『エンダーマグノリア: ブルームインザミスト』プレイレビュー! 儚くも美しい世界を旅する探索型2DアクションRPG

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『エンダーマグノリア: ブルームインザミスト』プレイレビュー! 儚くも美しい世界を旅する探索型2DアクションRPG

PlayStation®5/PlayStation®4用ソフトウェア『エンダーマグノリア: ブルームインザミスト』(以下『エンダーマグノリア』)は、少女「ライラック」を操作して、滅びゆく「煙の国」を冒険し、人と人工生命体「ホムンクルス」の救済を目指す探索型2DアクションRPGだ。

2021年にPS4用ソフトウェアとして発売された『エンダーリリーズ: クワイタス オブ ザ ナイツ』(以下『エンダーリリーズ』)を手掛けた「Binary Haze Interactive」の最新作。本作の舞台は『エンダーリリーズ』から数十年後の世界となっているものの、物語に直接のつながりはなく登場人物も異なるため、前作をプレイしていなくても楽しむことができる。

【STORY】

地下に眠る膨大な魔力資源によって栄えた魔法大国「煙の国」。発展の末に生み出された人口生命体のホムンクルスは、輝かしい未来をもたらすはずだった。しかし、地下から吹きあがる穢れた煙はホムンクルスを狂わせ、暴走する怪物へと変貌させてしまう。ホムンクルスを救済する力を持つ「調律師」の少女ライラックは、この国の悲劇に大きく関わるひとりのホムンクルスと出会う……。

『エンダーマグノリア: ブルームインザミスト』ファイナルトレーラー

『エンダーマグノリア: ブルームインザミスト』プレイレビュー! 儚くも美しい世界を旅する探索型2DアクションRPG

CHECK POINT①
滅びゆく世界を美麗に彩るダークかつファンタジックな2Dアート

本作の大きなポイントは、やはり細部まで描き込まれた幻想的な2Dアートだ。ダークかつファンタジックな雰囲気は前作『エンダーリリーズ』からしっかりと受け継がれており、薄暗い地下実験場や鉱石がひしめく採掘場、廃墟となった街並など、目の前に広がる儚くも美しいロケーションに心を奪われてしまう。

各地には暴走したホムンクルスたちがあふれており、かなり危険な状況だ。しかし、生き残った人々やまだ正気を保っているホムンクルスたちが身を寄せ合って暮らしている旧市街もあり、滅びに向かう世界で生き延びようとする人間やホムンクルスたちの営みを垣間見ることもできる。

楽曲は前作に引き続き音楽集団「Mili」が担当

前作に引き続き、音楽集団「Mili(ミリー)」が全楽曲を担当しているのもうれしいポイントだ。前作でも好評を博した透き通るような美しい旋律は、あるときは儚く、またあるときは激しくこの世界を彩り、悲哀に満ちた世界を探索する心細さや過酷な状況に立ち向かうライラックの力強さを演出し、没入感を高めてくれる。

CHECK POINT②
ホムンクルスの力を駆使して多彩なエリアを攻略しよう

本作はいわゆる”メトロイドヴァニア”と呼ばれるジャンルの2Dアクションゲームとなっており、攻撃やジャンプなどのアクションを駆使して多彩なエリアを探索&攻略していく。各エリアは複雑に絡み合い、探索はひと筋縄ではいかないものの、マップを見ればそのつながりや入手していないアイテムが残っているエリア、未開のルートがあるエリアなどを確認することができる。一見するとただの壁でも、近づくと部屋や通路が現れる「隠しゾーン」も存在し、エリアを探索するのがとても楽しい。

また、物語を進めるとマップの各所にある「レストポイント」と呼ばれる拠点へワープ(ファストトラベル)することができるようになるため、過去に訪れた場所を再び探索したいときや、ショップのある旧市街へ戻りたいときなどに役立つ。

複数のスキルを同時に使用できるテクニカルな戦闘

探索や戦闘の鍵となるのは、物語を進めるなかで仲間にしたホムンクルスたちの能力だ。ホムンクルスは、ゲームを進めたりボスとして登場する敵を倒したりすることで仲間になってくれる。プレイヤーが操作するライラックは敵を直接攻撃することはできないものの、調律師である彼女は暴走したホムンクルスを救済し、その能力をスキルやアクションとして獲得することができる。

例えば最初に仲間になってくれるホムンクルス「ノラ」の能力は、剣で敵を攻撃してくれるスキルだ。スキルをセットして対応するボタンを押すと、ノラが現われて前方を攻撃。ボタン連打でコンボを繰り出すこともでき、他のゲームではいわゆる通常攻撃に相当する基本の攻撃手段になっている。ゲームを進めるとスキルを拡張して、剣だけでなく鎌や斧を振るうこともできる。攻撃範囲、速度、威力などが武器種によって異なるため、対峙する敵や探索するエリアに合わせて最適な武器を模索するのも楽しい。

ホムンクルス「リト」のスキルは、燃える拳で敵をなぎ払うことが可能。攻撃範囲が直線的なため狙いを正確に定める必要があるものの、当たった敵を炎上させて継続的にダメージを与えることができる。クールタイムが設定されており連続で使用はできないが、ノラで通常攻撃をしている最中に使用することも可能だ。スキルを拡張すると、冷気を放つ攻撃や壁に当たると跳ね返るロケットパンチのような攻撃を繰り出すこともできる。

