『プラグマタ』インタビュー! ガンシューティングとパズルをひとつの戦闘に落とし込むための試行錯誤とは?【特集第2回】

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『プラグマタ』インタビュー! ガンシューティングとパズルをひとつの戦闘に落とし込むための試行錯誤とは?【特集第2回】

4月17日(金)に発売される、PlayStation®5用ソフトウェア『プラグマタ』。本作はパズルとアクションが融合した、独自の爽快感と戦略性を併せ持つ新感覚のSFアクションアドベンチャーだ。

物体情報をコピーし、形状だけでなく性質や機能までも再現できる夢の素材「ルナフィラメント」。月面にあるその研究施設との連絡が、ある日を境に途絶えてしまった。調査チームの一員として派遣された宇宙服姿の「ヒュー」は重傷を負い、仲間ともはぐれてしまう。そんな彼を助けたのは、ルナフィラメントによって造られたアンドロイド”プラグマタ”の少女「ディアナ」だった……。

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本記事では、メディア向け体験会の一環として行なわれた、『プラグマタ』を手掛けたカプコンの趙容煕ディレクターと大山直人プロデューサーのインタビューをお届けする。配信されている体験版を遊んだユーザーの反応や、パズルとアクションを融合させたシステムの狙い、さらにはPS5独自の要素についても語っていただいた。

趙 容煕

カプコン『プラグマタ』ディレクター

大山 直人

カプコン『プラグマタ』プロデューサー

トレーラーを公開するたびに集まる注目とプレッシャー

──配信中の体験版『PRAGMATA Sketchbook』をプレイしたユーザーの反応はいかがでしょう?

大山:ポジティブな感想を多くいただいています。もっと賛否が分かれると思っていたのですが、面白かったという声が予想以上に大きくて驚きました。

趙:私は体験版を遊んだ方の感想を、YouTubeやXなどから拾っていました。なかでも印象的だったのは、日本のとあるXユーザーの反応です。その方は体験版を初めて遊んだ際に「こんなの面白くない」とつぶやいていたのですが、それ以降も毎日遊んでくれていて、しかも体験版のクリアタイムを報告しているんです。面白くないと言っているのに、なぜ毎日プレイしているんだろうと注目していたのですが、つぶやくたびに体験版のクリアタイムが更新されていく。そして最終的には「体験版だけで8時間も遊べた。製品版も買う」と言ってくれたんですよ。

大山:実際に遊んでみないとゲーム性がわかりづらいタイトルなんですよね。そのため、体験版は早めの段階で配信させていただいたのですが、予想以上にポジティブな反応が多くてうれしいです。本作は何度も発売日が延期となりました。2020年に放送されたPS5に関する映像イベントにて、初めて『プラグマタ』というタイトルと2022年の発売をアナウンスしたのですが、その後に発売が2023年へ延期となり、そして無期限延期に……。その最中もずっと作り続けて、そしてようやく体験版を遊んでいただけるところまで来たことに対し、ホッとしている自分とドキドキしている自分がいます。

体験版『PRAGMATA Sketchbook』をPS Storeでダウンロードする

趙:当初は本作がここまで期待されるタイトルになると思っていませんでした。もちろん普通のゲームを作ろうとは考えていませんでしたが、トレーラーを公開するたびに注目が集まるようになっていったんです。プレッシャーも強く感じるようになり、期待に応えるべくさまざまなアイデアを盛り込もうとしたことも、発売延期に影響をおよぼしてしまったと感じています。

本作ならではのビジュアル表現や敵のデザイン

──今回の試遊で遊ぶことのできた、ニューヨークの街並みを再現した場所について詳しく教えてください。

趙:その場所は、ルナフィラメントという近未来の万能素材をAIが用い、月面施設の一角に3Dプリントで再現した空間という設定です。

大山:本作の舞台は近未来の月面世界であり、そこにある施設の中に街を3Dプリントで再現するという研究を行なっている区画があるんです。そこ以外にも、地球にちなんださまざまなものの再現を試みるエリアが用意されています。例えば、プリントされた車は形状だけでなく、その機能まで再現されています。そういったものをAIが管理している月面世界が、本作の舞台です。

──精巧なニューヨークの街並みはもちろん、サラサラなディアナの髪の毛やメタリックな敵”ボット”などのグラフィックも印象に残っています。グラフィックに対するこだわりをお聞かせください。

