『いけにえと雪のセツナ』の魅力に迫る連載企画! 最終回は、プレイレポートに加え、本プロジェクトの鍵となる3名からのコメントも掲載!【特集第4回/電撃PS】

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『いけにえと雪のセツナ』の魅力に迫る連載企画! 最終回は、プレイレポートに加え、本プロジェクトの鍵となる3名からのコメントも掲載!【特集第4回/電撃PS】

増加する魔物を鎮めるため、”いけにえ”として選ばれた少女は、命を奉げることを自分の使命と信じ、護衛隊とともに、儀式が行なわれる最果ての地へと向かう――。

連載第4回となる今回は、雪に閉ざされた小さな村から始まる過酷な旅を描いた本作の序盤をレポート。

また、第1回から継続掲載してきたインタビュー企画では、Tokyo RPG Factory 『いけにえと雪のセツナ』プロデューサーの内堀建吾氏と、同じくTokyo RPG Factory 『いけえと雪のセツナ』ディレクターの橋本厚志氏、そしてプロジェクトの発起人となった株式会社スクウェア・エニックス代表取締役社長 松田洋祐氏、それぞれから、本作を期待するRPGファンに向けてのメッセージをいただいた。

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前回までの特集記事はこちら

『いけにえと雪のセツナ』の魅力に迫る連載企画! スクウェア・エニックス社長の松田氏をはじめ、開発のキーマンへのインタビューも掲載【特集第1回/電撃PS】

『いけにえと雪のセツナ』の魅力に迫る連載企画! 旅の仲間たちの紹介に加え、ディレクター&プロデューサーへのインタビューも掲載【特集第2回/電撃PS】

『いけにえと雪のセツナ』の魅力に迫る連載企画第3回!奥深い戦略を生み出すシステムに迫ります。開発キーマンへのインタビューも掲載【特集第3回/電撃PS】

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■直感的に理解できる、シンプルながらも奥深いバトルシステム

戦闘の基本システムは、スクウェア・エニックスのゲームではおなじみのATB(アクティブ・タイム・バトル)。ATBゲージが溜まったキャラクターから行動していくという懐かしのスタイルだ。複数のキャラクターのATBゲージが溜まっていたら、同時に魔法(技)を繰り出す「連携」を使うこともできる。RPGが好きな人にとっては説明不要なほど直感的に理解可能なシステムと言えるだろう。

ただ、基本はシンプルとはいえ、この段階だけでも戦略はかなり深いことがわかる。とくにボス戦では、ATBゲージがたまっても、あえてすぐに行動せず、ほかのキャラクターのATBゲージがたまるのを待って「連携」を狙っていくのがとても重要。ちなみに複数のキャラクターのゲージがたまっているときは、方向キーの左右でコマンド入力するキャラクターを変更できる。回復のタイミングを変えたりもできるので、これで行動の順番を調整することも、戦略上大きなポイントになってくるだろう。

また、刹那システムを使うタイミングも重要だ。この刹那システムはタイミングよくボタンを押すだけで行動に追加効果を付与できるシステムで、タイミングさえ覚えてしまえば、簡単に繰り出せる。とくに全体攻撃の連携で刹那システムを発動すると、一撃でザコを一掃することもでき、かなりの爽快感を味わえた。

■序盤での驚きの展開と、それが予感させるせつない物語に期待大

プレイを開始して10分程度、チュートリアルを終える頃には、いきなり衝撃的な展開が訪れる。その後は物語が静かに進んでいき、主人公が雪の中を歩くオープニングへ……。初っ端からの衝撃な展開と、それに相反する静かなオープニング。それを彩る、せつない音色のBGM。すべて合わさって、これから始まる物語への期待が高まる。

いけにえの旅は、いけにえ本人と、彼女を守る2人の護衛隊のわずか3人から始まる。セツナは自分の命を奉げることが多くの人の命を繋ぐことになると信じており、クオンはそんなセツナを大切に思いながらも、旅を成功(=セツナの死)させることを信念としている。そして、本来の目的ではなかったはずのこの旅に加わることになった主人公。それぞれ目的も行動理念もバラバラで、なんともチグハグな面子だ。今後のストーリーはもちろん、このいびつと表現してもいい人間関係はどうなっていくのだろうか。そう思うと、始まったばかりの時点で、先の展開が気になった。また、中盤以降もテンポよく物語が進んでいくため、しっかりプレイのモチベーションを保てていることにも感心した。

中盤以降も多くの人たちと出会うことになるが、彼らはやはりそれぞれ異なった目的で旅に参加し、やがてセツナを中心に関係を深めていくことになる。そうしたなか、イベントでの彼らの会話の端々に見受けられる、人間関係の変化にも注目したい。チクハグに感じた旅の始まりだが、最終的には、全員の思いが1つにまとまっていくように感じた。古き良きRPGのテイストがここでも追求されているのか、プレイヤーに行間を想像させる余地があえて残されているのが心地いい。キャラクターたちのふとした会話の中に隠された感情に想いを馳せながらプレイすれば、また違ったおもしろさを感じられるだろう。

■オリジナル要素の法石システムと昇華によるカスタマイズ

魔導商会による法石の交換や、法器による昇華、そして料理システムなど、独自のシステムも多い本作。とくに独自性を高めているのが、法器で法石を昇華(効果を付与)し、パワーアップするシステムだ。旧スクウェアRPGの作法に則ったオーソドックスでシンプルとも言える戦闘と相まって、かなり奥深い楽しみ方もできるようになっている。なお、細かな説明は第3回で詳しく語っているので、今回は省かせていただく。

