マイナーリーグ奮闘編① 「好きな球団(とこ)で、生きていく......のはほんの一部のエリート様だけ」【「イッシーのメジャー地獄道」 『MLB 15 THE SHOW(英語版)』プレイレポート#3】

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マイナーリーグ奮闘編① 「好きな球団(とこ)で、生きていく......のはほんの一部のエリート様だけ」【「イッシーのメジャー地獄道」 『MLB 15 THE SHOW(英語版)』プレイレポート#3】

PSブログ読者の皆さま、こんにちは。
メジャーリーグ大好きなJAPANスタジオの『MLB 15 THE SHOW(英語版)』担当”イッシー”こと石立です。

たいへんご無沙汰しております。気がつけば夏どころかワールドシリーズも終わり、ストーブリーグ(※)の季節がやってきてしまいました。(2015年の頂点を勝ち取ったカンザスシティのみなさん、おめでとうございます。)

プレイレポート、前回から、思ったより時間があいてしまいましたね(※)。ええ。頭の中で考えるのは楽しいんですけどねえ、本当に。実際に手を動かすって大変(※)だなあ。

同じようにゲームも実際にプレイしてみて味わえる楽しさってあるはず! だから、気になったゲームがあったら、(以下略)!

それでは、さっそく始めてまいりましょう!

第3回 マイナーリーグ奮闘編① 
「好きな球団(とこ)で、生きていく……のはほんの一部のエリート様だけ」

前々回前回は、2年間の大学生活を経て、ダルビッシュ有投手も所属する「テキサス・レンジャース」からドラフト指名されたところまでをお届けしました。

今回はいよいよ、ハンバーガーリーグ(※)ことマイナーリーグ(※)での活躍とメジャーリーグへの昇格をお届けいたします。ここからは試合数が多くなってまいりますので、順次スキップしながらハイライトだけをお届けしましょう。

春季キャンプの天国と地獄

さて、本来のMLBなら、契約締結時期やさまざまな要件によって選手のデビュー時期は異なる。だが、多くの選手は翌年の春季キャンプ(Spring Training)からチームに合流するので、本作では、すべてのプレイヤーが春季キャンプ後半、日本でいうオープン戦開始時期に入団するシステムとなっている。

とはいえ、球団に加わっても、そこは実力の世界。ドラフト指名順位が低いと、一試合も出してもらえなかったり、(打者の場合)守備固めや代走で出されて何もできないうちに試合が終わってしまったりという悲劇(※)もありうるのだ。だが、Daisuke Ishidate投手(以下、イシダテ投手)はなんといってもドラフト一巡目指名の大物、春季キャンプでもレギュラー並の出場機会がもらえた。たいていの球団はいまのチームに足りない守備位置や役割をドラフトで獲得しようとする(※)ので、当然ではあるが。

▲覚えていますか? これが主人公のDaisuke Ishidate(イシダテ)選手。背番号は「14(イッシー)」。球種は「スプリット」、「遅いストレート」、「とても遅いストレート」の3種だ。

イシダテ投手は、キャンプでも絶好調。とくに序盤は他チームもメジャー昇格ラインぎりぎりの新人を出場させてくるので、ほぼパーフェクト。3回しか投げなくていい(※)のでスタミナも問題ない。たまに失投を打たれても外野フライどまり。ははは。俺様はドラフト一巡目だっつーの。いくら有望新人とはいえ、ショーケースで抑えたやつらに毛が生えた程度の貴様らになど、打たれるはずがないわ!

まさに、わが世の春である。

ところが、キャンプ後半、本物のメジャーリーガーたちが出てくるようになると様相が一変する。

「あっ、失投しちゃった」→本塁打。これである。

さらに、本塁打を打たれて自信がなくなった球種を次打者にまたも痛打され、その球種への自信を完全に失う。

3種類しか球種のないイシダテ投手にとって、1種類が使えなくなることは、ジャンケンでグーとチョキしか出せなくなったのに等しい。結果的にすべての球種を打たれて自信はボロボロ。もはや投げられる球がない。あわててマウンドへやってきたコーチに涙目で交代を訴えるも、続投(※)。(なんでや!)

