『Stellar Blade』インタビュー! 終末世界で繰り広げられるスタイリッシュなSFアクションの魅力やこだわりとは?

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『Stellar Blade』インタビュー! 終末世界で繰り広げられるスタイリッシュなSFアクションの魅力やこだわりとは?

4月26日(金)発売予定のPlayStation®5用ソフトウェア『Stellar Blade(ステラーブレイド)』。本作は、イラストレーターとしても知られるキム・ヒョンテ氏が率いる韓国の開発会社「SHIFT UP」が手掛けるアクション・アドベンチャーゲームだ。謎のクリーチャーによって占領された地球を奪還すべく、主人公の女性兵士「イヴ」の戦いが幕を開ける。

『Stellar Blade』先行予約トレーラー(日本語音声)

『Stellar Blade』インタビュー! 終末世界で繰り広げられるスタイリッシュなSFアクションの魅力やこだわりとは?

今回は、ディレクターのキム・ヒョンテ氏とテクニカル・ディレクターのイ・ドンギ氏にインタビュー。開発の経緯や世界観、キャラクターデザイン、スタイリッシュなアクションなど、本作の魅力やこだわりについてうかがった。

SHIFT UP『Stellar Blade』ディレクター キム・ヒョンテ(写真左)
SHIFT UP『Stellar Blade』テクニカル・ディレクター イ・ドンギ(写真右)

家庭用ゲーム機でアクションゲームを作りたい──その夢を共有するスタッフが集結

──完全新規IPとなる『Stellar Blade』ですが、企画はいつ、どのような経緯でスタートしたのでしょうか。

キム・ヒョンテ(以下、キム):5年ほど前に、弊社のスマートフォン向けタイトル『デスティニーチャイルド』の次の作品を決めるタイミングがあったのですが、そこで同じくスマートフォン向けタイトルとなる『勝利の女神:NIKKE』に加えてもう一本という、二本立てで進めようと考えたんです。その際に、絶対に家庭用ゲーム機向けのプロジェクトを立ち上げたいと思ったのがきっかけとなります。私は以前から家庭用ゲーム機の熱烈なファンだったので、いつか家庭用ゲーム機でアクションゲームを作ってみたいという夢を持っていたんです。その夢を共有するスタッフが集まり、『Stellar Blade』を開発することが決まりました。

──本作は御社が手掛けた初めての家庭用ゲーム機向けタイトルとなりますが、注力したことや苦労したことありましたか?

キム:確かに弊社としては初の試みなのですが、だからといってファンの皆さんは甘い評価をしてくださったりはしないと思います。ですので、家庭用ゲーム機のユーザーの皆さんが求める高い基準に合わせ、他のゲームと肩を並べられるようなクオリティのゲームにするために力を入れました。

──本作のプラットフォームにPS5を選んだ理由や、PS5向けタイトルを開発するなかで感じたことを教えてください。

キム:PS5を選択したのは自然な流れでした。ゲーム業界の中でもっとも情熱的なプレイヤーと出会うことができるのは「プレイステーション」だと思っていました。そして私は初代PlayStation®の時代からゲームを楽しんでいたので、PS5を選んだのはとても自然なことだったと思います。そして何よりも、PS5の高い性能はゲームプレイを制作しやすくしてくれました。DualSense® ワイヤレスコントローラーを活用することで得られる体験も印象的だったので、それを本作にも取り入れることで、よりよい体験が得られるようにベストを尽くしました。

イ・ドンギ(以下、イ):本作を開発するなかでPS5の性能の高さを実感し、とても素晴らしいハードであると思いました。高速の読み込み時間や、DualSense ワイヤレスコントローラーがもたらす没入感や臨場感は、とても素晴らしいものでした。その性能を活用してユーザーの皆さんによりよい経験をしてもらえるよう、ゲームのいたるところに取り入れています。

──『Stellar Blade』のコンセプトやテーマについてお聞かせください。

キム:本作に込めたテーマは人間性に関するものであり、とても普遍的なものとなります。”何が人間を人間たらしめるのか、何が人間を人間として定義してくれるのか”ということに関する物語なのですが、私がこの物語を閃いたのは、実はタクシードライバーのストライキを見たことがきっかけでした。

その当時はクルマの自動運転技術が発達し、すぐにでも実用的となる時代が来そうな雰囲気がありました。そのため、もしかするとタクシードライバーの方々の仕事は、いずれ自動運転に置き換わってしまうかもしれないと思ったんです。そして同じことが自分にも起きたらどうするのだろうという疑問につながりました。人間が完全にほかのものに置き換えられてしまう時代が来たとしたら……と考えたのが、『Stellar Blade』に込めたテーマの始まりとなります。しかし、だからといってそういったテーマを前面に押し出すのではなく、あくまでも主人公であるイヴの冒険譚として楽しめるアクション・アドベンチャーゲームを目指しました。

