
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は「PlayStation® Partner Awards 2025 Japan/Asia」(以下「PlayStation Partner Awards」)を12月3日(水)に開催し、受賞作品を表彰しました。
「PlayStation Partner Awards」は1994年のプレイステーション®誕生の翌年から、クリエイターの方々の創作活動に敬意を表すとともに、プレイステーションを盛り上げたバラエティ豊かなヒットタイトルを称えることを目的に「PlayStation Awards」として始まり、今年で通算31回目を迎えました。開始当初より変わらず才能あふれる開発者のクリエイティビティに敬意を表し、日本とアジアのプレイステーションコミュニティーが1年を通して楽しんだヒット作を祝う祭典です。
2025年の「PlayStation Partner Awards」では、従来の「GRAND AWARD(グランドアワード)」「PARTNER AWARD(パートナーアワード)」「USERS’ CHOICE AWARD(ユーザーズチョイスアワード)」に加え、「ACCESSIBILITY AWARD(アクセシビリティアワード)」と今回新しく追加した「PLAYSTATION INDIES AWARD(プレイステーション インディーズアワード)」を表彰しました。「ACCESSIBILITY AWARD」と「PLAYSTATION INDIES AWARD」は、クリエイターによる多様なプレイを実現するというコミットメントと、それぞれのクリエイティビティ、開発技術、並びにプレイステーションのプレイヤーの評価を祝うアワードです。
表彰式の模様をお伝えするとともに、表彰式に先駆けて行なわれたクリエイターの方々へのインタビューも紹介します。

各賞の受賞タイトルやクリエイターの方々のコメントはこちらもチェック!
表彰式はSIE 武内彩の挨拶からスタート
松嶋初音さんが司会を務める表彰式は、急遽欠席となったSIE SVP 兼 ジャパン・アジアパートナーデベロップメント&リレーションズ部門 部門長の浦田樹一郎に代わり、SIE グローバルパートナーリレーションズ ジャパングローバルアカウント ディレクターの武内彩の挨拶によって幕を開けました。武内はパートナー各社様に深く感謝するとともに、次のように述べています。
「プレイステーションは2024年に30周年を迎え、昨年の「PlayStation Partner Awards」では日本とアジアのクリエイターによって作られた素晴らしいゲームの歴史を語りました。『ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE』『FINAL FANTASY VII REBIRTH』『黒神話:悟空』が「GRAND AWARD」を受賞し、『原神』には特別な「EXCELLENCE AWARD(エクセレンスアワード)」が送られ、世界中のファンに愛され続ける素晴らしいゲームとして殿堂入りいたしました。
パートナーの皆様の日頃からのプレイステーションに対するサポートにあらためて感謝申し上げるとともに、皆様のゲーム産業への貢献に敬意を表し、今年もこのような場を設けさせていただきました。2025年は日本とアジアのゲームによって、今まで以上に世界中の多くのプレイヤーにリーチすることができた素晴らしい1年となりました。
本日はプレイステーションを盛り上げてくれたタイトルの成功を称え、例年通りの「PARTNER AWARD」および「GRAND AWARD」に加え、ゲーム内でのアクセシビリティに尽力された2作品にもスポットライトをあてます。また、新たに「PLAYSTATION INDIES AWARD」を追加し、「PlayStation Partner Awards」史上初めてとなるインディペンデントクリエイターによるクリエイティブな功績を表彰します。この「PLAYSTATION INDIES AWARD」も「USERS’ CHOICE AWARD」と同じようにプレイヤーの投票を行なっており、プレイステーションのユーザーに今年で最も愛されたゲームを表しています。
ちょうど31年前の今日、1994年12月3日に当時のソニー・コンピュータエンタテインメントは初代プレイステーションを発売し、皆様からの素晴らしいゲームタイトルの数々に支えられ、世界中に多くのファンを持てるまでになりました。初代プレイステーション、そしてそれ以降のすべてのプレイステーションコンソールの成功は、ひとえにこの会場にいらっしゃるパートナーの皆様の素晴らしいゲームのおかげです。本当にありがとうございます。私たちは皆様の信頼に感謝し続け、世界中のプレイヤーに素晴らしい体験と喜びを提供してくれたことに感謝しています」

PARTNER AWARD(パートナーアワード)
最初は「PARTNER AWARD」の発表です。日本・アジア地域で開発されたソフトウェアメーカー各社様のタイトルにおいて、2024年10月から2025年9月までの全世界売上(※1)上位にランクインし、特に注目すべき活動成果を残した作品(※2)に贈られました。受賞した皆様に、武内よりトロフィーを授与させていただきました。
※1 パッケージ版の売上、およびPlayStation®Storeにおけるデジタル売上(追加コンテンツ、ゲーム内通貨を含む)を基準に算出しています。
※2 選考にあたっては、プレイヤー数などのSIE独自指標も採用しています。日本のPlayStation®Storeのパブリッシャー様名を掲載しています。

●METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER
株式会社コナミデジタルエンタテインメント

●Path of Exile 2
Grinding Gear Games

●ELDEN RING NIGHTREIGN
株式会社フロム・ソフトウェア/バンダイナムコエンターテインメント

●SILENT HILL f
株式会社コナミデジタルエンタテインメント

●鳴潮
KURO GAMES

PLAYSTATION INDIES AWARD(プレイステーション インディーズアワード)
「PLAYSTATION INDIES AWARD」は、日本・アジア地域で活動しているインディペンデントゲームクリエイターの多様性と創作活動に敬意を表する新しい賞カテゴリーです。日本およびアジア地域で制作されたインディータイトルより優秀作品として選定した12タイトルのなかから、日本・アジア地域のユーザー投票により受賞作品が決定しました。プレゼンターは引き続き武内が務めました。

●都市伝説解体センター
株式会社集英社ゲームズ

●九日ナインソール
Red Candle Games

●Ender Magnolia: Bloom in the Mist
Binary Haze Interactive

ACCESSIBILITY AWARD(アクセシビリティアワード)
続いては「ACCESSIBILITY AWARD」の発表です。2025年に発売された日本・アジア地域で開発されたソフトウェアメーカー各社様のタイトルにおいて、プレイスタイルに合わせたコントロールスキームの提供、色覚サポートや、画面読み上げなどを含むクオリティの高いアクセシビリティ機能の実装と、それに伴う開発で注目すべき活動成果を残した作品に贈られました。グローバルパートナーデベロップメント&リレーションズ部門 SVP陣のピート・ロイアとフィル・ローゼンバーグのSIEエグゼクティブチームより、トロフィーを授与させていただきました。

●モンスターハンターワイルズ
株式会社カプコン

●龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii
株式会社セガ

USERS’ CHOICE AWARD(ユーザーズチョイスアワード)
「USERS’ CHOICE AWARD」は、日本・アジア地域で2024年10月から2025年9月までの期間中に発売され、同期間の総ゲームプレイ時間が多かった上位30タイトルの中から、日本・アジア地域のユーザー投票によって選ばれた上位5タイトルに贈られます。プレゼンターは、ピート・ロイアとフィル・ローゼンバーグが引き続き務めました。

●鳴潮
KURO GAMES

●Clair Obscur: Expedition 33
Kepler Interactive

●モンスターハンターワイルズ
株式会社カプコン

●SILENT HILL f
株式会社コナミデジタルエンタテインメント

●真・三國無双 ORIGINS
株式会社コーエーテクモゲームス

GRAND AWARD(グランドアワード)
最後は「GRAND AWARD」の表彰です。日本・アジア地域で開発されたソフトウェアメーカー各社様のタイトルにおいて、2024年10月から2025年9月までの期間で特出した全世界売上(※1)を達成した作品に贈られました。SIEの社長CEO 西野秀明よりトロフィーを授与させていただきました。
※1 パッケージ版の売上、およびPlayStation®Storeにおけるデジタル売上(追加コンテンツ、ゲーム内通貨を含む)を基準に算出しています。

●モンスターハンターワイルズ
株式会社カプコン

●ドラゴンボール Sparking! ZERO
株式会社バンダイナムコエンターテインメント

●マーベル・ライバルズ
NetEase Games

●eFootball™
株式会社コナミデジタルエンタテインメント

●ゼンレスゾーンゼロ
HoYoverse

SIE 西野秀明から感謝のご挨拶
表彰式の締めくくりとして、SIE 社長CEOの西野が挨拶を行ないました。パートナーやクリエイターの方々への感謝の言葉をお伝えします。

