近未来を舞台に描かれる、人とアンドロイドの軋轢
アドベンチャーゲーム『BEYOND: Two Souls』や『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』を世に送り出したフランスの開発会社Quantic Dream(クアンティック・ドリーム)が、PlayStation®4用ソフトウェアとして開発を進めている『Detroit Become Human』。
本作の舞台は、現在から20年ほど未来のデトロイト。人工知能が高度に発展を遂げた結果、人と同様に知性を持ち、外見上もほぼ見分けがつかないアンドロイドたちが社会に溶け込むこの社会で、プレイヤーは複数のアンドロイドの視点からさまざまなエピソードを体験していくことになる。
米国・ロサンゼルスにて、現地時間6月12日(月)に開催された「PlayStation® E3 Media Showcase」では、最新のデモ映像が公開された。このデモ映像では、新たなプレイヤーキャラクターとなる男性型アンドロイド「マーカス」が登場。ショーウィンドウに陳列されているアンドロイドたちを解放すべく、さまざまな選択肢を選びながら行動するマーカスの模様を、ぜひチェックしてほしい。
Detroit: Become Human – PS4 Trailer | E3 2017
「E3 2017」では実機プレイの披露や試遊台を出展!
本作は「E3 2017」にも大きく出展され、大型モニターを使用したPlayStation®ブースのシアタールームでは、マーカスが登場したデモ映像のシチュエーションが実機プレイで披露された。シーンによっては、来場者の声でマーカスの行動を決めるというサービスも。過激な選択を主張する声が、圧倒的に大きかったのも印象に残った。
また、PlayStation®ブースでは本作の試遊台も出展。昨年の「E3 2016」で公開された、捜査官である男性型アンドロイド「コナー」が人質救出に挑むシチュエーションを体験できた。
とある家族の元でハウスキーパーを務めていたアンドロイドが突然その家族に牙をむき、ビルの高層階で娘を人質にしたまま抵抗。試遊はコナーが犯人と対峙する前からスタートし、集めた情報やアイテムなどによって、交渉パートで選べる行動が変化する。
PS.Blog取材スタッフも、この人質救出ミッションに挑戦! 本作のプレイインプレッションをお届けしよう。取材スタッフの選択は、果たしてどのような結末を迎えたのか?
【プレイインプレッション①】気づくとアンドロイドの立場に!? プレイヤーの心境を変化させる演出の妙
試遊の待ち時間に他のプレイヤーの様子をうかがっていると、捜査中に見つけた銃で犯人を射殺して解決……といったパターンが多かったので、それ以外の結末を目標に。目指すは、犯人を説得することによる人質の解放。犯人を投降させることで、これ以上誰も傷つかずに事件を解決するという、スマートなやり方だ。
しかし、娘を助けてくれと懇願してきた母親は、自分が犯人と同じアンドロイドであることを知ると態度が豹変。警察もあまり協力的ではなく、なんだがやりきれない気持ちに。「人間のために働いているのに……」と、自然にアンドロイドの立場で物事を考えさせられる演出が面白い。
捜査中に銃を発見したものの、所持していることが交渉中にバレると犯人を刺激してしまうのでは? と考え、あえて拾わずに放置しておく。アイテムひとつに関しても、使用するかどうかだけでなく、所持するかどうかまでプレイヤーの意思が介入できることに、本作の奥深さと自由度の高さを感じた。
そして迎えた交渉パートだが、犯人との交渉は慎重に、慎重に進めていたものの、現状に絶望した犯人が人質もろともにビルから飛び降りてしまい、残念ながらミッションは失敗! もう少し強気で交渉すればよかったのか? それとも情報が足りなかったのだろうか? 失敗の理由をいろいろ考えても、もはや後の祭り。
無表情で現場を立ち去るコナーの姿を見ながら、次こそは成功させる! という熱意と、最初から期待されてなかったし仕方ないよね……という諦観の感情が同居する、複雑な気持ちに。自分の選択によってドラマが変化する本作ならでの体験だった。物語を最後まで進めたとき、自分が人間とアンドロイドのどちらの立場に立っているのか、とても気になる!(PS.Blogスタッフ・岩下)
【プレイインプレッション②】重厚なストーリーを体験できる、Quantic Dreamらしい作品!