80年代や90年代におけるSF作品のテイストを再解釈して具現化した世界観

──物語の舞台となる”未知のクリーチャーの侵略を受けて荒廃した地球”とは、具体的にどのような世界なのでしょうか。

キム:地球がなぜそのような世界になってしまったかは、ゲームをプレイするなかで皆さんへ自然に伝わるような設計となっています。ゲーム開始時の状況を説明しますと、地球は「ネイティブ」という正体不明のクリーチャーに侵略され、生き残った人類は宇宙に逃げて生活をしています。しかし、そんな生活に限界を感じた人類は地球を奪還するためにネイティブと戦いを繰り広げるのですが、なぜこのような展開になったのか、事件と事件の間に何があったのかなどは、ゲームを進めるなかで知ることができます。そしてすべてを知ったイヴは何らかの決断を下すのですが、どのような決断を下すかは、皆さんの手に委ねられます。

ネイティブの起源や由来はもちろん、彼らが何を求めているのかさえも誰もが知らない状況であり、その謎を解くこともイヴの役割のひとつとなります。

──それはかなり過酷な状況ですね。

キム:イヴは「地球には人間の生存者はいない」という認識だったんです。しかし、地球では生き残った人々が地上で生活していました。彼らと出会うことで、さまざまな物語が始まります。

──本作の物語の時代について、西暦XXXX年、または現在から約何年後といった設定があれば教えてください。

キム:ある程度の設定はありますが、正確な年代や何年後なのかということに関しては不明としています。本作の世界では西暦は途切れていますし世代交代のようなものも起きているため、本作の時代を西暦XXXX年、と図ることは不可能となっています。

──荒野や砂漠、そして人類最後の都市「ザイオン」など、終末世界を構築するうえでのこだわりや、見どころについてお聞かせください。

キム:終末世界を描く「ポストアポカリプス」というジャンルは歴史が長く、さまざまな分野で使われてきた素材だと思います。そのため、それらとどのように差別化するのかは、大きな課題でした。しかし、差別化にこだわるあまりに変なことをしたり、奇抜なことを取り入れたりといったことはしたくなかったんです。そこで、80年代や90年代のSF作品のテイストを現代的に再解釈し、具現化することにしました。

本作をプレイしていただけると、今までに見たことや想像したことのあるポストアポカリプスの世界観を、ここまで細かく再現できるのか、表現できるのかと、感慨深く思う方がいらっしゃると思います。また、比較的若いユーザーの皆さんにとっては、斬新なものとして感じていただけるのではないかと思っています。

──インスピレーションを受けた映像作品などはあるのでしょうか。

キム:影響を受けた作品はたくさんありますが、その中でもテーマや素材について特に影響を受けたのは、木城ゆきと先生のSF漫画「銃夢」です。欧米にて「アリータ:バトル・エンジェル」というタイトルで2019年に実写映画化されましたが、そこからもたくさんのインスピレーションをいただきました。

──本作で集めることになるエネルギー源「ハイパーセル」とは、具体的にどういったものなのでしょう?

キム:本作の世界のエネルギーは国がコントロールするようなものではなく、人々は個別に自前のエネルギーを手に入れ、それを活用することで生活しています。「フュージョンセル」というエネルギーが明かりをつけるなどのエネルギーとして使われているのですが、そのフュージョンセルをさらに発展させたものがハイパーセルとなります。いくつか持っていれば都市を運営できてしまうほどの、巨大なエネルギー源なんです。そしてこのハイパーセルが不足したことにより、人類最後の都市であるザイオンは危機に陥ってしまいます。

宇宙から来たイヴと荒廃した地球との対比による異質感を表現

──主人公のイヴについて、コンセプトやデザインについてのこだわりをお聞かせください。

キム:イヴは宇宙から地球へ降りてきた空挺部隊の隊員となります。とても高い戦闘能力を持っていますが、宇宙と地球とでは文化に断絶があるため、地球に彼女がいると異質な感じがするように気を配りました。地球の環境は荒廃しており乾燥した雰囲気がありますが、イヴには艶があり、輝いていて潤っているような感じにしようと考えました。

──イヴと聞くと、やはりアダムとイヴの物語が連想されますが、主人公の名前をイヴにした理由があれば教えてください。

キム:イヴの仲間にアダムという男性のキャラクターがいるのですが、ふたりは強いパートナーシップで結ばれて、ゲームの最後まで冒険をともにします。そしてなぜふたりの名前がアダムとイヴなのかという理由も明かされます。宗教的な意味はないのですが、ふたりの名前は本作のテーマと深く関係しています。

──イヴ以外の人間キャラクターのデザインについても、注力したことやこだわりがあればお聞かせください。

キム:登場人物のほとんどは、マシンボディ……機械のような体を持っています。そしてそのデザインは技術の発達状態によって変えています。イヴや同じ部隊の仲間たちはとてもシンプルなデザインであり、洗練されたイメージとなっています。その一方で、地球の生存者たちは過酷な環境で生活していることもあり、質素かつ寄せ集めの部品をつなぎ合わせたようなデザインにしました。ザイオンの住人たちはイヴを天使と呼んでいますが、イヴが身に付けている機械はとても高級なものなので、嫉妬している人たちもいます。