皆様、今日はお時間を割いてお集まりいただきまして、ありがとうございます。おそらく普段は、さまざまなゲーム会社の方々が集まることはあまりないでしょうが、こういう場でご一緒されることを、私としてはすごくうれしく思っております。この「PlayStation Partner Awards」も、ゲーム業界のコミュニティーを強くし続けていくものだと思い、皆様にご参加いただいたことをありがたく思っております。
ここまでの表彰の中で受賞されたゲームタイトルのみならず、制作を通じて未来を創造されているクリエイターの皆様、豊かな想像力でインタラクティブエンタテインメントの可能性を追求されている開発チームの皆様、会場の皆様と一緒にお祝いできましたことを大変うれしく感じております。それぞれの受賞タイトルは、芸術と技術革新がひとつになったものであり、素晴らしい成果が生み出されていると考えております。また、こういった作品は、クリエイティビティが素晴らしい協力関係から生まれるということを、あらためて教えてくださっているとも思っております。
あらためて申し上げるまでもございませんが、アジアと日本のゲームコンテンツに対する全世界の需要は増え続けております。私たちプレイステーションにとって、創業以来、日本のパブリッシャー様の存在は不可欠なものです。そして今日では、アジア地域のパートナーの皆様も含めて、さまざまなコンテンツが生み出されており、今後も変わることなく、プレイステーションにとって皆様が不可欠な存在であると信じております。本日ご参加いただいたパートナーの皆様、パブリッシャーの皆様、あらためて感謝申し上げます。皆様の我々に対する信頼、そして素晴らしいアイデア、革新的な体験を作ることへのコミットメントが、ゲーム業界の活気につながっていると考えております。皆様の素晴らしいコンテンツを、これからも皆様とともに、世界中にお届けするお手伝いをさせていただきたいと思い、これを誇りとして仕事をしてまいります。
最後に、この場をお借りしまして、これまで長年にわたって素晴らしいビジョンとリーダーシップで、プレイステーションのグローバルパートナーリレーションシップを先導してくれたフィル・ローゼンバーグに、心からの感謝を申し上げます。フィルは間もなくSIEを卒業いたしますが、彼のパートナーシップに対する情熱は、われわれにとっての誇りであり、これまでのサポート、貢献、そして友情に感謝しております。フィル、本当にありがとうございました。
そして、プレイステーションのビジネスにとって最も重要な役割のひとつであるパートナーリレーションチームを、フィルの後任として先導するピート・ロイアがチームに加わったことを、大変うれしく思っております。彼の情熱やインサイト、将来を先取りするスピリットは、我々のビジネスを次の段階に導いてくれると期待しております。
あらためまして、本日のアワードにノミネートされました皆様、受賞者の皆様、ご出席いただいたパートナー、クリエイターの皆様に御礼を申し上げます。ありがとうございます。皆様のおかげで本日のアワードを無事、開催することができました。この業界の中心にいらっしゃる皆様が、これからも素晴らしい作品を生み出されていくことを、心の底から大変楽しみにしております。その無限の可能性を、ぜひプレイステーションの上で実現していただけるように、私共も精進・努力してまいりますので、一丸となり、一体となって、今後ともよろしくお願い申し上げます。
最後は受賞者全員がステージに上がり、「PlayStation Partner Awards」を締め括りました。

「GRAND AWARD」受賞タイトルのクリエイターへのインタビュー
「GRAND AWARD」を受賞したタイトルの中から、クリエイターの方々へのインタビューも行ないました。喜びのコメントや今後の展望などを紹介します。
※以下、すべて敬称略。
モンスターハンターワイルズ
株式会社カプコン プロデューサー 辻本 良三

