『ペルソナ3 リロード』インタビュー! "懐かしくも新しい"と感じられる『ペルソナ3』を目指して

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『ペルソナ3 リロード』インタビュー! "懐かしくも新しい"と感じられる『ペルソナ3』を目指して

2月2日(金)発売予定のPlayStation®5/PlayStation®4用ソフトウェア『ペルソナ3 リロード』。本作は2006年にPlayStation®2で登場したRPG『ペルソナ3』のフルリメイク作品だ。「ペルソナ」シリーズのターニングポイントにもなったタイトルが、現在のP-STUDIOの手によって装いを新たに生まれ変わる。

シナリオや登場キャラクターといったゲームの根幹はそのままに、操作性の向上、インターフェースを含むゲーム全体がよりユーザーフレンドリーになるなど、細部にわたって調整され、より遊びやすくなっている。グラフィックは、4K/60fpsに対応し、キャラクター2Dイラスト、3Dモデル、背景デザイン、UIなど、すべて美麗に刷新。キャラクターのサイドエピソードの追加や掛け合いセリフの追加、ボイスシーンの追加はもちろん、オープニングや作中アニメもすべて新規で制作されている。

本作を手掛けたペルソナチームのゼネラルプロデューサー、和田和久氏にインタビュー。開発コンセプトや刷新されたビジュアルのポイント、パワーアップしたバトルなど、フルリメイクにあたってのこだわりや見どころについて語っていただいた。

“リロード”の「R」は『ペルソナ3』の決定版にするという意思表示

──『ペルソナ3』はシリーズのターニングポイントにもなったタイトルと言われていますが、ポイントはどこにあると考えていますか?

「ペルソナ」シリーズは「真・女神転生」シリーズの派生作品として誕生しましたが、当時まだアトラス独特のマニアックな雰囲気が強く、その良さを知らないユーザーにとって、遊ぶ機会へのハードルになっていました。なので、『ペルソナ3』は、その良さを作品に内包しつつも、イメージ、インプレッションを大幅に一新するというのが大命題でした。まず作品に触れてもらえなくては面白さを知ってもらえない、ということから、ユーザー目線での作品作りというものを本格的に考えて開発したという点が大きいです。具体的には、ビジュアル、特にUIの強化など、のちの作品に大きく影響していると思います。

──その『ペルソナ3』をフルリメイクするにあたってのコンセプトを教えてください。また、本作のタイトルが『ペルソナ3 リロード』に決まった経緯や、込められた想いなどがありましたらお聞かせください。

最初から重要視していたことは“『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』以上のグラフィックと快適さで遊べる『ペルソナ3』”。そのうえで、“懐かしくも、新しい”と感じられる、しっかりとした『ペルソナ3』であることが大事でした。

『リロード』というタイトルに関しては、まず『R』であることを最初に条件としたところから、Rからのワードを考えていきました。そこで、キーアイテム召喚器から“再装填”という今作にふさわしいタイトルに決定しました。『R』に込めた思いは、『P5R』のようにそのナンバリングの決定版としての作品にする……という意志表示です。

──「ペルソナ」シリーズを制作するうえで、「ペルソナ」らしさを追求するために重視されているポイントはありますか?

特徴である、現代劇であること、高校生たちが活躍する物語であること。そして、一日一日その世界で生活していくこと。これはゲームを通して感じたことや気づいたことを、ただ遊んだ、面白かった。ではなく、現実でも生かせる“体験”としてプレイヤーの皆さんに獲得してもらうためのものです。それには、世界観や、さまざまなキャラクターたちの“リアリティー”や彼らへの“強い共感”がとても重要な役割を果たすと思っています。このあたりが、“テーマ性”“メッセージ”とともに「ペルソナ」らしさというものを形成していると考えています。

刷新したビジュアルはファンに受け入れてもらえるように繊細な調整を

──多くのファンがいる『ペルソナ3』キャラクターの2Dイラストや3Dモデル、戦闘服などの刷新にあたって、こだわったポイントや見どころを教えてください。

もともと『ペルソナ3』を好きだったユーザーの皆さんに“懐かしくも、新しい”と感じて受け入れてもらえるように繊細に調整して刷新していきました。2Dも副島監修のもと、もとの良さを殺さずに、嶋田が新鮮にリライトしました。また3Dも頭身を上げた『ペルソナ3 ダンシング・ムーンナイト』のモデルから、イラストに合わせてさらに今作用に磨きをかけました。戦闘服デザインは、変更をかけることを迷った部分ではありますが、リロードであることが一目でわかるアイコンとして刷新しましたが、やってよかったと思える出来栄えだと思います。

──背景デザインの刷新について、こだわったポイントや見どころを教えてください。

キャラクターの頭身が上がったことにより、背景もそれに準じて情報量を上げていく必要がありました。現実世界においては、空気感や雰囲気すべてにおいて解像度が上がっています。タルタロスに関しても、元のコンセプトを変えずに、高低差やギミック、光と影の表現を駆使して、より臨場感のあるダンジョンに刷新しました。

──「ペルソナ」シリーズは、UIのデザインも多くの注目を集める要素となっています。刷新にあたり、操作性とデザインについてのこだわりや見どころを教えてください。また、UIが注目されるゲームやシリーズというのは珍しいと思いますが、そのことについてはどのように考えていますか?

