2月29日(木)発売予定のPlayStation®5用ソフトウェア『FINAL FANTASY VII REBIRTH(ファイナルファンタジーVII リバース)』は、2020年4月に発売された『FINAL FANTASY VII REMAKE』から続く「FINAL FANTASY VII REMAKE」プロジェクト三部作の第2作目だ。
この記事では、本作の発売に先駆けてプレイしたレビューをお届けしていく。その際、ストーリーについてはネタバレを避けるため、公表されている内容以外は触れないものとする。
※本記事のゲームプレイ画面および動画はパフォーマンスモードでキャプチャーしたものです。
リッチな映像表現と演出で描かれる開かれた冒険
本作では、ミッドガル脱出後から忘らるる都までの旅が描かれ、ワールドマップに飛び出して自由な冒険をできることが大きな特徴となっている。前作『REMAKE』の舞台のミッドガルは、物語の背景としても閉塞的で圧迫感のあるイメージだったこともあるだろうが、本作は広大で開放的な世界。それは初めてワールドマップに足を踏み出したときの演出で強烈に印象づけられ、いよいよ本当の冒険が始まったことを実感する。
開放的に感じるのは、単純にマップが広いからというだけではなく、キャラクターたちの陽気な掛け合いが多いことも理由だろう。クラウドはクールな二枚目路線なのに場の雰囲気に流されて調子に乗ることもあるし、エアリスは天然でイチャついてきてティファはそれに敏感に反応し、バレットは呆れて怒りながらも三枚目的なオチをつける。ここに見栄を切った口調のユフィや、関西弁で飄々と喋るケット・シーが加入してくるとさらに賑やかだ。大所帯になったパーティの軽妙な掛け合いは、プレイしていて楽しい気分にさせてくれる。
街の雰囲気も陽気で活気に満ちており、コスタ・デル・ソルやゴールドソーサーなどの華やかなリゾート感は圧倒されるほどだ。仲間たちもはしゃぎにはしゃいで、コスタ・デル・ソルでは女性陣の眩しい水着姿も拝むことができる。水着姿になるのはストーリー進行上、どうしても必要なことなのだけれど、水着のデザインを選べるとなったら全部ゲットするまでがんばってしまうだろう。
こうした浮かれた場面も含めて、「FINAL FANTASY」シリーズらしいハイクオリティでリッチな映像でバンバン見せてくれるのも本作のすごいところ。気圧されるくらい派手な演出もあるが、楽しさや美しさを全力で表現してくるから、いつも魅入ってしまう。
一方で、シリアスな場面は重厚なカットシーンで見せてくれる。平時の楽しげな雰囲気が多いぶん、シリアスなシーンの重みが増し、星の命を守る使命や宿敵・セフィロスとの因縁というテーマの上にストーリーが成り立っていることが響いてくる。結果、ふんだんに用意されたカットシーンのすべてに見ごたえがあり、この世界に没入することができるのだ。
ワールドマップの大ボリュームコンテンツとキャラクター強化の絶妙な関係
本作の世界はいくつかのワールドエリアに分かれ、エリアごとに探索やプレイ体験が変わる自由な冒険が待っている。街を出れば荒野が広がり、険しい岩場もドッジロールやジャンプなどのパルクールアクションで軽やかに乗り越えることができる。また、急斜面を登れたり滑空して飛べたりと能力が異なるチョコボや、浅瀬を走破できるバギーといった乗り物の種類も豊富なことに加え、ファストトラベルポイントをたくさん発見するほど移動が快適になるなど、広大な世界を自在に駆けめぐることができるようになる。
ワールドマップには、メインストーリーやサブクエスト「なんでも屋クエスト」の目的地以外にも、たくさんの探索要素が散りばめられている。チャドリーの調査依頼となる「ワールドレポート」はその代表例だ。周辺情報を集めて探索の手掛かりとなる「通信塔」、レアモンスターと戦うことができる「討伐拠点」、召喚マテリアの入手や強化につながる「召喚獣クリスタル」、エリアの特徴や歴史がわかる「ライフスポット」、古代の遺物を回収する「エンシェントマター」といったコンテンツがあり、これらをめぐっているうちにエリアを幅広く踏破できるようになっている。過去の記事ではワールドマップの探索要素を詳しく紹介しているので、そちらもぜひチェックを。