株式会社カプコン ディレクター 徳田 優也

──「GRAND AWARD」受賞について、コメントをお願いします。
辻本:このような素晴らしい賞をいただき、開発チーム一同、本当にうれしく思っています。ありがとうございます。
──今回の受賞を受けて、開発チームとして誇りに思うポイントを教えてください。
徳田:発売直後はコンテンツ不足や遊びにくさなどに関してご迷惑をおかけし、申し訳なく思っていました。そのなかで今回は「USERS’ CHOICE AWARD」も含めて、さまざまな賞をいただけたことをうれしく思います。さまざまなご意見や、温かい言葉、コメントなどもいただき、ユーザーの皆様には本当に感謝申し上げます。皆様の声を力に変えて、アップデートにも全力で取り組んできました。その結果が皆様の投票につながったのかなと思っています。
──発売から約9ヵ月が経過しましたが、どのような手応えを感じていますか?
辻本:本作も発売後にたくさんの皆様からご意見をいただきました。「モンスターハンター」は発売後もアップデートをしていくという特徴があるのですが、アップデートについては皆様の声がとても役に立ちました。タイトルアップデートはまだ残っていますので、そちらにも全力で取り組んでいます。
──新規ユーザーを取り込むための施策と、既存のファンを満足させるゲームシステムのバランスについてお聞かせください。
徳田:『モンスターハンターワールド』も含め、初心者がどんなところで詰まっているのか分析しました。本作では、モンスターまでたどり着けない、防具を作ることができない、といった部分に対してひとつひとつ手を入れ、新規ユーザーがクリアしやすいような環境を作りました。また、「集中モード」のように初心者と既存のユーザーのどちらにも有益なものも入れるように心がけました。
本作は新規ユーザーや今までクリアできなかった人がクリアしやすい構造を目指したため、下位の難易度については既存のユーザーに物足りなさを感じさせてしまったのかなと思っています。ですが、現在ではアップデートによって、より遊び応えのある難易度のコンテンツや魅力的な装備が追加されています。発売直後にクリアしたけど今は遊んでいないという人も、また遊んでいただけますと幸いです。
──本作は過酷な自然との共存がメインテーマになっていると思います。従来のシリーズ作品と比較して、プレイヤー体験にどのような変化をもたらすことを意識されましたか?
徳田:本作は「モンスターハンター」における人の代表──ハンターを描くタイトルにしたいという想いがありました。厳しい環境でありながら豊かな実りももたらす「禁足地」は、人と自然の関係性というテーマを体現したような舞台となっています。今回はハンターが新人ではなく、凄腕の集まりのような描き方をしているのも新しい取り組みです。ハンターがいない地域における人々と自然やモンスターとの関係と、ハンターが訪れたあとでの関係の変化を体感し、最終的には「ハンターってすごい!」と、これまで以上に思ってもらえるゲーム体験を目指しました。
──ゲーム内ではさまざまなアップデートやコラボが、そしてゲーム外でもさまざまな展開がありましたが、印象に残っているプロモーションがあれば教えてください。
辻本:本作ではゲーム内の展開はもちろん、リアルイベントも重視しようというテーマがありました。現在はグローバルでタイムアタック大会などを開催しており、今は北米と欧州が終わったところです。来年の1月には台湾で、2月には「モンスターハンターフェスタ’26」というお祭りのなかで日本でも開催しようと思っています。久しぶりの「モンスターハンターフェスタ」でプレイヤーの皆様に直接お会いし、ものすごいプレイが見られることを楽しみにしています。
──タイトルアップデートや季節イベントなどの手ごたえはいかがでしょう?
徳田:タイトルアップデート後や季節イベント開催後は、目玉となるコンテンツだけでなく通常の任務クエストなども多くの皆様でにぎわっています。一度は離れていた人がアップデート要素を遊ぶために帰ってきてくれている傾向が見られたのはうれしいです。また、前回の季節イベント「交わりの祭事【夢灯の儀】」ではカボチャをかぶるジェスチャーがあったのですが、そのカボチャが低確率で白いトマトになるというギミックがありました。集会所では白いトマトをかぶるためにジェスチャーを繰り返す人もいまして、狩猟以外でも本作を楽しんでいる方をたくさん見ることができてうれしかったです。
