格が違うのも面白い。コレクション画面では、彼らの誕生日や血液型(Rhプラスかマイナスかまで!)、プロフィールを確認できるので、キャラクターが本当の友達のように思えてくる。

『Wattam』を「こんなゲームです」とひと言で説明するのは、実に難しい。ただひとつ言えるのは、童心に返って無邪気に遊べるということ。原っぱを駆けまわるだけで不思議とテンションが上がり、意味もなく笑い声をあげていたあの頃。友達の動きが面白くて、「もう1回!」と何度もねだってしまうあの感じ。お子さんがいる人は親子いっしょに、ひとりで遊ぶ人は難しいことは考えず、子どもに返って遊んでほしい。

【こんな人におすすめ!】

●子どもに返って、思いっきり野原を駆けまわりたい人
●型にはまらない、まったく新しいゲームを遊びたい人

・発売元:Annapurna Interactive
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:アドベンチャー/ファミリー
・発売日:好評配信中 (2019年12月18日)
・価格:ダウンロード版 販売価格 2,420円(税込)
・プレイ人数:1~2人
・CERO:A(全年齢対象)

『Wattam [ワッタン]』について詳しくはこちら

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ヘッドライナー:ノヴィニュース

あなたは新聞社の編集長。世論を誘導して理想の世界を目指せ!

本作は繰り返しプレイできる短編アドベンチャーゲーム。プレイヤーは政情不安定な国「ノヴィスタン」で発行される唯一の新聞「ノヴィニュース」の編集長となり、国民の世論をつくりあげていく。プレイヤーのデスクには、記者たちから日々送られてくるさまざまなニュース記事が……。それらを読んで採用するかボツにするかを決定し、新聞を完成させよう。

健康保険の国営化を支持する記事を載せれば国民皆保険制度の導入につながり、医療費の増大と質の低下を招くかも。ある飲料会社がつくった合成アルコール飲料を糾弾する? しかしその会社は新聞社の重要なスポンサーだ。政府を批判することや、フェイクニュースを垂れ流す「ノヴィニュース」自体を非難することだってできる。

はっきりとしているのは、どんな記事を載せるにしても、それらの選択はプレイヤーの周囲にいる人たちや世界に影響をおよぼすということだ。新聞社のボスや同僚記者、心に病を持つ兄、帰りがけに立ち寄る商店の店主。彼らには独自のストーリーがあり、プレイヤーが世の中を変えることでさまざまな結末を迎える。14日間の編集長業務の果てに、「ノヴィスタン」と世界はどのように変化しているのだろうか?

エンディングに正解はなし。世界を変える怖さと愉悦を味わえる

最初のプレイでは政府を強烈に支持し、少しでも批判的な要素がある記事は不採用。さらに、黒い噂は絶えないがスポンサーに考慮して合成アルコール飲料を徹底的に持ち上げるという、政府やスポンサーの太鼓持ちとして記事を選んでみた。すると、タカ派である首相の立場が強まり、隣国との関係は悪化。兄は合成アルコール飲料に依存してしまう。後味の悪い結末ではあるが、「おそらくそうなるだろうな」と予想していた通りの結末。むしろ、狙ったとおりに世界を動かせたことに、驚きと恐怖、そして興奮を覚えてしまった。

どんな記事を載せるか、周囲の人々にどう対応するかで展開が変わる本作は、さまざまなエンディングが待ち受けている。1周のプレイ時間はさほど長くないため繰り返し遊びやすいのもポイントで、自分の選択が世界や人々をどのように変えていくのかを見届けるのが醍醐味だ。周回プレイをこなすうちに新しいキャラクターが増えていき、物語がさらに深みを増していく構成も面白い!

【こんな人におすすめ!】

●短時間でサクッと物語を楽しみたいアドベンチャーゲームファン
●世論を動かし世界を変えるという非日常を楽しみたい人

・発売元:コーラス・ワールドワイド
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:アドベンチャー
・発売日:好評発売中 (2019年12月12日)
・価格:パッケージ版 希望小売価格 3,980円+税
    ダウンロード版 販売価格 1,600円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:B(12才以上対象)

『ヘッドライナー:ノヴィニュース』について詳しくはこちら

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Trüberbrook (トルバーブルック)

うらぶれた山間の村で、若き物理学者が見るものは?

アメリカ生まれの若き物理学者ハンス・タンハウザーが、1960年代後半の西ドイツ辺境の村で体験する不思議な冒険を描いたSFミステリーアドベンチャーゲーム。主人公のタンハウザーは、買った覚えのない旅行クジが当たり、そびえる山々と美しい湖に囲まれた風光明媚な保養地であるトルバーブルック村を訪れる。オフシーズンのため観光客もほとんどいない村の宿に泊まった初日、彼は書きかけだった論文の原稿を亡霊のような何者かに盗まれてしまう。それをきっかけにタンハウザーはさまざまな人物と出会い、村に秘められた謎に迫っていく。

奪われた論文に端を発する謎多きストーリーに加え、特筆すべきなのがリアルな質感を備えたグラフィックスタイルだ。この独特な映像は、登場するすべてのオブジェクトのミニチュアを手作業で制作し、3Dモデルとして取り込んでゲーム内に使用する手法で実現されたもの。セピアがかった色調に彩られた村や、不気味な療養所、山中に隠された遺跡など、それぞれの場の空気の違いが画面からリアルに感じられる。また過去の様々な名作SFミステリー・テレビシリーズからもインスピレーションを受けており、各所でそれらの雰囲気を感じ取れるのもポイントだ。

気になる場所を素早くチェックできるシステムで物語に集中!

