『Sword of the Sea』プレイレビュー! 波打つ大地を切り裂きながら幻想世界を駆けめぐる疾走感を満喫しよう!

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『Sword of the Sea』プレイレビュー! 波打つ大地を切り裂きながら幻想世界を駆けめぐる疾走感を満喫しよう!

PlayStation®5ダウンロード専用タイトル『Sword of the Sea』は、宙に浮く剣”ホバーソード”に乗って砂漠や雪山といった多彩なフィールドを高速で駆けめぐるサーフィンアドベンチャーだ。「PlayStation®Plus エクストラ」および「PlayStation Plus プレミアム」を対象としたサービス「ゲームカタログ」でもプレイできる。

本作は、名作インディーゲーム『風ノ旅ビト』でアートディレクターを務めたMatt Nava氏が率いるゲームスタジオ「Giant Squid」が手掛けている。同スタジオからは、これまでにも『ABZÛ』や『The Pathless』といった話題のタイトルが発売されていたが、その最新作となるのがこの『Sword of the Sea』だ。

『Sword of the Sea』最新映像

『Sword of the Sea』プレイレビュー! 波打つ大地を切り裂きながら幻想世界を駆けめぐる疾走感を満喫しよう!

CHECK POINT①
息を飲むほどに美しく繊細に彩られた幻想的な世界

物語の舞台となるのは、かつて繁栄したであろう文明の名残が点在する、荒廃した幻想的な世界だ。忘れられた地下の都で目覚めた主人公の「レイス」は、フィールドを高速で移動できるホバーソードを駆り、失われた海の謎を解き明かす旅に出る。

まず目を奪われるのは、幻想世界を彩る神秘的なアートデザインだ。プレイヤーが最初に訪れるフィールド「秘中の海」は荒れ果てた砂の世界で、照り付ける日差しや吸い込まれるような空、そして広大な砂漠などが、透き通るようなグラフィックで繊細に描写されている。地下から地上へ出てその光景を目にした際は、眼前に広がる美しい世界と薄暗い地下からの解放感に、きっと心が動かされるはずだ。

さらに、大地の砂がつねに波打っていることも独自の世界観を演出している。ホバーソードで砂丘を移動しているとまるで水しぶきのように砂が舞い、ジャンプして着地すると波が波紋のように広がっていくため、”砂の海”という表現がピタリと当てはまる。荒廃した物悲しい世界という設定でありながらも、時間が静止して取り残されたような雰囲気はなく、変化し続けていることで希望を感じさせてくれるのが面白い。

もちろん砂漠だけでなく、天井から差し込む光が幻想的な空間を演出する地下都市や、吹雪によって視界がさえぎられる雪原、厚い氷で覆われた静謐な凍土、降り注ぐ流れ星が夜空を彩る大河、灼熱のマグマが波打つ溶岩洞窟など、多種多様なフィールドをプレイヤーは駆けめぐる。フィールドによってガラリと変化する雰囲気に驚きながら旅をしていると、この先にはどんな景色が待っているのだろうかとワクワクしてしまう。

荒廃した世界に生命あふれる海が蘇る

旅を進めていくと世界に劇的な変化が訪れるのも、本作の見どころのひとつだ。フィールドに点在する特殊なオブジェクトを調べたりギミックを解き明かしたりすることによって周囲に海が蘇り、荒廃した世界に彩りが生まれていく。かつて生息していた海洋生物や植物なども姿をあらわし、世界に生命があふれていく姿が美しい。

海が蘇るのはそのオブジェクトやギミックの周辺だけなのだが、エメラルドグリーンの海と荒れ果てた地形とのコントラストが印象に残る。宙を泳ぐ無数の魚群も幻想的な雰囲気を高めていた。景色の変化によって一度通過した地形でも新鮮な気持ちで駆け抜けられることに加えて、ここがかつては海だったという世界の秘密に迫っていく感覚も味わえるのが楽しい。

主人公やほかの登場人物は基本的にセリフを発することはなく、キャラクターのアクションのみで物語を表現するスタイルとなっている。物語の展開や世界の秘密について直接明かされはしないものの、各地に隠された石碑のメッセージを読むことで詳細を考察できる構成だ。

CHECK POINT②
ホバーソードの疾走感を存分に味わえる移動アクション

本作最大の魅力は、ホバーソードを用いた移動そのものだ。ホバーソードはその名が示すようにひと振りの剣なのだが、古代の力によって地面からわずかに浮くことができ、その上に乗ってスケートボードやスノーボード、サーフボードのように移動することができる。有名なSF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズを見たことがある人は、未来のスケボーとして劇中に登場した”ホバーボード”を思い浮かべるとわかりやすいかもしれない。

ホバーソードによる移動はとても軽快で、広大なフィールドを縦横無尽に駆けめぐることが可能だ。二段ジャンプや三段ジャンプなどの現実離れしたアクションはもちろん、フリップやスピンといったボード系スポーツならではのトリックも簡単操作で繰り出すことができ、それらを駆使しながらフィールドを駆け抜けていると、流れていく美しい景色も相まって極上の疾走感を味わえる。

ただまっすぐに走ればいい場所でも、ボードを左右に振って砂をまき散らしながら進んだり、意味もなくジャンプやトリックを交えて悦に浸ったりするのがまた楽しい。DualSense® ワイヤレスコントローラーのスピーカーからは、砂を切り裂く音や砂利がボードに当たる音など、地形に合わせた効果音が鳴り響くのも心地いい。

地形を利用した移動やトリックも満載!

