レオンが挑む過酷な救出劇がVR空間で蘇る──PS VR2『バイオハザード RE:4 VRモード』開発インタビュー!

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レオンが挑む過酷な救出劇がVR空間で蘇る──PS VR2『バイオハザード RE:4 VRモード』開発インタビュー!

12月8日(金)に配信がスタートするPlayStation®VR2『バイオハザード RE:4 VRモード』。PlayStation®5版『バイオハザード RE:4』(以下『RE:4』)のストーリーモード全編がPS VR2で体験できるようになる無償の追加ダウンロードコンテンツ(DLC)だ。主人公のレオン・S・ケネディが挑む過酷な救出劇を、究極の没入感で体験することができる。なお、PS5版『バイオハザード RE:4』本編をお持ちでない方は、体験版でその片鱗に触れることができる。

リナ・サワヤマ vs『バイオハザード RE:4 VRモード』

レオンが挑む過酷な救出劇がVR空間で蘇る──PS VR2『バイオハザード RE:4 VRモード』開発インタビュー!

今回はVRモードを手掛けた熊澤雅登プロデューサーと、山川恵介ディレクターによるインタビューをお届けしよう。

※敬称略

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カプコン『バイオハザード RE:4 VRモード』プロデューサー
熊澤 雅登

カプコン『バイオハザード RE:4 VRモード』ディレクター
山川 恵介

これまでの経験を活かして『RE:4』の面白さをVRに落とし込む

──『RE:4』の企画立ち上げの際からVRモードについては考えられていたのでしょうか。実際にVRモードの開発がスタートしたのは、どのタイミングからでしょう?

熊澤:『RE:4』本編の発表は昨年の6月に行なわせていただいたのですが、VRモードの企画自体はそのときからありました。VRモードの本格的な開発作業が始まったのは『RE:4』のマスターアップが終了した、今年の初頭からとなります。そこから1年足らずで作りあげたので、かなりタイトなスケジュールでした。ですが『RE:4』の面白さをしっかりとVRに落とし込むために、かなりこだわっています。

山川:“これは外せないよね”という部分をしっかり押さえています。

──『バイオハザード7 レジデント イービル』(以下『バイオ7』)や『バイオハザード ヴィレッジ』(以下『ヴィレッジ』)のVRモード開発は、本作のVRモード開発にどのような影響を及ぼしたのでしょうか?

山川:私は『バイオ7』のVRモードにも関わらせていただきました。また、『ヴィレッジ』のVRモードを手掛けたディレクターにも、『RE:4』のVRモードの開発初期に手伝ってもらっています。これまでに積み上げてきたVRに関する知見は、今作に活かせたと思っています。

熊澤:カプコンには「RE ENGINE」という自社製のゲームエンジンがあるのですが、『バイオ7』と『ヴィレッジ』のVRモードも、RE ENGINEで開発してきました。そういった経験があったので、今作のVRモードもスムーズに開発できました。

山川:『ヴィレッジ』のVRモードはPS VR2対応だったので、PlayStation VR2 Sense®コントローラーを用いて行なう銃やUIの操作、起こりやすかった不具合などのノウハウを、今作のVRモードに活かすことができました。そういった土台があったことも、1年弱という短い開発期間でここまでつくりこむことができた要因だと思っています。

たとえば『ヴィレッジ』ではUIを操作するレーザーポインターが2本同時に左右の手から出ていましたが、それがふたつのメニューを同時に選択できるという、不具合の原因になっていたんです。そのため、今回は利き手に設定した方の手からのみレーザーポインターが出るようになっています。

熊澤:『RE:4』本編の発売からプレイヤーの皆さんをできるだけお待たせしないよう、『RE:4』のVRモードの開発計画を立てたときから開発チームには無理を言っていました(笑)。

──『バイオ7』や『ヴィレッジ』のVRモードをプレイしたユーザーからの意見を反映して「『RE:4』のVRモードでは特にここを変えた」というポイントがあれば教えてください。

