『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』発売記念イベントレポート! 小島監督や豪華ゲストがその魅力や裏話を熱く語る!

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『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』発売記念イベントレポート! 小島監督や豪華ゲストがその魅力や裏話を熱く語る!

小島秀夫監督作品『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH(デス・ストランディング 2: オン・ザ・ビーチ)』が、PlayStation®5用ソフトウェアとして6月26日(木)に発売! その記念イベント「DEATH STRANDING WORLD STRAND TOUR 2 in Tokyo」が、同日夕方から都内で開催された。本イベントでは、抽選で選ばれた一般参加者を迎え、小島監督と豪華ゲストによるトークセッションや、ユーザーからの質問に小島監督が答えるQ&Aセッションなどが行なわれた。また、イベントに先立ってメディアによる小島監督へのグループインタビューも実施されたので、そちらもあわせてご紹介していこう。

【小島秀夫監督 グループインタビュー】
40年のゲーム制作で一番のピンチを乗り越えて完成した『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』

──いよいよ『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』が発売を迎えました。今の心境をお聞かせください。

2019年に前作『DEATH STRANDING』が発売され、その翌年から『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』の準備に入ったのですが、コロナ禍が起きてリモート化が進みました。僕も病気を患って大変な時期があり、このままゲームを作ることができるのか? という状況にまでなってしまったんです。これまでにゲームを40年近く作ってきましたが、一番のピンチだった印象です。ようやく本作の発売を迎えることができて「よくやったぞ、みんな! よくやったぞ、自分!」という感じですね。

今回はアーリーアクセスがあり、すでに世界中の人が本作を遊んでいます。そのため、これまで行なってきた発売記念イベントとは少し違う感じがしますね。時代が変わったと感じます。昔のこういったイベントであれば、発売日にサイン会などをし、皆さんは帰宅したあとにそのゲームをプレイしましたが、『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』はすでに多くの方がプレイしています。そういったところはこれまでとは少し違いますが、とてもうれしいです。

──『DEATH STRANDING』と『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』とで、ユーザーによる反響の違いは感じましたか?

『DEATH STRANDING』の方が反響は大きかったと思います。なぜかというと、『DEATH STRANDING』はこの世に存在しなかったゲームだったことと、「メタルギア」ではなかったからです(笑)。前作はこの世にはなかったゲームを作るため、ゲームの導入部分やテンポなどを意図的に尖らせていました。

この5年間で『DEATH STRANDING』は2,000万人の方が遊んでくれていて、『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』はその土台の上に制作しています。前作を遊んでくれた方に喜んでもらいたいのはもちろんですが、スローテンポについていけなかった方もいたと思います。今作はそういった方たちにも楽しんでいただくために、テンポやシステムなどを変更していますし、背負子(しょいこ)を降ろして自由に走ることができるなど、かなり調整しています。ただし、全く違うものを作ってはいけないと思っていました。『DEATH STRANDING』の雰囲気が好きな人のために、『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』は続編という立ち位置のなかで、できる範囲で尖ったことをしています。

──ゲームデザインやシナリオ、演出などにおいて、『DEATH STRANDING』ではできなかったことや、『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』で挑戦したことなどがあれば教えてください。

『DEATH STRANDING』は基本的に、サムひとりで山を越え、川を越えて物資を届けに行くというゲームだったんです。とても孤独ですが、インターネットの向こう側にたくさんいる自分と同じような人たちと、さまざまなものを共有するゲームでした。しかし『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』では、マゼラン号というマシンがついてきてくれます。ただし、カイラル通信を繋がないとマゼラン号は追いかけてこられません。そのため、新天地へ行く際はひとりで……まあドールマンはいますが、そこでカイラル通信を繋ぐとマゼラン号が来ますし、通信圏内であればどこでも移動できるという点が前作とは違いますね。

映画「ランボー」シリーズの4作目である「ランボー 最後の戦場」ではランボーに帰る家がありましたが、サムにも帰る家ができました。マゼラン号へ行くと、メンバーがどんどん増えていきます。メンバー間のいざこざなどもありますが、彼らが仲良くなって絆が深まる模様を、サムは帰宅するたびに目にすることになります。