このほかにも、ボタンを押している間はつねに魔法の弾を発射してくれる「ヨルヴァン」、敵の攻撃に合わせてタイミングよく使用するとライラックを守りながらカウンター攻撃をしてくれる「鎖の獣」など、さまざまなスキルが存在する。

スキルは最大4つまでセットでき、□、△、○、R1ボタンに振り分けることができる。それぞれを同時に使うことができるため、効率よくダメージを与えようとすると操作がなかなか忙しい。しかし、リトを前方へ突っ込ませながらヨルヴァンの魔法の弾を撃ちつつ敵へ近づき、ノラのコンボでとどめを刺す、という一連のアクションがうまく決まったときの爽快感はかなりのもの。「ムニン」のスキルは射程内の敵を自動的に攻撃してくれるので、スキルの同時使用に慣れないうちはかなりの助けになった。

獲得した新アクションで通れなかった場所を突破できるように

セットしてボタンで発動するスキル以外にも、ホムンクルスの能力は新たなアクションとして獲得することもある。例えば「ガラム」を仲間にすると、ライラックが空中にいる際に方向キーの下と□ボタンで、地面に向かって高速の落下攻撃を仕掛けることができるようになる。この落下攻撃は床をふさぐ「肉腫」を破壊でき、新たなルートを発見したり隠されたアイテムを入手したりと役に立つ。

また、獣のホムンクルス「ハティ」を仲間にすると、前述したファストトラベルが使用可能に。さらにゲームを進めると新たな能力が加わり、ハティに騎乗して突進しながら攻撃したり肉腫の壁を破壊したりすることができるようになる。入手できるホムンクルスの能力は拡張によって手に入るものを含めると30種類にもおよび、獲得した能力によって新たなルートを開拓したり、自分だけのバトルスタイルを構築したりするのがますます楽しくなってくる。

ホムンクルスを仲間にするだけでなく、手に入れたアイテムによって新たなアクションを獲得することも可能だ。素早く移動して敵の攻撃を避ける「回避」、空中でもう一度ジャンプができる「二段ジャンプ」、水中を自由に移動できる「潜水」など、戦闘や探索の幅を広げてくれるさまざまなアクションが存在する。

ホムンクルスの能力や新アクションを駆使すれば、見えているのに取れなくて頭を悩ませていたアイテムを入手したり、どうやっても進むことができなかった場所を突破したりすることができるようになる。新たに行けるようになった場所にはどんなエリアが待っているのかとワクワクし、探索の足が止まらない。

CHECK POINT③
スキルとアクションをフル活用する、強力なボスとの激しいバトル

道中を徘徊するザコとの戦闘や頭を悩ませる複雑なエリアの探索だけでなく、随所に登場するボスたちとの熱いバトルも本作の醍醐味だ。ボスは個性的かつ強力な攻撃を駆使して、ライラックの旅路に立ちふさがる。

その攻撃はとても激しく、一度くらっただけで大ダメージをうけてしまうことも。初見では対処法がわからず、一方的にやられてしまうこともあるだろう。ただし、何度も挑戦していると行動パターンを把握でき、有効な立ち回りや効果的なスキルが見えてくる。強大な一撃を「待ってました!」とばかりにカウンターで切り返したときの”してやったり感”は格別だ。ボスとの戦いは、それまでに手に入れたスキルや習得したアクション、そして培ったテクニックをフル活用する総力戦といった感じで、とても盛り上がる。

ボス戦に限らないのだが、ライラックがやられてしまっても特にペナルティはなく、レストポイントへ戻るだけというのがありがたい。ボスの近くにはレストポイントがあることが多いので、スキルや装備を見直して再戦しやすいのもうれしい。

また、本作は敵の最大HPや攻撃力、状態異常の耐性などの数値をレストポイントで細かく調整できる。数値を下げて難易度を落としても、敵を倒した際に入手できる経験値や装備をクラフトするためのマテリアルは減らないため、アクションが苦手な人も遊びやすいはずだ。ギャラリー要素を解放するために使用する「フラグメント」というポイントのみ減少してしまうものの、ゲームをクリアするだけなら問題ないだろう。

逆に敵のHPや攻撃力を上げたり、攻撃予兆エフェクトをなくしたりして、難易度を上げることもできる。腕に自信のある人や、さらにヒリつく熱いバトルを満喫したい人にオススメだ。

スキルやアクションの獲得によって広がる世界を探索する楽しさや、スキルとテクニックを駆使して挑む戦闘、プレイヤーの目と耳、そして心を奪う、儚くも美しいアートや楽曲など、さまざまな魅力に満ちた『エンダーマグノリア』。前作『エンダーリリーズ』やメトロイドヴァニアのファンはもちろん、この世界観に興味を持った人は、ぜひ挑戦してほしい。


エンダーマグノリア: ブルームインザミスト

・発売元:Binary Haze Interactive
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:探索型2DアクションRPG
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 希望小売価格 4,378円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 3,278円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:C(15才以上対象)


PS Blogの『エンダーマグノリア: ブルームインザミスト』記事はこちら


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