山川:意見を直接採り入れたわけではないのですが、『ヴィレッジ』ではイーサン・ウィンターズという一般人のキャラクターが主人公で、彼が事件に巻き込まれた体験を体感することをコンセプトとして掲げていました。しかし『RE:4』ではレオンという訓練されたエージェントが主人公ということで、彼になりきることがコンセプトとなっており、同じ「バイオハザード」のVRモードでもコンセプトが違うんです。レオンはプロフェッショナルですから、ナイフによるパリィやメレー、片手でのポンプアクションといった、カッコいいと思える動作をたくさん盛り込むなど、力の入れどころを変化させています。

熊澤:個人的に注目していただきたいのは、クラウザーとのナイフ戦です。そこではパリィによる熱い攻防が楽しめるので、ぜひプレイしてみてください。

山川:両手にナイフを持ってクラウザーに挑むという、本編ではできない遊び方も可能です。『RE:4』のVRモードでは自分の両手を同時に動かすことができるので、それによって可能なことはできる限り実行できるようにしたい、というのが、今作で特に頑張ったところです。

PS VR2ならではの機能はどのように活かされたのか?

──『RE:4』のVRモードでは、PlayStation VR2 SenseコントローラーやヘッドセットフィードバックといったPS VR2ならではの機能を、どのように活用したのでしょうか。

山川:私が楽しいと思ったのは、PlayStation VR2 Senseコントローラーのアダプティブトリガーです。本作ではさまざまな銃を使うことができます。たとえばリボルバータイプの銃は2種類あるのですが、シングルアクションとダブルアクションの銃とではトリガーの感触を変えているんです。モデルガンが好きな方なら「おおっ!」と思っていただけるのではないでしょうか。

熊澤:銃には、そういったこだわりや小ネタなどが随所に仕込んであるので、ガンマニアの方はぜひ見つけていただければと思います。

山川:また、何かが爆発したり、風が吹いているときなど、空間全体に影響がありそうな演出の際は、ヘッドセットフィードバックによる振動が発生します。特に、爆発のトラップに引っかかってしまったときにはビックリすると思いますよ。トロッコやジェットスキーなどに乗っているときにも振動があるので、臨場感が増していると思います。

3Dオーディオもポイントのひとつです。開発チームのサウンド担当がかなりこだわってくれて、私が指示をしなくても「こういうのはどうですか?」とさまざまなアイデアを出してくれました。銃に関する音などは、すべて録りなおしています。敵の居場所を音で把握できるのはもちろん、銃をいじったときの音も手元で鳴っているように聴こえるなど、3Dオーディオにもかなり力を入れています。

──同じくPS VR2に対応していた『ヴィレッジ』のVRモードから、さらに進化した箇所があれば教えてください。

山川:やはり銃に関するこだわりですね。『ヴィレッジ』のVRモードでもこだわっていたのですが、そのときにはできなかったことをやろうと考えていました。実銃でできる操作はゲームに関わらないものも可能な限り再現していて、『ヴィレッジ』ではできなかった操作、持ち方ができるようになっていたりします。ほかに細かいところですと、実は『ヴィレッジ』では、取り出した武器を元の場所(スロット)に戻すことができなかったんです。銃やナイフを元の場所に戻して手を放しても地面に落ちていたのですが、『RE:4』のVRモードでは武器を元のスロットに戻せるようにしました。そのぶん、武器を地面に落としてしまうと、戻ってくるまでに少し時間がかかるようになっています。ナイフに関しては、ちゃんと戻すと耐久力がほんの少し回復するというオマケ要素もあります。武器をホルスターに戻す動作を行なうことでレオンになりきっている感覚が高まりますので、プレイする際にはスロットに戻す癖をつけてみてほしいですね。

また、今回はしゃがみながら銃を撃つこともできます。通常のモードでは絶対に狙うことができなかった位置の敵を撃てる箇所もあるので、そういったところを探すのも面白いかもしれません。