趙:人工的に作られたメカというものは、やはりエッジがとても大事だと思っていました。洗練された近未来のメカが登場する本作の絵作りは、弊社の「バイオハザード」や「デビルメイクライ」とは異なります。美しいメカを作るために、モデリング担当や背景担当とかなり話を詰めました。自然物には情報量がいっぱいありますよね? 例えば「バイオハザード」のゾンビの場合は血の質感といった情報があるのですが、メカはのっぺりとしているので、どうやって情報量を増やすかということに時間をかけました。デカールを貼り付けたり溝を作ったりすることにより、情報量を増やしてスケール感を演出しています。

大山:敵のボットについては、ツルっとした外見はもちろん、ハッキングによって装甲を強制解除した状態にも、ひとつひとつのパーツにこだわって手を入れています。

──体験版にも登場したマネキンのような姿のボット「ウォーカー」や、今回の試遊で戦うことができた巨大なドールのような姿をしたボットなど、人間に近い形をした敵のデザインについてお聞かせください。このようなデザインになったのは、世界観的な理由などがあるのでしょうか?

趙:ウォーカーは人の役に立つために作られたアンドロイドであり、無人の月面基地で最初に作られたアンドロイドとなります。マネキンのような外見にしたのは、人の力になれるロボットは人と同じ機能を持っていなければならないと思っていたことが理由です。ドールのような巨大なボットは、月面世界を管理するAIがウォーカーを改造して作った存在です。敵がロボットとはいえ不気味な感じもやはり必要だと思い、人間に近い形を採用しました。ゲームを進めると、この2体以外にも人型の敵ボットが登場します。

最初はパズルじゃなかった? ガンシューティングとパズルの融合

──ガンシューティングとハッキングのパズル要素を融合させる発想は、何から得たのでしょう? 採用した理由や、思いついたきっかけなどについてお聞かせください。

趙:既存のシューティングゲームとの差別化のため、ガンシューティングとハッキングを戦闘の最中に一緒に行なうというコンセプトは、開発当初から決まっていました。ハッキングというものに決まったのは、SF感を演出するためです。では、どんな操作をすればハッキングを表現できるのかを模索した結果、最終的に現在のようなパズル要素になりました。

大山:最初はパズルじゃなかったんですよ。ハッキングというコンセプトをゲームプレイに落とし込むために、試行錯誤を重ねてさまざまなパターンを検証し、そのなかで一番操作しやすく、かつ長く楽しめるものとして今のパズルを採用しました。

──ボツになったハッキングのアイデアには、どんなものがあったのですか?

大山:発売前の今は、ちょっと回答を控えさせていただきたいと思います。ボツになったアイデアも、話だけを聞くとすごく面白そうな内容に感じると思いますよ。ただ、それが長いゲームプレイのサイクルのなかで楽しめなかったため、ボツになったという背景があります。

趙:いつか話せる時期が来るといいですね。

──実際にプレイすると、ガンシューティングとパズルのバランスが非常にいいと感じました。このバランスはどのように調整されたのでしょうか。

趙:本作では、ガンシューティングとパズルというふたつの要素を、ひとつのゲーム性にしなければならないと考えました。ガンシューティングだけ、もしくはパズルだけで戦闘が終わるようでは、目指したコンセプトからズレてしまう。そのため、最初はガンシューティングの最中に強制的にハッキングシーンが挿入されるシステムになっていたんです。しかし、これではあまり面白くないという意見がチーム内でもあがりました。ですが、あまりに自由だとガンシューティングのみで戦うプレイヤーが増えてしまう。ハッキングの必要性を感じてもらうために、テストプレイを何度も重ねました。

大山:ハッキング=パズルと決まるまでにかなりの時間が必要だったのですが、パズルに決まってからの調整にも結構な時間をかけました。パズルが義務にならないようなバランス、遊んでいて気持ちのいいエフェクトやサウンド、パズルのマスの変化など、さまざまな要素をブラッシュアップしていくなかで定期的に新しい人にプレイしてもらってフィードバックを取り入れることを繰り返し、ようやく今の形になりました。

──体験版や今回の試遊では、探索におけるギミックの解除や、戦闘で敵の防御力を下げたり、敵が撃ったミサイルを敵にはね返したりするようなハッキングがありました。これら以外にもハッキングのバリエーションはあるのでしょうか?

