『The Lost Wild 』2027年にPS5®で発売決定!

0 0
『The Lost Wild 』2027年にPS5®で発売決定!

恐竜を“怪物”ではなく、“動物”として描くために必要なこととは?

Great Ape Gamesのゲームディレクター、ゲイリー・ナッパーです。ついに『The Lost Wild』についてお話しできることを、とても嬉しく思います。本作は、恐竜と戦うゲームではありません。恐竜が存在する世界で生き延びることを目指すゲームです。

『The Lost Wild』を構成する重要な要素は、観察、勘、抑制の3つです。つまり、恐竜がどこを見ているのかしっかり観察してから行動し、走り出してはいけない瞬間を見極め、身を隠している建物より大きな存在が通り過ぎていくときは、じっと息を潜める……ということです。本記事では、そうしたゲームデザインの設計理念についてお話したいと思います。

『The Lost Wild 』2027年にPS5®で発売決定!

私たちが当初から掲げていた目標は、恐竜が怪物としてではなく、動物として実在する世界を創ることでした。恐竜たちはそれぞれの本能や習性、衝動を伴って『The Lost Wild』の世界に存在しています。この視点の変化が、プレイヤーの取るべき行動を根本的に変えるのです。この世界でのプレイヤーは支配者でもヒーローでも征服者でもありません。外からやってきた、ただの生物でしかなく、脆く無防備なまま、食物連鎖の王ではない存在として生き延びねばなりません。

このコンセプトに基づき、ゲームデザインの全体的な方向性が決まりました。これは恐竜の動きや習性のみならず、恐竜の住む世界で生き残る感覚そのものにも影響を与えています。

ゲームでは、人間のか弱さを利用して緊張感を高めています。プレイヤーは恐竜という原始の存在を倒す武器は持っておらず、身を守るツールを探し出して活用することになります。一方で、作品の雰囲気を損なうような、ゲーム的なシステムの使用は避けています。また、大げさに弱点を強調したり、予想がつくような攻撃パターンを採用したりはせず、観察、学習、反応に依拠するサバイバルに重きを置いています。つまり、プレイヤーが恐竜と鉢合わせたときは、逃げて身を隠したり、恐竜の気を逸らすようなツールを作ったり、環境を利用して脅威から逃れたりすることになります。

加えて、恐竜がどのように動き、どのように音に反応し、空間をどう支配しているかを理解することが求められます。例えば、アロサウルスが獲物を探知するクセや、動かずにいれば興味を失くすのかどうかなど、冷静に観察することで、生き残る可能性が高まるでしょう。恐怖とは、脅威そのものだけではなく、“不確かさ”によってももたらされるもの。思いがけず恐竜たちと出くわすたびに、命がけの緊迫した“鬼ごっこ”へと発展するのです。同時に、畏怖と敬意といった感覚も喚起したいと考えています。恐竜たちは悪役ではなく、本能のままに行動する動物です。それが、恐怖と興味が混ざり合った複雑な感情を生むのです。

『The Lost Wild』では、草木が生い茂る、狭苦しく過酷な環境が待ち受けているほか、野生の力に侵食された無人の建造物も存在します。つまりプレイヤーが放り込まれるのは、開放感溢れるサファリパークではなく、視界が悪く道らしい道もない、方向感覚を失いそうな風景が広がる世界なのです。これにより、文字通りにも精神的にも、自分の居場所がわからなくなってしまう体験を創り上げました。

『The Lost Wild』の物語は自動的には進行するものではありません。ストーリーの断片をプレイヤー自身の手で見つけ出す必要があります。私たちが目指したのは、あからさまな説明や目立つUIによって「ゲームをしている」感覚に引き戻されることのない、没入感あふれる映画のようなプレイ体験です。現実的かつプレイヤー自身が探求していく物語は、探索、調査、観察によって明らかにされていきます。

主人公・サスキアは、ゲームの舞台となる島で何が起こったのか、そしてなぜ島が無人となったのか、その経緯を明らかにするために探索を始めます。そして朽ちた建造物や周囲のわずかな様子から、かつて人間がいた痕跡を見つけることになります。しかし、ノートや、慌てた誰かが残していった食べかけの食事、使用者を失ったIDパスなどを見つけても、すべてがはっきりと説明されるわけではありません。あえて余白を残すことで、プレイヤー自身が解釈して疑問を抱く余地を残すためです。このアプローチによって、物語により深く入り込み、余韻に浸り続ける体験を得られることでしょう。

『Alien: Isolation』のプロジェクトに参加した経験が、私のホラーデザインへのアプローチ法を形づくり、本作のゲームデザインを見通すレンズとなりました。『Alien: Isolation』で得られた大切な教訓のひとつは、クリーチャーを見せすぎないことの重要性でした。これにより、プレイヤーに想像の余地を残し、世界観やシステムに自由な幅を持たせることができるのです。

『Alien: Isolation』での恐怖は、クリーチャーが実際に何をするかだけでなく、プレイヤーが「この敵は今から何をするのか」と想像するところにもありました。つまり、未知なる相手に対する予測と恐怖こそがカギなのです。そして本作では、あらゆる場面で同様の法則を適用しました。恐竜を筋書きどおりに動く存在ではなく、システムとして予測不可能な存在にすることで、より大胆で、プレイヤーごとに異なる恐怖体験を作り上げています。また『Alien: Isolation』との違いは、恐怖の根源に立ち向かう手段がないだけでなく、「立ち向かっていい相手ではない」とプレイヤー側に感じさせる点にもあります。プレイヤーは恐竜が闊歩する世界で生き残ろうとする間、生き物として、恐竜に対する畏れを抱き続けることになるのです。

さらに広い視点で見ると、個人的には昨今、いわゆる「チート系」や「無双系」から離れたプレイ体験への関心が高まっているように感じています。ホラー要素が本領を発揮するのは、自由が制限されるとき、うまくいく見込みが不確かなとき、無力感を覚えるときです。本作では、そういった「生き延びられるとは限らない」「優位に立てない」体験を提供することに特化しています。

突き詰めると、本作では、地に足のついた、冷淡で、それでいて命が息づく世界に、ヒーローではなく、はるかにか弱く共感できる存在として、プレイヤーは身を置くことになります。そしてプレイヤーは考え続けるのです。「もし実際に自分がこの世界にいたら、どのように行動するだろうか?」と。

私たちは本作を通して、追いかけられたり襲われたりするだけでなく、自分ではどうにもできない無力感を抱くという、これまでとは異なる恐怖を作り出したいと考えています。憎しみという感情すら必要ない存在から見つめられ、追われ、理解される体験をぜひ味わってください。

私たちは、恐怖と理解の狭間にこそ、真に忘れがたい何かが生まれると信じています。

『The Lost Wild』は2027年にPS5で発売予定です。本日6月3日(水)より欲しいリストへの登録が可能です。

コメントに参加する

コメントを投稿する

コメントを投稿する前に

皆さんが会話を楽しめるように、思いやりのある親切なコメントをお願いします。 不適切なコメントを発見された場合は、PlayStationBlogModeration@sony.comまでご連絡ください。

コメントを残す

お客様の生年月日を入力してください。

Date of birth fields