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9月6日(金)に発売を迎えるPlayStation®5用ソフトウェア『アストロボット』は、『ASTRO BOT: RESCUE MISSION』や『ASTRO’s PLAYROOM』を手掛けたTeam ASOBIの新作アクションゲーム。これまでのタイトルよりもプレイボリュームが大幅に増え、新たなパワーアップや機能が追加されたフルサイズの作品となっている。
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発売に先立ち、Team ASOBIがメディアを招待してスタジオツアーを行なった。スタジオの歴史や開発スタイル、『アストロボット』の制作プロセスなどのほか、ユニークな雰囲気のスタジオ内が紹介された。その模様を開発スタッフへのインタビューとともにお伝えしよう。
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楽しさとイノベーションを理念とするスタジオ
ツアーの冒頭、Team ASOBI 代表のニコラ・ドゥセ(以下、ニコ)からスタジオの紹介が行なわれた。Team ASOBIは『ASTRO BOT: RESCUE MISSION』や『ASTRO’s PLAYROOM』を経てPlayStation Studiosの一員となった。ゲームの新しい技術を伝えつつ、子どもから大人まで楽しめるファミリーゲームを手掛け、多国籍なスタッフによって制作が進められている。「MAGICAL」「INNOVATIVE」「PLAYFUL」「UNIVERSAL」「POLISHED」という5つの理念に基づいた開発こそがTeam ASOBIのスタイルだ。
そんな彼らの新作となるのが『アストロボット』。フルサイズの新たな3Dプラットフォームゲームであること、DualSense® ワイヤレスコントローラーの機能を最大限に活かした新しい体験ができること、そしてPlayStation®の30周年を記念しておなじみのキャラクターがVIPボットとして多数登場することなどが説明された。
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スタッフ全員がアイデアを出し、議論を繰り返しながらより楽しいゲームを目指す
続くゲーム開発プロセスのプレゼンテーションへと移る途中、ニコがスタジオの一角で足を止めた。そこには大量の付箋が張り付けられてあった。これはブレインストーミングで出たアイデアを書き留めたもので、担当分野が何であれスタッフの誰もが、自分のアイデアをゲームに盛り込むことができるのだ。
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ゲームプレイのアイデアは議論を重ねて具体的な形になっていき、アートチームのデザインから3Dモデルやアニメーションなどを経て命を吹き込まれる。この工程は、アストロの新たなパワーアップや、PlayStationの30周年を彩るVIPボットのデザインや動きの作り方としても紹介された。また、Team ASOBIはDualSense ワイヤレスコントローラーによるユーザー体験を最大化するため、ハードウェア開発者との密接なやり取りを行なっている。同じ東京のオフィスで距離が近いというメリットを活かし、ハードウェア担当と緊密にコラボレーションをすることで、Team ASOBIのプログラマーも初期段階からハードの特徴を理解して、よりよい仕事ができるというわけだ。
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スタッフがリラックスできるスタジオ環境づくり
Team ASOBIのスタジオは、カラフルで遊び心にあふれている。大量のキャラクターグッズやスタッフの顔写真が並ぶテーブルボード、ゲームをプレイしながらくつろげるコーナーや、卓球台にもなるテーブルまであった。
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スタジオ内のいたるところにアストロの姿も。デザインアートやグッズはもちろん、9月6日(金)発売のDualSense ワイヤレスコントローラー “アストロボット” リミテッドエディションも展示されていた。
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インタビュー①アート&アニメーション──すべてはゲームプレイのアイデアから始まる
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ジェイミー・スミス
プリンシパルアニメーションディレクター/Team ASOBI
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セバスティアン・ブルクナー
プリンシパルアートディレクター/Team ASOBI
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村上真紀
シニアアニメーター/Team ASOBI
──キャラクターづくりでは、どのようなことを大切にしていますか?
