『デジモンストーリー タイムストレンジャー』試遊レビュー&インタビュー! 10年ぶりの新作は"時を超越する絆の物語"

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『デジモンストーリー タイムストレンジャー』試遊レビュー&インタビュー! 10年ぶりの新作は"時を超越する絆の物語"

10月2日(木)に発売されるPlayStation®5用ソフトウェア『デジモンストーリー タイムストレンジャー』(以下『タイムストレンジャー』)。本作は育成RPG「デジモンストーリー」シリーズ最新作だ。世界崩壊の謎を追う旅のなかで、人間世界と異世界を跨ぐ冒険や、450体以上のデジモン収集と育成、戦略的な編成が鍵となるターン制バトルを楽しめる。超常現象の調査と解決を専門とする秘密組織「ADAMAS」のエージェントとして、人間世界とデジタルワールド・イリアスを行き来し、時空を超えた冒険に繰り出そう。

先日行なわれたメディア向けの体験会にて、本作を体験する機会をいただいたので、今回は試遊レビューと本作のプロデューサーを務める原良輔氏へのインタビューをお届けする。

【試遊レビュー】デジタルワールドの散策と白熱のボス戦にチャレンジ

今回の試遊では、あらかじめ用意されていたセーブデータを用いて、デジモンたちが住むデジタルワールドの散策と、大型のデジモン、パロットモンとのボス戦を体験することができた。

活気あふれる中央都市「セントラルタウン」

散策パートでは、デジタルワールド・イリアスの中央都市「セントラルタウン」を自由に歩くことができた。街の中はたくさんのデジモンたちであふれていて、その賑わいぶりは中央都市の名に恥じない。装飾品、スキル、食料、薬などを売っている店もあり、冒険の際は何度も訪れる拠点になるエリアとのことだ。その一画にある「戦士たちの酒場」の奥には、セントラルタウンを統治する「オリンポス十二神」の1体であるメルクリモンの姿も。

ミッションの目的地は画面右上のミニマップに表示されるため、迷うことなく行けるだろう。中央都市というだけあってかなりの広さがあるうえに複雑な構造のエリアなのだが、R1ボタンを押すと「デジライド」ができ、デジモンに乗って素早く移動することが可能なのがうれしい。ハシゴを登って建物の屋上へ上がることもでき、高低差もかなりありそうだ。L2ボタンの「アナライズ」を使うと、周囲をスキャンしてアイテムのある場所や敵などを識別できる。アイテム収集はもちろん、映えスポット探しなどで探索のしがいがありそうなエリアになっていた。

デジモンの進化や実体化が手軽にできる!

メニュー画面から仲間のデジモンを確認してみると、3体のバトルメンバーと、同じく3体のリザーブメンバーがセットされていた。さらに、ゲストメンバーとして物語の鍵を握るデジモンとして公開されていたアイギオモンと、オリンポス十二神のミネルヴァモンが同行してくれている。

条件を満たしていればデジヴァイス内から仲間のデジモンを「進化」させることが可能だ。進化先には複数の候補があり、それぞれ条件が異なる。進化先がまだ会ったことのないデジモンの場合はどんなデジモンになるのか不明なものの、「退化」させて進化前のデジモンに戻すこともできる。本作には450体以上のデジモンが登場するため、収集や育成には頭を悩ませることになるだろうが、それもまた楽しい体験となるはずだ。

デジモンを仲間にする場合は「コンバート」を実行する。本作は敵デジモンを倒すたびにそのデジモンの「スキャン率」が上昇し、100%を超えると実体化(コンバート)させて仲間にできる。スキャン率は最大200%まで上げることができ、200%に近いほどデジモンの才能値と最大HPがアップする。このコンバートはもちろん、前述の進化や退化は特定の施設などへ行かなくてもメニュー画面からいつでも実行できるので、お手軽かつとても便利だ。

バトルではデジモンの種族と攻撃属性の相性が鍵を握る

バトルはシンボルエンカウント方式となっているが、エンカウントする前にR2ボタンの「デジアタック」を敵へ仕掛けると、先制攻撃が可能。逆にエンカウント前に敵に後方から触れられると、先制攻撃を受けてしまう。主人公たちと比較して弱い敵の場合は、デジアタックでバトルに突入することなく倒すことができる。経験値やスキャン率も得られるので、レベル上げやデジモン収集の助けとなるだろう。