また、前作の開発時はスタジオを立ち上げたばかりでスタッフが少なく、リスクを冒せなかったため、主要なキャラクターをあまり登場させられませんでした。プライベートルームには3~4人が集まるというシチュエーションが多かったのですが、ドラマとしては少し格好が悪かったんです。今作では、マゼラン号にたくさんのキャラクターが訪れます。5~6人が集まって演技をするシーンを目指しましたが、キャストのスケジュール調整やCGの描画が難しかったですね。地味な部分ではありますが、なんとかできたかなと思っています。

号泣するサムを幾度となく演じたノーマン・リーダスに注目してほしい

──『DEATH STRANDING』開発時から『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』のシナリオを手掛けていたそうですが、今作も含めてサムの壮大な物語だという構想は早い段階からあったのでしょうか?

そういった構想はありませんでしたが、僕はゲームを作りながら頭の中で自然に続編を妄想してしまうんですよ。実は『DEATH STRANDING』のエンディングは、製品版と開発中とで全く違っていました。開発中のエンディングでは、サムが待っているところにフラジャイルが遅れてやってきます。なぜ遅れたかというと、それはフラジャイルがジャンプできなくなってしまったからなんですね。そして待ち合わせたふたりはそのままデートに行くという……そんな物語を考えていました。しんちゃん(新川洋司氏)にはふたりのスーツ姿やドレス姿のイラストも描いてもらったんですけどね。まあ、それらのアイデアは、コロナ過の影響ですべて捨ててしまいました(笑)。

──サムを再び主役として起用するにあたり、描き方を変えた部分や変えなかった部分があれば教えてください。

ノーマン・リーダスをもう少し緻密に描きたかったので、新しいテクノロジーを導入しました。また、『DEATH STRANDING』のプライベートルームにおけるサムのリアクションはすべてノーマンのアドリブであり、プライベートルームは「彼で遊ぶ」というようなゲームだったのですが、物語的には少し変だなと感じていたんです。そのため、今作でもプライベートルームに入れますが、『DEATH STRANDING』のときのようなリアクションはカットしています。

──小島監督がノーマンさんに最も惹かれたポイントや、本作におけるノーマンさんのパフォーマンスで注目してほしいポイントがあれば教えてください。

ノーマンは、スティーブ・マックイーンやチャールズ・ブロンソンのように、僕の子供時代のスーパースターというかロックスターという感じです。ノーマンが立っているだけでグッとくるというか……ダスティン・ホフマンとは少しタイプが異なり、”ノーマン・リーダスというキャラクターがそこにある”という魅力を出せるような作りにしています。

実は、今作ではサムが号泣するシーンが多いんですよ。もちろんノーマンにも撮影時に結構な回数で泣いてもらったのですが、あるときに朝一の撮影で泣いてもらうシーンがありました。その際は「朝から泣かせやがって」と、ちょっとムッとしていました(笑)。それくらい泣くので、ぜひ注目してください。

──今作では、フラジャイル、トゥモロウ、タールマンをはじめ、ホログラムではない生身の人間との関係性が強調されているように感じました。コロナ禍を経て前作から変化した部分だと思われますが、ほかにも意識的に変えた部分があればお聞かせください。

先ほど少しお話ししましたが『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』では家があり、そこにさまざまなキャラクターがいて、人間関係という厄介な問題にサムは直面します。そこでは”集団の中の孤独”を描こうとしました。これは前作にはなかったドラマですね。あとホログラムのキャラクターとの親密度をMAXにすると奥の扉が開いたりします。

新たなキャストとの繋がりや、知人たちのカメオ出演について

──今作では日本人の忽那汐里さんがメインキャラクターとして出演していますが、彼女とのお仕事はいかがでしたか?

