PlayStation®5/PlayStation®4用ソフトウェア『九日ナインソール』は、台湾のゲーム開発スタジオRed Candle Gamesが送り出した探索型2Dアクションアドベンチャーだ。プレイヤーは道教の神話をモチーフにしたダークなSF世界を方士の羿(げい)となって探索。敵の攻撃をタイミングよく弾き、反撃する「弾き」アクションを使いこなして行く手を阻む者たちに立ち向かう、やや難易度は高めだが爽快なアクションが楽しめる作品となっている。
CHECK POINT①
太陽人が作ったシェルター「新崑崙」での冒険! 主人公・羿の目的は?
古代中国に端を発する宗教のひとつで、現代でも中国の人々の生活にさまざまな影響を与えている道教。本作は、その神話を下敷きにした独自のタオ(道教)パンクSF世界・新崑崙が舞台となっている。ゲームのオープニングは、主人公である猫のような顔をした謎の方士・羿(げい)が謎の人物によって崖から落とされ、巨大な植物の根に取り込まれる場面から始まっていく。
その後、羿は植物の根に守られて500年の間、眠り続けていたが、人々が住まう「桃花村」に暮らす少年・軒軒が鳴らした笛の音で意識を取り戻す。自分を助けてくれた軒軒と一緒に村で生活を始めた羿だったが、彼が体の自由を取り戻したある日、村に古代から伝わる祭事で軒軒が「供物」として選ばれたことでふたりの平穏な暮らしは終わりを告げる。
あらゆる厄災から人々を守るために行なわれてきた桃花村の祭事。それは村人を供物として、新崑崙を治める「太陽」と呼ばれる者たちに捧げる生贄の儀式だった。謎の祭壇を破壊して軒軒の命を救った羿は、広大な迷宮のような新崑崙の深層を探索し、自らの過去と向き合いながら9人の「太陽」のもとへと赴く……。
ゲームが進行することで描かれる羿の回想や、プレイ中に入手できる情報によって少しずつ世界の全貌が見えてくるミステリアスなストーリーが魅力の本作。サイバーな要素の中に呪符など道教のモチーフを随所に取り入れたビジュアル、イベントシーンで登場する漫画のようなコマ割りデモなど、見た目にも新しさを感じさせるグラフィック表現や演出も見どころといえるだろう。
CHECK POINT②
「弾き」アクションの活用は必須! 練習して使いこなそう!
プレイヤーは羿を操作して複数のエリアがつながった広大なマップの各所を行き来し、行く手を阻む敵を倒しながら探索を進めていく。各エリアでボスを倒したり、仕掛けをクリアしたり、新しいスキルやアイテムを手に入れることで徐々に探索範囲が広がり、最終的には踏破したマップのすべてにアクセスできる仕組みだ。敵の攻撃やトラップでダメージを受け、体力ゲージがなくなると直前のリスタートポイントから復活してやり直しになる。
スタート直後に羿が繰り出せるアクションは、移動、ジャンプ、最大3回繰り出せる三元剣の攻撃、敵に爆発する呪符を貼りつける攻撃、回避に使える突進、敵の攻撃を防ぐ防御の6種類。加えてゲームが進むと、敵を貫通して強力なダメージを与える弓も使用可能になる。また、煙管を吸うことで手持ちの薬ビンのぶんだけ体力を回復させることもできる。
この中で重要なのが防御で、敵の攻撃に合わせてタイミングよく防御すると敵の攻撃を「弾く」ことができる。この弾きアクションが成功するとダメージを受けず、かつ呪符を使うために必要な気力が手に入る。さらに弾きは「内傷」と呼ばれる仮ダメージを敵に与え、呪符攻撃をあてることでそれを実ダメージに転化させることも可能。内傷はボス戦でのダメージ源として非常に有効だ。
敵の攻撃を弾いた直後に呪符攻撃を出して敵とすれ違い、起爆してダメージを与える連続アクションは爽快かつ強力! 敵の素早い連続攻撃もボタンを連打することで弾くことができ、スキルを覚えることで敵の矢などの飛び道具を撃ち返すこともできる。全体に操作に対する反応がよく、移動や攻撃からすぐに弾きが出せるので慣れてくれば流れるように使いこなせるはず。弾けない攻撃を混ぜてくる敵もいるので過信は禁物だが、使いこなせないと進めない場所もあるので瞬時に使えるように練習しよう。