──敵であるネイティブは、生物的なものや機械的なものなど多彩な姿が見られます。ネイティブのデザインに対するコンセプトやこだわりについてお聞かせください。

キム:ネイティブのデザインは、拒否感や不快感を覚える見た目にしたいと思いました。そのため、ほとんどのネイティブは目がなかったり、顔が変なところについていたりします。生理的に受け付けられない感覚を呼び起こすため、ほとんどのネイティブがそのようなデザインになっています。また、ネイティブは人間や機械と融合することができるため、そういった外見のネイティブも登場します。

歯応えはありながらも誰もが楽しめるアクションゲームを目指して

──本作の大きな特徴となるスタイリッシュなアクションへのこだわりや、ゲームとしての見どころを教えてください。

キム:本作のアクションは、基本的には誰もが楽しめるような設計にしています。しかし、敵へ一方的に攻撃を仕掛けてコンボを繰り出すだけのゲームではありません。敵の動きや戦闘の流れをしっかりと見極めて対応することも重要となっています。スキルはスキルツリーを通じて成長させることができますが、「エグゾスパイン」や「ギア」といった装備によって、さらに成長させることもできます。装備の性能によってスピード重視のバトルスタイルや、自分から攻め込むアグレッシブなバトルスタイル、敵の攻撃を受けながら慎重に戦うバトルスタイルなどにすることもできます。

基本的にはそれなりに歯応えのある難易度となっています。そのため、普通にプレイしているとボスを倒すためにリトライが必要になることがあるかもしれません。ただし、難易度はゲームの途中でも変更できるので、遊びやすい難易度で挑戦していただければと思います。また、アクションゲームが得意ではない方に向けて、「ストーリーモード」の難易度では「アクションアシスト」という機能も提供しています。

──そのアクションアシストとは、具体的にどのような機能なのでしょう。

キム:例えば、ボスの攻撃パターンを見極めて反撃するなど、攻略するうえで重要なタイミングになると、その際に動きがスローモーションになります。UIによる表示もされるので、攻撃を仕掛けやすくなるでしょう。この機能により、アクションゲームが苦手な人でも楽しめるゲームになっていると思います。ゲームをクリアすると、ハードモードに挑戦することもできます。

──アダプティブトリガーやハプティックフィードバックといったPS5ならではの機能も活用されているとのことですが、どのような体験が得られるのですか?

イ:それらの機能は、より高い没入感と臨場感を得るための要素として活用しました。あるタイミングではハプティックフィードバックによって周囲の雰囲気や空気感を感じることができます。ゲームの序盤にドローンを活用する場面があるのですが、そこでも感じてもらうことができます。また、銃によってアダプティブトリガーの抵抗力が変化する演出も盛り込みました。

──これまでお話しいただいた要素以外にも”ここに注目してほしい!”というポイントがありましたらお聞かせください。

キム:アクションゲームにおいて重要なもののひとつがフレームレートだと思っています。本作には、パフォーマンス優先のモード、バランスモード、解像度優先のモードという3つのモードがあります。パフォーマンス優先モードでは1440pの解像度と60fpsのフレームレートをサポートします。そしてアップスケールされた4K解像度のバランスモードでも50fpsから60fpsのフレームレートを実現しています。

イ:高解像度モードは、4K解像度でフレームレートは30fpsとなっています。美麗なグラフィックを重視する方は、ぜひ体験してみてください。この3つのモードから、皆さんの好みに合った環境を選んでいただければと思います。

──最後に、本作を待ち望んでいるユーザーに向けてメッセージをお願いします。

キム:『Stellar Blade』の発表から5年が経ちましたが、完成を迎えることができました。韓国で作った家庭用ゲーム機向けのアクション・アドベンチャーゲームは、数が少ないと思っています。しかし、遊びやすいようにさまざまな工夫をしましたし、魅力的なキャラクターや世界観を準備しました。自信を持って皆さんにお届けできるものになっていると思いますので、ぜひ手に取っていただければと思います。体験版も配信中ですので、ぜひ遊んでみてください。

イ:皆さんに本作をお届けできるよう、ベストを尽くして開発を進めてきました。映像で見るよりも実際にプレイすると、より楽しいものになっていると思います。製品版には体験版以上にさまざまな要素が盛り込まれているので、ご期待いただければと思います。

製品版にセーブデータを引き継げる体験版が配信中!

PlayStation®Storeでは、本作の無料体験版が配信中だ。体験版では、物語の始まりから最初のボス戦までのゲーム序盤をプレイできる。戦闘のチュートリアルも含まれているので、ゲーム全体を通して役に立つゲームプレイの基本を学ぶことが可能。体験版をクリアすると、4月26日(金)発売の製品版にセーブデータを引き継ぐことができる。

『Stellar Blade』体験版トレーラー

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Stellar Blade(ステラーブレイド)

・発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
・フォーマット:PlayStation 5
・ジャンル:アクション、アドベンチャー
・発売日:2024年4月26日(金)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 8,980円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 スタンダードエディション 8,980円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 デジタルデラックス版 9,980円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:D(17才以上対象)


PS Blogの『Stellar Blade』記事はこちら


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