PlayStation®VR2専用タイトル『SOUL COVENANT(ソウル・コヴェナント)』は、近未来の荒廃した日本で人類と機械が壮絶な闘いを繰り広げるVRドラマチックアクションだ。
「SOUL SACRIFICE」シリーズのコアメンバーが手掛ける新作VRアクション
開発スタッフにはディレクター/シナリオライターの下川輝宏氏をはじめ、光田康典氏、岡村光氏、鳥山晃之氏といった、PlayStation®Vita向けのアクションゲーム「SOUL SACRIFICE(ソウル・サクリファイス)」シリーズのコアメンバーが集結。絶望的な状況を乗り越えた先の喜びを与える「死闘感」と、”死が語り継ぐ命の物語”によって揺さぶられる「感情体験」を掲げ、世界の命運をかけた戦いに挑む主人公と一体化するような高い没入感を追求した作品だ。シングルプレイに加え、最大4人のオンライン協力マルチプレイにも対応している。
『SOUL COVENANT』ローンチトレーラー
【STORY】
時は近未来。世界を掌握するのは、神の役割を代行しようとする量子人工知能だった。
その人工知能「アダム」が考える神の機能とは畏怖の対象──つまり圧倒的な恐怖だった。機械仕掛けの神とも畏れられる自立型機械兵器「デウスエクスマキナ」が、世界各地の都市を占拠し、従わない人間を虐殺していく。
人類最後の砦「東京アーク」の近郊では、「アヴァター」と呼ばれる強化人間たちが攻防を繰り広げている。彼らの主戦武器「スケイプゴート」は、仲間の強化人間の遺体から製造される。
誰かの死が残された誰かを強くする。だから彼らは決まってこう口にするのだ。
「骨は拾ってやる──」と。
彼らの使命は、機械兵団による東京アーク侵入を防ぐこと。敵軍が最深部に到達すると大神災「リマスタリング」が起き、人の歴史が終わる。機械兵団が迫る中、”その人物”は培養ポッドで目覚める。強化人間アヴァターの中でも特別な新型として作り出された、この物語の主人公だ。
CHECK POINT① 生と死をテーマにした重厚な世界観
本作の世界観はひたすらに重厚だ。人類が自ら作り出したAI「アダム」は、世界を合理的に管理するための最善の答えとして恐怖による統治を導き出し、人類は絶滅の危機に瀕している。各国の主要都市はほぼ壊滅しており、主人公が属する東京アークが最後の砦だ。東京アークの最深部には人類に味方するAI「イヴ」がおり、アダムとイヴが接触すれば人類の歴史は終わるとされている。人類に終焉をもたらすのがAIなら、人類を守るのもAI。人類が作り出し、その手を離れて進化したAIが自分たちの命運を握っている。重い。
イヴが人類を存続させるために打ち出したプロジェクトは、「輪廻計劃(りんねけいかく)」と呼ばれる。新型のアヴァターである主人公は、戦死者の人格を移植し続けて戦闘の経験値を未来へ引き継ぐことができ、一個体としての成長限界を超越し、やがて神の言葉を感受する「メシア」として人類の救世主となるらしい。つまり、戦って死ねば死ぬほど強くなるというわけだ。
不死身ではないけれど、ほとんどそれに近い存在なら最強だと思うかもしれない。しかし、物語が進んで何度も人格を移し替えるうちに、死への恐怖と生への執着が鈍くなっていく。人類を救うために”人間らしさ”を喪失する矛盾は、かなり重い。
アヴァターたちの主戦武器「スケイプゴート」の設定も、かなり尖っている。死亡したアヴァターの肉体は硬質化した特殊素材となり、そこからスケイプゴートが製造される。散った仲間の墓標代わりとも称されており、よく見れば武器のデザインには脊椎らしき形が残されている。
しかも、主人公が最初に手にするスケイプゴートは、自分を庇って命を落とした7番隊隊長・ユリアのものだという。プレイヤーは、自分の知らないうちに自分のせいで恩人を亡くしており、その業を武器として身に付けながら戦っていかなければならない。また、本作に登場する武器は物語の進行にともない増えていく。……お察しのとおり、大切な仲間を失うたびに彼ら彼女らの亡骸は武器へと変わり、それを振るって戦い続けるわけだ。
PS VR2ならではの壮絶な臨死体験
そうして戦いはじめた主人公は、チャプター1のボスに遭遇する。「聖母」と呼称されるこのボスは、ユリアを捕食した個体らしい。自立型機械兵器「デウスエクスマキナ」はもともと、人間が畏れるような姿をしているのだが、この聖母は違ったかたちでアヴァターたちに畏れを抱かせてきた。ユリアの声を発し、彼女の思い出とともに心を抉ってくるのだ。
主人公は聖母の撃退に成功するが、とどめを刺すことができない。そして再起動した聖母は主人公を抱え上げ、「いた……だき……まぁす」という言葉を残し、頭部にあるイソギンチャクのような器官に放り込む。暗転後に待っていたのは、バキバキゴリゴリと噛み砕く音と、それに呼応するヘッドセットフィードバックの振動。頭を喰われている臨死体験が、PS VR2の高度な機能によって押し寄せてくるのだ。この感覚は言葉や映像だけでは伝わらないだろう。
捕食されたときの臨死体験を含め、本作には生と死の在り方を考えさせる場面がたくさん出てくる。同時に、その世界観を表現するための固有名詞も非常に多い。一度で理解するのは難しいが、「アーカイブ」メニューで説明されているので、これをしっかり読み込むことをおすすめする。切迫した状況で頭の中に「?」が並んでいるより、すべて理解したうえでこの世界に向き合うほうが、気持ちの入り方はまるで違うから。
CHECK POINT② 可変武器を駆使する直感的なVRアクション
製造の背景が重いスケイプゴートだが、これらを駆使したVRアクションの面白さが本作の大きな魅力だ。それぞれのスケイプゴートは、片手持ちと両手持ちで形状が変化し、リーチや性能も変わる。この変形するときのギミックがとにかくカッコイイので、映像付きでいくつか紹介したい。なお、設定画面で片手持ちの「利き手」を決めることができ、今回のプレイでは右手を利き手としている。
