PlayStation®5用ソフトウェア『Pacific Drive』は、超常現象の多発により隔離された地を舞台にしたドライビングサバイバルゲームだ。アメリカ・シアトルのゲームスタジオであるIronwood Studiosの最初の作品となる本作。プレイヤーは謎の現象により隔離地域に閉じ込められてしまった主人公となり、その地で出会った1台の車を駆って危険に満ちたフィールドを探索していく。
なお、本作は通常版に加えて、車に貼れるデカールや、ハンドル、ダッシュボードに置けるアクセサリーなど「宇宙探検」をテーマにした多数の追加アイテムDLCをセットにした「Deluxe Edition」も発売中だ。より個性的なカーカスタマイズを楽しみたい人はそちらもチェックしよう。
CHECK POINT①
不気味な現象が多発する隔離ゾーンを探索し、かつての実験の謎に迫る!
本作の舞台となるオリンピック隔離ゾーンは、1940年代にとある新技術の実験場となり、その影響で奇怪な現象が次々と起きたことで封鎖されたアメリカ太平洋岸北西部の広大な地域だ。隔離から数十年後、プレイヤーの分身である主人公はこの隔離地域に足を踏み入れ、突然発生した謎の光に吸い込まれてしまう。
不気味な光が明滅し、タイヤやエンジンなど車のパーツがバラバラになって宙に浮かぶ異様な場所で目を覚ました主人公は、近くの小屋でボロボロのステーションワゴンを発見する。その直後、通信で話しかけてきたトバイアスとフランシスと名乗るふたりの男に導かれた主人公は、不気味な隔離地域から脱出する方法を求めて探索を開始する。
隔離ゾーン内にはトバイアスとフランシス以外にも、ゲームの拠点となるガレージの持ち主の女性アピーなどの生存者がいるが、彼らは通信で話しかけてくるばかりで姿を見せることはない。大小の木々が立ち並ぶうっそうとした森や、岩が転がる山あいの荒地、そこを縫うように走る道路、点在するトレーラーハウスや小屋、誰もいないガソリンスタンド。どこに行っても無人の風景はいずれも寂しげで、どこか人類が崩壊した後の世界を思わせる雰囲気をまとっている。
そんな静寂に満ちた世界で異彩を放つ存在が「アノマリー」だ。隔離地域で発生する異質な気象現象から、スクラップが寄せ集まったような敵たちまで、隔離地域で起きる超常現象全般を指すアノマリーは、フィールド上のあらゆる場所で発生し、主人公の探索を阻んでくる。彼らから主人公を守ってくれるのは、カスタムした愛車と自身のドライビングテクニックのみだ。
探索中は、かつて行なわれたという大規模な実験やアノマリーに関する情報が断片的に入手でき、メニューの「ログブック」に蓄積されていく。実験に関する報告書や、オカルト的な雰囲気も感じられるアノマリーの目撃情報など、数々の情報を集めてこの地に何が起きたかを推測するのも楽しく、SFファンなら思わずニヤリとしてしまうはずだ。
CHECK POINT②
不安定な世界を巡って素材をかき集め、愛車やガレージをパワーアップ!
愛車に乗り、幹線道路でつながった複数の「ジャンクション」と呼ばれるフィールドを、一人称視点で探索していく主人公。各ジャンクションのつながりは非常に不安定で、それを安定させるためには車に搭載された「ARC装置」に「アンカー」と呼ばれるエネルギーを集め、巨大な光の柱である「ゲートウェイ」を出現させ、それに飛び込んでガレージに戻る必要がある。ゲートウェイが開くとフィールド全域を覆う巨大嵐が発生。飲み込まれたらまず助からないため、あらかじめ逃走経路を意識してゲートウェイを開くのを忘れずに!