私のほうはミッション成功!! と言っても、少女だけ助かって自分(コナー)と犯人は、ビルから落下していったけど……。今回の「E3 2017」でプレイできたコナー編。選択肢を振り返ってみると、人間の立場で物事を考えていたからあの結果になったんだなと納得。でも警官が死にそうだったら助けてしまうよなぁ。う~ん、悩ましい。
『Detroit Become Human』はひと言で言えば”Quantic Dreamらしい作品”。コナー編の導入しかプレイしていないが、この後、今回のE3で初めて紹介された新キャラクターのマーカスや彼と同じ変異体アンドロイドのカーラなどとどう絡んでいくのか、アンドロイドと人間の関係はどうなるのかなど、物語の行方が気になるし、同じコナー編で犯人を投降させて少女を助けるストーリーも見てみたい。選択した結果によって物語がどう変化するのか、早く続きをプレイしたい!!
コントローラーを直感的に使う操作も同スタジオの過去作品と同様で面白く、『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』でスコット・シェルビーが紙おむつを替える操作に「まさにこんな感じ!」と感動した自分としては、いろいろなアクションも楽しめた。もちろんアクションシーンにも選択肢があり、ひとつの行動が未来を変える! と言っても過言ではない。次にコナー編をプレイする時は、アンドロイドの立場になって選択肢を選んでみようと思う。(PS.Blogスタッフ・豊田)
『Detroit Become Human』日本語版ローカライズプロデューサー・石立大介からのメッセージ
「今回は、昨年の「E3 2016」で映像を公開したコナー編を実際にプレイできる試遊台を設けました。またシアターではマーカス編のプレイデモを行ない、変異体であるマーカスの行動で、アンドロイドたちの革命がどのように変わっていくかをご覧いただきました。体験された方たちからの具体的なコメントはまだ聞いていないのですが、試遊台やシアターでの反応を見ると、楽しんでいただけたようで嬉しく思います。
『Detroit Become Human』は『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』『BEYOND: Two Souls』を手がけたQuantic Dreamの新作になります。『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』は連続誘拐殺人事件に、『BEYOND: Two Souls』は個人の人生にフォーカスした作品でしたが、今回は”モノではなく生命としての扱いを求めるアンドロイドと人間との関係性”もテーマに含まれ、プレイヤーの選択が及ぼす影響の範囲が過去2作よりも大きくなっています。
平和的にアンドロイドの権利を訴えてゆくのか、それとも暴力的に反乱を先導するのか……。プレイヤーはいろいろな場面で選択を迫られますが、プレイヤーがどの登場人物に共感するか、人間とアンドロイドのどちらに感情移入してプレイするかによって、状況の受け取り方、そして物語がガラリと変わります。個人的にはこれまで以上に”どちらも正解と言えない感覚”、モラルに対するジレンマが重視されていると感じますね。
もちろんこれまでの2作品同様に、選択した結果は「これを選んだらこうなるよな」と、納得できるものになっています。同じ物事も立場によって見え方が違う、それが重厚なストーリーに繋がっているのかなと。悩んで選んだ答えだからこそ、その結果に感情移入できると思いますし、ベストだと思って選択したことから生まれるドラマを、ぜひ楽しんでもらいたいですね」
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Detroit Become Human
・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation®4
・ジャンル:未定
・発売日:未定
・価格:未定
・プレイ人数:未定
・CERO:審査予定
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『Detroit Become Human』公式サイトはこちら
©Sony Computer Entertainment Europe. Developed by Quantic Dream.
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