
PlayStation®5ダウンロード専用タイトル『REMATCH』は、最大5v5でスキルを競い合う三人称視点のオンラインサッカーゲームだ。カンフーアクション『Sifu』で高い評価を受けたフランスのゲームスタジオ、SLOCLAPが開発を手掛けている。

最大10人のプレイヤーでボール1個を奪い合う本作は、チームプレイと協力を重視している。ゲームはノンストップでつねに競争が起きるよう設計され、ファウル、オフサイド、VARは存在しない。その一方で、現実の美しいサッカーと同様に、勝敗の鍵を握るのはプレイの精密性。すべてのアクションは完全なマニュアル操作で、違いを生むのはプレイヤーの精密性と戦術的なスキルのみだ。三人称視点で操作する、没入感たっぷりのオンラインマッチに飛び込もう。
『REMATCH』リベール予告編

CHECK POINT①
ゴール以外で試合が止まらない、壁の中のノンストップマッチ!
本作はサッカーゲームではあるのだが、現実のサッカーとはルールがいろいろと異なる。まず、チームの人数が11v11ではなく、3v3、4v4、5v5のいずれかを選んで行なわれる。ピッチの大きさは11人制と同じくらいなので、選手ひとりあたりのプレイエリアはかなり広い。

ポジションの区別はあってないようなもので、ひとたび試合が始まれば前線も後衛も、右サイドも左サイドも関係なく、勝つために最適のポジショニングをプレイヤーそれぞれが判断して動くことになる。さすがにゴールキーパーは固定だろうと思うかもしれないが、攻撃参加しても問題ない。とくに3v3の小規模マッチなら、ゴールキーパーの攻撃参加が得点に大きく影響する。もし、ゴールキーパーが上がっているときにカウンターを受けた場合、ゴールキーパーではなかったプレイヤーがゴールエリアに戻ることで瞬時にキーパーグローブを着けて、ボールを手で扱えるというルールだ。ちなみに、ポジションはローテーション制になっており、ゴール後のキックオフのたびに初期ポジションが変わる。
また、このゲームには反則がない。後方からのスライディングタックルで吹き飛ばされてもファウルの笛は鳴らず、試合は続行される。現実のサッカーならレッドカード級のラフプレイも、ただのボディコンタクトとして扱われる。オフサイドもなく、相手ゴール前にひとりを残し、縦パス一本でゴールキーパーと1対1になろうとも試合は続く。

さらに特徴的なのは、ピッチの周囲が見えない壁に囲まれており、ボールが外に出ないことだ。タッチライン近くで外壁を使ったワンツーで相手を抜く”ひとり壁パス”ができるし、枠の外に飛んだシュートが跳ね返ってきて次のゴールチャンスが生まれることもある。ゲームに慣れたプレイヤーは、あえて枠外のシュートを打ってゴールキーパーをダイビングさせたうえで、リバウンドを自らダイレクトボレーで決めたり、味方へのラストパスに使ったりする。
ファウルもオフサイドもない。ピッチ外にボールが出ないから、ゴールキックやコーナーキック、スローインといったリスタートもない。これは、試合の流れがまったく止まらないことを意味する。唯一の例外は、ゴールが決まって再びキックオフする一瞬だけだ。しかも、最大でも5v5という少人数での試合になるため、攻撃にしても守備にしてもボールに関与する瞬間が頻繁に訪れる。操作する手も判断する脳も休む暇がない、アグレッシブなノンストップマッチが繰り広げられる。1試合は6分程度で終わるが、その短時間でサッカーを目一杯楽しんだ充実感を得られるはずだ。
CHECK POINT②
選手能力が均一だから純粋なプレイヤースキルが試される
サッカーゲームの多くは、身長や体重、スピードやパワー、テクニックなど、選手のステータスを細かく設定し、個性を出している。リアル系のサッカーゲームなら、スター選手の特徴をどれだけ再現しているかが大切な要素であり、サッカーファンが注目する部分だ。しかし、本作の選手は能力がすべて同じで、ステータスという概念じたいがない。プレイヤーが同じ条件でプレイするため、「ハーランドを止めるのは無理だろ!」といった声が上がる余地のない、極めて公平な環境だ。だからこそ、純粋なプレイヤースキルが求められる。

本作は三人称視点でプレイする。左スティックで選手を移動させ、右スティックでカメラを動かすのだが、ピッチレベルの選手の目線であるため、ボールとほかの選手との位置関係を把握するには、その方向に視野を向ける必要がある。ピッチを広く俯瞰で見下ろすタイプのサッカーゲームに慣れたプレイヤーほど、移動と視野を同時にコントロールすることに難しさを感じるかもしれない。実際のところ最初はうまくいかなかったが、慣れてくると選手視点でプレイする臨場感を楽しめるようになっていった。

ボールを蹴る操作は、主にシュートに使うR2と、主にパスに使う□ボタンの2通りがある。R2のキックは視点中央のレティクルに向かってボールを蹴り、□ボタンのキックは左スティックを倒した方向にボールを蹴る。ほかのサッカーゲームのようなアシスト機能を持たない、完全なマニュアル仕様だ。狙ったつもりの方向にボールが飛ばなかったら、それは自分の操作精度が低かったからにほかならない。ファーストパーソンシューティングの「エイム」のように、上達するには練習がものをいう。イメージどおりのプレイができると自分のスキルアップを実感できるし、なにより爽快だ。