もとの『ペルソナ3』から、シリーズのUI表現の革命が始まったのですが、これは、20年前当時に僕が『ペルソナ3』のデザインディレクションをしており、提唱したことでした。これが注目され、その後もシリーズの特徴として注目されていることは、とてもうれしいですね。当時の狙いはコスト削減のためにUIを主役にしてラッピング効果を狙ったものでしたが、今はコスト削減とは真逆の方向にいってます(笑)。今作のUIは、当時からさらに『P5R』を経て磨きがかかったものになっており、倍以上に増えた情報量を培ってきたノウハウで、派手ながら迷わせないダイレクトな操作感になっています。今作は青がテーマカラーですので、水のイメージとアーバンさがデザインのキーとなっています。

追加要素により『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』と同等以上の感覚でバトルに没入

──『ペルソナ5』で好評を博したバトルシステムの、ダイレクトコマンド、アシスト機能、シフト(バトンタッチ)を本作で採用した経緯を教えてください。

やはり、『P5』『P5R』を経て、これらの機能を体験してしまったら、コマンドRPGとして採用しないわけにはいかない! と。シフトに関しては、今作のキャラクター性、関係性を考え、目線を送る演出にしました。

──バトルに追加された新たなスキル「テウルギア」が誕生した経緯や見どころなどを教えてください。

弱点を突く属性バトルだけだと、弱点の設定のあまりない、特にボス戦に戦略性や変化を与えにくいので、その問題を解消するために考案しました。イメージは『P5R』で追加された「ショウタイム」の進化系です。あれを戦略的に繰り出せるように調整し、バトルに爽快感やアクセントを与えられるようにしました。主人公のミックスレイドもテウルギアに集約しています。演出も、テンポよく、キャラクターの魅力がぎっしり詰まったものになっていますので、ぜひゲームで体験してください。

──これらの新要素により、本作のバトルは『ペルソナ3』と比較してどのように変わったと考えていますか?

今、当時の『ペルソナ3』を遊ぶと、なかなかにストイックで単調さや不便さを感じさせるものだと思いますが、今作は『P5R』を遊んだユーザーが、それと同等以上の感覚で、バトルに没入できるようにしましたので、とても快適に遊べると思います。皆さんにもプレイして感じてほしいですね。

──特定のキャラクターとのストーリーが体験できる新システム「リンクエピソード」が誕生した経緯や見どころなどを教えてください。

今作は、『P3P』の女性主人公相当のものは含まれませんが、男性陣に対するコミュに相当するものはフォローしたかったんです。『ペルソナ3』には女性陣とのコミュはありましたが、今作は平等に男性陣にもスポットを当てたかったので、絶対にリンクエピソードは必要でした。各キャラクターの背景や、彼らの2年後の話、『P4U』シリーズにつながるエピソードなど、キャラの魅力が詰まっていますので、ぜひお見逃しなく!

──ほかにも、『ペルソナ3』からここが変わった! というポイントがありましたらお聞かせください。

細かい点を挙げたらキリがないくらい刷新していますが、快適性に関しては簡易的なオートセーブ機能である“ロールバック”で手軽に少し前に戻ってやり直すことができたり、誘いのメール後にすぐそこに行ける機能など、かなりテンポがよくなりました。ストーリーに関しては、ストレガとのエピソードが追加され、より彼らの思想やバックボーンが垣間見えるようになっています。あとは、犬好きなディレクターが、コロマルにはひと際こだわっていたので、犬好きの方はそういった部分にも注目です!

初めて『ペルソナ3』を遊ぶ人にも体験してほしい自信作に

──発売目前の今だからこそ語れる裏話・苦労話などがありましたらお聞かせください。

起案が大変難しく、やりたかったのになかなか進めることができなかったんです。要因は複数あるのですが、中でもコスト見積りが、当時の何倍にもなっていて、会社を説得するのに大変苦労しました。情熱だけで突っ走った結果、周りには迷惑をかけましたが、今この出来栄えで完成できたことは本当にうれしいです。

もう一点、ペルソナチームでアンリアルエンジンを採用した初のタイトルだったので、理解して使いこなすまでにかなり苦労しましたね。この規模の開発で、全言語同時発売も初めてだったし、コロナ渦での開発など、いろいろ初めて尽くしの苦労がありました。

──PS5版にはPS5ならではの要素はありますか? ハードの性能を活かした特徴、機能などがありましたら教えてください。

PS5のパワフルな性能で、4K/60fpsの最高のグラフィックを爆速ロードで楽しめます。

──最後に、本作に注目しているユーザーに向けてメッセージをお願いします。

『ペルソナ3』はシリーズとしても、自分自身、開発者としてもターニングポイントになった作品ですので、とても大切なタイトルです。そのリメイクを、当時ユーザーだったスタッフたちが、『P5R』の開発を乗り越えて作り上げた作品ですので、面白くないわけがありません。もとの『ペルソナ3』を遊んだことのある人にも、初めて『ペルソナ3』を遊ぶ人にも体験してほしい自信作になっていますので、ぜひプレイしてみてほしいです。今回は、全世界で発売と同時に遊んでもらえるように準備してきましたので、世界中のユーザーさんと一緒に盛り上がってくれるとうれしいです!


ペルソナ3 リロード

・発売元:アトラス
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:RPG
・発売日:2024年2月2日(金)予定
・価格:パッケージ版 希望小売価格 通常版 9,680円(税込)
    パッケージ版 希望小売価格 PERSONA3 RELOAD LIMITED BOX 17,380円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 通常版 9,680円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 デジタルデラックスエディション 12,408円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 デジタルプレミアムエディション 15,730円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:C(15才以上対象)


PS Blogの『ペルソナ3 リロード』記事はこちら


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