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上記の記事はグラスランドエリアを体験した際に発見した探索要素だが、ストーリーが進むとグラスランドエリアからジュノンエリアやコレルエリアへと新しいワールドエリアに足を踏み入れていき、それぞれのエリアで同じようなボリュームのコンテンツが用意されている。マップが広くても中身がなくては飽きたり移動疲れしたりしてしまうものだが、本作のマップの広さに対するコンテンツの密度はかなり高く、つねに新しい発見を期待しながら探索を進められる。
こうした大ボリュームのコンテンツをプレイするメリットは、クリアするとキャラクターの強化につながることだ。メインストーリーやサブクエスト、探索要素をクリアするとパーティ経験値を獲得し、パーティレベルがアップする。また、戦闘を通じてキャラクターがレベルアップすると、同時にスキルポイントを獲得できる。パーティレベルとスキルポイントは「スキルブック」でスキルやアビリティを習得するためのもので、強力なスキルを習得するほど戦いを有利に進められるようになる。後述する連携アビリティや連携アクションも「スキルブック」から習得することになり、強化要素として非常に大切だ。
もっとも、すみずみまで探索要素をプレイして強化に努めないとストーリーボスに勝てないのかといえば、そんなこともない。実際に試してみたところ、メインストーリーとその過程で発生するサブクエストで得た経験値やスキルポイントによる強化分でも、ボスに勝つことは可能だった。ていねいな立ち回りが必要だったり、一度負けてマテリア構成を見直したりすることもあったが、それでも勝って先に進むことができた。
つまり、とにかくストーリーを早く進めたいなら探索要素は後回しにしてもいいし、こだわりがなければ難易度を下げたっていい。カッコよく効率的に勝ちたいとか、純粋にキャラクターを強くしたいなら、探索要素をみっちりとやり込むことで見返りをきちんと受けられる。どのように進めるかはプレイヤーに委ねられており、誰でも自分なりのスタイルで楽しめるようになっている。
仲間との連携を楽しめる新たなバトルシステム
バトルは前作『REMAKE』と同じく、アクションとコマンドバトルが融合したシステムだが、「連携アクション」「連携アビリティ」といった新要素が加えられている。どちらもスキルブックから習得することが可能だ。
連携アクション
連携アクションは、ガードをしているときに各種ボタンを押すことで、仲間と協力したコンビネーション攻撃を発動する。ふたりがかりの連続コンボや敵の攻撃に合わせた強力なカウンターなど、通常攻撃よりも効果の高い特殊アクションを、ATBゲージを消費せずに発動できる。ガード状態を契機にすることから、ブレイブモード時のクラウドやリベンジゲージをためるときのレッドXIIIなど、ガードを意識することの多いキャラクターはとくに使いやすい。
また、強敵との戦いを勝ち抜くには、ガードや回避の防御行動が大切であり、通常攻撃連打とアビリティだけでゴリ押しするプレイから脱却する意識づけにも役立つのではないだろうか。
連携アビリティ
連携アビリティはパーティキャラクターふたりの連携ゲージがたまると準備が完了し、発動すると超強力なコンビネーション攻撃を炸裂させる。技によってリミット技レベルのアップ、魔法MP消費なし、バースト強化といった付与効果も持っているため、戦略的な運用もできる。
そして連携アビリティの魅力は、ド派手かつユニークな演出にもある。スピーディな連撃を叩き込む様子はずっと見ていたいし、エアリスがレッドXIIIを撫でてから発動するものまで、キャラクター同士の個性や関係性まで感じられることが楽しい。
連携アクションと連携アビリティはどちらも、キャラクターの組み合わせによって技が変化する。前作で4人だったプレイアブルキャラクターは今作で7人になり、組み合わせの数は非常に多い。旅をともにする仲間が増え、協力して戦う様子が反映されたようなこのシステムはかなりお気に入りだ。
バトルの個性が際立つ3人の新プレイアブルキャラクター