大山:ステージごとにユニークな敵や遊びを詰め込んでいます。新しいステージに行くと新たな敵やギミックが出現するため、飽きずに最後まで楽しめると思います。

趙:敵に襲われてピンチに陥ったヒューをディアナが助けるというシチュエーションのハッキングは、対峙する敵ごとに用意しています。演出も異なるのでご期待ください。

──体験版や今回の試遊では、敵の防御力を下げる「デコード」や、ハッキングの効果を周囲の敵に伝播させる「マルチハック」といった「ハッキングノード」を使用できましたが、ほかにはどのような効果のノードがあるのですか?

大山:さまざまなノードがあるのですが、それはぜひ製品版の発売を楽しみにしていただければと思います。

趙:ゲームを進めていくと、一度に持ち歩くことができるノードの種類が増加し、組み合わせて使えるようになります。例えば、デコードとマルチハックを組み合わせて使うと、複数の敵の防御力を一度のハッキングによって下げることが可能です。そうして防御力の下がった敵の集団をショットガンで一掃するなど、ノードと武器の組み合わせを考える楽しさも味わえます。

大山:ノードと武器の組み合わせによって戦略が広がります。使用できる武器やノードが増えると、選択肢が増えて楽しさと爽快感がアップしていく。ガンシューティングとハッキングのどちらを重視するかを、強化によって選ぶことも可能です。ハッキングを優先的に強化すると銃よりもダメージを与えられるようになり、一度のハッキングで敵を全滅させることもできるようになります。

趙:体験版を遊ばれた方の中には。序盤でこの内容なら後半のハッキングはさらに大変なのでは……と心配している人がいるかもしれません。しかし、新たなノードの獲得や強化によって一度のハッキングがパワーアップし、テンポはよくなっていくと思います。

──ザコが相手の場合はハッキングノードを温存するリソースマネジメントも重要だと感じました。

大山:そうですね。しかし、シェルターに戻ればすぐに補充もできるので、ガチガチのシビアなリソースマネジメントまでは必要ないと思います。ある程度気持ちよく使っていけつつ、無闇に使いすぎると大事なタイミングで尽きてしまうかな……といったバランスです。

趙:ノードは道中にもそれなりに落ちているので、ぜひ入れ替えてさまざまなノードを試してほしいです。

シェルターではディアナと交流したり、スキンを変更したりすることが可能

──拠点となるシェルターでは、ディアナにプレゼントを渡すことができました。交流を深めるとどんなメリットがあるのですか?

趙:シェルターは、強化やカスタマイズだけでなく。ディアナとの掛け合いを楽しんだり、関係を深めたりするための場所でもあります。渡したプレゼントはシェルターに配置されるので、雰囲気も変わりますね。

大山:ディアナの可愛いリアクションを見られるのが、最大のメリットかもしれません(笑)。もちろんゲーム的なメリットもちゃんとあります。例えばプレゼントを渡すと、ディアナからお返しのアイテムをもらうことができます。

趙:子どもが喜ぶ姿を見るという、お父さんの気持ちにもなれるかなと思います。渡したプレゼントによってディアナの反応も変わるので、楽しみにしてください。

──シェルターではヒューのスキンを変更できたのですが、今回の試遊で用意されていたのは、さほど外見に変化のないスキンとなっていました。見た目がガラッと変わるようなスキンなども入手できるのでしょうか?

趙:ストーリーに集中できるよう、1周目のプレイでは見た目を大きく変化させるスキンは、あえて入手できないようにしています。その代わりに2周目からは外見がガラリと変わるスキンを入手できるので、さらに楽しく遊べると思います。

──スキンの種類はどれくらいの数があるのでしょうか。

大山:ステージごとに着せ替えて楽しめるくらいには用意しています。スキンによってはディアナの髪型が変化するので、お楽しみいただけると思います。

PS5ならではの機能を活用した要素とは?

──2月の「State of Play」で公開されたトレーラーや試遊では、美麗かつ精巧なニューヨークの街並みがとても印象的でした。リッチなグラフィック体験の実現に向けて、PS5のパワーはどのように活用されたのでしょうか。

大山:ニューヨークの街並みのリアルなスケール感での再現にこだわることができました。PS5のメモリー容量や高い処理性能を活かすことにより、近景から遠景まで大量のオブジェクトや建造物を配置しています。ニューヨークの街並みを再現したエリアに初めて辿り着いた際の場所は、遠くまで見渡せるような構造になっています。視界が抜けるような、そして奥行きのある表現の実現に向けて、描画量や配置密度を大きく高めることができました。立体的なエリアを移動する際も、PS5の高速ストレージを活用したロード処理によってシームレスに移動できるため、世界に没入できるような環境を構築できたと思います。

趙:本作はガンシューティングとハッキングによるパズル要素を組み合わせたゲームとなっており、ひとつの画面内にさまざまなエフェクトやUIが、同時にたくさん表示されます。それが無理なく実現できるのは、PS5の性能のおかげです。ディアナのリアルかつ自然な髪の動きも同様ですね。

──本作は開発が長期にわたったタイトルですが、その間にPS5のパワーが影響をおよぼした要素などはありますか?