結局1回に6点以上取られ、泣きながら降板したのだった。

その後の登板でも、最初の回こそなんとか抑えるものの、2回、3回のどちらかに被弾してそのままノックアウトというパターンを繰り返すイシダテ投手。最後の登板のみ、なんとか無失点に抑えて開幕メジャーへの望みをたくしたのだが……。

▲開幕時の画面。あれ……知ってるチーム名がないぞ。

当然のAA(3軍)スタートであった。

【春季キャンプでトレーニング】——————————————————————

春季キャンプでも試合での活躍に応じてトレーニングポイントが与えられる。さらにキャンプ終了時にもまとまったポイントがもらえるので、忘れずに使用して能力をアップしておこう。

ちなみに、能力が高くなるほど、能力値を「1」上げるために必要となるトレーニングポイントが増える。逆にいうと、最初のうちは能力値が低いから、少ないトレーニングポイントでもそれなりに成長できるのだ。春季キャンプは受験でいう夏休み。ここで努力してライバルに差をつけよう!

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鮮烈なマイナーデビュー

テキサス・レンジャース傘下のAA球団フリスコ・ラフライダーズ所属となったイシダテ投手。サンフランシスコの通称である「フリスコ」と勘違いして、「おっ都会じゃん。ラッキー」と思ったのも束の間、サンフランシスコではなくテキサス州フリスコの球団と聞いてガッカリ。

球団職員「さあ、荷物をまとめて出発してくれ!」

イシダテ「すみません。ひとつ質問が」

球団職員「なんだ?」

イシダテ「……フリスコってどこですか?(※)

地方都市フリスコでは、球場サイズも給料もメジャー球団に比べてだいぶ控えめである。

「こんな、GameStop(※)もないようなクソ田舎都市、すぐに脱出してやる!」

人口数百万人クラスの都会しか知らなかったイシダテ投手がそう思ったとしても誰が責められよう。

だが、地元のシーズン開幕戦。いずれメジャー間違いなしと言われる逸材を見ようと、控えめサイズの球場を埋めつくしたフリスコ市民は、そんなイシダテ投手にも暖かい声援を送ってくれた。(開幕直後で、チームが負けてないから(※)だが)。この、フリスコの人々の声援がイシダテ投手の心を大きく動かした。

▲フリスコ・ラフライダーズの本拠地。日本でフリスコと同じ人口11万人の都市は、東京の昭島市や大阪の河内長野市。そう考えるとけっこう立派な球場だといえる。芝もかなり綺麗だ。

「いままでのオレは、メジャーにこだわるあまり、まわりを見ていなかったのかもしれない。これからは、自分のプレーを見に来てくれるフリスコのみんなのために頑張ろう。メジャーがなんだ! オレはフリスコ市民とラフライダーズのために投げるぞ! フリスコは第二の故郷だ!」

心を入れ替えたイシダテ投手は、7回を無失点、被安打4、奪三振9に押さえて完封リレーに貢献し、その試合のベストプレーヤーに選ばれる活躍で、鮮烈な本拠地デビューを飾ったのだった。

▲試合終了時のシーン。なんとなくベンチのムードが暗いようにも見えるが、1-0で勝利している。コーチに肩を叩かれているのがイシダテ投手。「お疲れ。よくやったな」というシーンだ。決して引退勧告ではない

▲毎試合終了後に、ベースボールカードで有名なTOPPSが試合ごとのMVPを選んでくれる(日本でいうヒーローインタビューのようなシーンもあり)。何シーズンもプレーすると慣れてしまうが、最初のころは本気で嬉しい。

心を入れ替えたイシダテ投手はその後も順調に勝ち星を重ね、6月前半時点で5勝、防御率は2.21(※)となかなかの成績をあげていた。

▲こちらは最初の3試合を終えた時点での成績。能力ではダルビッシュの足元にも及ばないが、AA選手としてはイシダテの成績も大したものだ。

すると、ある日の試合終了後(※)――。

AA監督「おめでとう。AAAのラウンドロック・エクスプレスへ昇格だ」

イシダテ「え?」

AA監督「さあ、すぐに出発してくれ!」

イシダテ「すみません。ひとつ質問が」

AA監督「なんだ?」

イシダテ「……ラウンドロック(※)って、どこですか?」

こうしてわずか3カ月で第二の故郷フリスコに別れを告げることとなったイシダテ投手。突然の昇格に戸惑うイシダテは、はたしてAAAで通用するのか?

待て、次回!

(今度こそ、すぐさま次回をお届けしますよ! ぜった……多分!)


