PlayStation®5用ソフトウェア『RoboCop: Rogue City(ロボコップ: ローグ シティ)』は、名作SF映画「ロボコップ」シリーズの世界を再現した一人称視点のシューティング。プレイヤーは半分人間、半分マシーンのロボット警察官・ロボコップとなり、犯罪の巣窟となった危険はびこる近未来のデトロイトで正義の鉄槌をくだす。
映画「ロボコップ」は1980年代を代表する大ヒットSF作品だ。舞台は近未来のデトロイト。悪徳企業オムニ社は都市再開発計画を進めており、デトロイト警察を民営化し、警察官を意のままに扱っていた。そんな折、新たに配属されたアレックス・マーフィー巡査はギャングを追ってアジトに突入するも、返り討ちにあってしまう。マーフィーは死亡したが、オムニ社は彼を最強のロボット警察官・ロボコップとして蘇らせた。鋼の体を持ち、愛用の銃「オート9」で悪漢を制する爽快なバイオレンスアクションもさることながら、マーフィーの自我と法を遵守するプログラムとのせめぎ合いも見どころだ。
映画作品の世界観を60秒でまとめたトレーラーが公開されているので、ファンはおさらいとして、未視聴の方は基礎知識としてチェックするといいだろう。
『RoboCop: Rogue City』映画紹介トレーラー
そして本作『RoboCop: Rogue City』では、「ロボコップ2」と「ロボコップ3」をつなぐオリジナルストーリーが展開される。1作目と2作目で絶対的な権力を持っていたオムニ社は、3作目で日系企業に買収されており社長も交代。ロボコップも市民のためにオムニ社と戦うなど状況が大きく変わっているが、そうなるにいたった理由が本作のストーリーで見えてくる。
CHECK POINT ①
原作映画の世界観を徹底的に再現
本作の大きな見どころとなるのが、原作世界観の高い再現度だ。ロボコップの動きは人間ほど滑らかではなく、機械仕掛けのぎこちなさがある。移動は通常移動とスプリントがあるが、スプリントもはっきり言って遅い。ジャンプやローリングなどもなく、戦闘時は敵の攻撃を軽快に回避することはできない。しかし、これがロボコップ本来のスタイルであり、堅牢なボディで銃弾を受け、平然とオート9をぶちかますからヒーローとして強者感が出るのだ。スピーディなゲームプレイに寄せず、あくまでロボコップらしいアクションにこだわったのは大正解だろう。
ロボコップのボイスは、映画「ロボコップ」「ロボコップ2」主演のピーター・ウェラーが担当しており、本物の声で新たなストーリーに命を吹き込んでくれている。相棒の女性警察官アン・ルイスや、デトロイト警察西分署を束ねるウォーレン・リード巡査部長、デトロイト市長のキューザックなど、おなじみの面々も映画のキャラクター性そのままに登場しているのもファン心理をくすぐられる。
数々の映画再現シーンにも注目
レトロフューチャーな世界観を最新の映像技術で表現し、デトロイト市街や各ロケーションを歩き回るのも楽しい。とくに警察署内はロビーをはじめ、ロッカーやシャワールーム、射撃練習場など、映画で見た場所が細かく作り込まれて再現されている。
地下駐車場からパトカーで出動する際は、急坂に車体の底をこするデモシーンが入る。これも映画のシーンを再現したものであり、「パトカーが壊れるかもしれない角度の坂に設計するなんて、アメリカってやっぱりワイルドだな」と子供ながらに思ったのをよく覚えている。
犯罪都市デトロイトを揺るがす新たな事件
この原作映画の世界観を徹底的に再現したなかで描かれるのは、「新顔」と呼ばれる悪役による新たな事件だ。モヒカン頭のわかりやすいギャングもたくさん登場するが、「新顔」が目論んでいるのはデトロイトを揺るがすような大きな計画。その前触れとして、脳に損傷がない遺体が盗まれる事件が多発しており、それはマーフィーの脳を生体部品に使っているロボコップと無関係ではなさそうだ。
ストーリー中は登場人物との会話で選択肢が出ることがあり、その選択によって相手の感情が変わり、ストーリーの結果が変化する。人間らしくあるのか、法を遵守する機械らしくあるのか。プレイヤーそれぞれのロボコップ像がストーリーに反映されるところが面白い。
CHECK POINT ②
ロボコップらしさ全開の重厚なFPS
ロボコップらしい動きにこだわった本作のアクションは、軽快というより重厚。多少の被弾は気にせず、ゴリ押しで射撃を当てていくスタイルが基本だ。戦闘中にL2を押すと、「ロボコップ・ビジョン」が発動し、レトロ風味がある緑色のHUDで敵がハイライトされ狙いやすくなるほか、複数の敵をピピピッとマークする演出がロボコップ気分をさらに盛り上げる。映画のロボコップは正確無比な射撃で無駄弾を使うことなく倒していくが、そこまで再現できるかはプレイヤーの腕前しだい。ヘッドショットを狙っても頭を細かく振られてうまく当てられない敵もいて、こちらはロボコップになりきっているからよけいに悔しい。
メイン武器であるオート9のほか、サブマシンガンやアサルトライフルなど倒した敵が落とした武器を拾って使うこともできる。また、至近距離ではパンチで殴ったり、つかんだ敵を投げたりすることも可能だ。つかみ投げはテレビや鉄製カーゴ、ガスボンベや大型バイクといったステージ内のオブジェクトも対象となり、非常にワイルドなアクションで敵を倒せる。
人質がいる部屋の扉を開けるときや、脆い部分のある壁をパンチで壊すときは、「突入」で攻め入る。「突入」は最初の数秒間だけ敵がスローモーションになり、複数の敵にヘッドショットを狙って一掃することが可能だ。ロボコップの超人的な反射神経を表現したアクションであり、人質を傷つけられるまえに全滅させると最高に気持ち良い。