技術的な問題なのですが、アジアの方はCG化すると思ったよりも似ないんですよ。特に女性や若い人は肌がきめ細かく綺麗なので、いかにもCGという感じに見えてしまうので苦労しました。新しい技術を使って実験を重ねて、満足のいくレベルになったと思います。

日本人俳優の起用に関しては、ロサンゼルスのスタジオでノーマンやエル・ファニングさんと一緒に収録をすることもあり、ネイティブレベルで英語が話せないと少し困るんです。そこで、英語が堪能な人を探していたのですが、忽那さんはオーストラリア出身であり英語も堪能でしたので、オファーさせていただきました。忽那さんの連絡先がわからなかったので菊地凛子さんに紹介してもらったのですが、菊地さんからは「私は出ないのか」と連絡が来ました(笑)。現場での忽那さんは物怖じせず、素晴らしかったですね。

──同じく新たなメインキャラクターを演じるエルさんはいかがでしたか?

エルさんは子役の頃からのファンで、いつか一緒に仕事をしたいと思っていました。ずっと気に留めていたところ、友人のニコラス・ウィンディング・レフン監督の紹介で、出演していただけることになりました。彼女には本作の楽曲を歌ってもらっているのですが、その楽曲を手掛けたウッドキッドさんとエルさんが友人だったことを知り、こんな繋がりもあるんだと思いましたね。

──無口なサムの代弁者であり、ツッコミ役やボケ役でもあるドールマンですが、彼とサムが一緒に旅をする形に決めた理由を教えてください。

理由はいくつかあるのですが、僕はバディものが好きなのでドールマンと喋りながら旅をする形にしました。プレイヤーがわからないことをAIのパートナーが教えてくれるというシチュエーションは、雰囲気を変えてくれたり、緊張しているサムやプレイヤーを和ませたりしてくれるので都合がいいんです。ただ、最初は実験としてあらゆる事柄に反応するバージョンを作ったのですが、あまりにもうるさかった(笑)。とはいえ、あまりにも反応がないとドールマンと一緒に旅していることを忘れてしまうので、調整に苦労しました。

──本作ではマゼランマンやバンダナ姿のニールなど、過去作品を彷彿とさせるビジュアルや演出が取り入れられていると思います。そういった要素を盛り込むことによる狙いを教えてください。

ニールはバンダナをつけたらスネークに似ていると言われますが、あれはニールがバンダナを巻いているだけです。ニール役のルカ・マリネッリさんは子供の頃から「メタルギア」を遊んでくれていたそうなので、あのシーンを依頼したときはとても喜んでいました。

また、マゼラン号に関してはコロナ過以前にしんちゃんへデザインを頼んでいたのですが、あのときは僕のプロットしかなかったため、大きな原子力潜水艦のようなデザインが上がってきました。しかし、僕のイメージはもっと小さな潜水艇だったんです。映画「ミクロの決死圏」のBlu-rayを貸して見てもらったら、上がってきたデザインがどこかで見たことのあるノーズで、それを巨人の頭に付けたら……この話はここでやめておきましょう(笑)。

──プレッパーズたちを演じる豪華なキャストのカメオ出演は、どのような繋がりで決まったのでしょうか。

うちのスタジオには遊びに来てくれる知り合いがいっぱいいるのですが、その際に「出る?」と聞くと「出たい!」と言ってくれるんです。しかし、あまりにも多くの人がいたので、全員の出演は無理でした。スキャンはしたけれど出演はしてない人もいるのが申し訳ないです。

──小島監督が作中で最もシンパシーを感じるキャラクターは誰ですか?

自分が作ったキャラなので、あまりいないかなあ……。強いて言えばヒッグスですかね。自由に生きていていいですよね。ヒッグスはドラマにおいてゲーム的なキャラクターなので、デフォルメしています。今回もすごいですよ。

繋がりすぎることへの恐れ──”偶然の連続”が人生を彩る

──過去のインタビューにおいて、コロナ過を経験したら”繋がりすぎたらダメなのでは”と思うようになったという発言がありましたが、小島監督にとってどんなことが繋がりすぎになるのでしょう。