【どうしても昇格できないあなたへ】————————————————————–

ドラフト上位で指名された場合、普通にプレイしていればだいたい6月から8月、遅くとも9月にはAAAへ昇格できるはずです。昇格できないままマイナーでの実績を積み重ねるのも楽しいものですが、(特にドラフト下位指名の場合、雑草魂がさらに鍛えられます)どうしても昇格したいという場合には、次の方法を試してみてください。

①設定をいじる
「OPTIONS」から変更できる設定をプレイしやすいものに変更します。

特に、打撃や投球がうまくできないという場合、「自分にとってちょうどよい難しさ」で、「プレイしていて楽しい」打撃・投球方法や難易度を選んでみてはどうでしょう?

打撃なら、最初は「Directional」で直球と変化球のタイミングを覚え、それから「Pure Analog」や「Zone」を試してみると、比較的かんたんに打てるようになります。

投球の場合も、最初は「Classic」で配球を学んでから、「Pulse」でタイミング合わせをしてみて、それが物足りなくなったら「Meter」や「Pure Analog」へ移行すると、スムースに操作を身につけられると思います。

本作にはガチなベースボール・シムの側面もありますが、なにより楽しむためのゲームです。最初の設定が難しいと思ったら、楽しく遊べる操作方法や難易度を選んでみてください。

②「Stubs」でトレーニングポイントを”買う”
Road To The Show(RTTS)モードでは、試合で活躍してトレーニングポイントを貯め、ポイントを使って選手を強化してさらに活躍する、というのが基本的な流れです。

ですが、初めてプレイする場合などには、どうしても試合で活躍できず、なかなかポイントを貯められないこともあるもの。そんなときは、トレーニングポイントを”買う”という手もあります。

本作では、ゲームをプレイするたびに「Stubs」というゲーム内通貨がもらえます。そして、キャラクターの能力強化に必要なトレーニングポイントはこの「Stubs」で”買う”ことができるのです。

しばらくマイナーリーグでプレーしたあとなら、たまった「Stubs」でポイントを購入して選手を強化すれば、多少はキャラクターの成長を早められるはずです。

③道具を身につけて能力を増強する
これはPS4®版限定になってしまいますが、ゲームをプレイすることでもらえるさまざまなカードの中に、道具(Equipment)のカードがあります。

この道具カードを身につける(*)ことで選手の能力をアップできるのです。

カード出現はランダムなので道具カードが出ない場合もありますが、上述のStubsを使って、コミュニティーマーケット(Community Market)で好きな道具カードを”買う”こともできます。

*RTTSモードのホーム画面右下にある「Equip」で装備可能。

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解説&豆知識

ストーブリーグ……公式戦がすべて終了した後の、トレードやフリーエージェント(自由契約選手。一定試合数以上出場したので好きな契約を選べるようになった人。もしくは、「もうお前いらん」と放りだされた人)の獲得で各チームが来季の戦力を整える時期。公式戦開催期間中よりも妄想がはかどるため、ストーブリーグの方が盛り上がるという人もいるという。英語だと、「Hot Stove (League)」というらしいです。

思ったより時間があいてしまいました……前回が7月17日ですからほぼ5カ月ぶり! ハイハイしていた子が立ち上がるくらいの長い時間です。なんでこんなにかかったかというと、単に書くことに不慣れだったから。頭の中にある考えを文字として打ち出してゆく作業は楽しいのですが、他の作業の合間にやるのは、当初の予想よりはるかに大変でした。あとは、レポートを書くためのプレイ時間が取れなかった。正直、今回このプレイレポートが再開したのも、『MLB 15 THE SHOW』のニコ生で宣伝担当のいわっちにサプライズ公開誓約させられたからというのが9割9分くらいあります。でも、おかげで再び書きだすことができました。あのときは「ホント勘弁してくれ」って思ったけど、ありがとう。もはや、解説でも豆知識でもないですね、これ。

実際に手を動かすって大変……いやあ、『俺屍2』の制作日誌を書いていた「日誌」くんはえらいなあ、と思いました。隔週で40回くらい、のべ2年以上書いていますからね。実は、このプレイレポートを書こうと思ったのも『俺屍2』の制作日誌が面白かったことがきっかけのひとつなのでした。そういえば、なんか最終回っぽい日誌が上がっていたみたいですが……。向こうは一年ぶりの更新か。これは私の方が勤勉(マメ)ってことでよろしいですかな?