──今後のシリーズ展開や新しい挑戦についてお聞かせください。
辻本:もちろんここで立ち止まるつもりはありません。まだまだ「モンスターハンター」を続けていきますし、より多くの方に遊んでいただけるように頑張ります。ゲーム内容はもちろん、「モンスターハンター」というIPの可能性を広げられるような展開を、ゲーム外でも考えたいと思っています。
──『ファイナルファンタジーXIV』とのコラボコンテンツは話題になりました。超高難易度のイベントクエスト「零式オメガ・プラネテス検証戦」は難しいという声も多く見受けられましたが、どのように感じましたか? また、クリア率は想定通りだったでしょうか。
徳田:タイトルアップデートのコンテンツに関しては、幅広い層の方が楽しめるものと、コアな方に向けたものとの両方を大事にして設計しています。コラボのオメガ・プラネテスは、従来のモンスターではできない高難度のアクションが楽しめるコンテンツとして設計しましたが、クリア率は概ね想定どおりかなと思っています。ただ、マルチプレイではなくシングルプレイに挑む人の多さや、クリアタイムの速さは想定を超えていました。前回の季節イベントでは、期間限定ですが強力なサポートハンターであるファビウスを使えるようにしたことも、クリア率を高める施策になっています。次回のタイトルアップデートでも、そうした施策や防具の限界突破によるパラメーターの上昇に加えて各武器種の上方調整も入りますので、今はクリアするのが難しいという人も挑戦していただければ幸いです。
──本シリーズは『モンスターハンターワールド』から世界市場における存在感が高まった印象ですが、世界を視野に入れるうえでの特別な意識などはありますか。
辻本:「モンスターハンター」シリーズはマルチプレイの人気が高く、人と人がつながることで広まったゲームでもあると思っています。現在は各地域にコミュニティーマネージャーが存在し、よりグローバルなコミュニティーやプレイヤーからの声を開発チームにフィードバックできる仕組みになっています。我々も積極的に海外へ行き、さまざまな地域の方の感覚をインプットすることを心がけています。
──数々のメガヒット作を有する御社ですが、「モンスターハンター」はどんな存在になりたいと思っていますか。
辻本:カプコンにはたくさんのIPがありますが、どれも大切なIPです。今の私は「モンスターハンター」を担当しているので「モンスターハンター」に力を入れていますが、すべてのIPを伸ばしたいというのがカプコンとしての意思だと思います。早いもので「モンスターハンター」は20年以上が経過しましたが、昔は遊んでいたという人や若い人に向けて広げていく必要はあると思っています。少しでも長くシリーズを続けるための努力は今後も継続していきます。
──今後の追加コンテンツや改善などに関してユーザーに期待してほしいものはありますか。
徳田:直近ではモンスター「ゴグマジオス」をアップデートで追加します。かなり手ごたえのあるモンスターになっていますし、報酬も面白いものになっているのでご期待ください。ゴグマジオス以外にも遊びごたえのあるクエストの追加や、武器種の調整、繰り返し遊ぶ際に便利な施策なども予定していますので、そちらもご期待いただければと思います。
──ユーザーの遊び方や意外な視点、生態系などに対する着眼点や分析など、印象に残ったものがあれば教えてください。
徳田:ベータテストのときからなのですが、こちらの想定を超えるようなキャラメイキングに関しては驚いています。また、本作ではモンスターがさまざまな行動をするのですが、フンの分析をしたり、モンスター同士の争いにおける勝ち負けの条件を調査したり、日光浴について分析したりしてくれる方がいるのはうれしかったです。先ほどは低確率でカボチャが白いトマトになるジェスチャーの話をしましたが、シルドにいるタシンの近くでジェスチャーをすると、とても高い確率でトマトになるんです。そんなギミックにすぐ気づいてくれた方がいたのもうれしかったですね。
ドラゴンボール Sparking! ZERO
株式会社バンダイナムコエンターテインメント プロデューサー 古谷 純