フィールドには大きな円筒を半分にして横に倒したようなハーフパイプや巨大な鎖といった構造物も配置されており、それらを使った移動やトリックも楽しめるようになっている。ハーフパイプ内では往復して勢いをつけ、高所へ飛び上がることができる。巨大な鎖の上に飛び乗れば、鎖の端へも自動で移動できる。一部の平らな壁では、壁面を華麗に駆け抜けるウォールランも可能だ。

宙に浮かぶクラゲはジャンプ台として使用でき、天高く生え伸びた海藻のケルプの側では垂直に上昇することができる。これらを用いて通常のジャンプでは届かない高所や遠く離れた足場へ飛び移るというアクションも、移動のアクセントになっている。

イルカやサメを操って移動するシチュエーションも楽しめる

物語を進めていくと、海を蘇らせたことによって復活した巨大なイルカやサメに乗り、ホバーソードのように操ってフィールドを駆け抜ける展開も。蘇った海だけでなく波打つ砂の上も猛スピードで泳ぐことができ、道をふさぐオブジェクトは体当たりで破壊可能。イルカはかなり高くジャンプでき、サメはただでさえ速い移動スピードをさらに上げることができるなど、ダイナミックなアクションを味わえるのが大きな魅力だ。

物語の展開とは関係なく、巨大なカメやクジラなどに飛び乗ることもできる。イルカやサメのように直接操作はできず、一定のルートをゆらゆらと移動し続けることしかできないものの、ときにはその巨体に身を任せて周囲の景色をゆったりと眺めるのもオツなもの。さまざまな海洋生物に乗ることができるのだ。

CHECK POINT③
隠し要素の探索やハイスコアを目指すチャレンジなどのやり込み要素も

これまで紹介してきたように、本作はホバーソードの疾走感あふれるプレイフィールに重きを置いている。そのためか、探索中に迷うことはほとんどなく、ゲームを快適に進められるテンポのよさも魅力のひとつだ。しかし各フィールドには、物語を進めるだけなら訪れる必要のないエリアや、周囲をよく観察して移動アクションを駆使しないとたどり着けないような場所も存在する。むしろ、軽快な移動アクションに夢中になってフィールドを駆けめぐっていると、見落としてしまう場所は多いはずだ。

そういった場所には、世界観の考察に役立つメッセージが刻まれた石碑や、隠しアイテムの「シークレットシェル」、主人公のさらなるアクションをアンロックするために必要なポイント「テトラ」が入った宝箱などが配置されていることが多い。周囲を注意深く観察してさまざまな隠し要素を探し出すのも、本作の遊びのひとつとなる。

さらに、制限時間内にホバーソードのトリックを連続して行なってコンボを決め、ハイスコアを目指す「トリックアタック・エリア」も各フィールドに隠されている。もちろん物語の展開には関係ないが、通常のエリアとは構造がかなり異なり、まるでスケートパークのような場所になっているため、ぜひ見つけ出したいところだ。

クリア後に見逃した隠し要素をじっくり探すこともできる

ゲームを一度クリアすると、好きなチャプターを選択してゲームを始めることができるようになる。また、クリアするまでにアンロックしたアクションやポイントなどを引き継いだうえに、スピードメーターや繰り出すトリックの表示機能といった要素が追加される「ニューゲームプラス」で遊ぶことも可能だ。これらのシステムは、見逃した隠し要素を探すためにもう一度プレイする際の大きな手助けとなるだろう。

美しい幻想世界を駆け抜けてテンポよく物語を追うのもよし、フィールドをじっくり探索して隠し要素を見つけながら進めるのもよし。本作の難易度はさほど高くなく、アクションゲームがそれほど得意ではない人でも楽しめるようになっている。幻想的な世界観とホバーソードの疾走感に興味を持った人は、ぜひプレイしてみよう。


Sword of the Sea

・発売元:Giant Squid, Inc.
・フォーマット:PlayStation 5
・ジャンル:アドベンチャー、アクション
・配信日:好評配信中
・価格:ダウンロード版 販売価格 4,400円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:A(全年齢対象)


PS Blogの『Sword of the Sea』記事はこちら


『Sword of the Sea』公式サイトはこちら(海外サイト)

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