ハンバーガーリーグ……アメリカでの北米マイナーリーグの俗称……らしいですが、英語のMLB記事では見かけないんですよね。どういうことなんでしょう。マイナーリーグは給料が安くてハンバーガーしか食べられないことが由来だそうです。実際に、元MLBの田口壮選手のコラムなどを読むと待遇の差は本当に大きいようです。最近のドラフト上位選手は契約金で1億円以上もらう人もけっこういますが、そんな人でもマイナーリーグではバナナ1本とサンドイッチ1切れの食事を与えられたりするのだとか。一方メジャーはいつでも料理が食べ放題。そりゃ、マイナー落ちさせられて激怒する選手(最近だとイチローの同僚であるマーリンズのマスセル・オズーナ選手とか)も出てくるよなあ。

マイナーリーグ……メジャー球団と育成契約などの契約を結び、メジャー球団が獲得した若手選手を育成したり、故障選手を調整したりする下位リーグ。実際のマイナーリーグにはたくさんの階層があるが、『MLB 15 THE SHOW』に出てくるのは、上位の2リーグ(AAA、AA)のみ。だいたいAA以上で活躍すると、メジャーへ呼ばれる。(まれに、もっと下位のリーグから一気にメジャー入りする選手もいます)。略称はMiLB。

何もできないうちに終わってしまったりという悲劇……これを何度か味わうとドラフト上位の選手に対して「けっ、エリート様には負けねえぞ」とつい毒づくなど、悪い意味での雑草魂が身につく。いやー、リアル。……それとも、私だけでしょうか?

チームに足りない守備位置や役割を獲得しようとする……上の注のとおり、トレードやフリーエージェント(自由契約選手)の獲得といった手段もありますが、高額だったり交換要員が高くついたりするうえに故障や年齢による衰えなどのリスクがあるトレードやフリーエージェントに比べて、うまく育てばMLB最低年棒の年間6000万円くらいで数年間こき使える新人選手は、中長期的なチーム作りの中心となる存在なのです。

3回しか投げなくていい……いきなり多くの回を投げると故障の原因になる、新人に機会を与えるなどの理由により、キャンプでは先発投手も3回しか投げなくてよい。(とはいえ、キャンプ終盤には5回くらい投げさせられることも)。決め球がないイシダテ選手はストライクゾーンぎりぎりをねらって投げざるをえないため球数が多くなりがちなので、スタミナが低い新人のうちは短い投球回数が嬉しい。

コーチに涙目で交代を訴えるも、続投……理不尽に感じる判断を下されることも(けっこう)あるが、選手側に選択肢はない。上下関係に厳しいアメリカらしい仕様です。私は、「MLB THE SHOW」シリーズをプレイするまで、フロント(監督やスタッフ)を批判する選手のことが理解できませんでしたが、いまでは彼らの気持が彼ら以上に理解できます。

フリスコってどこですか?……Wikipediaによると、ダラス周辺にある都市で人口約11万人。ダラス市で働くひとのベッドタウンとして、2000年代には米国内でも最高の人口増加率をほこっていたとか。

GameStop……全米最大のゲーム専門小売店。ネット小売の攻勢にもかかわらず、ゲームを愛する店員たちのぶっちゃけレコメンド、GameStop限定特典、特定店舗でのイベント、中古買取サービスなどで、売上を増加させている。ちなみに、検索したらフリスコ近辺にちゃんと3店舗ありました。

開幕直後で、チームが負けてないから……負けがかさんでくると観客数が激減。逆にプレーオフやオールスターは球場からあふれ出さんばかりの観客。こんなところにも北米プロスポーツのシビアさを感じ取ることができます。

▲負けがこんでいるチームの球場。石立投手のデビュー戦と見比べると明らかに少ない観客数。負け犬には興味ない。それが北米人。

防御率は2.21……つまり、9回投げると平均して2.21点取られる、ということ。ベテランプレイヤーならAAでは防御率0点台も珍しくないと思いますが、今回は慣れない遅球投手であったことに加えて、直球系ばかりで横に変化する球種や緩急を大きくつける球種がなかったことで苦戦しました。カーブやスライダーがいかに有効なのか、あらためて実感しましたね。

試合終了後……実際には、画面上にメッセージが表示されるだけ。数年前にはじめてプレイしたときは昇格したことに気づかなかったことすらありました。なんとも味気ない。だがこれこそMLB、な感じもします(まだマイナーリーガーだけど)。

ラウンドロック……調べてみたら、実際には全米住みたい都市ランキングで第7位に入ったり、パソコンで有名な「DELL(デル)」の本社があったりと、それなりに有名な都市だそうです。公共教育も(アメリカにしては)充実してるとか。名前の印象で岩だらけの荒れ地を想像していました。ごめんなさい。

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