例えば、スマホのAIが僕に何かおすすめを紹介してくるようなものはちょっと嫌ですね。実際にどこかへ行く際に、誰かと出会ったり何かを目撃したりするというような、偶然が必要だと思います。そういった偶然の連続が人生を作ると僕は思っています。すべてがインターネットに繋がって誘導されてしまい、決められた人生になってしまうと考えたら少し怖かったんです。

テクノロジーを否定しているわけではありません。とても便利ですし、今さらインターネットなしで仕事はできません。ただ、そこに依存するのはちょっと危険かなと感じました。そういったテクノロジーを自分がどのように使うのか、本作のソーシャル・ストランド・システムで考えてほしいですね。僕の答えのひとつは本作の終盤でキャラクターに言わせていますが、皆さんはどのように感じるでしょうか。いろいろな意見があっていいと思います。

──小島監督はデジタルではないリアルな繋がりを重視していると思います。繋がりすぎてしまった世界において人間の身体性が持つ意味をどのように考えていますか?

人間には肉体がある以上、肉体的な移動というか、個としての移動が絶対に必要だと思います。先ほども言いましたが、例えば、皆さんはこの会場に車やバス、電車などを使って訪れたと思います。その間にいろいろな人と出会い、いろいろな風景を見たはずです。そういった偶然や刺激が人生を彩るのだと考えています。

──今作の開発中に孤独を感じる瞬間はありましたか? あったとしたらそれをどのように乗り越えたのでしょうか。

乗り越えていません(笑)。僕は原作者であり、ゲームデザイナーであり、そして監督です。ほかのスタッフとは一緒に仕事をしていて楽しいのですが、やはり立場が違うので非常に孤独です。仮に、作品が売れない、面白くないと思ったとしても、スタッフはもちろん家族にも言えないため、ストレスが溜まっていきます。これはギレルモ・デル・トロ監督やレフン監督も同じ悩みだそうで、たまに集まっては互いに孤独を癒しあっています(笑)。

──『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』のソーシャル・ストランド・システムを、どのように楽しんでほしいですか?

僕はあまり国道を建設しないんですよね。誰かが作ったものを使うというスタンスですが、『DEATH STRANDING』のデータを見ると、国道ばかり建設している人が意外に多いんです。であれば、彼らにもっと建築できるものを用意したいと考え、大量輸送のできるモノレールといった新しい施設を作りました。実際には見えませんが世界中にはたくさんの人がいるので、その間接的な繋がりを楽しんでほしいです。

また、僕は車とバイクを使い捨ててしまうのですが、『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』ではカスタマイズ要素を増やしています。自分の車やバイクを修理しながら最後まで使いたい人がたくさんいると思うので、そこは強化しました。

──PS5ならではの性能を活かしたポイントはありますか?

これまでとそれほど大きな違いはないのですが、振動に関しては録音した音声を振動に変換するというような特殊な技術を使っているところが、今までとは違うポイントだと思います。

──夜空に小島監督が星座として浮かんでいるなど、随所に散りばめられた小ネタはどのように生まれたのでしょうか。スタッフたちが率先して盛り込んでいるのですか?

こういうネタは全部僕が入れています。スタッフは僕が言っても知らん顔しますから(笑)。温泉で夜空を見上げてズームをすると僕以外にもさまざまな星座を見ることができるので、ぜひ遊んでみてください。

さまざまな遊びの先にある繋がりを日常へ持ち帰る”配達人”になってほしい

──小島監督は長年クリエイターとして第一線を走り続けていますが、なぜ作り続けるのか、今の考えをお聞かせください。

トム・クルーズと一緒です。僕の人生はモノ作りに捧げていて、それが喜びなんです。体や脳が動く限りは作りたいと考えています。周囲に迷惑をかけるようになったら考えますが、今は死ぬまで作り続けたいと思っています。

──小島監督は映画好きで知られており、ゲームにも映画的な表現を取り入れています。逆に、ゲームでしか提供できない娯楽性についてはどのように考えていますか。

これも難しいのですが、映画を作っているつもりはないんです。映画を見て育ったので、ライティングやキャラクターの造形などは影響を受けていますが、映画を作っているわけではないということは意識しています。「そんなこと言っても本当は映画を作りたいんだろ!」と言う人もいますが、そんなことはありません(笑)。