ターン制のバトルでは「アタック」「スキル」「ガード」「アイテム」「チェンジ」という5つのコマンドが基本となり、デジモンの素早さなどによって敵味方の行動順番が変化する。バトルに直接参加するのはバトルメンバーとゲストメンバーのデジモンで、主人公はデジモンたちに指示を出すのが役目となっている。

勝敗の鍵を握るのは、デジモンの種族と攻撃の属性だ。デジモンは「ウィルス」「ワクチン」「データ」を含む7つの種族のいずれかに分類され、”ウィルス種はデータ種に有利だがワクチン種には不利”というように相性が設定されている。また、攻撃には「火」「水」「電気」などの属性があり、デジモンの耐性によってダメージが上下する。

デジモンの種族と攻撃の属性がバッチリだと敵に大ダメージを与えることができるので、編成がかなり重要だ。とはいえ、エンカウントした敵が相性の悪い種族だったりすることもあるだろう。そんなときはチェンジでリザーブメンバーと入れ替えることができるため、エンカウントした敵が初めて相手にするデジモンの場合は、まず種族を確認したい。なお、チェンジをしてもターンは消費せず、すぐに攻撃や回復などの指示を出すことが可能。編成や戦略がうまくいき、敵を圧倒できたときの気持ちよさは格別だ。

散策パートでは使用する機会はなかったが、バトル中にクリティカルポイント(CP)が溜まると、強力な必殺技「クロスアーツ」を使用できる。

パロットモンとのボス戦へ! ギミックによって手に汗握るバトルが展開

散策パートに続いて、巨鳥型の大型デジモン、パロットモンとのボス戦に挑戦することに。調べてみると、パロットモンはワクチン種であり、データ種のデジモンが有利となる。そのため、まずはバトルメンバーのデジモンをすべてデータ種に変更し、そのうえで有効な攻撃属性を探りながら攻撃を続けてみた。

ゲストメンバーであるアイギオモンの電気属性スキル「スタンビートブロウ」のダメージがゼロだったときは焦ったが、さまざまな属性の攻撃を当ててみたところ、火と地面の属性のスキルが有効のようだ。幸いなことに、仲間のデータ種のデジモンたち全員が有効な属性のスキルを持っていた。しかし、このバトルでは一定の間隔で落雷が発生し、ボスに当たるとHPが回復してしまうのがやっかい。仲間の攻撃力を上げる「アタックフィールド」や敵の防御力を下げる「ガードバインド」などのスキルで強化や弱体化も行ないながら、確実にボスのHPを削っていく。

順調にダメージを与えることができ、思ったより楽勝かも……などと考えていたところ、ボスが力を溜めているという不穏なアナウンスが。力が溜まりきる前に頭部へダメージを与えて溜めを解除しないと、強力なスキルを使ってくるようだ。しかし、それまで攻撃していた胴体と頭部では耐性が異なっていたため、あまりダメージを与えられない。さまざまなスキルを試して水の属性が有効だと判明したのだがすでに遅く、力が十分に溜まったボスのスキルで仲間全員が大ダメージと麻痺を受けてしまう……。

スキルやアイテムで何とか態勢を立て直したものの、ボスのHPはまだ半分以上も残っていた。これは長期戦になるなと覚悟を決め、攻撃を続ける。しかし、残りHPが半分を切ったあたりでオリンポス十二神のメルクリモンがこちらの加勢にやってきて、形勢が逆転! メルクリモンの攻撃はとても強力で、ボスが再び力を溜め始めても難なくそれを解除することができた。そのうえタイミングよくCPが溜まり、必殺技のクロスアーツで仲間のステータスをアップさせて一気にボスを倒すことができた。

結果だけを見ると、メルクリモンが助太刀にやってくるまで工夫してダメージを与え、ボスのHPを削りながら耐えるバトルといった内容だった。しかし、落雷によるHP回復や力を溜める行動、そして敵でありながらCPを持っていて、それが溜まると攻撃回数がアップするなどのギミックがあり、手に汗握るボス戦を堪能できたことに大満足。メルクリモンの加勢やクロスアーツなどの劇的な演出も、ボス戦に華を添えていた。他のボス戦にもさまざまなギミックが用意されているそうなので、本作が発売されたらぜひ挑んでみたい。

【インタビュー】相反するさまざまな要素が絡み合う”時を超越する絆の物語”

原 良輔

バンダイナムコエンターテインメント
『デジモンストーリー タイムストレンジャー』プロデューサー

──本作は「デジモンストーリー」シリーズ待望の新作となりますが、どのような経緯で企画されたのでしょうか?