村上:私たちが直接デザインするわけではないのですが、『アストロボット』特有の色というものがあります。主人公なら赤ちゃんのような可愛さがあるように、ユニークで可愛いデザインを色として持っています。
セバスチャン:このゲームのいいところは、うれしい感じをユーザーの皆さんに伝えていることです。キャラクターデザインの見た目も、ロジカルなデザインというわけではなくて、面白く感じるデザインがあって、その考え方が大事にされています。
ジェイミー:子どもらしさはとても重要です。私たちがアニメーションを作るとき、子どもの演技を入れます。うれしくて飛び跳ねるような子どもらしい演技を取り入れていて、それがゲームを遊ぶプレイヤーの楽しい気持ちと強く結び付きます。子どもには動きや感情のエネルギーがたくさんあるので、その要素を大事にしたいと思っています。
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──アイデアメモから実装に向かうものは、どのような理由や基準でピックアップされるのでしょうか。
セバスチャン:まずは、ゲームプレイが面白くなりそうだとみんなが感じられることです。アート性を最優先にしてアイデアを採用するのではなく、すべてはゲームプレイのアイデアから始まります。チームで一連のゲームプレイを想定してみて、そこから世界観やディテールを決めていきます。例えば、氷を使うゲームプレイならフィールドは海がいいとか、そういうことを繰り返して作るプロセスになっているので、アートはあとから詰めていくことになります。
村上:そのやりとりは、アストロのパワーアップを作るときに顕著に出ているかもしれません。長い手を持つ「モンキー・クライマー」は、アストロがサルを背負ったデザインになっていますが、最初はサルではなく手だけでした。そこから、どうすれば可愛く見えるかをみんなでディスカッションして、最終的にサルを背負うというデザインになりました。プロトタイプを作ってからみんなでプレイして、もっと楽しくするにはどうすればいいかを詰めていきながら制作しています。
──『アストロボット』で最も誇りに思っている要素は何ですか?
村上:私を含めてチーム全員が、いいゲームを作りたいと思っていることです。これは本当に、自信を持って言えることだと思います。Team ASOBIには65人ほどのクリエイターがいて、全員がいいアイデアを出し合って作ってきました。そのモチベーションと、いいゲームをユーザーの皆さんに届けたいという気持ちが、私たちの誇りです。
セバスチャン:ひとりでゲームのすべてのアイデアを出すことはできないので、チームとしてアイデアを出し合うことが大切です。また、ベストのアイデアが最初から出てくるともかぎりません。ですから私たちは、みんなでたくさんのアイデアを出して、より面白くするためのディスカッションを繰り返し、その進行を隔週で確認し合うというプロジェクト管理をしてきました。こうしてチームみんなで作り上げられたことを誇りに思います。
ジェイミー:65人での制作は大規模とはいえませんが、今回われわれはフルゲームの大きな作品を作り上げました。みんなが毎日頑張りましたし、問題があればみんなで考えて正しい答えにたどり着きました。最初から最後までこのプロセスは適切だったと実感していて、私たちの誇りです。
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──『アストロボット』でユーザーに注目してほしい部分をお聞かせください。
セバスチャン:たくさんの世界に、たくさんのインタラクションがあります。皆さんがステージに入ったときは、真っ直ぐゴールに向かうだけでなく寄り道もして、いろいろなところに乗ったりパンチしたり、インタラクトしてみてください。多種多様な反応があるので、きっと同じステージでも新しい発見があると思います。
ジェイミー:今年はPlayStationの30周年です。このゲームにはPlayStationの歴史が全部入っています。VIPボットとして有名なキャラクターがたくさん登場して、皆さんをワクワクさせてくれると思うので、ぜひ注目してください。
村上:65人のクリエイターが考えた面白いアイデアが、すべてのステージに散りばめられています。VIPボットのバリエーションやキャラクターのリアクションなど、本当にたくさんのネタがあるので、皆さんが気に入ってくれるものがきっとあると思います。それを見つけて、温かい気持ちや楽しい気持ちになっていただけたらうれしいです。
インタビュー②テック&プログラム──新しい機能を入れるのは、新しい体験を作り出したいという思いがあるから
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青木俊雅
シニアプリンシパルプロダクトマネジャー/グローバル商品企画
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山田真之
プリンシパルゲームプレイプログラミングリード/Team ASOBI
──アートチームから受け取ったデザインを3Dモデルにするうえでの楽しさと難しさをお聞かせください。