株式会社バンダイナムコエンターテインメント マーケティングリード 飯島 雄也

──「GRAND AWARD」受賞について、コメントをお願いします。
古谷:このような栄えある賞をいただき、誠にありがとうございます。ファンの皆様の応援あってのものだと思っています。本作やシリーズを愛してくれているたくさんの方が発売前から盛り上げてくれましたし、発売から1年後の今でも毎月100万人以上の方が遊んでくださり、多くの方に支えられていると感じています。
飯島:マーケティングの私から見てもファンの熱量を感じていますので、引き続き頑張りたいと思います。
──前作から17年ぶりの新作ですが、開発に至った経緯を教えてください。やはりファンの声が大きかったのでしょうか。
古谷:我々としては17年前に発売した前作の時点で「ドラゴンボール」ゲームの完成形を迎えたと思っていました。ですが、その後もさまざまな「ドラゴンボール」ゲームが発売されましたし、ハードや技術も進化しましたので、今だからこそ新しい感動を皆様に届けられると思ったのが開発の経緯となります。もちろん、ファンの皆様のお声も後押しになりました。
──発売から現在まで好調の本作ですが、この人気の高さをどのように分析されていますか?
古谷:大前提として「ドラゴンボール」という作品自体が魅力的であり続けていることが大きな要因ではあるのですが、”超戦士になりきる”という本作のコンセプトを楽しめるバトルシステムやアクションも人気のひとつだと思います。
──全世界のゲーマーや「ドラゴンボール」ファンの心を掴んでいますが、それは何故だと感じていますか?
古谷:本作の楽しみ方としては、いかに「ドラゴンボール」らしいバトルを楽しめるかということに尽きると思っています。例えば、ベジータがギャリック砲を撃ってきたら普通の対戦ゲームのように避けるのではなく、かめはめ波で撃ち返すといった感じです。こういった「ドラゴンボール」の流儀のようなものを楽しんでいる方が多いと感じていました。基本的なバトルシステムは変えずに「ドラゴンボール」らしさを追求できるアクションを加えるという正統進化が、好評をいただいている理由のひとつではないかと思っています。
飯島:そういったごっこ遊びがファンの皆様に受け入れられていることは、マーケティングとしてもあらためて感じています。
──180体を超えるキャラクターが参戦するお祭りとしての楽しさと対戦アクションとしての楽しさは、どのように両立させたのでしょうか?
古谷:先ほども申し上げたように、本作は「ドラゴンボール」らしいバトルの追求を念頭に置いていたので、原作で強かったキャラクターはゲームで操作しても強さが感じられるようにしました。逆に苦戦を強いられていたキャラクターは本作の対戦でも苦労するなど、キャラクターの強弱がはっきりわかる形にしています。もちろんそれだけでは対戦が成り立たなくなるので、チーム制にしたうえでコストのようなものを盛り込んで全体のバランスを整えました。
──前作から17年ぶりの新作ということもあり、開発スタッフにも入れ替わりがあったと思います。シリーズが愛されるために受け継がれているような要素はありますか?
古谷:シリーズとして残さなければならないものを明確にすることに気を付けています。過去作がどのように遊ばれていたかを研究したうえで操作感を重視し、基本的なバトルシステムはほとんど変えずに新しいものを加えていくというアプローチで開発しました。過去作を遊んでいた人に「あれ、これは俺が遊んでいたゲームじゃないぞ」と思われてしまっては元も子もないので、当時の操作感はボタン配置も含めてとても大事にしています。
──「ドラゴンボール」は知っているキャラクターが世代によって異なることもあると思いますが、ターゲティングにおける工夫や苦労したことがあれば教えてください。
古谷:確かに本作を遊んでいる方々の年齢層は幅広く、「ドラゴンボール」に触れたタイミングによって知っているキャラクターは異なると思いますが、我々は「ドラゴンボール」への愛が再現できることと、シリーズならではの要素を丁寧に引き継ぐことを重視して開発してきました。そのうえで初めてシリーズに触れる人でも気軽に楽しく遊べるように、アシスト機能を充実させています。
飯島:「ドラゴンボール」は好きだけど本作は遊んだことがないという人が、ファンの評判を見て本作に触れたという話もうかがいました。ファンの皆様には本当に感謝しています。
マーベル・ライバルズ
NetEase Games テクニカルディレクター Feng Fan

