北欧神話の世界が舞台のアクションゲーム、PlayStation®5/PlayStation®4用ソフトウェア『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』。2018年に発売された『ゴッド・オブ・ウォー』の続編となり、主人公クレイトスとその息子アトレウスの壮大な物語が描かれます。
世界観や物語、キャラクターから戦闘アクションまで、すべてがとにかく“デカい”本作の魅力を、マフィア梶田さんに語っていただきました。
※前作『ゴッド・オブ・ウォー』のネタバレが含まれます。
マフィア梶田
フリーライター、ラジオパーソナリティ、MC、俳優、声優など、依頼があればなんでもこなすエンタメ界の傭兵稼業。なかでもWEB上での活躍が目覚ましく、コラム執筆のほかさまざまなゲーム番組のMCとしてつねに業界トップクラスの出演数を誇る。役者としては庵野秀明・樋口真嗣監督作品『シン・ゴジラ』カヨコのSP役。大林宣彦監督作品『海辺の映画館―キネマの玉手箱』成田中尉役。TVアニメ『戦翼のシグルドリーヴァ』グラサン役など。その特異なキャラクター性から、ゲームや漫画作品に本人役として登場することも多い。
クレイトスの筋肉が“デカい!”
──本作のどんなところを“デカい”と感じましたか?
「ゴッド・オブ・ウォー」はクレイトスさんという強烈な主人公がいて成り立っているタイトルなので、そんな彼のマッチョぶりはシリーズファンからすると見どころであり、憧れの対象でしょう。力強いヒーローという意味合いでは、クレイトスさんのパワフルな振る舞いとか体つきとか、歳を重ねても肉体は全盛期に勝るとも劣らない、相変わらずの迫力を保っていると思いますね。
今回は親子の話にもなっているので、息子に見せる背中もデカくなったという印象です。自分がプレイしていたPlayStation®2やPlayStation®3の「ゴッド・オブ・ウォー」の頃とは印象が変わっていて、その激動の人生を語る背中になっているな、と。歴史を背負ったデカい背中ですよ。
──筋トレをしているご自身から見て、クレイトスの筋肉美はどう映りますか?
筋トレをしている人間が見るとわかりますが、幾多もの眠れない夜を過ごさないと、この肉体にはならないです(笑)。「相当やってんな」という印象ですね。ただ、クレイトスさんに関しては筋トレで鍛えた筋肉ではなく、数々の死闘の中で育まれた体だとは思いますが。なかでも魅力的なのは分厚い胸板と背筋、そして太い腕ですかね。アクション映えもしますし、デカい武器を振るうことが多いので、筋肉もデカければデカいほどいいと思います。
その点で理想的な主人公像というか、自分が好きな洋ゲーというジャンルでもトップクラスにカッコイイ主人公です。国産のゲームにはほとんどいないですが、洋ゲーはスキンヘッドだったり髭面のオヤジが主人公になることも多いですよね。自分はそういうところが気に入っていて、戦いの経験値や容赦のなさに説得力があるんです。クレイトスさんは立ち振る舞いに説得力があって、筋肉のデカさもそんなキャラクター性を表現する重要なファクターになっていますね。
──北欧神話編で描かれる、父親としてのクレイトスにどんな感想を持ちましたか?
今回の『ラグナロク』で久しぶりに「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズを触りましたが、冒頭から親子のコミュニケーションが数多くあり、ひとことで言えば不器用ですよね。父親としての葛藤や苛立ちが目立っていて、それでいて寡黙だから心のすれ違いが起きている印象です。
一方でアトレウスは若さゆえの万能感というか、親としてはヒヤヒヤする無謀な行動もあり、クレイトスさんはそこに危機感を持っているように見えました。アトレウスの振る舞いが、クレイトスさん自身の過去を思い起こさせているのかもしれませんが、戦いにまみれた人生の虚しさも悟っているようですし……息子には自分と同じ目に遭ってほしくないんじゃないでしょうか。とはいえ、現状では序盤しか遊べていないので自分の勝手な想像ですけどね。この先、親子関係はこじれたり雪解けがあったりして、徐々にふたりは理解しあえるのでしょうか。すっかり父親になったクレイトスさんが、次代であるアトレウスにどんなことを伝えていくのか気になりますね。ただ、いわゆる神話には親殺しや子殺しといったエピソードも多いので、そのあたり若干の不安もありますが……。
物語のスケールが“デカい!”
──北欧神話の世界や物語のデカさについてはいかがでしょうか。
これは言わずもがなだと思いますが、ギリシア神話の神々との殺し合いから始まり、その戦いが終わったと思ったら今度は北欧神話。スケールのデカさは相当なもんですよ。神話体系をまたいで戦い続けているわけですから、「デカさ」を語るのであればその最たるものは「物語」に行き着くかと。
クレイトスさんに限って言えば、彼は父親としての存在感を増した一方で、豪傑無双のダークヒーローとしての印象は薄くなったような気がします。かつての残虐な怒りに満ちていたクレイトスさんではなくなったような印象を受けました。その対比は実に面白いところですね。
──梶田さんとしては、以前のクレイトスがお好みですか?
