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11月10日(金)に発売されたPlayStation®5/PlayStation®4用ソフトウェア『Call of Duty®: Modern Warfare® III』(以下『Modern Warfare III』)。FPSの金字塔「Call of Duty」シリーズの最新作であり、すでに多くのプレイヤーが新たな戦場に身を投じている。
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特集第2回では、マルチプレイヤー、ゾンビモード、キャンペーンという3つのモードを実際にプレイしたレビューを紹介していこう。
これまでの特集記事はこちら!
【マルチプレイヤー】現代風にリメイクされた”神マップ”で存分に戦える
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本作のマルチプレイヤーで発売前から注目されていたことのひとつが、2009年のオリジナル版『Call of Duty®: Modern Warfare® 2』(以下『Modern Warfare 2』)発売時の全16マップがリメイクされて登場するということ。『Modern Warfare 2』のマップは歴代シリーズの中でも評価が高く、ファンのあいだで”神マップ”と呼ばれるものも多い。実際にプレイしてみると「なるほど、これは面白い」と実感させられた。
とくに楽しかったのは、スクラップヤードやラストといったコンパクトなマップでの攻防戦だ。マップが狭いため、マッチ開始からわずか数秒で撃ち合いが始まる。とにかく接敵が早く、連続キルを決めた直後のリロード中に撃たれたり、リスポーンから飛び出した最初の角で待ち伏せされたり、息をつく暇もない展開がマッチ終了まで連続する。最初の数回を体験したときの印象は、まさにカオスだった。もっとも、ただ狭いだけではなく、強い遮蔽や狙撃ポジションもしっかりとあり、デスを重ねながら体で覚えていくと、コンパクトなマップの奥深さが少しずつ理解できるのが面白いところ。
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本作は出撃前のロビーで、ふたつのマップのどちらでプレイするかをプレイヤーの投票で決められるようになっている。完全なランダムではなく、参加プレイヤーの意向が反映されるのは良い仕組みだと思う。早すぎる展開の虜になったときはついついコンパクトマップを選びがちだったが、ほかの参加者の投票も多いようで、さすが”神マップ”と人気を集めるだけのことはある。
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軽快な操作性がもたらす撃ち合いのさらなる楽しさ
キャラクターの操作性は、2022年に発売された前作『Call of Duty®: Modern Warfare® II』(以下『Modern Warfare II』)に比べてより軽快になった。乗り越え動作のスピードもそうだが、スライディングキャンセルやリロードキャンセルが復活したことによって、キャラクターコントロールの幅が大きく広がっている。
とくにスライディングキャンセルは相手のエイムを絞らせないために効果的で、近接戦における強力なモーションだ。スピーディにガンガン攻めに出てキルを重ねる上手なプレイヤーの動きは惚れ惚れするほど。キレイに決まったときは本当に気持ち良く、アドレナリンが放出されるような撃ち合いの楽しさを感じられる。
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キャラクターのカスタマイズ性も拡充されており、従来のPERKはベスト、グローブ、ブーツ、ギアといった装備品に付随するようになった。装備品の種類は豊富にあり、組み合わせによって細かなカスタマイズが可能になっているため、理想とするキャラクターに仕上げることができるだろう。
装備品のアンロックは基本的にキャラクターのレベルアップで行なっていくが、アンロック条件がデイリーチャレンジを規定回数完了するというものもある。一日で完了できるチャレンジは限られており、またアンロックしたPERKや武器をアクティブに設定しておく必要もあるため、計画的にじっくり進めていこう。
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【ゾンビモード】アイテムを集めて武器を強化する、歯応えあるオープンワールドPvE