2017年発売の『デジモンストーリー サイバースルゥース ハッカーズメモリー』(以下『ハッカーズメモリー』)は、2015年発売の『デジモンストーリー サイバースルゥース』(以下『サイバースルゥース』)に追加要素を盛り込んだタイトルなので、「デジモンストーリー」シリーズにおける最後のタイトルは、正確には2015年の『サイバースルゥース』だと考えています。そのため、本作『タイムストレンジャー』は10年ぶりの新作になります。

本作の構想自体は『ハッカーズメモリー』の開発直後からありました。デジモンの世界には強大な力を持つ聖騎士集団「ロイヤルナイツ」というグループが存在し、彼らに匹敵する力を持つオリンポス十二神というグループも存在しています。このオリンポス十二神については、これまでアニメやゲームなどで深く語られたことがほとんどなかったんですよ。ロイヤルナイツに比肩するという設定があるのに物語がほぼなかった彼らと彼らの守護する「デジタルワールド・イリアス」をしっかり描きたいという思いから、『タイムストレンジャー』の企画がスタートしました。

──「デジモンゲーム」には「デジモンストーリー」以外にもさまざまなシリーズがありますが、本シリーズを制作するうえでのコンセプトや注力しているポイントを教えてください。

“世界観”と”遊び”です。まずは世界観についてですが、デジモンには”人とデジモンの絆”という不動のテーマがあります。それを本シリーズでもしっかり描くのはもちろんのこと、本作ではさらにそれを際立たせるための世界観を作り上げています。本作をクリアした際は、きっと、デジモンならではの魅力にあらためて気づいていただけるのではないでしょうか。遊びの部分としては、本シリーズが「デジモンゲーム」のなかで最もオーソドックスな育成RPGだと思っています。初めてデジモンに触れる方でも遊びやすいと感じていただけるような工夫を随所で行なっています。

──本作『タイムストレンジャー』ならではのコンセプトや見どころを教えてください。

本作のコンセプトは”時を超越する絆の物語”であり、このひとことに凝縮されていると思っています。主人公は世界崩壊を止めるべく、人間世界とデジタルワールドを行き来しながらデジモンと力を合わせて冒険していきます。その旅路で「人間世界とデジタルワールド」「人間とデジモンの対立」「過去と未来」という、相反するさまざまな要素が複雑に絡み合うことで生まれるドラマが語られます。それは本作でしか描けないと思っているので、ぜひ注目してほしいポイントです。

──主人公をふたりの男女から選択でき、選ばれなかった主人公はサポート役として登場するそうですが、どちらを選択するかによって物語の展開などに大きな違いはありますか?

大きな変化はありません。ひとつの完成された物語を楽しめるようになっています。

──舞台となる年代に、西暦何年といった具体的な設定があれば教えてください。また、すでに公開されている内容として世界が8年前に戻るという設定がありますが、この「8年」という数字には何か理由があるのでしょうか。

年代は、われわれが生きている現在とほぼ同じです。なぜ「8年」なのかということに関しては、さまざまな理由があるのですが、それについてはぜひゲームをプレイしていただければと思います。

人間世界とデジタルワールドを行き来し、世界崩壊の真相に迫る

──先ほど「デジモンストーリー」のコンセプトのひとつとして”世界観”を挙げられましたが、本作の世界観を構築する際に注力した具体的なポイントを教えてください。

本シリーズや本作で一番描きたいテーマは、先ほどお話したように”人とデジモンの絆”の物語です。世界観やフィールドマップの構造などに関しては、それを実現させるための重要な舞台装置のようなものだと考えています。そのため、物語を体験するうえでの没入感は、特に意識したポイントでした。

例えば、本作における人間世界の主な舞台は東京・新宿なのですが、かなり広く、そしてしっかり作っています。『サイバースルゥース』や『ハッカーズメモリー』ではさまざまな都市に行くことができましたが、今回はあえて新宿に注力して作り込みました。秋葉原については、これまでのものに少し新しい要素を加えたくらいですね。物語が広い新宿の中で一貫して展開していくことが、本作の没入感を高めるための要素のひとつになっているかと思っています。

──では、もうひとつの舞台となるデジタルワールドの見どころを教えてください。

実は『サイバースルゥース』や『ハッカーズメモリー』では、デジタルワールドへ行くことはほとんどありませんでした。物語の最後の最後に少し訪れることになりますが、基本的にはその手前にある電脳空間「EDEN」で物語が進行していたんです。対して本作では人間世界との行き来がありつつ、物語のほとんどがデジタルワールドの中で描かれることになります。デジタルワールドは基本的に大自然と人工物の融合によって成り立っているのですが、そこは踏襲したうえで、本作の舞台となるデジタルワールド・イリアスはオリンポス十二神が守護する世界なので、神話を彷彿とさせるファンタジー的な雰囲気を特に意識しています。