ここまでロボコップが無双することを述べてきたが、実際には無敵ではなく、ダメージを受け続けると倒されてしまう。映画のロボコップだって何度もスクラップにされかけているし、ピンチを乗り越えるからこそヒーローはカッコイイのだ。
ボスや特殊な敵が脅威になるのは当然として、意外と恐いのが通常の敵も使ってくる爆発物。遠慮なくポンポン投げてくるので、小口径の銃しか持たないザコだとナメていると痛い目にあう。ダメージが蓄積してきたら、OCPリカバリーチャージで回復できる。あるいは、最大値の20%まではゆっくりと自然修復する。いずれにしてもしっかりと回復して体勢を立て直さなければならず、ゴリ押しにこだわらず物陰に避難することも必要だ。もっとも、ロボコップの移動はとても遅くてジャンプもできないので、ちょっとした障害物に引っ掛かって避難できずアタフタしてしまうこともあるけれど。
CHECK POINT ③
スキルや武器を強化するカスタマイズ要素
ロボコップの能力や愛銃オート9の性能は、プレイヤー好みのスタイルに強化・カスタマイズすることが可能だ。
戦闘や探索の効果をスキルで強化
まずはスキル。主に任務完了後にスキルポイントを入手し、これを各能力項目に割り振っていくことでロボコップの性能がアップする。戦闘に直結するもののほか、探索や会話に影響するものなど、項目の種類は多岐にわたる。攻撃特化にするか、堅牢なボディを手に入れるか、探索やストーリーを効率的に進めやすくするか、さまざまなロボコップに仕上げられる。
また、各項目の2段階目、6段階目、10段階目それぞれでスキルを習得することが可能だ。被ダメージを軽減する「シールド」、短い距離ではあるが素早く移動できる「ダッシュ」、周囲の時間を遅くする「スローモーション」は、戦闘中に任意のタイミングで発動することができる。これらを習得したあとは戦闘の立ち回りの幅が大きく広がり、ロボコップの強さをより実感できた。
基板とチップをパズルのように組み合わせてオート9を強化
続いてはメイン武器であるオート9の強化。プリント基板とチップを入手すると強化できるが、これはちょっとしたパズルのようになっている。基板には電源といくつかのシステムエリアがついており、空きスロットにチップを挿入して動力が供給されることで、つながったシステムが有効になる。システムは武器ダメージ、リロード速度、マガジン容量など、強化すれば戦闘が有利になるものばかり。一方、赤い部分はリミッターであり、ここに動力が供給されると武器のステータスが下がってしまう。さまざまな向きのチップを適切な位置に挿入し、リミッターを避けながら強化することがポイントだ。
また、特定の基板で有効化できるアビリティ「オートフィーダー」はとくに強力だった。自動給弾機を搭載したオート9は、マガジンの残弾もリロードの手間も考える必要がなく、ずっと撃ちっ放しでいられる。こうして強化したオート9は、映画のロボコップが見せていたような無慈悲な強さを発揮するようになる。未強化だった序盤は物足りなさを感じていたが、これこそが望んでいたオート9の姿だ。
原作の世界観を再現しシリーズ作品間のストーリーを補完、ロボコップになりきってデトロイトの街を守ることができる本作は、「ロボコップ」ファンを満足させること間違いなし。アクションとしての完成度も高く楽しめるので、「ロボコップ」を知らない方もゲームを入り口として名作SF作品に触れてみてほしい。
『RoboCop: Rogue City』プレイ動画
RoboCop: Rogue City(ロボコップ: ローグ シティ)
・発売元:3goo
・フォーマット:PlayStation 5
・ジャンル:アクション
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 希望小売価格 8,580円(税込)
ダウンロード版 販売価格 スタンダードエディション 8,580円(税込)
ダウンロード版 販売価格 アレックス・マーフィー エディション 10,010円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:Z(18才以上のみ対象)
PS Blogの『RoboCop: Rogue City』記事はこちら
『RoboCop: Rogue City』公式サイトはこちら
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ROBOCOP – ROBOCOP 3 © 1987-1992 Orion Pictures Corporation. ROBOCOP: ROGUE CITY © 2023 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. ROBOCOP & ROBOCOP: ROGUE CITY are trademarks of Orion Pictures Corporation. All Rights Reserved. ROBOCOP: ROGUE CITY published by Nacon and developed by Teyon. © 2023 Nacon. All Rights Reserved. Published and distributed by 3goo K.K. in Japan.
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