趙:ディアナの髪がまさにそうです。開発当初は既存の技術によって制作していたため、今ほどリアルではなかったのですが、PS5の性能によって現在のディアナの髪が完成しました。実は技術的な問題により、ディアナの髪を少し短くしようかという話もあったんです。ですが、PS5の性能なら問題ないことがわかり、元々の髪型を守ることができました。

──DualSense® ワイヤレスコントローラーのハプティックフィードバックやアダプティブトリガーなど、PS5ならではの機能を用いた演出や表現があれば教えてください。

趙:PS5の一番の強みは、やはりDualSense ワイヤレスコントローラーだと個人的に思っています。韓国の多くのメディアからも、PS5版を購入したいという声をたくさんいただきました。プレイ中はコントローラーのスピーカーから効果音や月面基地のアナウンスなどが聞こえるため、高い臨場感を実現できました。

大山:シューティングアクションに関しても、アダプティブトリガーの反動を活かして重みのある感触を実現しています。ハッキングとガンシューティングの両方で、コントローラーからも没入感が高まるような仕様になっています。

──3Dオーディオによる臨場感あふれるサウンドも、物語やバトルの演出に欠かせない要素だと思います。本作ではサウンドについて、どのような工夫をしているのでしょうか。

大山:目指したのは、プレイヤーが実際にその空間にいるように感じられる音響体験です。リバーブなどの空間表現をよりリアルにするために背景データを解析し、環境を部屋単位で分割したデータを生成しました。音の初期反射などをシミュレーションするためのジオメトリを作成し、それを用いて空間音響を計算しています。複数の敵に囲まれることのあるゲームのため、どこから敵が迫ってきているのか音でわかることも、ゲーム体験に影響があると思います。サウンドチームのさまざまな工夫により、本当にハイクオリティなサウンドを実現できました。

趙:本作は月面世界が舞台なので、室内から月面へ出た際における無音な状態の表現にも力を入れました。ぜひ期待いただければと思います。

──御社にはRE ENGINEという独自の開発エンジンがあり、「バイオハザード」シリーズをはじめとするさまざまなPS5向けタイトルで驚くべき効果を発揮しています。RE ENGINEのさらなる活用方法は、今も探求されているのでしょうか?

大山:研究は今も日々行なっています。RE ENGINEにおける一番のメリットは、タイトルに合わせて新たな機能を拡張し続けていけることなんです。ほかのタイトルで実装した機能拡張は、現在開発中のタイトルに流用することができます。研究によって生まれた新たな機能を、未来のタイトルに活かすことができる。社内で必要な機能拡張に対応でき、成長し続けることができるのは、開発エンジンとしてかなり優れたポイントだと思っています。

──発売を楽しみにしているファンに向けてメッセージをお願いします。

大山:お待たせしてしまって申し訳ないという気持ちと、お待ちいただいてありがとうございますという気持ちをお伝えしたいです。本作の発売を皆さんに少しでも楽しみしてもらえるように、体験版を早めに配信させていただきました。ぜひやり込みすぎない範囲で、楽しく遊んでいただけたらなと思っています。いよいよ来月に発売となりますので、もう少しだけお待ちください。

趙:すでに配信中の体験版をプレイして満足いただけた方には、製品版はさらに満足できる内容になっていると思います。体験版を遊んだけれど自分には合わなかったという方にとっても、製品版は期待以上のゲームになっているかもしれませんので、プレイしていただけると嬉しいです。本作は私が初めてディレクターを務めたタイトルとなります。自信はあるのですが、不安とプレッシャーもすごいです。実際に発売されるまで私は安心できない日々を過ごすと思いますが、ぜひ『プラグマタ』をよろしくお願いします。


プラグマタ

・発売元:カプコン
・フォーマット:PlayStation 5
・ジャンル:SFアクションアドベンチャー
・発売日:2026年4月17日(金)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 スタンダードエディション 7,990円(税込)
    パッケージ版 希望小売価格 デラックスエディション 8,990円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 スタンダードエディション 7,990円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 デラックスエディション 8,990円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:C(15才以上対象)


PS Blogの『プラグマタ』記事はこちら


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