いや、今回のクレイトスさんですね。自分が同じように歳を重ねてきたからだと思いますが、がむしゃらに突き進み、今ようやく悟りに至ろうとしている。あるいはすべてに疲れてしまって、過去の自分とはもう違うのだと自覚し始めた頃なのかもしれません。自分自身がまだまだ若輩ではありますが、そう感じているので。そういった目線でクレイトスさんの変遷を見ていると、他人事とは思えないというか。
自分に子どもはいませんが、気付けば死んだ親父のことを思い出しながらプレイしていました。自分にとっての親父というものが、寡黙なのに怒らせると恐くて、背中がデカくてヒゲでスキンヘッドという存在だったので。その印象が今回のクレイトスさんにガッチリ当てはまったんですよね。
そういった意味で、今作は“大人のゲーム”なんだと思います。もちろん若い世代でも楽しめるんでしょうけれども、中年のおじさんになってからこのゲームを遊んでみると、クレイトスさんとアトレウスのコミュニケーションや、クレイトスさんの過去回想に対して感じ入るところは多いと思います。シナリオは相当よくできていますね。確実に冒頭からディープな世界観に引き込まれます。
──おじさんゲーマーにもおすすめしたいゲームですね。
超おすすめです。おじさんゲーマーに限らず、ゲームに対してアンテナを高く張っている人は絶対に遊んだほうがよいかと。
容赦ないアクションの爽快感が“デカい!”
──アクションの感触はいかがでしたか?
戦闘面に関していえば、冒頭からアクションのバリエーションが多く導入されています。どのアクションで敵を倒すか、冒頭から迷わせてくれるというのは素晴らしいですよ。大体のアクションゲームは比較的制限された状況から始まって、徐々に戦略を覚えていくものです。『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』は冒頭からさまざまな戦略を取ることができて、戦いを工夫するという行為がすぐ楽しめる。そういう意味では、ある程度アクションゲームに慣れている人向けの調整をしているように感じました。アクションゲームをふだんから遊んでいる人には、冒頭からこれくらい楽しませないと飽きちゃうだろうというバランス調整です。
それでいて、コンボのつなぎ方が複雑じゃないのは個人的に好印象でした。例えば極端な話だと格闘ゲームのようなコマンド入力があると、その時点で一定層が弾き出されてしまいますが、ボタンを押すタイミングや順番だけなら、徐々に慣れていけば誰でも遊べますからね。
「ゴッド・オブ・ウォー」といえば、クイックタイムイベントを導入した代表的なゲームでもありますよね。クイックタイムイベントはプレイヤーによって好き嫌いが分かれるものですが、自分は嫌いじゃないです。ムービー中でもクイックタイムイベントがあると、能動的に物語へ介入している気になれるし、成功してピンチを切り抜けたりすると気持ちいいじゃないですか。
それに、クレイトスさんといえば戦闘における残虐ムーブ。CERO「Z」指定タイトルということもあり、フィニッシュムーブで敵の四肢を切断したり、頭をかち割ったりと、今作でも容赦ないです。自分はゴア表現も洋ゲーには欠かせない魅力だと思っているので、その点はすごく爽快に感じますね。ド派手なフィニッシュムーブを見るたび、拍手したい気持ちになります。
──ゲームの難易度として、アクションに慣れていないユーザーでも楽しめるでしょうか?
アクションゲームのド素人が爽快に遊べるかといえば、それはモチベーション次第でしょうね。モチベーションがなければコントローラーを投げてしまう可能性もあるでしょうが、その場合は無理せず難易度を下げれば問題ないですよ。
ある程度アクションゲームに慣れている自分は、ノーマルな難易度の「BALANCE」で遊びました。序盤でも何回か死にましたが、コツを掴めば「なんだ、そういうことか」と対応できる、ちょうどいい歯応えでしたね。死にすぎてストレスを感じるようなことはなく、どちらかといえば爽快感が勝る絶妙なバランス。強い敵にギリギリで打ち勝つ気持ちよさを味わってほしいです。
──マップの構成や探索の楽しさについてお聞かせください。
まだマップのバリエーションを語れるほど進行できていないのですが、過酷で美しい神話の世界観に浸らせてくれるようなマップ構成をしているように感じました。序盤はとにかく雪景色が多いのですが、その雰囲気も実に神秘的なんです。マップがひたすらデカいように見えて、実はしっかり導線に沿って移動していれば迷うことはないという親切設計ですね。オープンワールドのような、マップの広さをウリにしているゲームは慣れていないと何をしていいかわからずに迷うこともあるのですが、『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』は目的地へのマーカーもわかりやすいですし、ストレスなく探索できると思いますよ。
──ユーザーには本作のどこに注目して、どのように楽しんでほしいですか?
ぜひ自分のチャンネルで公開しているプレイ動画も併せて見ていただきたいのですが、Z指定の事情で動画ではほとんどのゴア表現をカットしているんです。でも、本当は残酷なシーンもそのままお見せするほうがこのゲームの魅力をより深く伝えられると考えています。
マフィア梶田さんの『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』プレイ動画はこちら
勘違いしてほしくないのは、今作がグロテスクな表現を露悪的に見せたいわけではないということ。あくまで命のやり取りをしている最中、敵を討ち倒す過程で必然的に生じるオーバーキルなのです。フィニッシュムーブだけでなく、通常の攻撃でも敵の体はちぎれ飛ぶのですが、これは神域の闘争なのだから、それくらいのダメージ表現はあって然るべしですよね。
過激な表現が苦手な人もいるでしょうけれども、それで敬遠するにはあまりにももったいない傑作です。物語やキャラクターと併せて楽しめれば、きっと納得のいく演出になっていると思いますよ。毛嫌いせずに遊んでみてほしいですね。
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ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク
・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:アクション
・発売日:好評発売中
・価格:PS5/PS4 ダウンロード版 販売価格 デジタルデラックスエディション 9,790円(税込)
PS5 パッケージ版 希望小売価格 スタンダードエディション 8,690円(税込)
ダウンロード版 販売価格 スタンダードエディション 8,690円(税込)
PS4 パッケージ版 希望小売価格 スタンダードエディション 7,590円(税込)
ダウンロード版 販売価格 スタンダードエディション 7,590円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:Z(18才以上のみ対象)
PS Blogの『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』記事はこちら
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