NetEase Games マーケティングリード Yachen Bian

──「GRAND AWARD」受賞について、コメントをお願いします。
Yachen Bian:受賞できて大変うれしいです。ローンチから1年経ちましたが、プレイステーションからいろいろなサポートをいただいているので、その協力を継続して一緒に働いていきたいと思っております。
Feng Fan:プレイステーションに感謝の言葉を伝えたいと思います。これからも引き続き、ユーザーの皆さんに楽しい体験を提供していきたいと思っております。
──サービス開始から約1年が経過しました。ローンチ当時と比べてユーザーの反響はいかがでしょうか。
Feng Fan:ローンチからプレイヤーのフィードバックを見てきて、非常にポジティブな声が多くありました。これからもコンテンツ、ゲームプレイ、ゲームのパフォーマンスにおいて、ユーザーのフィードバックに合わせて改善していきたいと思っております。
──NetEase Gamesでマーベルヒーローのゲームを開発するにあたり、国や文化の違いを超えた連携が必要だったのではないかと思います。印象的な出来事があればお聞かせください。
Yachen Bian:開発にあたっては、マーベルと密に連携して働いてきました。マーベルのIPからインスピレーションを受け、リスペクトしながら、お互いにアイデアを出したりブレストしたりしました。ちょうど今日もマーベル・ゲームズとの定例会があってコミュニケーションを取りました。新しいヒーローをデザインするときは、マーベルのメンバーと一緒に話し合って、クリエイティブな方向性やどのようなコスチュームにするかなどを協議しながら作っています。
──本作に登場するヒーローには、それぞれ絶大なファンがついていると思います。ヒーローを制作するうえで大切にしていることがあれば教えてください。
Yachen Bian:キャラクターをデザインするにあたっては、世界観を一番大切にしています。マーベルのIPやマーベルコミックにはバックストーリーが豊かに入っているので、それを深堀して、キャラクターのエッセンスや心をきちんと理解したうえで、『マーベル・ライバルズ』ならではの表現を考えています。例えば、ロキはミステリアスな特徴があるので、そこを強調したスキンなどを展開しました。スクレイル・ガールの場合、彼女には武器の要素がありませんが、マーベルのオリジナルデザインをリスペクトしつつ、どうすればゲームで表現できるかを考えました。
──カワイイ、カッコイイ、セクシーがそろったキャラクターのコスメティックアイテムは非常に魅力的です。マーベルヒーローのテイストを守りつつ、魅力的なデザインにするために、どのような思いで取り組んでいるのでしょうか。
Yachen Bian:コスチュームのデザインは、いろいろな考え方があります。ひとつは、各シーズンでテーマを決めてデザインを調整することです。もうひとつは、クリスマスやサマーフェスティバルといったシーズナルイベントに合わせてコスチュームを作るという考え方です。また、IP自体からインスピレーションを受けることもあり、今年の7月に実施した夏イベントでは水着のコスチュームを展開しました。これは私たちのオリジナルデザインもありましたが、マーベルコミックにあった水着のエピソードを参考にしながらデザインしました。開発方針としては、デザイナーからのアイデアをマーベルに提案する形で、新しいデザインを一緒に考えています。
──この1年を振り返って、特に人気の高かったキャラクターや、実装を受けて盛り上がったタイミングはありましたか?
Feng Fan:マーベルのキャラクターたちにはたくさんのファンがついているので、どれが一番かは言いにくいですね。もともと本作はPvPのタイトルとしてリリースしましたが、最近実装したPvEモードも好評でした。SNSでもPvEモードがバズっていて、皆さんがハイスコアを目指してプレイしているのは人気の理由になっていると思います。
Yachen Bian:最近リリースしたシーズン5は、アメリカのチャートでもかなり上位に入っていて好評です。新しいヒーロー「ギャンビット」に続くキャラクターや新しいイベントも計画しており、こうしたコアゲームを継続的に拡張していきたいと思っております。シーズン5では「タイムズスクエア」というソーシャルエリアも搭載しました。このような、新しい友達ができたり新規プレイヤーが入りやすくなったりする要素は、今後も増やしていきたいです。SNS上のコメントなども見て、さらにゲームを改善していきたいと思っております。
──この1年で「マーベルのファンだけどシューターは初めて」という層をどれだけ定着させられたという手応えがありますか?
Feng Fan:マーベルファンでシューターの経験が浅いプレイヤーは多くいます。そうしたユーザーがゲームに入りやすいように、PvEモードやソーシャルエリアの「タイムズスクエア」などを実装しながら、シューターの初心者もベテランも、みんなが楽しめるゲームを作っていきたいと思います。
eFootball
株式会社コナミデジタルエンタテインメント 統括プロデューサー 田谷 淳一