探索型アクションだけにステージの構造はわりと複雑で、ギミックも多め。先に進むためのわかりやすすぎるヒントなどもあまり出ないため、探索はけっこう大変。ゲームを進めると玄蝶と呼ばれるドローンのようなものが手に入るので、先の見えない場所などはそれを飛ばして行く先を偵察しながら慎重に進むといいだろう。行き詰まったときも、使えそうなスキルがないか、隠し通路がないかなどをくまなく調べなおしていけば道が開けるはずだ。
全体的に難易度は高めで、気を抜くとザコの攻撃を食らい続けて回復する暇もなくやられることもしばしば。また探索中のクライマックスともいえる各エリアでのボス戦は、弾きなしでは絶対に勝ち目がないといえる強さだ。だが、敵の配置や攻撃パターンはほぼ決まっており、それを覚えて何度も挑戦すれば必ずクリアは可能。敵の攻撃の予備動作を見逃さずに弾きや呪符を駆使してダメージを与え、ボスを倒せた時の達成感はたまらないので、あきらめずに挑戦してみよう。
CHECK POINT③
探索で入手したお金やアイテムを使った成長要素も
本作では、探索中に手に入るお金やアイテムを使うことで羿の能力を向上させたり、新たなスキルを入手したりする成長要素として、「玉石」「経絡」と呼ばれるものが用意されている。これらはゲーム中のリスタートポイントにもなっている「古木樹ノード」から利用が可能だ。
「玉石」は付け替えができるアクセサリーのようなもので、呪符攻撃が成功した際に追加効果を与えるなど効果はさまざまだが、どれも探索に役に立つものばかりだ。ただし装備するには「計算力」が必要で、入手した玉石すべてを一度に利用することはできない。ザコが大量に出てくる場所に入る前に複数の敵に呪符攻撃ができる玉石を付けるなど、シーンに応じて付け替えて有利に探索とバトルを進めていこう。
「経路」は探索中で敵を倒すなどして入手できるスキルポイントを消費し、新たなスキルを身に付けるものだ。剣や呪符攻撃、突進を強化するもののほか、延髄切りなど特殊なジャンプ攻撃が繰り出せるようになったりと、こちらもさまざまな効果がある。スキルを開放すれば永続的に効果が得られるので、ポイントがたまったら積極的に習得していこう。呪符攻撃のパターンを変化させるものは、どれを使うか切り替えも可能。呪符を自動で起爆してくれる行雲流水は使いやすいのでおすすめだ。
成長要素について重要な役割を持っているのが、ゲーム中で出会えるほかのキャラクターたちだ。マップ中の特定の場所に現れる蚩尤やエンジニアの夸伏は、お金と引き換えに玉石や羿の体力の上限を増やすアイテムを売ってくれる。バトルが厳しいと感じたときは、いったん足を止めて探索済みのマップで敵を倒してお金を集め、彼らの売る強化アイテムを購入するのもいいだろう。
骨太なアクションと、ミステリアスなストーリーのどちらも魅力的な『九日ナインソール』。敵の攻撃を見切って繰り出す弾きを活用することが前提のいわゆる「死んで覚える」タイプのゲームで、正直なところ難易度は高い。しかし、ザコの一体一体にも攻撃にきちんと予備動作があるなど丁寧な作り込みのおかげで理不尽さを感じることは少なく、アクション慣れした人は繰り返しプレイしたくなる作品となっている。また自分と敵のダメージ倍率を調節できるモードもあり、それを選べば手軽にストーリーと探索を存分に楽しめるので、アクションゲームがやや苦手という人もぜひ深淵なるタオパンクの世界に挑戦してみよう。
九日ナインソール
・発売元:RED CANDLE GAMES
・フォーマット:PlayStation 5/PlayStation 4
・ジャンル:アクションアドベンチャー
・配信日:好評配信中
・価格:ダウンロード版 販売価格 3,410円(税込)
・プレイ人数:1人
・レーティング:IARC 16+(16才以上対象)
※ダウンロード専用タイトル
※IARC(the International Age Rating Coalition)は、世界のゲーム評価機関により管理される国際年齢評価連合です。
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