まずは主人公が最初に手にする、剣タイプのスケイプゴート。片手持ちの場合はオーソドックスで取り回しやすい長剣だが、両手持ちにすると鎌の形状に変化する。リーチが伸びるだけでなく、倒した敵を吹き飛ばして別の敵を巻き込む「フィニッシュブロー」を放つこともできる。
続いては斧タイプのスケイプゴート。片手持ちでは大型の斧で重い一撃を放ち、両手持ちでは素早い連撃を繰り出す二刀に変化する。斧と二刀の両方でフィニッシュブローが可能なほか、二刀状態は攻撃するたびにパワーが溜まり、2本を交差することで衝撃波を発する。
3つめは大剣タイプのスケイプゴート。片手持ちの大剣は長いリーチで敵を粉砕しつつ、両手持ちにすると刀身部分がチェーンソーのように変形する。押し当てることで継続したダメージを与えることができ、コントローラーを握る自分の手にも思わず力が入る。
スケイプゴートは右手のR1ボタンを押しているあいだ出現し、左手のL1ボタンを加えると片手持ちから両手持ちに変わる。腕を振ればその軌道で剣戟を行なう直感的操作となっており、手首だけの小さな動きでも攻撃できるが、気分を盛り上げるなら大きく振りかぶって斬り倒したいところだ。
移動は左スティック、視点変更は右スティックで行ない、×ボタンのステップや□ボタンのジャンプを組み合わせることもできる。接近戦で敵の攻撃を回避できないときは、左手のL1ボタンでシールドを展開してガードする。タイミングよくジャストガードできれば青いエフェクトが入り、エネルギー体「モナド」が出現することもある。ただし、両手持ちとガードの操作は同じL1ボタンを使うため、両手持ちをしているとガードできない。局面に応じて片手持ちと両手持ちを切り替えることは、アヴァターとしてマスターすべき技術だ。
ポーズを決めて放つ強力なビーム攻撃「デモニックバースト」
敵を倒したりジャストガードしたりして出現するモナドは、左手を伸ばして手の平をかざすことで吸収できる。モナドが一定量溜まると左腕に付けている「シビュラアーム」が赤く発光し、「デモニックバースト」と呼ばれる強力なビームを放てるようになる。
デモニックバーストの出し方が、これまたカッコイイ。まずは左手を前方に突き出し、手の平を正面に向ける。そして左の二の腕あたりに右手を添えたら、「デモニックバァーストォ!」と叫ぶ。いや、叫ばずとも所定の位置でR1ボタンを押せば発射するのだけれど、ポーズを決めてビームを放つのだから、技名を叫びたくもなるというものだ。
CHECK POINT③ 肉体と武器を強化して強敵に挑む
本作をプレイした印象として、戦闘の難易度が高すぎることはないと感じた。ダメージを受けたら武器を離すことで体力を回復できるし、自分が倒されてしまっても同行する仲間NPCに蘇生してもらえる。ボスの弱点や対策を見つけて立ち回るのも面白い。もちろん、チャプターが進めばボスは強力になり、周囲の小型敵も時限式の爆弾を設置するなど、ギリギリの死闘感を味わえるようになるため、クリアできないこともあるだろう。各バトルパートには時間制限があり、タイムアップで終えることもあるかもしれない。そんなときは、アヴァターの肉体と武器を強化して再戦しよう。
バトルをクリアすると、モナドポイントを獲得する。このポイントを消費して、アヴァターの体力やスタミナ、デモニックバーストの性能、スケイプゴートの攻撃力をアップすることが可能だ。
各強化項目は10段階がひと区切りとなっており、10段階目まではモナドポイントで強化できるが、そこから上限を解放するにはボスを倒して得られる特殊なモナドが複数要求される。そのため、十分に強化するには、クリア済みのバトルパートを周回する素材集めが必要だ。
素材集めの再プレイを面倒に感じる方もいるだろうが、個人的には全く苦にならなかった。新しく手に入れたスケイプゴートは未強化でも攻撃力が高く、かつて苦戦したボスをサクサク倒せる。その勢いで強化を進めるとサクサク度はさらに加速し、ひとつのバトルパートを数分でクリアできるようになる。強化と短時間クリアのサイクルが楽しくて、気がつけばその時点で可能な最大強化に達していた。バトルの死闘感を楽しむなら少しずつ強化したほうがよかったかもしれないが、物語の続きが気になってもクリアできない方は存分に強化を活用してほしい。
「SOUL SACRIFICE」シリーズと直接的なつながりはなくとも、死と向き合う重厚な世界観とストーリーは通ずるものがあり、直感的で爽快なVRアクションも最高だ。「SOUL SACRIFICE」ファンもVRアクション好きの方も、このVRドラマチックアクションをぜひ体験してほしい。
SOUL COVENANT(ソウル・コヴェナント)
・発売元:Thirdverse
・フォーマット:PlayStation®5
・ジャンル:VRドラマチックアクション
・配信日:好評配信中
・価格:ダウンロード版 販売価格 4,950円(税込)
・プレイ人数:1人(オンライン時:4人)
・レーティング:IARC 16+(16才以上対象)
※ダウンロード専用タイトル
※PlayStation VR2専用
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※IARC(the International Age Rating Coalition)は、世界のゲーム評価機関により管理される国際年齢評価連合です。
© Thirdverse, Co., Ltd.
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