──試遊ではデジタルワールド・イリアスのセントラルタウンを探索できましたが、デジモンたちの生活感が感じられるのはもちろん、かなりの広さや高低差があり、探索のしがいがありそうだと思いました。フィールドマップを作るうえで注力していることがあれば教えてください。

各エリアに関しては、なぜこうなっているのかという理由をしっかり設定したうえで設計しています。セントラルタウンはデジタルワールド・イリアスの中央都市で、主人公の拠点となっています。何度も訪れることになるため、活気に満ちあふれていて「次の冒険も頑張ろう」と思えるような空間にしたいと考えました。

──人間世界とデジタルワールドでは、探索時に違いはあるのでしょうか?

人間世界には敵が出現しない、デジタルワールドには敵が出現するといった違いはありますが、探索することに関しては大きく変わらないと思っています。現実世界にもアイテムは落ちていたりしますし、デジモンが出現するポイントも実はあったりします。

デジモンの収集、育成、編成が鍵となる戦略的なターン制バトル

──バトルにおける本作ならではの見どころを教えてください。

「デジモンストーリー」シリーズのバトルは、デジモンの種族と攻撃の属性を考慮した戦略がとても重要になります。編成したデジモンによっては敵にとんでもないダメージを与えられるのが、バトルの大きな特徴です。もちろん本作でもそれを基本としていますが、本作ならではの大きな特徴として、ふたつの新要素を追加しています。

ひとつは、仲間のデジモンへ自由にセットできる「アタッチメントスキル」です。前作では特定のデジモンの特定のスキルが強すぎることがあり、好きなデジモンを編成できないという指摘が多くのファンから寄せられました。本作ではこのアタッチメントスキルによって、好きなデジモンにさまざまなスキルを使わせることができるようになり、編成の自由度が上がっています。

もうひとつは、主人公が持っている端末「デジヴァイス」とデジモンの力を融合させて放つ必殺技「クロスアーツ」です。ここぞというときに頼れる面白い要素になっていると思います。

──試遊では味方全体を強化するクロスアーツを使えましたが、それ以外の効果もありますか?

バフだけでなく、敵を直接追撃するものもあります。さまざまな効果のクロスアーツがあるので、戦略や状況に応じて使い分けてください。

──試遊のボス戦では、ボスが力を溜め始めるとゲージが表示され、力が溜まりきる前にダメージを与えてゲージをゼロにしないと強力な技を使ってくるというギミックがありました。ボス戦では常にそのようなギミックが用意されているのでしょうか。

はい。ボス戦には何らかのギミックを用意しています。それもこれまでのタイトルから強化しているポイントであり、より緊張感の高いバトルを味わえると思います。

──ターン制のバトルならでは面白さはどこにあると考えていますか?

先ほどもお話しましたが、本作ではアタッチメントスキルによって自由にスキルをセットできるので、自分だけの戦略を組み立てることができます。例えば、私は常にバトルに参加してくれるゲストメンバーのアイギオモンには、どんな敵にも対処できるように回復とバフのスキルを必ずセットしています。そういった戦略がうまくハマったときの気持ちよさや事前準備の楽しさは、ターン制バトルの醍醐味だと思います。

──発売を心待ちしているファンに向けてメッセージをお願いします。

本作は約10年ぶりとなる「デジモンストーリー」シリーズの最新作です。デジモンファンの方へはもちろんなのですが、かつてデジモンは好きだったけど離れてしまった方や、本作を機に初めてデジモンに触れる方も含めて、しっかり楽しめる環境と奥深い物語をご提供できると自負しています。ぜひ発売まで楽しみにお待ちいただければと思います。


デジモンストーリー タイムストレンジャー

・発売元:バンダイナムコエンターテインメント
・フォーマット:PlayStation 5
・ジャンル:育成RPG
・発売日:2025年10月2日(木)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 通常版 8,910円(税込)
    パッケージ版 希望小売価格 限定版 16,280円(税込)
    パッケージ版 希望小売価格 フィギュア付き限定版 28,380円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 通常版 8,910円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 デラックスエディション 11,000円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 アルティメットエディション 14,300円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:C(15才以上対象)


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