あえてやり込み甲斐を追求したというこの昇華システムでキャラクターたちをカスタマイズしていくのだが、昇華は戦闘中に魔法で刹那システムを発動した際にランダムで発生するうえ、複数の昇華効果を持つ法器もあるため、思った通りの昇華が発生するとも限らない。とはいえ必要のない昇華が発生した場合は効果の付与をキャンセルできるので、このあたりも含めて、時間をかけてじっくり楽しめそうだと感じた。

ちなみにこの昇華システム、基本的には何も考えないでただ戦っているだけでも法石が強くなっていく。「どう強くしたいか?」にこだわると時間泥棒の出現と相成るが、「とにかく強くなればいい」なら、普通に遊んでいるだけでOK。この柔軟性も、遊び方の幅を広げてくれている。

■RPGをあまりプレイしない人も、きっとRPGが好きになる――。

本作をプレイして、かつてRPGに没入していたあの頃の”熱”は、確かに感じることができた。見た目の懐かしさや、当時の雰囲気、バランスが再現されているな……という懐古的な想いだけではなく、アーカイブで昔のゲームをもう一度プレイするのとは明らかに違った、「RPGを遊んでいる」という満足感を得ることができたように思う。

ちなみにエンディングまでプレイして、総計約20時間程度と比較的コンパクトな印象。しかし、そこから先に広がっている隠し要素的な内容もあり、キャラクターを鍛えるという意味では、まだまだいくらでもやり込む余地はありそうだ。そういった意味でも、昔からのRPGファンが楽しむだけのものでは、もったいないと感じる。今の感覚で遊んでも十分すぎるほど楽しめるので、できるだけ多くの人に遊んでもらいたい。基本的なRPGの楽しさが詰め込まれたこの『いけにえと雪のセツナ』。RPGを普段プレイしないという人もぜひ遊んで、そしてRPGを好きになってもらいたいと願う。

■『いけにえと雪のセツナ』インタビューの締めくくり
――プロジェクトのキーマンからの、すべてのRPGファンへ贈るメッセージ

継続掲載してきたインタビューも最終回。今回は、第3回までのインタビューに登場した3名のキーパーソンから、本作に期待を寄せるファンに向けてメッセージをいただいた。

松田洋祐氏(株式会社スクウェア・エニックス 代表取締役社長)

内堀建吾氏(Tokyo RPG Factory 『いけにえと雪のセツナ』プロデューサー)

橋本厚志氏(Tokyo RPG Factory 『いけにえと雪のセツナ』ディレクター)

インタビュアー:江口 聡 電撃ゲームメディア総編集長

◆期待をしている人に向けて

電撃ゲームメディア総編集長 江口 聡(以下、江口):いろいろお答えいただきましたが、最後に、楽しみに待っている往年のRPGファンと、最新のRPGとして気にしている新しいファンに向けてメッセージをお願いします。

Tokyo RPG Factory いけにえと雪のセツナ』ディレクター 橋本厚志氏(以下、敬称略)ゲームが進化していくにつれて、昔RPGで遊んでいたけど、今のゲームを複雑に感じてなかなか手を出す機会が減ってしまった方も多いと思うんです。ですが、是非そういう方にこそ遊んでいただきたいなと思います。『いけにえと雪のセツナ』は、王道RPGのいろいろな要素がぎゅっと詰まった、非常に濃密な作品になっています。そのなかで自分なりのお気に入りの部分を見つけて、あるいは思い出して楽しんでもらえると嬉しいです。

Tokyo RPG Factory 『いけにえと雪のセツナ』プロデューサー 内堀建吾氏(以下、敬称略)昔はゲームを遊んでいたけれど、今はやっていない……という方を「昔勇者だった人たち」と例え、ターゲットとなるお客さまと想定していましたが、そういった方々だけでなく、僕と同業種のゲーム開発に携わる方たちにも、ぜひ遊んでいただきたいです。さらに、『いけにえと雪のセツナ』をプレイした若いユーザーさんが本作をおもしろいと感じ、こんなゲームを作ってみたい……と思ってもらえれば、今回のゲームも業界に意義あるものになると思うので、ぜひ遊んでほしいと思います。

江口:コンシューマーのゲームって、満足するまで遊んで飽きてもらうのがベストだと思うんです。飽きるまで遊びつくせそうな今回の作品はすごく楽しみです。

内堀:少なくとも、今世にあるゲームでは体験できないおもしろさを感じていただけるかなと思います。そしてそれが、あの頃に感じたおもしろさや感動といった体験と重なる方がいらっしゃることを願っています。今はこういうゲームを体験しにくくなっていると思いますが、あの頃のゲームもおもしろいじゃん、とかちょっと遡ってプレイしてみようとか、若いユーザーさんに思ってもらえると嬉しいですね。

橋本:あと、大作が多いこのご時世、20時間前後でちゃんと終われますっていうのも魅力の1つなんじゃないかと思ってます。漫画でいうなら、テンポよく数巻でさくっと読み終えるようなゲームになっているので、RPGをやるには時間が足りないなと思っている方も、ぜひ楽しんでいただければと思います。

株式会社スクウェア・エニックス 代表取締役社長 松田洋祐氏(以下、敬称略)やはり日本のゲームのよさ、おもしろさが詰まった作品になっていると思います。ただ懐かしいだけではない”今のゲーム”として、新鮮な気持ちで楽しんでいただければと思います。

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いけにえと雪のセツナ

発売元:スクウェア・エニックス
プラットフォーム:PlayStation®4/PlayStation®Vita
ジャンル:RPG
発売日:好評発売中
希望小売価格:
 PS4®版 販売価格:4,800円+税
 PS Vita版 販売価格:4,800円+税
CERO:B(12才以上対象)

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