熊澤:『ヴィレッジ』のときはイーサンという一般人の主人公がいて、”死に物狂いのサバイバルホラー”として「生き残り感」をフィーチャーしていました。今回はエージェントのレオンが主人公ということで、さまざまな武器を自由自在に操って戦況を切り抜けていくことができます。

山川:『RE:4』には”死を逸(かわ)し、倒す快感”というキャッチコピーがありましたが、このVRモードではそういったキャッチコピーやコンセプトが、さらに深く表現できていると感じています。『ヴィレッジ』と『RE:4』の両方を持っている方は、遊び比べていただけるとコンセプトの違いを感じることができて面白いかもしれません。

視点の変化によって戦闘の緊張感やホラー演出の恐怖感がさらにアップ

──通常のモードは三人称視点のビハインドビューでしたが、VRモードでは基本的にレオンの主観視点になっています。視点の違いはVRモードの開発やゲーム体験にどのような影響を及ぼしたのでしょうか。また、開発の際に苦労したポイントなどはありましたか?

山川:三人称視点のゲームを主観視点に変えることによって、武器やキャラクターに関するシステムは最初から作り直しました。ですが、ゲームの内容自体は全然変えていないんです。ただ、三人称視点による通常のモードではコントローラーでレオンを操作するという感覚ですが、主観視点のVRモードでは自分がレオンになるという、その感覚の差が一番大きいかなと思います。『ヴィレッジ』では通常のプレイモードも主観視点、どちらのゲームプレイでも自分がイーサンになりきる、というゲーム性に変化はなかったんですが、『RE:4』の通常のプレイモードは、客観的な視点からカッコいいレオンを動かすゲームで、VRモードでは自分自身でレオンのカッコよさを再現しなければいけない、そんな部分が異なります。

熊澤:「バイオハザード」はサバイバルホラーゲームですので、主観視点になることで敵との距離感が近くなり、戦闘の緊張感やホラー演出の恐怖感を、より強く感じることができるようになったと思います。

──VRゲームではオブジェクトやキャラクターなどの大きさを、自分自身と比較してリアルに体感できるのも醍醐味だと思います。『ヴィレッジ』のVRモードではドミトレスク夫人の大きさに驚きましたが、本作のVRモードでもエルヒガンテや村長のビトレス・メンデスといったボスと対峙するのが楽しみです。

熊澤:戦闘ではエルヒガンテに掴まれる演出がありますが、それも主観視点でリアルに感じることができますね。

山川:チェーンソーでの攻撃をパリィで受け止めた際の演出も自身の目の前で繰り広げられるので、ものすごい迫力です。ただ、エルヒガンテに掴まれた際の演出など一部のゲーム中の演出はオプションで三人称視点に変えることもできるようになっています。主観視点のゲームプレイで酔いやすい、といった方はこちらを選んでいただければ。

小ネタではあるのですが、実は主観視点のカメラは、実際のレオンの目線よりも少し低い位置に設定しているんです。身長の高いレオンと同じ目線にカメラを合わせると、敵である村人のガナードたちが小さく見えてしまう。さらに、ガナードたちは前のめりの低い姿勢でレオンに迫ってくるので、接近すると見下ろす形となって迫力がなくなってしまうんです。そのため、あえてカメラの位置を下げるといった、迫力を感じるための工夫を随所に施しています。

──VRモードの制作時に新たに発見したことや、最も気に入ったプレイシーンがあれば教えてください。

山川:発見したことは、すべてのマップの立体感やサイズ感です。私は本編の開発にも参加していて、通常のプレイモードはそれこそ何十周もプレイしていたのですが、VRモードをプレイして「ここってこういう場所だったのか」「ここにこんなものがあったのか」という新たな発見がたくさんありました。これから遊んでいただく皆さんにも見つけてもらえるとうれしいですね。また、トロッコなどの乗り物系は、それ単体で別のゲームになりそうだなと感じたほどに気に入っています。通常のプレイモードではアナログスティックを倒してトロッコのバランスと取るというシーンがありましたが、今作では実際に身体を動かしてバランスを取るようにしています。

──通常のモードでは「しゃがむ」ボタンで敵の攻撃を回避できるシーンもありましたが、VRモードでは身体を動かすことで同様のことができるのでしょうか?