ここからは本作で新たなプレイアブルキャラクターとして加わった、レッドXIII、ユフィ、ケット・シーそれぞれの使用感を紹介していこう。前作から引き続き登場するクラウド、エアリス、バレット、ティファも特徴的なバトルスタイルを持っているが、新加入組3人はさらにユニークな性能だ。
レッドXIII
前作は最終盤にストーリー上のみ同行する形だったが、今作は冒頭からプレイアブルキャラクターとして参加する。
爪や牙による素早い連続攻撃をすることから、最初はティファに近い運用をしていたが、じつはガードから反撃につなげるスタイルが強いことに気が付いた。ガードに成功してノックバックしたタイミングでガードを解除して通常攻撃をすると「スピンカウンター」が発動し、強力な反撃に転じることができる。
また、ガードすることでリベンジゲージがたまっていき、そのゲージを消費してリベンジモードに移行する。リベンジモード中は攻撃力と回避スピードがアップし、さらに「ドレインバイト」で攻撃しつつHPを吸収できるようになる。リベンジモードの継続時間はリベンジゲージをためた分だけ長くなる。強敵を相手にする際は、まずガードとカウンターを主体にした待ちの姿勢でリベンジゲージをため、じゅうぶんにたまりきったらリベンジモードで一気呵成に攻め立てる。多少の被弾はドレインバイトの吸収回復で補うつもりで攻めていいかもしれない。
ユフィ
前作『REMAKE』の新規エピソード「FF7R EPISODE INTERmission」では主人公として活躍したユフィ。今作でも近距離と遠距離の両方を巧みに使い分けられるプレイスタイルは同様だ。
手裏剣を手に持っているときは近距離での素早い連続攻撃を主体とするが、「手裏剣投げ」で手放しているあいだは□ボタン攻撃が「忍術」に変化し、遠距離にいる敵を攻撃できるようになる。また、忍術はアビリティ「忍術変化」によって魔法四属性を切り替えることができる。「みやぶる」マテリアを最初から装備しているため、敵の弱点属性を的確に突くことが可能だ。
手裏剣の近距離戦でも忍術の遠距離戦でも手数を多く繰り出すことができ、スピードも速いので扱いやすい。ここに敵の弱点属性を突く戦略性を加えてあげれば、忍者の末裔らしい完璧な立ち回りを楽しめる。
ケット・シー
ゴールドソーサーのマスコットとして人気のネコ型ぬいぐるみ占いロボットが、7人目の仲間としてクラウドたちの旅に同行する。
通常攻撃はメガホンで殴ったり□ボタン長押しで魔法攻撃を繰り出したりする。スピードが速いわけでもなく特別な強さは感じられないが、アビリティ「モーグリコール」でモーグリを呼び出してからが本領発揮。モーグリに騎乗中はATBゲージがたまりやすい連続攻撃を繰り出し、特別なモーグリ技も使える。モーグリから降りると、モーグリは独立して自動で攻撃し、HPがゼロになって撤退してもすぐに呼び直すことができる。
「ダイス」はサイコロの出目によって技が変わるユニークすぎるアビリティ。ファイア&サンダーやエアロ&ブリザドといった複合技、リジェネやシールド、いかり(バーサク)のほか、ハズレも含まれており運の要素を取り入れているのが面白い。
また、モーグリ騎乗中に使えるモーグリコマンドのゲージがたまるとバフ技やデバフ技をランダムで繰り出せるなど、じつは戦略的な運用もできる存在だ。見た目どおりにトリッキーな能力の持ち主で当てにしづらいところもあるが、だからこそ使いこなしてみたいという気にさせてくれる。
2月29日(木)の発売まであと一週間。新しい旅のはじまりは、もうすぐだ。
FINAL FANTASY VII REBIRTH(ファイナルファンタジーVII リバース)
・発売元:スクウェア・エニックス
・フォーマット:PlayStation 5
・ジャンル:RPG
・発売日:2024年2月29日(木)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 通常版 9,878円(税込)
ダウンロード版 販売価格 Digital Standard Edition 9,878円(税込)
ダウンロード版 販売価格 Digital Deluxe Edition 11,501円(税込)
・CERO:C(15才以上対象)
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