山田:デザイナーチームからきた仕様を実際のゲームプレイに落とし込むときに、最初から細かいディテールまで作る必要はありませんが、その”ゲームプレイが楽しい”と感じられるように作ることが重要です。このモデルのどの部分が楽しさを表現しているのか、どうやって動けば気持ち良いフィードバックを返せるのか。そこを理解してプログラミングしていくことが楽しい部分であり、難しい部分でもあります。
──シンプルなデザインのボットたちにPlayStationの歴代キャラクターを投影させるとき、どのようなことを大事にしたのでしょうか。
山田:アニメーターはいろいろなポーズを決めてキャラクターの可愛らしさを表現しますが、プログラマーの観点としては、可愛さがこのゲームのポイントになっていると思うので、アニメーション以外にプログラムで工夫できることがたくさんあります。どうすれば可愛くなって、逆にどうすると可愛くなくなるのか、という部分は気をつけて作っていました。
──Team ASOBIならではのモデリングの制作手法があればお聞かせください。
山田:ゲームプレイプログラマーは、デザイナーからもらった仕様をもとにして、まずはプリミティブな(基本となる)モデルを作って動かしてみます。その面白さを検証したあとに、どうすればより面白さを高められるかについて、アートチームがさらに検証してくれます。われわれは面白さをまず定義して、そこにさらに楽しくなる要素を足していくようにしています。このプロセスは、Team ASOBIの独特なところだと思います。
──DualSense ワイヤレスコントローラーが変身した「デュアルスピーダー」がキャラクターとしてゲームに登場するのは、ハードウェア開発者としてどのような気持ちでしたか?
青木:自分の作ったハードウェアがゲームの中で表現されて、とにかくうれしかったですね。これまでは操作説明用に表示されるくらいしかありませんでしたが、3Dのキャラクターになって飛び回ってくれるのですから、ハード制作者として、喜びもひとしおでした。
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──Team ASOBIの作品はPlayStation®VRやDualSense ワイヤレスコントローラーといった新技術を紹介する役割も持ち合わせていましたが、ユーザーに初めての体験を伝えるうえで、どのようなことを心掛けていたのでしょうか。
青木:新しい機能を入れるのは、新しい体験を作り出したいという思いがあるからです。Team ASOBIとは近い環境にあるので、早い段階からプロトタイプを試してもらっています。そこで笑顔が出るとか、クスッとはにかむとか、それを見るだけでも新しい体験を生み出すことができたと思えるので、そういったみんなの反応を大事にしています。
──新しい技術に触れたり生み出したりする際、どのような気持ちになりますか? やはりゲームユーザーとは異なる視点で向き合うのでしょうか。
青木:複数の視点を持っていたいと思っています。もちろん、遊ぶ側として楽しいという素直な思いはあります。一方で、その技術がゲームクリエイターにとって作りやすいものになっているか、またゲームクリエイターも楽しく感じられるものになっているか。そのための仕組みを用意しようと心掛けています。
──『アストロボット』で最も誇りに思っている要素は何ですか?
山田:純粋に”楽しい”というところだと思います。われわれは作った側ではありますが、実際にプレイしてみると、やっぱり楽しいです。楽しいものを作れたことを、とてもうれしく思っています。
青木:プラットフォーム側としては今回の『アストロボット』の中に、初代PlayStationから続く歴代ハードの歴史や、ハードにかぎらずコンテンツも含めて、歴史が詰まっているところも誇らしく思えます。しかも、それらを自然に盛り込んでいるのはすごいと感じました。
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──『アストロボット』でユーザーに注目してほしい部分をお聞かせください。
山田:ゲーム内のあらゆるものがアストロのアクションに反応するように作り込んでいます。殴ったり上に乗ったりすれば、なんらかの反応があります。ゲームプレイのメインパスではありませんが、ちょっと寄り道をしながら、いろいろな反応を楽しんでいただければと思います。
青木:コントローラーの新しい使い方や感じ方は、ほかでは触れられない、PS5だからこそできている体験だと思います。ゲームのいろいろなところにたくさんの仕掛けが入っているので、そこもぜひ楽しんでほしいです。
インタビュー③──アクションの楽しさと、PlayStationの30年の歴史を感じてほしい
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ニコラ・ドゥセ
Team ASOBI 代表
──ほかのスタジオにはない、Team ASOBIの強みをお聞かせください。
ニコ:アイデアとスピードです。ソニーのDNAとしてイノベーションがとても重要で、そのイノベーションを実現するにはたくさんのアイデアを試すことが必要になります。どんな考え方や方法がうまくいくかを早く見つけるうえで、アイデアとスピードは欠かせないセットであり、Team ASOBIはそれを持っています。チーム全員がいち早く新しいものを作りたい気持ちでいっぱいなのです。
──『アストロボット』をプレイすることで、ユーザーに何を感じてもらいたいですか?