山川:しゃがむ動作に関しては、ボタンでの操作と実際に身体を動かす、2種類の操作方法を用意しています。通常のプレイモードを遊んでいるときと同じように椅子に座ってプレイする方はボタン操作を、VRならではの体験をしたい方は、実際に身体を動かすことでしゃがむ操作方法を“オン”にしてください。オンにした場合でも、ボタン操作で敵の攻撃を回避することが可能です。

熊澤:座ったり立ったりといったプレイヤーそれぞれの遊び方に合わせた設定は、しゃがむ動作以外にも用意しています。遊びやすさに関しても、しっかり力を入れています。

──そのほかに、通常のモードとVRモードとで異なるポイントがあれば教えてください。

熊澤:すべてではありませんが、謎解き要素のパズルには、直感的な操作で遊べるようになっているものがあります。

山川:たとえば、ダイヤルを回転させて模様を合わせるパズルなどは、両手で同時に操作できるようになっています。角度を変えて立方体のキューブをはめ込むパズルなども、実際に手に持ってクルクルと回すことができたりします。「VRならこう遊びたいよね」という部分は、それが体験できるようにしています。

また、手に入れたフィギュアを鑑賞できるモードがあるのですが、ヘッドセットでは実物大で表示されるんです。たとえば、VRモードでは自分自身がレオンになるので、レオンをじっくりと見る機会がないのですが、フィギュア鑑賞モードでは実物大のレオンを間近で眺めることができます。そういったオマケ要素もいろいろ対応しているので、見つけて楽しんでいただきたいです。

プレイまでの敷居を下げて、VRゲームの楽しさを多くの人に伝えたい

──『ヴィレッジ』のVRモードもですが、これだけ力の入ったDLCが無償というのは驚きです。

熊澤:いつかVRゲームが主流となる世界がやってくるかもしれない、今のうちにVRに関する知見を積み上げて、開発経験を蓄えていかなければならないと、開発チームみんなで考えています。また、プレイヤーの皆さんに手軽に楽しんでいただかないと「VRゲームってこんなに面白いんだよ」ということが伝わらないと思っています。

山川:VRゲームはプレイするための敷居が高い部分もありますが、実際に遊んでみると通常のゲームでは味わえない体験が味わえます。できるだけ遊んでもらえるよう、ハードルを下げることが大切だと考えています。

──最後に、今回の『RE:4』のVRモードに注目しているユーザーに向けてメッセージをお願いします。

山川:『RE:4』のコンセプトである”死を逸し、倒す快感”、これは『RE:4』本編を開発する際に意識していたことですが、このVRモードでは、それがそのまま自分の身体で体感できます。ぜひ多くの方に体験していただけるとうれしいです。

熊澤:VRモードは『RE:4』をすでに遊んだ方でも、まったく別の体験ができると思います。そしてまだ『RE:4』を遊んだことがない方に対しては、VRモードで初めて『RE:4』を体験できることがうらやましいと思えるほどの出来映えになっていますので、ご期待ください。


バイオハザード RE:4

・発売元:カプコン
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:サバイバルホラー
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 希望小売価格 8,789円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 通常版 7,990円(税込)
    ダウンロード版 販売価格 デラックス エディション 8,990円(税込)
・プレイ人数:1人
・CERO:Z(18才以上のみ対象)


バイオハザード RE:4 VRモード(バイオハザード RE:4 追加DLC)

・フォーマット:PlayStation 5
・配信日:2023年12月8日(金)
・価格:無料

※PlayStation VR2専用
※このDLCをプレイするにはPS5版『バイオハザード RE:4』本編ソフトウェアが必要です。


PS Blogの『バイオハザード RE:4』記事はこちら


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