※本記事は英語版PlayStation®.Blogの日本語翻訳記事です。
伝説的なクリエイターの坂口博信氏がプロデュースおよび脚本を手がけ、植松伸夫氏が作りだす魅惑的な楽曲が収録されている『FANTASIAN Neo Dimension』は古くからの「ファイナルファンタジー」シリーズのファンだけでなく、新たなプレイヤーも虜にすること間違いなしです。本作はもともと2021年にモバイル向けに制作されましたが、今でも変わらない魅力を持つフルスケールのJRPGです。先日、本作に登場するエリア“古代の丘”をレオア、キーナ、シャルルというパーティーで一足先に体験する機会をいただきました。今回はボイスありのカットシーン、探索可能な小さなエリアひとつ、謎に満ちた特別な敵とのエンカウントや昔ながらのボス戦などを含むバトルを体験できました。そのなかでも印象的だったものをご紹介します。
新要素
本作のPS5版にはうれしいアップグレードがいくつか導入されています。最も顕著なのは4K解像度で、細部までこだわって作りこまれた世界が驚くほど鮮明に表現されています。もうひとつは言語の音声です。『FANTASIAN Neo Dimension』では、オリジナルの日本語音声と英語音声のどちらもフルボイス対応しており、登場キャラクターたちに命が吹き込まれます。最後のひとつは、通常よりも簡単な難易度が追加されたことです。このジャンルに不慣れな方でも、昔ながらのJRPGらしい難易度を持つ本作を遊びやすくなっています。
ユニークな芸術性
『FANTASIAN Neo Dimension』はほかに類を見ない芸術性を兼ね備えています。本作の世界はすべてが手作りのジオラマでできており、それをドローンを使って3Dスキャンを行ない、デジタルで再現しています。この細部までこだわり抜かれたプロセスでは、本作に登場するさまざまなエリアを形作るために150点を超えるジオラマが制作され、そのひとつひとつが細部まで手作業で塗られています。
このジオラマをベースにしたエリアを探索したとき、まるで芸術品のなかに足を踏み入れたような感覚がしました。画面の向こうへ手を伸ばして、そのさまざまなテクスチャや複雑なディテールに触れたいとさえ思いました。職人の手から直接生み出されたものが、本作のビジュアル体験を非常にユニークなものにしています。
伝統と革新の融合
『FANTASIAN Neo Dimension』において特に注目すべき点のひとつに、伝統的なJRPGの要素と革新的なゲームプレイシステムが見事に組み合わされていることが挙げられます。伝統的なJRPGのファンは、属性ごとの弱点や定番の呪文が揃った昔ながらのターン制の戦闘システムに居心地の良さを感じるでしょう。しかし、本作にはプレイヤーが手動で攻撃や呪文の軌道を操作できるというシンプルなひねりが加えてあり、複数の敵をまとめて狙うことができます。なかには昔ながらの一定範囲に影響を及ぼす呪文や単体にのみダメージを与える攻撃もありますが、そのほかの攻撃は敵を貫通するだけでなく、特定の敵に当たるように手動で呪文の曲がり方を調整できます。こうした戦術的な追加要素は一度に多くの敵を相手にするときほど大きな満足感を得られます。
伝統的なJRPGにおいては、ランダムなエンカウントが頻発して退屈になるという点が批判されがちです。しかし、今作では一度に複数の敵と戦える“ディメンジョンシステム”によりその点が解消されています。本作ではフィールドで同じ敵と何度も戦うのではなく、そうしたエンカウントを異次元であるディメンジョンにストックし、一度にまとめて対処することが可能なのです。ただし注意すべき点がふたつあります。ひとつ目は、初めてエンカウントする敵とは即座にバトルが開始されることですま。ふたつ目は、ストックしておける敵の数には制限があり、その数に達するとディメンジョンで片付けなくてはいけない点です。
このシステムのおかげでゲームプレイの流れがスムーズになるだけでなく、邪魔されずに心行くまで冒険を楽しむ時間ができます。ときには最高のバトルを味わうこともできるでしょう。ディメンジョンに入ると、敵のターンを奪ったり、パーティーの攻撃を強化できたりするようなさまざまなボーナスがあちこちに用意されています。ボーナスターンの間に狙いを定めて攻撃しボーナスを拾うことで、スリル満点でリスクの高い大規模バトルが楽しめます。このシステムは戦闘においてより独創的なアプローチを可能にしてくれるので、特に面白いと感じました。ディメンジョンにおけるバトルで1度に戦う敵の数は30体までに制限されていますが、そのおかげで別の呪文や戦術を試すことができ、1回1回のバトルを新鮮で楽しいものにしてくれます。
本作は現代に合わせて新鮮さとイノベーションが感じられる改良を施された、昔ながらのJRPGへ贈る美しいラブレターだと言えるでしょう。見事に手作りされたジオラマのエリアと伝統的なゲームプレイ要素、そして“ディメンジョンシステム”のような新しいシステムが組み合わさり、ノスタルジックでありながら斬新な体験を作り出しています。このジャンルのファンとして『FANTASIAN Neo Dimension』をプレイしてみて、正式発売がとても楽しみになりました。
FANTASIAN Neo Dimension
・発売元:スクウェア・エニックス
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation®4
・ジャンル:RPG
・発売日:未定
・価格:未定
・プレイ人数:1人
・レーティング:審査予定
『FANTASIAN Neo Dimension』公式サイトはこちら
『FANTASIAN Neo Dimension』公式X(旧Twitter)はこちら
※本記事で紹介している画像は英語版です。
© MISTWALKER/SQUARE ENIX
コメントの受付は終了しました。