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「Modern Warfare」シリーズで初搭載となったゾンビモード。大量のゾンビが跋扈するオープンワールドの街を探索し、ストーリーの謎を解いたり、武器やアイテムを収集・強化したりして生き延びることが目的だ。
スタート時に持ち込める武器には「保証武器」と「密輸品」がある。保証武器はミッション中に捨てたり死んでしまったりした場合でも、クールタイムを経て次回以降も選択することができる。密輸品は捨てるか生きて戻れなかった場合、密輸品リストから失われてしまう。また、フィールドアップグレードはゾンビモード専用のものになっており、攻撃系や回復系など、アンロックが必要なタイプも含めて全部で6種類がある。
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ロードアウトを整えたらミッションに出撃するわけだが、広大なマップの端に降下してから何をすればいいのかわかりづらいかもしれない。マップを見ると、白、オレンジ、赤と、中央に近いほど色が濃くなっており、中央はより危険でストーリーの謎が隠されていると想像できるだろう。しかし、スタートして真っ直ぐ中央へ向かうと、強力なゾンビに太刀打ちできず、あっさりと死亡してしまうはずだ。
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ゾンビモードで生き延びるためには、何はなくとも強化が必要だ。マップ内ではさまざまな武器やアイテム、ゾンビモードのゲーム内通貨であるエッセンスを見つけることができ、まずは脅威レベルが低い安全なゾーンを探索していく。とくにエッセンスは強化のため大量に必要になるが、ゾンビをちまちま倒しても少ししか獲得できないし、売却用のアイテムを集めるにしてもリュックサックに収納できる数は少ない。そこで当面の目的としていくのが「契約」。いわゆるタスクだ。マップに表示される契約の場所に行って契約を受け、条件を達成することで契約完了となり、まとまったエッセンスや有用なアイテムを手に入れられる。探索だけで収集するよりも、圧倒的に効率がよかった。
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武器の強化には、パック・ア・パンチでレベルをアップグレードする方法と、エーテルツールを使ってレアリティを上げる方法の2種類がある。どちらかひとつでも攻撃力は劇的に向上するが、できれば両方をアップさせておきたい。脅威レベルが高いマップの内側では、硬くて強力なゾンビが大量に出現するため、武器は強化できるだけ強化しておかないと、あとあと大変な苦労をしてしまう。
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武器強化のほかにも、キャラクターの能力がアップするPERKコーラを飲んだり、武器弾薬に炎上や凍結などの特殊効果を付与する弾薬MODを使ったりすることで、大量のゾンビに対抗するための強化を得られる。
マルチ推奨のハードな難易度
これほど強化が重要だと繰り返すのは、本作のゾンビモードで生き延びるのが簡単なことではないからだ。通常のゾンビは集団で出現し、走るスピードもかなり速い。1体キルするのに時間をかけている余裕はなく、手早くさばいていかなければならない。ボス級の特殊なゾンビは体力も防御力も高いため、強化していない武器ではまともなダメージを与えられないだろう。また、ゾンビ以外にも生きた人間(AI)が敵として出現し、遮蔽に隠れて攻撃を避けるなど賢い戦い方をしてくる。キャンペーンやマルチプレイヤーとは全く異なる世界観のモードだが、難易度はかなり高いと感じた。
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そんなゾンビモードはソロでも挑戦できるが、デフォルトでは3人のスクアッドで臨むスタイルとなっている。チームに仲間がいれば、ゾンビとの戦いもアイテム収集もやりやすいし、倒されてしまった場合に蘇生してもらえるため、生き延びる可能性はかなり高くなる。また、一度のミッションには最大64人が参加でき、プレイ中にほかのスクアッドと出会い、協力することもできる。
ソロプレイの利点としては、武器レベルをアップさせるためにゾンビを倒し続けたとして誰にも迷惑をかけないといったことが挙げられるが、攻略するうえではマルチプレイ推奨のゲームバランスになっていると思う。プレイするときは、仲間とともに本気で挑んでほしい。
【キャンペーン】マカロフの凶行を止めるべくTF141が世界を転戦するスリリングなストーリー