──『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』の発売を楽しみにしていたファンへ、メッセージをお願いします。

本作は配達をするゲームなのですが、あまり深く考えずにエンタテインメントとして遊んでいただければと思っています。戦闘が苦手な方は遠回りしてもいいですし、戦闘がしたい方はさまざまな武器使って正面から突っ込んでいくのもありです。配達だけをしたい方や道路作りに専念したい方は、ずっとやっていても構いません。いろいろな遊び方を楽しんでその先にある繋がりを感じ、それを日常へ持ち帰る”配達人”になっていただければと思います。

【トークセッション】
豪華ゲストが明かす『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』の舞台裏

小島監督と豪華ゲストによるトークセッションが、抽選で選ばれた100人の一般参加者たちが見守るなかで行なわれた。まずはサムが新たな旅に出るまでの流れや、多彩なガジェットを駆使する冒険、さまざまな小ネタなどを確認できるファイナル・トレーラーを上映。続いて、小島監督が作中でヒッグスが所持していたギターをかき鳴らしながら登場し、会場は盛り上がりを見せた。

『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』ファイナル・トレーラー

『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』発売記念イベントレポート! 小島監督や豪華ゲストがその魅力や裏話を熱く語る!

日本版が圧倒的にいい! サムの声優を務める津田健次郎さんと小島監督との繋がり

最初のゲストは、本作の主人公であるサムの日本版声優を務める津田健次郎さん。津田さんと小島監督の慣れ初めは、2017年にXで相互フォローをしたことからだという。その直後に小島監督からダイレクトメッセージを送り、オファーへつながったそうだ。『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』におけるサムのアフレコは約1年におよんだが、『DEATH STRANDING』のときとは違いコジマプロダクション内に音声収録スタジオができたため、とてもやりやすく「最高の環境を用意していただいた」と津田さんは語った。

小島監督によると、サムというキャラクターはプレイヤーの分身のため、あまり感情的にならないようにしていたと明かした。それに対し、津田さんはサムが相手の行動や言動に対し、受けの姿勢の芝居が多いことに言及。そもそも、サムにはノーマンさんが演じているベースがあるため、そこに寄り添うことを意識していたそうだ。そのうえで小島監督とやり取りを重ねて、日本版として違うニュアンスを加えているという。「日本版のサムが圧倒的にいい」という小島監督の言葉に、津田さんは照れながらも笑顔を見せていた。

ヤマト運輸とのコラボTシャツが発表

小島監督と津田さんのトークセッションでは、コジマプロダクションとヤマト運輸のコラボについても発表された。限定コラボグッズ第一弾として、コジマプロダクションECサイトおよび全国6都市のPARCOで順次開催されるポップアップショップイベント「DEATH STRANDING 2 JAPAN POPUP TOUR」にてTシャツが販売される。

DEATH STRANDING 2 × YAMATO TRANSPORT コラボレーションムービー

『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』発売記念イベントレポート! 小島監督や豪華ゲストがその魅力や裏話を熱く語る!

ヤマト運輸コラボ特設サイトはこちら

津田さんは『DEATH STRANDING』に続いて『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』に参加できたことがとても楽しく、そして幸せだったそうだ。「皆さんとまた繋がれたことをうれしく思います。まだ遊んだことがない人がいたらぜひ巻き込んでほしい」と語り、津田さんとのトークセッションは幕を閉じた。

「なんで僕なんだ?」──映画監督・押井守さんがピザ屋として登場

続いて登壇したのは、映画監督・押井守さん。小島監督がリスペクトしている押井監督は、なんとピザ屋として『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』に出演。CVは声優の千葉繁さんが務める。架空の空手の使い手として、ピザの調理道具を用いてサムに襲いかかる。押井監督の「なんで僕なんだ?」という疑問に、「僕のなかでレジェンドだと思っている押井監督には、ぜひ出てほしかった」と小島監督は答えた。実際にオファーがあった際は、なぜピザ屋なのかと押井監督は思ったそうだが、小島監督は忙しく、ピザばかり頼んでいるからだろうと想像したそうだ。

