『V Rising』プレイレビュー! 敵の血を狩る戦闘とクラフト要素が融合したサバイバルアクションRPG

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『V Rising』プレイレビュー! 敵の血を狩る戦闘とクラフト要素が融合したサバイバルアクションRPG

スウェーデンのStunlock Studiosが手掛ける『V Rising』は、ヴァンパイアをテーマにしたオープンワールド・サバイバルアクションRPG。ヴァンパイアとして生き抜くサバイバルアクションと、自分の居城を築くクラフト要素が融合するゲーム性は、先行してリリースされたPC版で高く評価されており、その話題作がPlayStation®5で楽しめる。

通常版となる『Standard Edition』に加え、名作アクションゲーム『悪魔城ドラキュラ』とコラボレーションした『Legacy of Castlevania』、すべての追加DLCを同梱する『V Rising Complete Edition』も配信中だ。

『V Rising』PS5 ローンチトレーラーはこちら
※動画は英語版です。

CHECK POINT①
力の源である血を飲んで最強のヴァンパイアになる

プレイヤーは何世紀にもわたる長い眠りから目覚めたヴァンパイアとなり、地上を支配するべく広大なオープンワールドを冒険する。キャラクターの外見は、クリエイトパーツの組み合わせによって自由に作ることが可能だ。

ゲームプレイの流れとしては、画面左上に表示される目標を達成することで新たなスキルやクラフトレシピがアンロックし、装備の強化や拠点の拡張を行ないながら「Vブラッド」と呼ばれるボスたち倒していく、というのが基本的なサイクルだ。

ヴァンパイアである本作の主人公は、血を飲むことでさまざまな力を得る。フィールドには武装した人間や凶暴なクリーチャーが徘徊しており、それらと戦いHPを一定以下まで減らすと「吸血」が可能になる。飲んだ血は「ブラッドプール」に蓄えられ、ヴァンパイアの力を行使する源となる。

また、敵によって血の種類「ブラッドタイプ」が異なり、「戦士」なら物理攻撃の強化、「学者」ならスペルの強化、「労働者」なら素材採取の効率化といったバフ効果を得られ、それぞれ血の品質が高いほど効果もアップする。プレイスタイルに合った「ブラッドタイプ」で品質100%が手に入れば最高だが、「ブラッドプール」の血が枯渇すると継続ダメージを受けてしまうため、低品質に上書きされることになっても血の補充が必要なのは悩ましい。

ボスを倒して吸血すると、さらに特別な力を得られる。移動速度がアップするオオカミや大型オブジェクトを破壊するクマ、空を飛ぶコウモリといった姿に変身する能力の中には、人間の姿になるものもある。また、武器や拠点設備のクラフトレシピ、新たな魔法を習得するためのスペルパワーなどが手に入り、自身の強化に加えて、できることや行動範囲が拡張されていく。

日光やニンニクなどヴァンパイアゆえの弱点も

超人的な力を持つヴァンパイアだが、弱点も多い。前述のように血の渇きによってダメージを受けるほか、銀貨を持っているときや周囲に十字架がある環境でもダメージを受けるし、ニンニク畑では中毒になってデバフがかかる。

そして、最も重大な弱点となるのが日光だ。本作は時間経過によって昼夜が変わり、昼間は強い日差しが降りかかる。日差しを浴び続けていると強い継続ダメージを受け、焦げ死んでしまう危険がある。ちょっとした木陰に入るだけでダメージを防げるとはいえ、戦闘中は悠長に避難する暇はなく、対ボス戦や対複数戦ならなおさらだ。

そのため、昼間は比較的安全な素材採取やクラフトに時間を使い、夜になるのを待ってボス戦に挑むといったサイクルが自然と身に付いていくだろう。昼間の行動に制限がかかるのはストレスを感じるものの、ヴァンパイアをテーマにしたゲームである本作の特徴であり、それが戦略につながっていることも事実だ。

CHECK POINT②
居城を築き、設備を充実させていくクラフト要素

本作のフィールドは小さなエリアで区切られており、敵地以外のどこかを自分の領地にして居城を築くことができる。まずは城の核である「キャッスルハート」を設置し、そこにエネルギー源となる「ブラッドエッセンス」を注入すれば準備完了。木々や瓦礫を撤去してから床を敷き、その範囲を壁で囲っていく。序盤の設備としては、自分の寝床およびリスポーン地点になる棺や、武器・防具を作成する作業台、素材やアイテムを保管するチェスト、木材から板を精製する製材所などを設置でき、冒険の拠点として最低限の機能を確保することが可能だ。

とはいえ、壁は木製の柵にすぎず屋根もないため、拠点にいながら昼間の日光に怯えなければならない。日光のダメージを受けて棺に飛び込んだり、日光を遮る霧を発生させる火鉢を設置する必要があったりと、城と呼ぶにはお粗末な空間だ。

そこからゲームを進めて、目標達成やボス討伐の報酬として新しい設備がアンロックされると、少しずつ機能が充実していく。とくに、グラインダーを設置して石からレンガを精製できるようになったときの進化は感動もの。石製のフローリングと城壁には屋根が付き、灼熱の日光の恐怖からようやく解放される。