──「GRAND AWARD」受賞について、コメントをお願いします。
このたびは「GRAND AWARD」という栄えある賞を受賞させていただきまして、本当にうれしく思っております。30年間、『eFootball』を遊び続けてくださったユーザーの皆様のおかげでいただけた賞だと思いますし、またこれからも『eFootball』をもっともっと面白くしていってほしいという期待の声とも思っておりますので、その声にお応えできるように、チーム一同これからも頑張っていきたいと思っております。
──1995年の『ウイニングイレブン』発売から、今年で30周年を迎えました。30年を振り返っての総評をお聞かせください。
30年にわたって遊び続けていただいた皆様に、心から感謝します。『ウイニングイレブン』は初代プレイステーションから発売していますので、プレイステーションに育てていただいたシリーズでもありますし、アクションサッカーゲームとしての直感的な操作感と、現実のサッカーをどうやってゲームに落とし込んでいくかということに、挑み続けた30年間でした。世代や地域を超えて遊ばれるタイトルに育ったことを、とてもうれしく思います。
──サービス継続型ゲームとして展開されているタイトルですが、今年「GRAND AWARD」を受賞されたということで、力を入れた取り組みなどはありますか?
世界中のお客様に継続的に遊び続けていただくことに力を入れました。グローバルでの大型アップデートをプレイステーションユーザーの皆様に最適化するとともに、各国のお祭りにちなんだイベントを行なったり、ローカルのレジェンド選手を登場させたり、またeスポーツ大会の開催などを通じて、以前遊んでいたユーザーの方も戻ってきたくなるような施策を展開した1年だったと思います。
──直近のシーズンアップデートは2024年8月に配信されたバージョン 5.0.0ですが、その反響はいかがでしたか?
バージョン 5.0.0は、シリーズ30周年の幕開けにふさわしいアップデートとして、全体的にポジティブな評価をいただけていると感じております。新要素の「リンクアップ」や、スライディングなど守備操作を改善して1対1の駆け引きがより面白くなったという声もいただきました。「カスタムスタジアム」というスタジアムをユーザーの好みにカスタムできる機能や、「ユーザープロフィール」という対戦時のユーザーカスタマイズに力を入れて、遊ぶ目的や目標が明確になったという声もいただいております。
ちょうど明日(12月4日(木))、最新アップデートのバージョン 5.2.0を配信する予定となっております。公式YouTubeチャンネルでアップデート情報を伝える「eFootball CONNECT」を配信しますので、そちらもぜひお楽しみください。
eFootball公式チャンネルの「eFootball CONNECT / バージョン 5.2.0 アップデート情報」はこちら
──カードゲーム「遊戯王」とのコラボレーションとして、ネイマール選手を起用したプロモーションが展開されました。その反響はいかがでしたでしょうか。
非常に手応えのある結果でした。「遊戯王」とネイマール選手という異色の組み合わせで、賛否両論あるかとも思っていましたが、インパクトの強さのおかげで、プレイステーション上のタイムラインに『eFootball』の話題が多く出ましたし、久しぶりにゲームを起動したという声も多くいただきました。ゲーム内ではコラボカードを配信しまして、それをきっかけに復帰された方や、「遊戯王」のユーザーの方が『eFootball』を手に取っていただけるきっかけになったということも確認しております。SNS上でもポジティブな反応が出ておりまして、シリーズ30周年のタイミングでゲームの枠を超えたお祭り感を創出できた、とても象徴的なキャンペーンになったと感じております。
──長年にわたって、世界のサッカーのリアルな動向をゲームに反映していると思います。どのように情報を得て、どのような基準でゲームに落とし込んでいるのかお聞かせください。
各国リーグの試合のデータやスタッツをベースにしていまして、あとは弊社がパートナー契約を結んでいる欧州のいくつかのクラブや、メッシやネイマールなどアンバサダー選手といった方々とのコミュニケーション、サッカーの専門家からの助言まで、情報源は多岐にわたります。そのうえで、ゲームが面白くなるのか、プレイして違和感が出ないかといったあたりを考慮しながら、能力値や戦術の落とし込み、モーションなどに反映してゲームを制作しています。
──本作は、特にどの地域でヒットしていますか? また、これからよりヒットさせるために重視していきたい地域はありますか?
これまではヨーロッパや南米、日本を含む東アジアのプレイステーションユーザーに強く支持していただいているタイトルでした。今後は、インドや中東といった成長著しいエリア、あと北アフリカはサッカーが盛んでモロッコなど強いチームが出てきていまして、北アフリカのサッカー強豪国でよりローカルなキャンペーン展開や、各国リーグとの連携も行なって、重点的にアプローチしたいと考えております。
──本作は基本プレイ無料というサービスモデルが採用されています。従来のパッケージ販売モデルと比べて、開発や運営面でどのような挑戦やメリットがありましたか? また、このモデルがコミュニティー拡大にどのように貢献しているとお考えでしょうか。
運営型タイトルは、つねにサービスを改善し続ける体制づくりが必要になるので、開発や運営のリズムはパッケージ販売に比べて大きく変化しました。それによって、ユーザーの皆さんのご要望や、最新のサッカー事情をゲームに反映するスピード感は格段に速くなりました。また、基本プレイ無料というサービスを行なったことで、気軽に手に取っていただけるようになったので、新規ユーザーの方々も増えましたし、友達同士が誘い合うというハードルも非常に下がりました。そうしてコミュニティーが拡大したことが、今回の「GRAND AWARD」という賞をいただけたことの理由になったのかと思います。
──オンライン対戦の体験をより楽しめる工夫についてお聞かせください。
オンライン対戦を非常に多くの方に楽しんでいただいておりまして、サーバーの増設、オンライン対戦中の通信アルゴリズムの改善など、目に見えないところの改善はつねに行なっております。あとはマッチングやレーティングの精度向上、フェアな環境づくりにも注力しております。ランキング設計も継続的に改善を行なって、勝っても負けても、また挑戦したくなるような構造を意識しております。さらに、FCバルセロナやマンチェスター ユナイテッドといった、パートナークラブのeスポーツ大会を開催しており、また国を代表して戦う「FIFAe World Cup」というFIFAと共同で開催しているグローバルな大会を行ない、配信もしております。そういった中でトップレベルのプレイを見ていただき、自分もあんなプレイをしてみようとモチベーションを上げることで、オンライン対戦をより楽しんでいただければと思っております。
──2021年にシリーズタイトル名を変更するなど、時代の変化に対して大胆な対応を行なっていますが、なぜ本シリーズがこのようなドラスティックな対応が実現できているのか、その考え方や秘訣、今後のビジョンなどについてお聞かせください。
「ウイニングイレブン」としてスタートしましたが、30年続いているシリーズのタイトルを変えるのは正直、とても大きな決断でした。ただ、これからサッカーゲームをどうしていきたいかを最優先で考えて、『eFootball』というタイトルにリブランディングする結論に至りました。
パッケージ中心からサービス型へ、オフライン環境からオンラインやクロスプラットフォームへということが主流になっています。そのなかでサッカーゲームの遊ばれ方が大きく変わって、”現実のサッカーとデジタルをつなぐプラットフォーム”が『eFootball』の一番にあるところなので、そこに進化するためにタイトル名を含めてゼロベースで考え直す判断をしました。その変化を支えているのは、過去の成功に甘えないことや、お客様と一緒にゲームを育てていこうという考え方です。
チャレンジとはつねに成功するわけではなく、リブランディングしたときはユーザーさんからも非常に厳しいお声をいただいた時期がありました。このまま継続できるのかとご心配されたと思いますが、お客様からの声に真摯に耳を傾けて、地道にアップデートしていくことで、よりよい形になっていけたことがシリーズらしさだと思っています。サッカーは新しい選手がどんどん出てきますし、進化していきますので、今後もリアルなサッカーシーンとの連動や、地域ごとの文化やコミュニケーションとのコラボレーションをさらに強化して、世界中のサッカーファンがつながる未来を目指していきたいと思っております。










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