自分が登場するカットシーンを見た押井監督は、その再現度に感心しながらも「自分のクローンを見ているようだった」と明かした。役者を務めた経験によってわかったことはあったものの、「やっぱり自分は監督がいい」と苦笑い。千葉さんのアフレコ現場に立ち会ったときは、お尻がむずむずして仕方なかったという。

押井監督は、小島監督のスゴさはゲームで世界を丸ごとすべて作りたいと思っていることだと語る。「ゲームと映画ということで私とはギリギリ競合していませんが、大変刺激的な存在です」と言われ、小島監督もさすがに照れていた。

押井監督が演じるピザ屋は「パックマン」コラボの案内役に

『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』と「パックマン」とのゲーム内コラボ情報も。『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』のマップ画面でパックマンを操作でき、マップ上のBTを食べると実際のBTもいなくなるそうだ。押井監督が演じるピザ屋に会うことが「パックマン」コラボを楽しむための第一歩だと、小島監督は明かした。

ユーザーからの質問に小島監督が答えるQ&Aセッション

押井監督とのトークセッション終了後は、ユーザーから事前に寄せられた質問に小島監督が答えるQ&Aセッションが行なわれた。ここでは、先のグループインタビューとは被らない内容の質疑応答をお届けする。

Q:これは絶対に守ろう、これは一度壊そうと思ったものは?
A:
やはり配達をして人と繋がっていくというゲームデザインというか、コンセプトは変えてはいけないと思いました。そして「壊す」というわけではないのですが、前作で人気がなく、誰も使っていなかったアイテムはデータとしてわかるので、削除しています。

Q:決定したキャストに合わせて、キャラクターの性格や物語などを変更したことはありますか?
A:
実際の演技を見たうえで、キャラクターの設定を変えることはあります。例えば『DEATH STRANDING』でマッツ・ミケルセンさんが演じたクリフというキャラクターはタバコを吸わないキャラクターだったのですが、彼がタバコを吸っている姿がカッコよかったので、タバコを吸うように変更しました。レアさんが演じるフラジャイルもタバコを吸わないのですが、彼女が出演している映画を見たら、タバコを吸っている姿が魅力的だったんです。設定的な理由もあるのですが、フラジャイルもタバコを吸うキャラクターに変更しました。レアさんはタバコをやめていたのですが、それに合わせて演技のためにタバコを吸っていたのを見て驚きました(笑)。

Q:テクノロジーの進化による「ゲームの未来」にどのような可能性を感じていますか。また、若いクリエイターに伝えたいことはありますか?
A:
「ゲームの未来」はありますよ。テクノロジーはどんどん発展し、今日はできなかったことが明日はできるんです。ただし、その選択は人間がすることであり、何を使うかはつねに考えるべきです。AIに関してもあまりよく言われてはいませんが、使い方次第だと思います。若い人たちに関しては、とてもうらやましいですね。僕はかつて映画を作りたかったのですが、そのためのハードルが高かった。今は、スマホで撮影や編集ができて、しかもインターネットで発表できる。ひとりでできることがどんどん増えていくんですよね。それを使わない手はないと思うので、ぜひ若いクリエイターの方は、何でもいいから完成させてほしいです。そうすればチャンスがあります。熱意あふれる若いクリエイターと話すこともあるのですが、その熱意を僕も彼らから吸い取っています(笑)。

加藤茶さんが歌う「いい湯だな」が『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』で流れる!

Q&Aセッション後に、『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』のミニ情報が小島監督から発表された。本作をプレイ時に温泉へ”8時”くらいに入ると、加藤茶さんが歌う懐かしの名曲「いい湯だな」が流れ、カトちゃん人形が出現するという。リズムに合わせて踊りだすサムの様子も必見だ。

VTuberの兎田ぺこらさんと仲良くなるとユニークなアイテムがもらえる!