ニコ:長くゲームを遊んできた方には、プラットフォームアクションとしての楽しさ、そしてPlayStationの30年の歴史を感じられる懐かしさです。パラッパなどのキャラクターがたくさん登場するので、彼らと出会ったら懐かしくてうれしい気持ちになってもらえると思います。
また、あまりゲームに触れてこなかった方や、とくに初めてゲームで遊ぶ子どもたちには、私たちTeam ASOBIが大事な役割を担っていると思っています。私は初めてゲームをプレイしたときのことを、全部覚えています。とても楽しくて衝撃を受けた、その感情は今でもはっきりと思い出せます。初めて遊ぶゲームが『アストロボット』で、私と同じような感情を抱いてもらえたら本当にうれしいです。
──PlayStation Studiosならではの取り組みはありますか? また、PlayStation Studiosのほかのスタジオとはどのようにコラボレーションを実現していますか。
ニコ:今回はPlayStationの歴史をたくさん詰め込むということで、PlayStation Studiosのすべてのスタジオと連絡を取り合い、コラボレーションが実現しました。私たちのコンセプトをスタジオディレクターやゲームクリエイターに話したところ、とてもポジティブな回答を受け取りました。また、PlayStation Studiosだけでなく、サードパーティーのパブリッシャーさんからも多くの協力を得ることができました。私は当初、150にもおよぶVIPボットのキャラクターを企画していても、おそらく50くらいしか登場させられないと思っていましたが、信じられないことにほぼすべて快く承諾してくださったので、本当に感謝しています。
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──スタジオの環境について、どのようなこだわりをお持ちでしょうか。
ニコ:楽しいと思える環境であることです。チームのみんながパッションを持って仕事に取り組んでくれるので、笑ってリラックスできる環境にして、仕事とのバランスを取ってほしいと思っています。
──スタッフにはどのような意識を持つように求めていますか?
ニコ:プレイヤーの体験について考えるのは、非常に大事なポイントです。ゲーム会社のスタッフはゲームのファンが多く、自分のために自分が好きなゲームを作りたい気持ちがあるかもしれません。でも、私たちはユーザーの皆さんのためにゲームを作っているので、ユーザーのことを想像しながらゲームを作ることが重要です。私たちが作っているのはコアゲーマー向けのゲームではなくファミリーをターゲットとしたゲームなので、ユーザーの皆さんのために作るというマインドは意識しやすいと思います。
──『アストロボット』が間もなく発売されますが、ユーザーへのメッセージと、今後の展望をお聞かせください。
ニコ:私たちは約3年をかけて、昔からのPlayStationファンの方々や新しくゲームをプレイする方々、さまざまな人に楽しんでもらえるように『アストロボット』を作ってきましたので、ぜひ幅広い年代のプレイヤーにゆっくり遊んでいただきたいです。たくさんの秘密も用意したので、いろいろと探索しながらワクワクを体験してみてください。
今後は、皆さんが気に入ってくれている「アストロ」の新しい冒険も作りたいと思いますが、私たちはどのゲームでもイノベーションを大事にしています。これからも、皆さんに新鮮な驚きを感じてもらえるゲームを作りたいと考えているので、ぜひ期待してください。
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アストロボット
・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation 5
・ジャンル:アクション
・発売日:2024年9月6日(金)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 7,980円(税込)
ダウンロード版 販売価格 7,980円(税込)
ダウンロード版 販売価格 デジタルデラックス版 8,980円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:A(全年齢対象)
©2024 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Team Asobi. Astro Bot is a trademark of Sony Interactive Entertainment LLC.
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