
PlayStation®5/PlayStation®4用ソフトウェア『Besiege – ビシージ -』は、英国のSpiderling Studiosが開発する物理演算ベースのビルド&シミュレーションゲーム。武器、装甲、飛行といった機能を持つブロック(パーツ)を組み合わせ、カタパルト、戦車、ヘリコプターなど、さまざまなマシンを思いのままに作成できる。
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※本記事の画面写真および動画は、流血の表示を「オフ」に設定したものです。
CHECK POINT①
ステージを攻略しながらビルドの知識が身につく
キャンペーンモードでは、4つの島にある55のステージを順番にクリアしていく。各ステージには、城や砦を破壊する、兵士を倒す、オブジェクトを所定の位置まで運搬する、といったクリア条件が定められており、その条件を果たせるマシンを作っていくことになる。マシンの作成は、ビルドスペースの範囲に収まれば何を作ってもかまわない。70種類ものパーツは最初からすべて使えて、作成したマシンが大破してもペナルティはなく、トライ&エラーをテンポよく繰り返すことができ、とにかく自由度が高い。
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マシンを作成する際は、画面下のパーツメニューから使いたいパーツを選び、起点となるコアブロックにカーソルを合わせて継ぎ足していく。マシンのボディ作りの基本となる「木製ブロック」をはじめ、ほとんどのパーツは隣接していれば自由につなげることができる。「動力ホイール」や「キャノン」など、プレイヤーの操作によって動作するパーツもあり、これらを組み合わせれば、好きな形で好きなように動くマシンを作ることが可能だ。マシンが組み上がったらタッチパッドを押してシミュレートを開始し、実際にマシンを動かしてステージクリア条件を達成しよう。
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キャンペーンモードの序盤はチュートリアルを兼ねた内容になっており、ビルドの基本を少しずつ学んでいける。最初のステージには未完成のマシンが用意されており、画面のヒントに従って「動力ホイール」を追加すれば、簡易的な四輪車両が完成する。シミュレートを開始し、直進して正面の小屋を破壊するとステージクリアだ。
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先に進むと、敵のワゴンを2台破壊することが条件のステージが現れる。最初に作った前進と後退しかできないマシンではクリアできないため、ここでは曲がる機構を追加する必要がある。「動力ホイール」と接続していた「木製ブロック」の代わりに「ステアリングヒンジ」をつけると曲がって走れるようになり、この一連の作業でパーツの役割やつけ替え操作を学ぶことができる。
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そうして進んだステージ6。おそらく多くのプレイヤーが、自分の想像力を発揮し始めるタイミングになるのではないだろうか。クリア条件は「兵士の70%を倒せ」、そしてヒントは「もっと多くのブロックを配置する」と表示されている。これまではクリア条件に合わせたヒントに従って四輪車両を少しずつ改造してきたが、ここからは「好きなように作ってクリアして!」と言われているわけだ。
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兵士を倒す方法はいくらでもある。これまで使ってきたマシンで突撃しまくってもいいし、「ドリル」や「鉄製スパイク」をつければ攻撃力も上がるだろう。いや、よく見れば火炎放射機やミサイルなど武器系のパーツがたくさんあるから、いろいろ試してみるのも面白いか……。そうやって妄想し、これまでの何倍もの時間をかけて作ったのが以下の動画のマシンだ。
三方向に「キャノン」と「榴散弾キャノン」を積みまくり、兵士を引き寄せてから一斉砲撃する。自走機構はあるけれど移動する意味はないし、できるかぎり補強しているけれど砲撃の衝撃に耐えられず自壊してしまう。とはいえ、方法や最後の姿はどうであれ、クリア条件はしっかり達成している。われながら大雑把なマシンだとは思うが、作っているときはワクワクのノリノリだった。そしてイメージしたマシンを思考錯誤しながら完成させる楽しさを知ったあとは、このステージでいくつものマシンを作成し続け、ビルドの知識と技術を増やしていくことになる。
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CHECK POINT②
物理演算が機能する本格的ビルドが面白い
本作は思いつくままにマシンを作れることが魅力だが、しっかりとした物理演算ベースで成り立っているからこそ面白い。パーツの重量や強度、重心のバランスなどを考えて作らないと、いざ動かそうとしたとき、まともに動かなかったりバラバラに壊れてしまったりする。物理法則からはみ出した失敗を繰り返しながらも、なんとか調整してクリアできたときはたまらなく楽しいのだ。