続いてのトークセッションは、ホロライブ所属のVTuberである兎田ぺこらさんが登壇。ぺこらさんはホログラムのキャラクターとして『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』に登場する。出演のオファーがあった際は、うれしさよりも驚きのほうが大きかったそうだ。あまりゲームの実況配信を見ない小島監督だが、ふとしたことからぺこらさんの『DEATH STRANDING』実況配信を見て驚き、彼女の人気が高い理由がわかったとのこと。最初こそ「配達するゲームってなに?」と思っていたぺこらさんだが、歩くことが楽しいという当たり前のことを見直させてくれる、これまでになかったゲームだと感じたそうだ。

自分が『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』にそのまま出演することに対し、ぺこらさんは「異質じゃないですか?」と尋ねたが、小島監督は「全然合っていますよ。すごく自然です」と太鼓判。ゲーム内のぺこらさんには、普通にプレイしていれば最初の一回目は必ず会えるという。少し特殊な場所にいるそうだが、仲良くしておくとアイテムがもらえるなどのいいことが、たくさんあるそうだ。「最初は『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』の世界観になじめるのか不安でしたが、小島監督から素晴らしい役割をいただくことができてうれしかったです。本当に大丈夫か? とも、いまだに思っていますが(笑)」とぺこらさん。

ゲーム内では特殊な帽子をもらうことができ、それをかぶるとサムが「ぺこ」としゃべりだす。敵に強力な技を決めた際は「おつぺこ!」という決めゼリフも。津田さんはもちろん、ノーマンも「ぺこ」と言っているので、ぜひ聞いてくださいと小島監督は語った。

また、6月29日(日)19時より、ホロライブの公式YouTubeチャンネルで『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』とのコラボ動画が配信される。ぺこらさんだけでなく、かつて『DEATH STRANDING』の実況配信を行なったホロライブ所属のVTuberも出演するそうだ。

ホロライブ公式YouTubeチャンネルはこちら

星野源さんは新曲を提供し、ゲームにも出演!

最後のゲストは、音楽家であり俳優でもある星野源さん。星野さんは『DEATH STRANDING』に続いて楽曲を提供しており、『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』では新曲「Sayonara」を提供。さらに、実名でゲームにも出演する。『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』の世界には「星野源」というミュージシャンが存在し、星野さんへ荷物を配達するというミッションが課せられる。小島監督との縁は、『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』以前に対談したことがきっかけだったとのこと。今回は楽曲の打ち合わせでコジマプロダクションを訪れた際に「ちょっとやってみる?」と言われ、気づけばカメラに囲まれてスキャンされていたそうだ。

『DEATH STRANDING』のときは新曲を作るタイミングとしては少し遅かったため、『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』ではその世界を思いながら曲を作りたいと思っていたと星野さんは語る。小島監督によると、ゲーム内で歩きながら音楽を聴くことができるアイテムのミュージックプレーヤーを星野さんのキャラクターからもらうことができるという。そのほかにも盲点を突いた隠し要素が、星野さんのキャラクターにはあるそうだ。「僕の楽曲を聴きながら旅をしてください。僕も皆さんと一緒に楽しみたいと思います」と語り、トークセッションは幕を閉じた。

本作を楽しみながら、人の繋がりを感じてほしい

最後に小島監督から、来場者や配信を見ているファンたちに向けてメッセージが送られた。

「独立して『DEATH STRANDING』を作り始めたときは、残っていたのは絆だけだと思っていました。しかし、意識はしていなかったのですが、その絆の繋がりによって、人の繋がりを体感できるゲームを作ることができたんです。その後はコロナ過によってまた孤立してしまいましたが、もう一度繋がりを辿って作り上げたのが、この『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』です。本作を楽しみながら、人の繋がりを感じていただければと思います。ぜひ遊んでください」

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DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH
(デス・ストランディング 2: オン・ザ・ビーチ)

・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation 5
・ジャンル:アクション
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 希望小売価格 通常版 8,980円(税込)
    パッケージ版 希望小売価格 コレクターズエディション 31,980円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 スタンダードエディション 8,980円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 デジタルデラックスエディション 9,980円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:D(17才以上対象)


PS Blogの『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』記事はこちら


『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』公式サイトはこちら

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