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本作のキャンペーンは、前作『Modern Warfare II』の正式な続編となるストーリーが描かれる。『Modern Warfare II』では、アメリカへの復讐に燃えるハッサン・ザイアニと世界規模の戦いを繰り広げたタスクフォース141の面々。裏切りや陰謀が渦巻くなか、なんとか世界の危機を防ぐことに成功した。しかし、本作ではさらなる危険人物、ロシアの超国家主義者であるウラジミール・マカロフが刑務所から脱獄し、世界大戦を引き起こそうと画策している。タスクフォース141は各地で発生するテロに対処しながら、マカロフを拘束すべくその身を追う、というのがストーリーの大筋だ。
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キャンペーンではタスクフォース141のメンバーであるジョン・プライス大尉、ジョン・”ソープ”・マクタビッシュ軍曹、カイル・”ギャズ”・ギャリック軍曹、サイモン・”ゴースト”・ライリー中尉を主なオペレーターとして操作していくが、ときには彼ら以外の人物で任務に挑むこともある。
そもそも最初のミッションである「627作戦」はマカロフの脱獄を描いており、プレイヤーはマカロフが率いるコンニ・グループの兵士として戦っている。また、タスクフォース141を指揮するケイト・ラズウェルや、ウラジクスタン解放軍リーダーのファラ・カリム、前作で死亡したと思われていたが生存が明らかとなったフィリップ・グレイヴスとしてミッションにあたることも。世界各地、さまざまな視点で描かれるストーリーは、大作映画のようなダイナミックな展開を見せ、プレイしていて実にスリリングだ。
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進行ルートと戦い方を自分で決める「オープンコンバットミッション」の高い自由度
シナリオベースで進むキャンペーンミッションは、進行ルートや使える武器がある程度決められており、その中でいかに攻略するかがこれまでの基本だった。しかし本作では、新たな試みとして「オープンコンバットミッション」というシステムを導入。進行ルートや武器をプレイヤー自身の判断で選べるようになっている。
序盤のミッション「原子炉」を例にすると、ここでは離陸前の戦闘ヘリを3機破壊してから、最終的に原子炉へ向かうことが目的。従来のキャンペーンミッションなら、ヘリA、ヘリB、ヘリCをその順番で破壊していくところだが、オープンコンバットミッションでは破壊する順番は自由に決められる。マップ内のいたるところには武器クレートが置いてあり、ライトマシンガンやグレネードランチャー、RPGといった大火力の武器も手に入り、ロードアウトそのものをミッション中に変えられるほか、航空支援などのストリーク的な要素も発見・使用することができる。発見した武器・装備しだいで攻略法がガラリと変わるため、火力と防御力に頼った正面突破のゴリ押しプレイも、敵兵の隙を突くステルスプレイも思いのままだ。
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また、ミッション中に発見した武器やアイテムは、同じミッションを再プレイするときに出撃前からロードアウトに組みこめる。最速クリアを目指すロードアウトを考えたり、あえてひとつの武器だけに縛ってみたりと、キャンペーンミッションでありながら多様なやり込み要素として楽しむこともできる。
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なお、すべてのキャンペーンミッションでオープンコンバットミッションが適用されるわけではなく、敵に発見されることが許されない潜入任務や、ガンシップからの航空支援任務なども用意されている。オープンコンバットミッションの自由度を体験しているからこそ、従来的な限られた状況の任務も新鮮な気持ちでプレイできるだろう。
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Call of Duty: Modern Warfare III
・発売元:Activision Publishing, Inc.
・フォーマット:PlayStation 5 / PlayStation 4
・ジャンル:アクション
・発売日:好評発売中
・価格:パッケージ版 希望小売価格 9,800円(税込)
ダウンロード版 販売価格 クロスジェンバンドル 9,800円(税込)
ダウンロード版 販売価格 秘蔵版 13,390円(税込)
・プレイ人数:1~2人(オンライン時:最大64人)
・CERO:Z(18才以上のみ対象)
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