ゲートウェイを開いたジャンクションは安定を取り戻し、そこからさらに新しい地域に足を延ばせるようになる。ただし、一度安定したからといってその状況が続くわけではなく、時には荒れ狂うアノマリーが大惨事をもたらすことも。探索中にダメージを受けて主人公の体力がなくなると、謎の力により車とともに強制的にガレージに帰還させられてしまう。ダメージを負った車は、当然ながら修理が必要だ。
ジャンクション探索では、路肩に放置された車を壊したり、点在する建物の収納設備などを調べることでさまざまなアイテムが回収できる。拾えるアイテムはいわゆるクラフト用の素材アイテムがほとんどで、車の積載スペースと、主人公が持てるぶんだけガレージに持ち帰れる。ガレージや車の作業台を使えば、探索用の各種装備や車のパーツの製作、ガレージの設備の強化などが行なえるのだ。
プレイヤーの装備アイテムは、簡単な扉の鍵などを破壊できるバール、車を破壊するスクラッパー、夜の行動に欠かせない懐中電灯、敵を攻撃できるフレア銃など、いずれも探索に役立つものばかり。装備をはじめクラフトできるアイテムはガレージにある設備で設計図を手に入れることで増え、探索を進めるにつれ強力なものが作成可能になっていく。
主人公の愛車を構成する基本パーツは、ボンネットを含む5枚のボディパネル、後部ハッチも含めた5枚のドア、4本のタイヤ、ふたつのヘッドライト、前後のバンパー、フロントウィンドウ、エンジンの7種類。それぞれ何かにぶつかったり、アノマリーからダメージを受けたりして耐久力がゼロになると壊れてしまうので、必要に応じて修理・交換していくことになる。
基本の7パーツ以外に、積載能力や持ち運べる燃料を増やす追加パーツなどもクラフトで作り出せる。車の性能は探索のしやすさに直結するので、ストーリー進行そっちのけで素材集めに夢中になってしまうこともしばしばだ。ボディの色を変える塗料やデカール、内装用のアクセサリーなどもあり、好きに組み合わせて愛車を自分好みにカスタマイズできるのもポイントだ。
クラフト要素で重要なのが、ストーリーを進めることで使用可能になる製造ステーションだ。この設備により、ガレージの機能をグレードアップする新設備や、装備やパーツをクラフトできるようにする設計図が作れるようになる。新しい設計図の作成には素材アイテムに加えて、ゲートウェイ開放で得られる特殊なエネルギーも必要。探索を繰り返すほどに作れるアイテムも増えていく。
CHECK POINT③
探索を阻む多彩なアノマリー! 突然の状況の変化にも慌てず対応しよう
各ジャンクション内の探索は、基本的に車でフィールドを移動し、素材を集める際は車を降りて作業を行なう。安定していないジャンクションは天候や環境が急変しやすく、さまざまなアノマリーの襲撃や突如発生する放射能などの危険が待ち受けている。強烈な風雨や放射能は車内にいれば防げるので、危ないときは車に逃げ込んでしのげばOKだ。
また、ジャンクションのフィールドは起伏に富んでいるが、よほどの急斜面などでない限り、道路以外の場所も車で踏破することが可能だ。特にゲートウェイを開放すると、フィールド全域に車でも防ぎきれない凶悪な嵐が迫ってくるため、曲がりくねった道路をショートカットしなければ間に合わない状況もある。こうしたときはカーナビ代わりにもなるARC装置のマップに表示される等高線を参考に、できるだけなだらかな場所を探して走ろう。
行く手を阻むアノマリーは、極地的な荒天のような災害レベルのものから、さまざまな大きさの体を持つものまで多種多様。地面から柱のように土が突きでる「ボラード」や、車すら浮かせる強風「ハリケーンスコール」などは対抗する手段がないので、影響範囲から逃げるか収まるまで待つしかない。また、空中からこちらを釣り上げて放り出す「アブダクター」なども、生身でつかまると大きな痛手を負う。
その一方で、小さな体で車に張り付いてくる「ブロークン・バニー」や、プラズマを周囲に放つ「スパークタワー」などは直接攻撃やエネルギー源のポッドを破壊するといった対抗手段が取れる。破壊すると貴重な電子部品などを落とすこともあるので、チャンスがあれば狙ってもいい。また、移動しながら触れると一気に加速する「グリッタリングボールダー」などには、それを利用した手に汗握るシーンも用意されている。
難しそうだと感じる人は、体力が尽きてガレージに戻った際に所持アイテムを失なわなくなったり、車に必要な燃料やバッテリーが使い放題になったり、さらには周囲が見づらい夜間の時間を短縮したりと、ゲームの難易度が大きく変わる設定をいつでも変更できる。ほかではあまり見ない設定の充実度には感心させられるはずだ。ただし、車へのダメージ無効など強力すぎる設定を使うと、条件を満たしてもトロフィーが得られないことも覚えておこう。
豊かな自然に包まれながらも、刻々と環境が変化する異様なフィールドを愛車とともに巡り、危険なアノマリーの襲撃を受けつつ生き延びる術を探す『Pacific Drive』。カスタマイズした愛車で広いフィールドを縦横無尽に走破するドライブ要素を軸に、素材を集めて道具を生み出すクラフト要素や、予測不能な危険から逃れるサバイバル要素がプラスされた、ユニークな魅力を備えた作品だ。ドライブゲームファンだけでなく、考察好きのSFファンもぜひ挑戦してみよう。
『Pacific Drive』プレイ動画
Pacific Drive
・発売元:Kepler Interactive Limited
・フォーマット:PlayStation 5
・ジャンル:ドライビングサバイバル
・発売日:好評配信中
・価格:ダウンロード版 販売価格 通常版 4,180円(税込)
ダウンロード版 販売価格 Deluxe Edition 4,950円(税込)
・プレイ人数:1人
・レーティング:IARC 12+(12才以上対象)
※ダウンロード専用タイトル
『Pacific Drive』公式サイトはこちら(海外サイト)
※IARC(the International Age Rating Coalition)は、世界のゲーム評価機関により管理される国際年齢評価連合です。
Pacific Drive ©2023 Ironwood Studios LLC. All rights reserved. PACIFIC DRIVE, IRONWOOD STUDIOS, the PACIFIC DRIVE logo, and the IRONWOOD STUDIOS logo are the trademarks of Ironwood Studios LLC in the U.S. and/or other countries. All other trademarks and trade names are the property of their respective owners. Published by Kepler Interactive Limited. All rights reserved.
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