移動とカメラ、キックコントロールの基本以外にも、遊び心がありテクニカルな操作も豊富に用意されている。ドリブル中にL2を押すと「ドリブルスタンス」に入り、足元にボールを置いて小刻みなタッチで相手を揺さぶることができる。×ボタンの「プッシュボール」でボールを少しだけ足元から離したり、R1と×ボタンの「ロブプッシュボール」で背後からボールを蹴り上げるヒールリフトをしたりと、テクニカルな操作で相手のスライディングタックルからボールを守ることが可能だ。「ロブプッシュボール」は、浮かせたボールをそのままボレーシュートやオーバーヘッドキックにつなげることもできる。

ディフェンスでの操作は、スライディングタックルに頼らないようになることが脱初心者の一歩目だろうか。滑る距離が長く、ボール奪取性能も高いスライディングは、激しいコンタクトでもファウルがない本作を象徴するようなプレイだが、ボールに触れなかったときにリカバリーするまでが遅く、大きな隙を作ってしまう。むやみにスライディングしないほうが守備を安定できるのは、現実のサッカーと同じだ。

CHECK POINT③
ハイテンポな試合に凝縮された駆け引きや連携が面白い
オンライン専用タイトルである本作は、ほかのプレイヤーとの駆け引きや連携をつねに楽しめる。例えば、ボールを持って相手ディフェンスと対峙する場面。ドリブルで抜くなら「ロブプッシュボール」で頭上を越したり、ダッシュと「ドリブルスタンス」で緩急をつけたりして、相手のタックルを誘ったうえでかわせばしめたもの。基本的に、ボールに触られるとロストする可能性が高いので、ボールに届かない間合いで勝負できればベストだ。ドリブルの技術に自信がないならパスを選択することになるが、その判断が遅れると窮屈なキックになってしまう。
一方でディフェンス側も、相手がどんなパターンで仕掛けてくるかを考えている。間合いを詰めるフリをして「ロブプッシュボール」を誘い、インターセプトを狙っているかもしれない。相手の思考を読み切って1対1を制する、その駆け引きは最高に楽しい。

チームメイトと連携して攻め、守ることも本作の醍醐味だ。3v3は個のテクニックを活かしやすいが、4v4、5v5と人数が増えるほどに戦術が機能しやすくなり、サッカーのチームスポーツらしさがより感じられる。
クイックマッチのほかにランクマッチに挑戦することもでき、配信開始からスタートした「シーズン0」のランクマッチは5v5での対戦となる。ランクマッチは、クイックマッチで経験値を貯めてプレイヤーレベルが5以上になると解禁されるため、参加しているのはこのゲームに慣れたプレイヤーたち。しっかりとした個のスキルを持ちつつも、攻撃の場面で相手のカウンターに備えて自陣に控える人や、守備の場面で味方がボールチェックにいったら自分はスペースを埋めにまわる人など、チームとしてのバランスを取る意識が高いように見えた。また、3v3ではなかなか見ることがなかった、サイドからのクロスボールをゴール前で合わせる動きが多くなっており、シンプルな戦術ではあるがボールを運ぶイメージが共有されている感じが楽しい。
ひとりのプレイヤーとしてピッチに立ち、個のスキルをぶつけ合う駆け引きを楽しみ、チームメイトと協力する連携の機能美も味わう。そんなサッカーの魅力が、ノンストップかつハイテンポな展開を生み出す独自ルールのおかげで、短時間の試合の中に凝縮されている。サッカーファンならこの面白さにハマると思うし、純粋なプレイヤースキルを磨いて強くなる要素や、公平な競技性の要素から、チームアクションが好きな方にも合うだろう。
ちなみに本作は、フレンドを招待して一緒のチームでプレイすることができ、ボイスチャットにも対応している。今回はいわゆる野良マッチでしかプレイしていないが、それでもじゅうぶんに面白かった。フレンドと一緒に遊んだら連携の質は向上するだろうし、ミスしてもワイワイと騒げるので、きっと野良マッチの何倍も面白いだろう。
REMATCH
・発売元:SLOCLAP
・フォーマット:PlayStation 5
・ジャンル:スポーツ、アクション
・配信日:好評配信中
・価格:ダウンロード版 販売価格 通常版 3,740円(税込)
ダウンロード版 販売価格 PRO EDITION 4,950円(税込)
ダウンロード版 販売価格 ELITE EDITION 6,050円(税込)
・プレイ人数:1~10人(オンライン専用)
・レーティング:IARC 3+(3才以上対象)
※ダウンロード専用タイトル
Rematch ©2025 Sloclap SAS. “Rematch”, “Sloclap” and the Sloclap logo are all brands of Sloclap SAS.
※IARC(the International Age Rating Coalition)は、世界のゲーム評価機関により管理される国際年齢評価連合です。
コメントに参加する
コメントを投稿するコメントを投稿する前に