例えば以下の動画のマシンは、オブジェクトを運搬することが目的のステージで作ったものだ。段差の上に持ち上げて乗せる必要があるため、クレーン車をイメージして作った。
オブジェクトを掴んで離せる「グラバー」と、それを上げ下げする「ロープウィンチ」を組み合わせる発想じたいは悪くなかったが、最初は問題だらけだった。序盤で作った小型の四輪車両をベースにしていたため重心のバランスが悪く、長い支柱とアームを乗せると前のめりに傾いてしまう。ボディの土台を大きくすれば重心は安定しやすいが、パーツが増えると接続強度が脆くなる。走って曲がるたびにボディが悲鳴を上げ、パーツがポロポロと外れてしまうこともあった。
そこでヘルプを見直し、パーツどうしをつなぐ「ブレース」で固定してみると、支柱のグラつきが驚くほど軽減された。「ブレース」じたいの重量は軽いらしく、マシンの重心への影響が少ないまま強度を上げることができる。
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当初は前輪に「ステアリングヒンジ」をつける機構だったステアリングも改良した。「動力ホイール」を2枚重ねにして、内側のホイールはR2/L2で前進・後退する通常の操作、外側のホイールは左右のスティック操作で正回転と逆回転を切り替えるように設定。すると、外側のホイールによってその場で方向転換や旋回ができるようになる。クレーンのような細かい動作が必要な作業車両にはピッタリの機構で、また「ステアリングヒンジ」の接合部の脆さも解消することができた。
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クレーンで運搬したいというイメージから始まったマシン作りは失敗も多かったが、物理法則の影響を考え、パーツの機能や細かい設定方法の理解が進んだことで、納得いくマシンが完成した。自壊したとしても条件を達成すればクリアにはなるものの、リアルで本格的なマシンを作れたときは大きな充足感を得られるのだ。
CHECK POINT③
サンドボックスでもっと自由なビルドが楽しめる
本作にはキャンペーンモードと別に、サンドボックスモードとして3つのステージが用意されている。キャンペーンモードのようにクリア条件が設定されたステージではなく、より自由なマシン作成や試運転に使えるテスト用のステージだ。
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サンドボックスではビルドスペースの制限もないため、超巨大なマシンを作成することもできる。また、ステージじたいが広大で、飛行系のマシンを作って思う存分飛ばすことも可能だ。ステージによっては敵兵士も登場するので、武器パーツのテストにも使える。超火力の攻城兵器や巨大ユニットのロマンを追い求めるもよし、複雑なギミックで動作するリアルな機能美に挑戦するもよし。妄想を膨らませ、自分だけの最高のマシンを作ってみよう。
「ワークショップ」で他プレイヤーのマシンをダウンロード
「ワークショップ」には、世界中のプレイヤーが作ったマシンが公開されており、ダウンロードしたマシンは自分で使うこともできる。「ワークショップ」は方向キー下でアクセスし、初回はオプションボタンで利用規約を開き、同意することで利用可能となる。公開されているマシンは、「現在人気」や「最もダウンロードされている」などのほか、「車」「フライング・マシン」「ウォーカー&メカ」といったカテゴリで分けられており、キーワード検索もできる。
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他プレイヤーのマシンを見たり使ったりするのも楽しいが、自分にはない発想や、まだ使いこなせていないギミックに触れられることも魅力。イメージのヒントや作成のお手本になるので、一度チェックしてみるといいだろう。そして自慢のマシンが完成したら、世界中のプレイヤーに向けてアップロードしてみよう。
また、本作のプレイヤーコミュニティはPC版のアーリーアクセスが始まった2015年から長く続いており、解説サイトや動画投稿サイトの動きも活発だ。アニメに登場したロボットを再現したり、現実さながらの物理学に則した飛行機を作っていたりと、ベテランプレイヤーたちの知識と技術、そして熱意に驚かされる。本作の奥深さを追求したくなったら、参考にしてみるといいだろう。
Besiege – ビシージ –
・発売元:PLAYISM
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:シミュレーション
・発売日:好評発売中
・価格:PS5 パッケージ版 希望小売価格 4,400円(税込)
ダウンロード版 販売価格 2,200円(税込)
PS4 ダウンロード版 販売価格 2,200円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:D(17才以上対象)
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