ゲームシステムは、タンハウザーを左スティックで移動させ、気になる場所を見つけたら右スティックでカーソルを合わせて調べ、情報やアイテムを入手しながら物語を進めていく「ポイント・アンド・クリック」方式を採用している。映像の質感が高いためにどこを調べるか迷ってしまいそうだが、L1ボタンを押すことで何かがあるポイントをわかりやすく示す機能があり、調べるべき場所を見落とすこともない。また、アイテム選択も対応した場所を調べた際に自動的に使えるアイテムが候補として表示され、ストレスなく物語を進めることができる。

気になるストーリーは実際に遊んで確かめてもらうとして、注目したいのが主人公をはじめとした登場人物たちの個性だ。何かあれば懐からテープレコーダーを出して感想を録音する几帳面なタンハウザーや、ゲルマン人の調査で村を訪れていたアクティブな女性学者のグレッチェンなど、誰もがひとクセある性格であることが風貌やしぐさ、交わされる会話からも伝わってくる。不気味な論文泥棒の足取りを追っていたタンハウザーが、こうした人々とのやり取りを通じ、いつの間にか世界を揺るがす陰謀に巻き込まれていく驚きの展開に注目してほしい。

【こんな人におすすめ!】

●シンプルなシステムと個性的な舞台設定を求めるアドベンチャーゲームファン
●ちょっとオカルティックな雰囲気の海外製SFミステリードラマが好きな人

・発売元:Beep Japan
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:ポイント・アンド・クリック・アドベンチャー
・発売日:好評発売中 (2019年10月24日)
・価格:パッケージ版 希望小売価格 3,636円+税
    ダウンロード版 販売価格 3,500円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:B(12才以上対象)

『Trüberbrook (トルバーブルック)』について詳しくはこちら

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Kings of Lorn: イブリスの滅亡

亡国の王・ファレンとなり、世界を救う戦いに挑む!

『Demon’s Souls』の成功から始まった、難易度高めのアクションRPGの復興。本作もそうした流れをくむダークでシリアスな高難易度のアクションRPGだ。主人公はイブリスの王ファレン。恐るべき疫病に襲われた世界を救う方法を求めた彼は、摂政のガルブランドの言葉に従い、世界に点在する力を秘めた塔を解放する大業を成し遂げるが、最後の塔を解放した際に世界が天変地異に見舞われてしまう。実はガルブランドは、イブリス王国と、この世のものではない力を得るためにファレンを騙したのだ……というのが、本作のバックストーリーだ。

オープニングで変わり果てた王国に戻ったファレンはガルブランドと再会するが、あえなく倒され怪物が徘徊するダンジョンに捕らわれてしまう。プレイヤーは意識を取り戻したファレンを操り、ガルブランドのさらなる悪行から世界を救うためにダンジョンを脱出し、宿敵との再戦を求めて王国を探索していく。使用言語は字幕、音声とも英語のみだが、もともとチュートリアル要素もほとんどないスパルタなゲーム進行で、謎とき要素もごくシンプル。あえて言うならPlayStation®の名作『キングスフィールド』を彷彿とさせるような、過酷な冒険を体験できる。

たったひとりで死地を乗り越える達成感がたまらない

ゲームの開始直後は武器をすべて奪われた無手の状態。武器は基本的に特定の場所に落ちているものを手に入れるか、ボスなどを倒して入手する仕組みだ。さらに所持できるアイテムは基本的に武器しかなく、全体マップの表示機能もなし。最大HPの上昇もマップの特定の場所で拾えるアイテム頼り、回復アイテムを持ち歩くこともできないという徹底した「甘くなさ」が、本作のゲームプレイの大きな特徴だ。そのぶん探索は緊張感にあふれ、聴覚や視覚を頼りに近づいてくる敵はザコであっても決して油断できない。しっかり一掃するまで一時たりとも気が抜けないプレイが続く。

しかし、その難しさに理不尽さをほとんど感じさせないのが本作の魅力。マップを隅々まで探索して武器を手に入れ、敵やシチュエーションに応じて武器を切り替えながら戦い抜いていくのはかなりの手応えを感じられる。また武器の中で弓やボウガンが強力なのもリアルな印象で、炎を連発するドラゴンを数発の矢で倒せたときは爽快そのものだ。序盤は武器の種類も限られるが、先に進むにつれて両手剣や斧、遠距離攻撃ができる魔法の杖などバリエーション豊かな武器が手に入り、自分なりの有利な戦法を編み出すのも楽しい。歯ごたえのあるゲームを求める人は、本作に挑戦してみよう!

【こんな人におすすめ!】

●自分だけの力で緊張感に満ちた冒険とアクションを楽しみたい人
●シーンに応じて有効な武器を使い分ける戦略的なバトルを求める人

・発売元:TeamKill Media LLC
・フォーマット:PlayStation 4
・ジャンル:ホラー/アクション
・発売日:好評配信中 (2020年2月20日)
・価格:ダウンロード版 販売価格 6,820円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:D(17才以上対象)

『Kings of Lorn: イブリスの滅亡』について詳しくはこちら(海外サイト)

『Kings of Lorn: イブリスの滅亡』をPS Storeで購入する

Copyright 2019 Nomada Studio. All Rights Reserved.

© 2019 Funomena, Inc. Published by Annapurna Interactive under exclusive license. All rights reserved.

Headliner:NoviNews ©2019 Developed by Unbound Creations. Published by Chorus Worldwide Games, all rights reserved.

Trüberbrook is developed by btf and Headup GmbH, and published by Beep Japan Inc. Copyright © 2017 – 2019 btf GmbH

©TEAMKILL MEDIA LLC 2020 – ALL RIGHTS RESERVED

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