クリーチャーの皮をなめしたり、鉱石をインゴットに精製したりして強力な武器や防具を作成できるようになり、ファストトラベルポイントにワープするテレポート装置も用意するなど、ボス攻略の拠点としての性能がどんどん向上していく。攻略には直接関係しないが、家具や照明を整えれば自分の満足度もアップする。

ヴァンパイアらしい拠点設備として、人間を捕らえて使用人にする機能も追加できる。使用人は素材採取に派遣することができ、生産性も向上。地上の支配者を目指すヴァンパイアとして、人間を従属させる鬼畜っぷりが気持ちいい。

設備やレシピのアンロックは簡単ではないし、素材集めも手間がかかって大変だが、コツコツとプレイしていく時間こそがクラフト要素の面白いところ。そこから機能性や生産性を向上し、効率化を進められる要素がしっかりと用意されており、クラフト好きなプレイヤーをさらに夢中にさせる。

簡単に居城を移動できる引っ越し機能

本作の冒険はフィールドの南方からスタートし、北の奥地へ進むほど敵が強くなり、優れた素材も多く眠っている。早い段階から居城を整備すれば、主人公を早く強化できるが、そのぶんゲームを進めたときの攻略対象までの距離が遠くなってしまう。

その問題を解決するのが「引っ越しハート」だ。居城の核として最初に設置するまでは「キャッスルハート」と同じだが、既存の居城にある設備を瞬時に、中身のアイテムも精製稼働中の状態もそのままに移動することが可能だ。

ゲームが中盤から終盤へと進み、より攻略に適した土地に居城を築きたいとき、ゼロから建設を始める必要はない。序盤の土地選びを気楽に決められ、クラフトを進めた労力も無駄にならない。プレイヤーにストレスを与えない、快適で便利な機能といえるだろう。

CHECK POINT③
スキルを駆使した手に汗握る戦闘アクション

本作は見下ろし型の視点でフィールドを探索し、そこで遭遇したさまざまな敵と戦闘を繰り広げる。戦闘アクションは装備した武器による攻撃のほか、投擲系や移動系、防御系などの魔法をスキルとして駆使する。武器にもそれぞれの攻撃スキルが付与されており、魔法スキルとともに再発動には数秒のクールタイムを要する仕組みだ。

戦闘をプレイした印象として、かなりの歯応えを感じた。敵の拠点はもちろん、街道に出現する敵も1体でいることはほとんどなく、グループで行動している。そして1体ずつの攻撃が激しいため、苛烈な集中砲火にさらされることになる。なんとか距離を取りつつ戦おうとしていると、逃げた先にいた別グループにも見つかって袋叩きに……という場面が何度もあった。

無敵時間が付くダッシュスキルや、カウンターをともなうガードスキルもあるとはいえ、クールタイムを必要とするため連発はできない。見下ろし視点の戦闘はシンプルに感じるかもしれないが、「被弾を減らしながら敵を殲滅するには、どうやって立ち回るべきか?」「どのタイミングでどの敵にスキルを使うべきか?」を常に考えながら戦う緊張感と達成感が抜群に面白い。

50体以上が登場するボスは、どれも特徴的な攻撃パターンを持っている。広範囲に弾幕を撒き散らすような攻撃をしたかと思えば、手下を召喚したり、環境ギミックを利用したりもする。戦闘が長引くうちに夜が明けてしまうと、日光ダメージにも気をつけなければならず絶望的だ。それでも準備を整え、対策を講じることで勝機が見えてくるプロセスは楽しく、何度リトライしてでも倒してやろうという気になってくる。

主人公の強さはギアレベルが影響する

戦略性を楽しめる戦闘だが、主人公と敵の強さが大きく離れているとダメージがまともに通らず勝負にならない。本作における主人公の強さは「ギアレベル」で表現されており、これは装備している武器と防具の性能によって決まる。取得経験値によるレベルアップでステータスが上がるタイプではなく、HPも攻撃力も防御力も装備品で決定するのだ。敵のレベルが主人公のギアレベルより3レベル高い程度ならまだ戦えるが、10レベル以上の差があるとドクロマークが表示され、戦いを挑むのは無謀というものだ。

戦略とテクニックが戦闘の魅力である一方、より強力な装備を開発するためのクラフトも重要度が非常に高い。戦闘の実力に加え、クラフトの知識や技能もともなわなければ、地上の支配者たる最強のヴァンパイアにはなれないのだ。

ここまでのレビューはソロプレイが基本の「プライベートゲーム」をもとに紹介してきたが、本作はPvEやPvPを楽しめる「オンラインプレイ」のモードもある。難しくて思うようにゲームを進められないならPvEで協力を仰ぐもよし、もっと緊張感のある冒険を楽しむならPvPに参戦するもよし。マルチプレイの評価も高い作品となっているので、こちらもぜひ体験してほしい。


V Rising

・発売元:Stunlock Studios AB
・フォーマット:PlayStation 5
・ジャンル:アドベンチャー、アクション、RPG
・配信日:好評配信中
・価格:ダウンロード版 販売価格 Standard Edition 6,160円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 Legacy of Castlevania 9,240円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 V Rising Complete Edition 15,400円(税込)
・プレイ人数:1人(オンライン時:最大40人)
・レーティング:IARC 12+(12才以上対象)


PS Blogの『V Rising』記事はこちら


『V Rising』公式サイトはこちら(海外サイト)

『V Rising』公式X(旧Twitter)はこちら

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